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GAMERA -Rebirth- - (2025/07/11 (金) 23:06:24) の1つ前との変更点
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&font(#6495ED){登録日}:2025/06/29 Sun 08:55:20
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます
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#center(){
&sizex(6){&bold(){&color(#66cdaa,#000000){伝説が目を醒ます}}}
&sizex(6){&bold(){&color(#66cdaa,#000000){そして、少年たちは伝説を目撃する}}}
}
*【概要】
令和最初のガメラ作品にして、シリーズ初のアニメ作品。
2006年公開の映画『[[小さき勇者たち>小さき勇者たち~ガメラ~]]』から約17年ぶり((2015年の短編映像『GAMERA』を挟んでもだいたい8年ぶり。))のガメラシリーズ作品でもある。
1話45分の合計6話。
その後、2025年4月に全12話の30分番組として再編集されてNHK総合テレビにて放送された。
監督は『[[アニゴジ3部作>GODZILLA3部作(アニメ)]]』も担当した瀬下寛之。
アニメーション制作はENGI。
本作はフルCGアニメとなっており、怪獣たちが禍々しくかつ明らかに普通の生命体ではないかのように描かれているのに対して、人間のデザインはかなりシンプルでのっぺりとした質感で描かれているのが特徴。
世界観やストーリー自体は過去のシリーズとは一切繋がりがないが、過去作のオマージュ要素が随所に散りばめられている。
かつて瀬下が参加した2017年~2018年の『アニゴジ3部作』では怪獣バトルがほとんど禁止扱いだったせいか、本作では怪獣同士のバトル描写に力を入れているとされ、各話のクライマックスではガメラと敵怪獣の派手なプロレスが繰り広げられる。
舞台の年代は放送年からだいぶ時間を遡った平成元年の1989年代となっている。
一方で、登場する兵器や装備はそれ以降に開発されたものばかりであり、しかも既に月面の開発にも着手していたり((1971年公開の『[[対ジグラ>ガメラ対深海怪獣ジグラ]]』でも、同時期に大規模な月面基地が作られているという設定だったが。))と、現実よりも技術の発展ペースが早い世界として設定されている。
他にも監督自身の監修による本編のノベライズ版や、本作の怪獣が誕生するまでの経緯を描いた外伝漫画『コードテルソス』なども刊行されている。
製作陣は続編を作る気満々であるが、現時点まで次回作に関する情報は無い。
*【あらすじ】
舞台は1989年の夏。
ボコ、ジョー、ジュンイチの3人は自分たちから金をカツアゲしたブロディとその仲間たちにリベンジを試みようとするも、その最中に街でギャオスの群れが現れるという事態に直面してしまう。
必死でギャオスから逃げる子どもたちの前にガメラが現れ…。
*【主な登場人物】
・&bold(){ボコ/&ruby(わだ){和多}&ruby(ひろき){大輝}}
CV:[[金元寿子]]
11歳。正義感が強くて無鉄砲な性格。
教育熱心な母親の意向により、私立中学への受験のために引っ越すことが決まっている。ちなみに離婚済みのため父親は出てこない。
この事からジョーとジュンイチとは離れ離れになっても交流ができるようにと本格的な遠距離通信機器を購入するために三人でお金を貯めていた。
特殊な塩基配列(コード)の持ち主で、ガメラとは感覚的な繋がりがある事が示唆され、他の怪獣達の視界では他の人間とは別の配色で映るよう描写されている。
あだ名の由来は「いじめっこにボコボコにされていたから」。
・&bold(){ジョー/&ruby(まつだ){松田}&ruby(さとる){了}}
CV:[[松岡禎丞]]
12歳。ボコとジュンイチの兄貴分。喧嘩っぱやいが子どもたちの中では一番冷静で大人びた性格の持ち主。
過去に母親と弟が事故で死亡、悲しみにくれた父親は酒に溺れてほぼニート化という悲惨な家庭環境で育っており、困窮する家計を支えるためこっそり新聞配達のバイトをやっている。
上記の理由から危険に対する警戒心が強く、そのボコを死んだ自分の弟と重ね合わせているのか、最終的にはボコ達を守るために重大な決断を下す事になる。&bold(){&color(red){本作最大の漢。}}
あだ名の由来は「トイレに行く途中、いじめられているボコを見つけたため、彼を助けるためにいじめっこを殴ったのだが、その際に腹に力を入れすぎておしっこを漏らしてしまったから」。
・&bold(){ジュンイチ/&ruby(いちはら){市原}&ruby(じゅん){純}}
CV:[[豊崎愛生]]
12歳。メガネをかけていてボコ、ジョーとは別のクラスだが友達。
アニメ、オカルト、ミリタリーなど雑多なジャンルに興味を示すオタク。愛読書は『月刊ムー』と『聖戦士ダンバイン大全集』。
非常に行動力が高く好奇心旺盛。それと豊富な知識により間接的にだがジグラ撃破に貢献したすごい奴。
ただし自分が「変わり者」であるという自覚は強く、その事で悩んでいた所をボコとジョーに救われたという過去を持つ。
実は女の子。&font(l){わかるかぁ!}((実は1話のケンカの後にボコとジョーはボロボロになっていたが、ジュンイチは無傷(女の子なので待避していた・させられていた?)という伏線がこっそり張られている。))
・&bold(){ブロディ/ダグラス・ケン・オズボーン}
CV:[[木村昴]]
12歳。極東米軍福生基地の司令官であるレイモンド・オズボーンの一人息子。母親は日本人だが既に死別している。
アメフト部所属で小学生らしからぬ豪腕の持ち主だが、メンタルは繊細で、母親の死に加えて厳格にして立派な父親に対するコンプレックスや承認欲求で強いストレスを抱えていた。
そのため、アメフト部の仲間たちとつるんで「税金」&footnote(本人曰く、「アメリカは日本を守っているのだから金を払え」という理屈。)と称して周辺の小中学生から金を巻き上げ、ゲームセンターに入り浸るという荒れた生活を送っている。
ボコたちもその被害にあってしまうという形で出会ったため仲は最悪だったが、怪獣の襲撃から生き延びるために協力しあううちに和解した。&s(){分かりやすく言うとテレビのジャイアンから映画のジャイアンになった。まあ声優一緒だしね。}
・&bold(){ジェームズ・タザキ}
CV:[[宮野真守]]
32歳。日系アメリカ人でユースタス財団のエージェント。
ハーバード大学を卒業した凄腕のネゴシエーターだが、財団とはあくまでビジネスライクな関係で忠誠心はない。
