&font(#6495ED){登録日}:2011/05/14 Sat 11:21:10 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- ・地蔵菩薩 地蔵菩薩(梵名:クシティガルバ)とは大乗[[仏教]]の尊格。 地蔵とは大地の様に堅固な菩提(悟り)心を意味する。 [[釈迦>釈迦如来]]入滅後、五十六億七千万年後に顕れると云う[[弥勒>弥勒菩薩]](みろく)が出現するまでの間、苦しみもがく衆生(人々)を救う本願を立てた慈