既婚だったが子どもはあまり好きではなく、それが理由で元妻と別れたバツイチで、さらにロマンティストだった父親の反動からか実利主義のリアリストとなっている。
実は閉所恐怖症で、潜水艦に乗る際が一番取り乱していた。
&font(l){ボコたちからはその特徴的な前髪をよくネタにされている。}
・&bold(){エミコ・メルキオリ}
CV:[[早見沙織]]
19歳。ユースタス財団の科学研究部門のサポートサイエンティスト兼タザキの助手。
プリンストン大学出身で、財団評議会メンバーの一人のノーラ・メルキオリの姪でもある。
おっとりとした性格で子どもに優しく、特に気の合うジュンイチがお気に入りの模様。
美人だけど&bold(){友達がいない。}理由は本編を見ればわかる。声優の本気。
**自衛隊
・&bold(){&ruby(ささき){佐々木}&ruby(むねあつ){宗篤}}
CV:[[櫻井孝宏]]
陸上自衛隊戦車大隊長で、階級は二等陸佐。
財団からの圧力により日本国内で起きる怪獣災害でも自衛隊が出動できない中、待機中にお菓子を食べてはその包み紙で折り紙を作っていたりと妙に飄々とした態度を取っていた。
しかし、物語終盤にて遂に実戦と相成った際には自分の部隊が壊滅してもなお単騎で戦闘を続行するという凄まじい漢気を見せている。
小説版によると、幼少期の頃のある体験から既に怪獣に関する情報を有していた事が示唆されている。
・&bold(){&ruby(えなつ){江夏}&ruby(みお){美緒}}
CV:嶋村侑
佐々木の副官で、階級は三等陸佐。
政府からの待機命令を伝えてもマイペースを崩さない佐々木に困惑しきりっぱなしだった。
**ユースタス財団
***財団評議会
・&bold(){アンセルム・リューブラント}
CV:玉井勇輝
・&bold(){ウィンストン・グリフィス}
CV:[[羽多野渉]]
・&bold(){ノーラ・メルキオリ}
CV:大井麻利衣
・&bold(){プルデンシオ・フォルテア}
CV:[[武内駿輔]]
財団のトップたる評議員のメンバー。
現在では地球上にはおらず、財団が月に建設した月面基地内に滞在している。
タザキとエミコに対し、ボコら怪獣と接触した子供達、オリリウムの巨大結晶、そしてギャオスの死骸サンプルを与那国島沖の財団研究所に運ぶように命令した。
***セルケト号クルー
・&bold(){バーニー・ドーソン}
CV:中谷一博
・&bold(){ダリオ・モンテマジョル}
CV:大西弘祐
・&bold(){エルッキ・ピルホネン}
CV:藤原聖侑
・&bold(){ローデリヒ・アウラー}
CV:露崎亘
財団所有の輸送船「セルケト号」の船員達。
評議会の指示によりタザキ達をはじめとする人員、他にもギャオスの死骸やオリリウム鉱石など重要物資を与那国の研究施設へと輸送する任務を帯びる。
航海中のジグラ襲撃においてはボコ達とも協力して事態の打開を図るなど、今回の旅を経てタザキ達とはそれなりの信頼関係を築くのだが・・・?
**その他
・&bold(){&ruby(わだ){和多}&ruby(あいこ){藍子}}
CV:森なな子
ボコこと大輝の母で、職業は広告ライター。
既に夫とは離婚済みのシングルマザーで、息子思いではあるが彼の心情に対してはやや鈍感な所がある。
それでも息子の危機の際にはたとえ相手が米国の軍人であろうと強気に出る肝っ玉母さんでもある。
・&bold(){レイモンド・オズボーン}
CV:[[中井和哉]]
在日米軍の司令官を務めているブロディの父親。
死んだ妻が日本人だったというのもあってか割と親日的で、災害時には民間人の救助と避難を優先する誠実な軍人。
一方で、息子に対しては職業柄か厳しい態度で接する事が多く、それが彼のコンプレックスを助長させている事には気づいていない。
日本の自衛隊どころか米軍にも干渉してくる財団には強い不信感を抱いている。
*【登場怪獣】
登場するガメラ以外の怪獣は全て昭和シリーズに登場した怪獣のリファインとなっており、全員が&bold(){約50年ぶりの出番}となった。
・&sizex(4){&bold(){&color(#3cb371,#000000){ガメラ}}}
空飛ぶ火吹きカメ。
2015年公開の短編版に登場した個体に近いマッシブな体付きと重厚な甲羅が特徴で、他の怪獣たちが全員赤目の中唯一目が青い。
飛行時には平成版と同じく両腕を翼か鰭のように変形させてその翼からもエネルギーを噴射して航行し、緊急時には手足を引っ込めた後に体からエネルギーを噴き出して高速回転しながら浮遊する所謂「回転ジェット」モードに移行する。
武器はお馴染みの火球「火焔弾」の他、腕を赤熱化する「塵滅手」など使い、さらに戦いの中で「電磁パルス放射」「重力場制御」「荷電重粒子ビーム」など、新たな技を獲得するようになる。
全面的に人類…というかボコ達の味方であり、彼らが危機になるとどこからともなく飛来して彼らを守るかのように振る舞い、敵怪獣との戦いでもその子供達を守る、庇うような戦い方をする。
今回出てくる人類の兵器が怪獣に対してほぼ無力であるため、事実上怪獣に対抗する唯一の戦力となっているのだが、後半は敵怪獣を倒しても&bold(){1日どころか数時間ぐらいで新しい怪獣が暴れだす}ため体を癒す間もなくどんどんボロボロになっていった。
・&sizex(4){&bold(){&color(#4b0082,#ff4500){ギャオス}}}
もはやシリーズお馴染みの怪鳥。
全体的に平成よりのデザインだが、頭部の角が微妙に反り返っており、目も眼球が剥き出しというかなり醜悪な姿となっている。
積極的に超音波メスで人間をサイコロにし、さらに口からカメレオンのように長い舌を伸ばして獲物となる人間を捕食する。
群れで行動しており、数メートル程度の小型の個体の他に数十メートルのリーダー格である大型の個体が存在し、後者がガメラと交戦した。
ニューギニア島地下の大空洞に残されていた無数の卵から誕生して日本に飛来し、在日米軍のエアフォースを相手に大暴れして圧勝する活躍を見せた。
・&sizex(4){&bold(){&color(#483d8b,#ff1493){ジャイガー}}}
巨大な角と牙、そして額にある第三の目が特徴の厳つい頭部と、その頭部と比較して細身の胴体という歪な姿の怪獣。
武器は尻尾の先端にある鋭利な針で、それを執拗に相手に突き刺して攻撃する。
財団の研究施設に管理されていたインドネシアで発見されたという卵から孵化して施設から脱走。最初は複数の個体で、サイズも子犬程度だったが、共食いを繰り返した果てに超大型の一個体となった。
マグネチューム光波砲や唾液固形ニードルミサイルなど非常に多芸だった原典と違い、今回は上記の通り尻尾の刺突攻撃しか武器らしい武器がないというかなりのナーフを食らっている。
・&sizex(4){&bold(){&color(#c0c0c0,#0000cd){ジグラ}}}
鰭が左右に大きく広がるエイのようなシルエットを持つ水棲怪獣。
スーパーキャビテーション((体の周りに細かい気泡の膜を形成して水の抵抗を極限まで減らす原理))を発生させて海中を200ノット(370km/h)以上の超高速で巡行できる。
胸部から放つ「液状弾」により抵抗の強い水中でも長距離攻撃を可能とし、さらに胴体の何倍も伸びる先端が鋭利になっている尻尾で相手を奇襲する。
場合によっては液状弾を乱射し、その際に生じた水中振動を感じ取る事でソナーのようにエコロケーションを駆使して広範囲を探知する。
ただ海中特化と言ってよい巨体と身体構造から陸上での活動はやや苦手。
南太平洋パスクア島近辺の海中で発見された卵から誕生し、財団所有の大型客船を襲撃して乗員や乗客を捕食した後にボコ達の乗るセルケト号に襲い掛かった。
原典ではれっきとした異星人であるが本作ではただの怪獣で、姿も原典とは大幅に異なるが、「エイに似た姿」はジグラのデザインの没案でありそれを再利用した形である。
・&sizex(4){&bold(){&color(#afeeee,#191970){ギロン}}}
尻尾の無い蜥蜴のような体に鋭利な刃そのものの頭部という歩く包丁みたいな怪獣。
分厚い出刃包丁のような頭部だったオリジナルと違い、本作では細長いナイフの先端の如きシャープな頭部が特徴。&font(l){元からかなりの色物なのに…。}
その頭部は超高振動波ブレードとなっており、また下の部分が左右に開く事で内側の口が露出するという独特な構造になっている。
見かけによらず俊敏であり、アグレッシブに飛び跳ねて体全体を振り回すようにして頭の刃で対象を斬りつけ、さらに中距離の相手には背中の鱗を手裏剣のように飛ばして攻撃する。
ニウエ島の採掘基地で発見された卵から孵化、地中を掘り進んでジグラの死骸のある島に出現してその死骸を食らって腹を満たすと今度は海を渡って与那国沖の研究所を襲撃した。
・&sizex(4){&bold(){&color(#b8860b,#ffd700){バイラス}}}
パラボラのように展開する腹と先端にも捕食器官が付いた触腕を持つ巨大イカ。
原典よりもさらにイカに近いデザインで、体色も銀から金に変更、そして顔つきもより凶悪な面構えになっている。
戦闘能力でいえばガメラと同等の最強クラスの怪獣であり、「黄金色の悪魔」という異名で呼ばれ、発電能力と反重力を操る能力を駆使して「ヘムデンの雷」と称される&bold(){荷電重粒子砲をぶっぱなしたり、不可視のバリアを張ったり、挙句にはロケットのように空を飛んだり}と中々のやりたい放題ぶりを見せる。
沖縄県の与那国島沖の地底にてミイラ化した状態で発見され、このバイラスのいる地点の上に財団の研究施設が建てられてそこで管理されていた。
しかし、ある者の思惑によってギャオスの死骸やオリリウムからのエネルギーを与えられて息を吹き返し、やがて地上に出て暴れ始めた。
こちらも原典では異星人が合体した姿という設定だったが、本作ではただの怪獣扱いになっている。
一方では閉じた頭を槍代わりにするしか武器がなく、むしろシリーズ最弱的存在だったオリジナルと比べると&font(l){ジャイガーとは対照的に}かなり能力が盛られている。
#openclose(show=ラスボスネタバレ){
・&sizex(4){&bold(){&color(#b0e0e6,#c71585){エスギャオス}}}
ギャオスの突然変異個体。
ガメラシリーズでも最大級のサイズとなっており、頭部には襟巻のような被膜が形成され、目も複眼なのが特徴。
口からの超音波メスは&bold(){島の入り江を一撃で真っ二つに割るほどの威力}となるなど、通常のギャオスをはるかに上回る攻撃力と防御力を持つ。
さらに長い舌を相手の体に打ち込み、そこから対象の遺伝子情報の一部を書き換えるウイルスを注入する。
その代わり巨大化しすぎたせいか飛行能力を失っており、移動する際には海を泳ぐか、這うようにして歩行するしかなく、動きは鈍重である。
バイラスの復活のため取り込まれたギャオスの細胞がバイラスの体内で再生し、バイラスの死後その体を食い破って脱出。
そのバイラスの死骸を全て食らって巨大化すると、ボコとガメラを狙って両者のいる石垣島を襲い、ガメラの保護施設を守っていた自衛隊を蹴散らしてガメラに迫った。
作中では「醜いアヒルの子」とも「鴎のジョナサン」とも評された。&font(l){こんな白鳥は嫌だ。}
名前の「エス」は「Special Mutation」を意味するが、制作陣は「すごいギャオス」という意味も込めているらしい。
ギャオスの変異体、頭部の襟巻状の部位、武器になる長い舌という設定からモデルは『小さき勇者たち』のジーダスではないかとも。
}
#openclose(show=怪獣たちの真実){
実は本作の怪獣たちは&bold(){10万年前に栄えた超古代文明((外伝漫画では「エリシタニア」と呼ばれていた。))が産み出した人工生命体にして生体兵器}である。いわば原典における平成版[[ガメラ>ガメラ(平成)]]や[[ギャオス>ギャオス(平成シリーズ)]]と同じ存在にあたる。
10万年前においては過剰に増加した人口を削減するという「浄化」の名目の元に人間を捕食する天敵((これは『[[ガメラ3>ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒]]』にてギャオスが生み出された理由の一つとして提唱されていた設定でもある。))として創造されたが、それに反対していた人間によりガメラだけが&bold(){最後の希望}として、人類を守るように再プログラムされ、そのガメラの反逆によりこの時の浄化計画は失敗に終わったらしい。
小説版によると上記の面々にバルゴンを加えた合計&bold(){24種類}の怪獣が開発されていたとされ、外見こそ大きく異なるが、それぞれが分岐・派生して誕生した兄弟姉妹の間柄にあり、体内構造は似通った部分が多い。
他の怪獣達が子ども、特にボコを狙うのは&bold(){彼を食すことで爆発的に増殖することが可能となるから}であり、超古代文明の末裔であるユースタス財団評議会のメンバーは&bold(){&color(red){これを利用して人類を再び「浄化」することを目論んでいた。}}
要するに、本作に登場する怪獣は、&bold(){敵味方問わず全員人間のエゴの被害者}と言える。
}
詳しいガメラファンはもうお気付きかもしれないが、本作に再登場した昭和怪獣の中で『[[対バルゴン>大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン]]』の&bold(){バルゴンのみ未登場となっている。}
配信前の情報では“本作に登場するガメラ以外の怪獣は全5種”とアナウンスとされていたため、過去作の6種の中から一匹が除外される可能性はあったが、それがバルゴンという事であった。&font(l){奴が何をしたっていうんだ。}
一応、設定上は存在しているとされ、瀬下監督によると「もし本作の続編があったら出したい」とか言っていたがいつかその時は来るのだろうか?
*【用語】
-&bold(){ユースタス財団}
国際的に多大な影響力を持つ慈善団体。
民間の団体ながら、一国の政府や軍部にすら干渉できる権力を持ち、さらに月に大規模な居住施設を建造できるなど、この時代から見ても突出した科学力を保有している。
-&bold(){コード}
特殊な塩基配列の遺伝子情報を有する特定の子供の通称。
これを取り込んだ怪獣は急激な自己増殖を開始して地球全体に広まって人間を食らい尽くし、それから約一ヶ月半後にその怪獣達は肉体が限界を迎えて全滅、最終的に地上には僅かな人間しか残らないという。
しかし、中には「マイナスコード」というものも存在しているらしく、これ取り込んだ怪獣は暴走して制御不能になってしまうため、このコードとされる人間の選定には慎重になる必要がある。
-&bold(){オリリウム}
怪獣達のエネルギー源となる水晶のような鉱物。
この物質から放出される振動波には怪獣の細胞を活性化する作用があり、さらにそれの振動波を増幅できればその効果はより高まるとされる。
*【楽曲】
主題歌「夏暁」とエンディングテーマ「FLY & DIVE」は、WANIMAが担当する。作詞・作曲はKENTA、編曲はWANIMA。
なお、映像はどちらも本編の流用であるため、ネタバレが嫌な人は観察しないことをおすすめする。&font(l){何しろこれだけで「昭和組でバルゴンだけハブられてるー!?」とわかる内容なので…。}
なお、最終話のエンディングには昭和シリーズのテーマであった「ガメラマーチ」のバラード風アレンジが使用された。
#center(){追記・修正に、}
#center(){感謝を。}
#center(){感謝を。}
#center(){感謝を。}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,4)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 続編でガメラシリーズ以外の大映特撮のキャラとか出たりしないだろうか -- 名無しさん (2025-06-29 10:16:19)
- 古代文化全く関係ないレギオンが襲来! -- 名無しさん (2025-06-29 11:56:59)
- なんでボコ達が執拗に狙われるのか分らんかった。過去の重要人物の生まれ変わりとか? -- 名無しさん (2025-06-29 14:57:56)
- ネタバレに書いてある通りだよ。財団は特殊なDNAを持つポコをほかの子供と共に保護の名目で怪獣に食わせて増殖させようとした -- 名無しさん (2025-06-29 16:02:34)
- 間違えたボコだ -- 名無しさん (2025-06-29 16:03:43)
- あだ名一人だけ原型とどめてる子、趣味嗜好的に矢追純一からきてるのかな? -- 名無しさん (2025-06-29 22:44:33)
- ジュンイチが女の子っていう伏線は結構細かくて、両親からのジュンちゃん呼び、トイレの話になると「デリカシーがない」と気にする、対ブロディ用兵器を作っているとき一人だけタチションに加わらない等々…… -- 名無しさん (2025-06-29 22:53:41)
- ↑5 怪獣達は人間の子供を特に積極的に食べるようにプログラムされてるんだけどごく稀に特定の遺伝子コードを持ってる子供がいて、それを食べると怪獣は爆発的に増殖するよう設定されてる。だからコード持ちのボコを見つけると執拗に狙ってくる -- 名無しさん (2025-06-29 23:20:11)
- ブロディも12歳だったのか。体がでかいからこいつだけ14歳ぐらいだと思ってた -- 名無しさん (2025-06-30 14:57:00)
- 今作の怪獣は皆人間に作られた被害者だけどそれはそれとして人間をいたぶって苦しませるのを楽しむ性格してるので同情してたらこっちがやられるのよね -- 名無しさん (2025-06-30 18:57:30)
- 僕達は子供大好き怪獣です -- 名無しさん (2025-06-30 23:49:51)
- 昭和ガメラの血を濃く引いた作品が令和に見られて良かった。やっぱりガメラは子供たちのヒーローであってほしい -- 名無しさん (2025-07-01 00:10:46)
- 小説版もオマージュ満載で良かった。怪獣たちのモノローグとか、ラストシーンのガメラを小さな〇〇と表現する一文が -- 名無しさん (2025-07-01 19:50:23)
- ↑12 妖怪ものと大魔神は数年前に『妖怪大戦争 ガーディアンズ』でやったから、『宇宙人東京に現わる』や透明人間ものに没作品のネズラとか?他は原作ものだしなあ…。 -- 名無しさん (2025-07-02 09:18:51)
- 早見沙織が恨みをこめて「ガメラァァァ!」と叫ばせた作品 -- 名無しさん (2025-07-02 11:23:31)
- しっかり怪獣プロレスしてて、迫力凄かった作品。特に初報PVで散々アピールしてたジャイガー戦と、作風シリアスだから出ないかな? と思ってたガメラの円盤飛行が決め手になった、ほぼ戦闘回のギロン戦は最高だった。 -- 名無しさん (2025-07-02 13:56:06)
- ラストのガメラ可愛すぎるぞ -- 名無しさん (2025-07-03 12:15:17)
- 竜頭蛇尾ぎみになるのと、序盤のブロディの所業がちとアレ。 -- 名無しさん (2025-07-03 12:16:57)
#comment()
#areaedit(end)
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*【概要】
令和最初のガメラ作品にして、シリーズ初のアニメ作品。
2006年公開の映画『[[小さき勇者たち>小さき勇者たち~ガメラ~]]』から&bold(){約17年ぶり}((2015年の短編映像『GAMERA』を挟んでもだいたい8年ぶり。))のガメラシリーズ作品でもある。
1話45分の合計6話。
その後、2025年4月に全12話の30分番組として再編集されてNHK総合テレビにて放送された。
監督は『[[アニゴジ3部作>GODZILLA3部作(アニメ)]]』も担当した瀬下寛之。
アニメーション制作はENGI。
本作はフルCGアニメとなっており、怪獣たちが禍々しくかつ明らかに普通の生命体ではないかのように描かれているのに対して、人間のデザインはかなりシンプルでのっぺりとした質感で描かれているのが特徴。
世界観やストーリー自体は過去のシリーズとは一切繋がりがないが、過去作のオマージュ要素が随所に散りばめられている。
かつて瀬下が参加した2017年~2018年の『アニゴジ3部作』では怪獣バトルがほとんど禁止扱いだったせいか、本作では怪獣同士のバトル描写に力を入れているとされ、各話のクライマックスではガメラと敵怪獣の本格的なプロレスが繰り広げられる。
舞台の年代は放送年からだいぶ時間を遡った平成元年の1989年代となっている。
一方で、登場する兵器や装備はそれ以降に開発されたものばかりであり、しかも既に月面の開発にも着手していたり((1971年公開の『[[対ジグラ>ガメラ対深海怪獣ジグラ]]』でも、同時期に大規模な月面基地が作られているという設定だったが。))と、現実よりも技術の発展ペースが早い世界として設定されている。
他にも監督自身の監修による本編のノベライズ版や、本作の怪獣が誕生するまでの経緯を描いた外伝漫画『コードテルソス』なども刊行されている。
製作陣は続編を作る気満々であるが、現時点まで次回作に関する情報は無い。
*【あらすじ】
舞台は1989年の夏。
ボコ、ジョー、ジュンイチの3人は自分たちから金をカツアゲしたブロディとその仲間たちにリベンジを試みようとするも、その最中に街でギャオスの群れが現れるという事態に直面してしまう。
必死でギャオスから逃げる子どもたちの前にガメラが現れ…。
*【主な登場人物】
・&bold(){ボコ/&ruby(わだ){和多}&ruby(ひろき){大輝}}
CV:[[金元寿子]]
11歳。正義感が強くて無鉄砲な性格。
教育熱心な母親の意向により、私立中学への受験のために引っ越すことが決まっている。ちなみに離婚済みのため父親は出てこない。
この事からジョーとジュンイチとは離れ離れになっても交流ができるようにと本格的な遠距離通信機器を購入するために三人でお金を貯めていた。
特殊な塩基配列(コード)の持ち主で、ガメラとは感覚的な繋がりがある事が示唆され、他の怪獣達の視界では他の人間とは別の配色で映るよう描写されている。
あだ名の由来は「いじめっこにボコボコにされていたから」。
・&bold(){ジョー/&ruby(まつだ){松田}&ruby(さとる){了}}
CV:[[松岡禎丞]]
12歳。ボコとジュンイチの兄貴分。喧嘩っぱやいが子どもたちの中では一番冷静で大人びた性格の持ち主。
過去に母親と弟が事故で死亡、悲しみにくれた父親は酒に溺れてほぼニート化という悲惨な家庭環境で育っており、困窮する家計を支えるためこっそり新聞配達のバイトをやっている。
上記の理由から危険に対する警戒心が強く、そのボコを死んだ自分の弟と重ね合わせているのか、最終的にはボコ達を守るために重大な決断を下す事になる。&bold(){&color(red){本作最大の漢。}}
あだ名の由来は「トイレに行く途中、いじめられているボコを見つけたため、彼を助けるためにいじめっこを殴ったのだが、その際に腹に力を入れすぎておしっこを漏らしてしまったから」。
・&bold(){ジュンイチ/&ruby(いちはら){市原}&ruby(じゅん){純}}
CV:[[豊崎愛生]]
12歳。メガネをかけていてボコ、ジョーとは別のクラスだが友達。
アニメ、オカルト、ミリタリーなど雑多なジャンルに興味を示すオタク。愛読書は『月刊ムー』と『聖戦士ダンバイン大全集』。
非常に行動力が高く好奇心旺盛。それと豊富な知識により間接的にだがジグラ撃破に貢献したすごい奴。
ただし自分が「変わり者」であるという自覚は強く、その事で悩んでいた所をボコとジョーに救われたという過去を持つ。
実は女の子。&font(l){わかるかぁ!}((実は1話のケンカの後にボコとジョーはボロボロになっていたが、ジュンイチは無傷(女の子なので待避していた・させられていた?)という伏線がこっそり張られている。))
・&bold(){ブロディ/ダグラス・ケン・オズボーン}
CV:[[木村昴]]
12歳。極東米軍福生基地の司令官であるレイモンド・オズボーンの一人息子。母親は日本人だが既に死別している。
アメフト部所属で小学生らしからぬ豪腕の持ち主だが、メンタルは繊細で、母親の死に加えて厳格にして立派な父親に対するコンプレックスや承認欲求で強いストレスを抱えていた。
そのため、アメフト部の仲間たちとつるんで「税金」&footnote(本人曰く、「アメリカは日本を守っているのだから金を払え」という理屈。)と称して周辺の小中学生から金を巻き上げ、ゲームセンターに入り浸るという荒れた生活を送っている。
ボコたちもその被害にあってしまうという形で出会ったため仲は最悪だったが、怪獣の襲撃から生き延びるために協力しあううちに和解した。&s(){分かりやすく言うとテレビのジャイアンから映画のジャイアンになった。まあ声優一緒だしね。}
・&bold(){ジェームズ・タザキ}
CV:[[宮野真守]]
32歳。日系アメリカ人でユースタス財団のエージェント。
ハーバード大学を卒業した凄腕のネゴシエーターだが、財団とはあくまでビジネスライクな関係で忠誠心はない。
既婚だったが子どもはあまり好きではなく、それが理由で元妻と別れたバツイチで、さらにロマンティストだった父親の反動からか実利主義のリアリストとなっている。
実は閉所恐怖症で、潜水艦に乗る際が一番取り乱していた。
&font(l){ボコたちからはその特徴的な前髪をよくネタにされている。}
・&bold(){エミコ・メルキオリ}
CV:[[早見沙織]]
19歳。ユースタス財団の科学研究部門のサポートサイエンティスト兼タザキの助手。
プリンストン大学出身で、財団評議会メンバーの一人のノーラ・メルキオリの姪でもある。
おっとりとした性格で子どもに優しく、特に気の合うジュンイチがお気に入りの模様。
美人だけど&bold(){友達がいない。}理由は本編を見ればわかる。声優の本気。
**自衛隊
・&bold(){&ruby(ささき){佐々木}&ruby(むねあつ){宗篤}}
CV:[[櫻井孝宏]]
陸上自衛隊戦車大隊長で、階級は二等陸佐。
財団からの圧力により日本国内で起きる怪獣災害でも自衛隊が出動できない中、待機中にお菓子を食べてはその包み紙で折り紙を作っていたりと妙に飄々とした態度を取っていた。
しかし、物語終盤にて遂に実戦と相成った際には自分の部隊が壊滅してもなお単騎で戦闘を続行するという凄まじい漢気を見せている。
小説版によると、幼少期の頃のある体験から既に怪獣に関する情報を有していた事が示唆されている。
・&bold(){&ruby(えなつ){江夏}&ruby(みお){美緒}}
CV:嶋村侑
佐々木の副官で、階級は三等陸佐。
政府からの待機命令を伝えてもマイペースを崩さない佐々木に困惑しきりっぱなしだった。
**ユースタス財団
***財団評議会
・&bold(){アンセルム・リューブラント}
CV:玉井勇輝
・&bold(){ウィンストン・グリフィス}
CV:[[羽多野渉]]
・&bold(){ノーラ・メルキオリ}
CV:大井麻利衣
・&bold(){プルデンシオ・フォルテア}
CV:[[武内駿輔]]
財団のトップたる評議員のメンバー。
現在では地球上にはおらず、財団が月に建設した月面基地内に滞在している。
タザキとエミコに対し、ボコら怪獣と接触した子供達、オリリウムの巨大結晶、そしてギャオスの死骸サンプルを与那国島沖の財団研究所に運ぶように命令した。
***セルケト号クルー
・&bold(){バーニー・ドーソン}
CV:中谷一博
・&bold(){ダリオ・モンテマジョル}
CV:大西弘祐
・&bold(){エルッキ・ピルホネン}
CV:藤原聖侑
・&bold(){ローデリヒ・アウラー}
CV:露崎亘
財団所有の輸送船「セルケト号」の船員達。
評議会の指示によりタザキ達をはじめとする人員、他にもギャオスの死骸やオリリウム鉱石など重要物資を与那国の研究施設へと輸送する任務を帯びる。
航海中のジグラ襲撃においてはボコ達とも協力して事態の打開を図るなど、今回の旅を経てタザキ達とはそれなりの信頼関係を築くのだが・・・?
**その他
・&bold(){&ruby(わだ){和多}&ruby(あいこ){藍子}}
CV:森なな子
ボコこと大輝の母で、職業は広告ライター。
既に夫とは離婚済みのシングルマザーで、息子思いではあるが彼の心情に対してはやや鈍感な所がある。
それでも息子の危機の際にはたとえ相手が米国の軍人であろうと強気に出る肝っ玉母さんでもある。
・&bold(){レイモンド・オズボーン}
CV:[[中井和哉]]
在日米軍の司令官を務めているブロディの父親。
死んだ妻が日本人だったというのもあってか割と親日的で、災害時には民間人の救助と避難を優先する誠実な軍人。
一方で、息子に対しては職業柄か厳しい態度で接する事が多く、それが彼のコンプレックスを助長させている事には気づいていない。
日本の自衛隊どころか米軍にも干渉してくる財団には強い不信感を抱いている。
*【登場怪獣】
登場するガメラ以外の怪獣は全て昭和シリーズに登場した怪獣のリファインとなっており、全員が&bold(){約50年ぶりの出番}となった。
・&sizex(4){&bold(){&color(#3cb371,#000000){ガメラ}}}
空飛ぶ火吹きカメ。
2015年公開の短編版に登場した個体に近いマッシブな体付きと重厚な甲羅が特徴で、他の怪獣たちが全員赤目の中唯一目が青い。
飛行時には平成版と同じく両腕を翼か鰭のように変形させてその翼からもエネルギーを噴射して航行し、緊急時には手足を引っ込めた後に体からエネルギーを噴き出して高速回転しながら浮遊する所謂「回転ジェット」モードに移行する。
武器はお馴染みの火球「火焔弾」の他、腕を赤熱化する「塵滅手」など使い、さらに戦いの中で「電磁パルス放射」「重力場制御」「荷電重粒子ビーム」など、新たな技を獲得するようになる。
全面的に人類…というかボコ達の味方であり、彼らが危機になるとどこからともなく飛来して彼らを守るかのように振る舞い、敵怪獣との戦いでもその子供達を守る、庇うような戦い方をする。
今回出てくる人類の兵器が怪獣に対してほぼ無力であるため、事実上怪獣に対抗する唯一の戦力となっているのだが、後半は敵怪獣を倒しても&bold(){1日どころか数時間ぐらいで新しい怪獣が暴れだす}ため体を癒す間もなくどんどんボロボロになっていった。
・&sizex(4){&bold(){&color(#4b0082,#ff4500){ギャオス}}}
もはやシリーズお馴染みの怪鳥。
全体的に平成よりのデザインだが、頭部の角が微妙に反り返っており、目も眼球が剥き出しというかなり醜悪な姿となっている。
積極的に超音波メスで人間をサイコロにし、さらに口からカメレオンのように長い舌を伸ばして獲物となる人間を捕食する。
群れで行動しており、数メートル程度の小型の個体の他に数十メートルのリーダー格である大型の個体が存在し、後者がガメラと交戦した。
ニューギニア島地下の大空洞に残されていた無数の卵から誕生して日本に飛来し、在日米軍のエアフォースを相手に大暴れして圧勝する活躍を見せた。
・&sizex(4){&bold(){&color(#483d8b,#ff1493){ジャイガー}}}
巨大な角と牙、そして額にある第三の目が特徴の厳つい頭部と、その頭部と比較して細身の胴体という歪な姿の怪獣。
武器は尻尾の先端にある鋭利な針で、それを執拗に相手に突き刺して攻撃する。
財団の研究施設に管理されていたインドネシアで発見されたという卵から孵化して施設から脱走。最初は複数の個体で、サイズも子犬程度だったが、共食いを繰り返した果てに超大型の一個体となった。
マグネチューム光波砲や唾液固形ニードルミサイルなど非常に多芸だった原典と違い、今回は上記の通り尻尾の刺突攻撃しか武器らしい武器がないというかなりのナーフを食らっている。
・&sizex(4){&bold(){&color(#c0c0c0,#0000cd){ジグラ}}}
鰭が左右に大きく広がるエイのようなシルエットを持つ水棲怪獣。
スーパーキャビテーション((体の周りに細かい気泡の膜を形成して水の抵抗を極限まで減らす原理。))を発生させて海中を200ノット(370km/h)以上の超高速で巡行できる。
胸部から放つ「液状弾」により抵抗の強い水中でも長距離攻撃を可能とし、さらに胴体の何倍も伸びる先端が鋭利になっている尻尾で相手を奇襲する。
場合によっては液状弾を乱射し、その際に生じた水中振動を感じ取る事でソナーのようにエコロケーションを駆使して広範囲を探知する。
ただ海中特化と言ってよい巨体と身体構造から陸上での活動はやや苦手。
南太平洋パスクア島近辺の海中で発見された卵から誕生し、財団所有の大型客船を襲撃して乗員や乗客を捕食した後にボコ達の乗るセルケト号に襲い掛かった。
原典ではれっきとした異星人であるが本作ではただの怪獣で、姿も原典とは大幅に異なるが、「エイに似た姿」はジグラのデザインの没案でありそれを再利用した形である。
・&sizex(4){&bold(){&color(#afeeee,#191970){ギロン}}}
尻尾の無い蜥蜴のような体に鋭利な刃そのものの頭部という歩く包丁みたいな怪獣。
分厚い出刃包丁のような頭部だったオリジナルと違い、本作では細長いナイフの先端の如きシャープな頭部が特徴。&font(l){元からかなりの色物なのに…。}
その頭部は超高振動波ブレードとなっており、また下の部分が左右に開く事で内側の口が露出するという独特な構造になっている。
見かけによらず俊敏であり、アグレッシブに飛び跳ねて体全体を振り回すようにして頭の刃で対象を斬りつけ、さらに中距離の相手には背中の鱗を手裏剣のように飛ばして攻撃する。
ニウエ島の採掘基地で発見された卵から孵化、地中を掘り進んでジグラの死骸のある島に出現してその死骸を食らって腹を満たすと今度は海を渡って与那国沖の研究所を襲撃した。
・&sizex(4){&bold(){&color(#b8860b,#ffd700){バイラス}}}
パラボラのように展開する腹と先端にも捕食器官が付いた触腕を持つ巨大イカ。
原典よりもさらにイカに近いデザインで、体色も銀から金に変更、そして顔つきもより凶悪な面構えになっている。
戦闘能力でいえばガメラと同等の最強クラスの怪獣であり、「黄金色の悪魔」という異名で呼ばれ、発電能力と反重力を操る能力を駆使して「ヘムデンの雷」と称される&bold(){荷電重粒子砲をぶっぱなしたり、不可視のバリアを張ったり、挙句にはロケットのように空を飛んだり}と中々のやりたい放題ぶりを見せる。
沖縄県の与那国島沖の地底にてミイラ化した状態で発見され、このバイラスのいる地点の上に財団の研究施設が建てられてそこで管理されていた。
しかし、ある者の思惑によってギャオスの死骸やオリリウムからのエネルギーを与えられて息を吹き返し、やがて地上に出て暴れ始めた。
こちらも原典では異星人が合体した姿という設定だったが、本作ではただの怪獣扱いになっている。
一方では閉じた頭を槍代わりにするしか武器がなく、むしろシリーズ最弱的存在だったオリジナルと比べると&font(l){ジャイガーとは対照的に}かなり能力が盛られている。
#openclose(show=ラスボスネタバレ){
・&sizex(4){&bold(){&color(#b0e0e6,#c71585){エスギャオス}}}
ギャオスの突然変異個体。
ガメラシリーズでも最大級のサイズとなっており、頭部には襟巻のような被膜が形成され、目も複眼なのが特徴。
口からの超音波メスは&bold(){島の入り江を一撃で真っ二つに割るほどの威力}となるなど、通常のギャオスをはるかに上回る攻撃力と防御力を持つ。
さらに長い舌を相手の体に打ち込み、そこから対象の遺伝子情報の一部を書き換えるウイルスを注入する。
その代わり巨大化しすぎたせいか飛行能力を失っており、移動する際には海を泳ぐか、這うようにして歩行するしかなく、動きは鈍重である。
バイラスの復活のため取り込まれたギャオスの細胞がバイラスの体内で再生し、バイラスの死後その体を食い破って脱出。
そのバイラスの死骸を全て食らって巨大化すると、ボコとガメラを狙って両者のいる石垣島を襲い、ガメラの保護施設を守っていた自衛隊を蹴散らしてガメラに迫った。
作中では「醜いアヒルの子」とも「鴎のジョナサン」とも評された。&font(l){こんな白鳥も鴎も嫌だ。}
名前の「エス」は「Special Mutation」を意味するが、制作陣は「すごいギャオス」という意味も込めているらしい。
ギャオスの変異体、頭部の襟巻状の部位、武器になる長い舌という設定からモデルは『小さき勇者たち』のジーダスではないかとも。
}
#openclose(show=怪獣たちの真実){
実は本作の怪獣たちは&bold(){10万年前に栄えた超古代文明((外伝漫画では「エリシタニア」と呼ばれていた。))が産み出した人工生命体にして生体兵器}である。いわば原典における平成版[[ガメラ>ガメラ(平成)]]や[[ギャオス>ギャオス(平成シリーズ)]]と同じ存在にあたる。
10万年前においては過剰に増加した人口を削減するという「浄化」の名目の元に人間を捕食する天敵((これは『[[ガメラ3>ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒]]』にてギャオスが生み出された理由の一つとして提唱されていた設定でもある。))として創造されたが、それに反対していた人間によりガメラだけが&bold(){最後の希望}として、人類を守るように再プログラムされ、そのガメラの反逆によりこの時の浄化計画は失敗に終わったらしい。
小説版によると上記の面々にバルゴンを加えた合計&bold(){24種類}の怪獣が開発されていたとされ、外見こそ大きく異なるが、それぞれが分岐・派生して誕生した兄弟姉妹の間柄にあり、体内構造は似通った部分が多い。
他の怪獣達が子ども、特にボコを狙うのは&bold(){彼を食すことで爆発的に増殖することが可能となるから}であり、超古代文明の末裔であるユースタス財団評議会のメンバーは&bold(){&color(red){これを利用して人類を再び「浄化」することを目論んでいた。}}
要するに、本作に登場する怪獣は、&bold(){敵味方問わず全員人間のエゴの被害者}と言える。
}
詳しいガメラファンはもうお気付きかもしれないが、本作に再登場した昭和怪獣の中で『[[対バルゴン>大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン]]』の&bold(){バルゴンのみ未登場となっている。}
配信前の情報では“本作に登場するガメラ以外の怪獣は全5種”とアナウンスとされていたため、過去作の6種の中から一匹が除外される可能性はあったが、それがバルゴンという事であった。&font(l){奴が何をしたっていうんだ。}
一応、設定上は存在しているとされ、瀬下監督によると「もし本作の続編があったら出したい」とか言っていたがいつかその時は来るのだろうか?
*【用語】
-&bold(){ユースタス財団}
国際的に多大な影響力を持つ慈善団体。
民間の団体ながら一国の政府や軍部にすら干渉できる権力を持ち、さらに月に大規模な居住施設を建造できるなど、この時代から見ても突出した科学力を保有している。
-&bold(){コード}
特殊な塩基配列の遺伝子情報を有する特定の子供の通称。
これを取り込んだ怪獣は急激な自己増殖を開始して地球全体に広まって人間を食らい尽くし、それから約一ヶ月半後にその怪獣達は肉体が限界を迎えて全滅、最終的に地上には僅かな人間しか残らないという。
しかし、中には「マイナスコード」というものも存在しているらしく、これ取り込んだ怪獣は暴走して制御不能になってしまうため、このコードとされる人間の選定には慎重になる必要がある。
-&bold(){オリリウム}
怪獣達のエネルギー源となる水晶のような鉱物。
この物質から放出される振動波には怪獣の細胞を活性化する作用があり、さらにそれの振動波を増幅できればその効果はより高まるとされる。
*【楽曲】
主題歌「夏暁」とエンディングテーマ「FLY & DIVE」は、WANIMAが担当する。作詞・作曲はKENTA、編曲はWANIMA。
なお、映像はどちらも本編の流用であるため、ネタバレが嫌な人は観察しないことをおすすめする。&font(l){何しろこれだけで「昭和組でバルゴンだけハブられてるー!?」とわかる内容なので…。}
なお、最終話のエンディングには昭和シリーズのテーマであった「ガメラマーチ」のバラード風アレンジが使用された。
#center(){追記・修正に、}
#center(){感謝を。}
#center(){感謝を。}
#center(){感謝を。}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,4)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 続編でガメラシリーズ以外の大映特撮のキャラとか出たりしないだろうか -- 名無しさん (2025-06-29 10:16:19)
- 古代文化全く関係ないレギオンが襲来! -- 名無しさん (2025-06-29 11:56:59)
- なんでボコ達が執拗に狙われるのか分らんかった。過去の重要人物の生まれ変わりとか? -- 名無しさん (2025-06-29 14:57:56)
- ネタバレに書いてある通りだよ。財団は特殊なDNAを持つポコをほかの子供と共に保護の名目で怪獣に食わせて増殖させようとした -- 名無しさん (2025-06-29 16:02:34)
- 間違えたボコだ -- 名無しさん (2025-06-29 16:03:43)
- あだ名一人だけ原型とどめてる子、趣味嗜好的に矢追純一からきてるのかな? -- 名無しさん (2025-06-29 22:44:33)
- ジュンイチが女の子っていう伏線は結構細かくて、両親からのジュンちゃん呼び、トイレの話になると「デリカシーがない」と気にする、対ブロディ用兵器を作っているとき一人だけタチションに加わらない等々…… -- 名無しさん (2025-06-29 22:53:41)
- ↑5 怪獣達は人間の子供を特に積極的に食べるようにプログラムされてるんだけどごく稀に特定の遺伝子コードを持ってる子供がいて、それを食べると怪獣は爆発的に増殖するよう設定されてる。だからコード持ちのボコを見つけると執拗に狙ってくる -- 名無しさん (2025-06-29 23:20:11)
- ブロディも12歳だったのか。体がでかいからこいつだけ14歳ぐらいだと思ってた -- 名無しさん (2025-06-30 14:57:00)
- 今作の怪獣は皆人間に作られた被害者だけどそれはそれとして人間をいたぶって苦しませるのを楽しむ性格してるので同情してたらこっちがやられるのよね -- 名無しさん (2025-06-30 18:57:30)
- 僕達は子供大好き怪獣です -- 名無しさん (2025-06-30 23:49:51)
- 昭和ガメラの血を濃く引いた作品が令和に見られて良かった。やっぱりガメラは子供たちのヒーローであってほしい -- 名無しさん (2025-07-01 00:10:46)
- 小説版もオマージュ満載で良かった。怪獣たちのモノローグとか、ラストシーンのガメラを小さな〇〇と表現する一文が -- 名無しさん (2025-07-01 19:50:23)
- ↑12 妖怪ものと大魔神は数年前に『妖怪大戦争 ガーディアンズ』でやったから、『宇宙人東京に現わる』や透明人間ものに没作品のネズラとか?他は原作ものだしなあ…。 -- 名無しさん (2025-07-02 09:18:51)
- 早見沙織が恨みをこめて「ガメラァァァ!」と叫ばせた作品 -- 名無しさん (2025-07-02 11:23:31)
- しっかり怪獣プロレスしてて、迫力凄かった作品。特に初報PVで散々アピールしてたジャイガー戦と、作風シリアスだから出ないかな? と思ってたガメラの円盤飛行が決め手になった、ほぼ戦闘回のギロン戦は最高だった。 -- 名無しさん (2025-07-02 13:56:06)
- ラストのガメラ可愛すぎるぞ -- 名無しさん (2025-07-03 12:15:17)
- 竜頭蛇尾ぎみになるのと、序盤のブロディの所業がちとアレ。 -- 名無しさん (2025-07-03 12:16:57)
#comment()
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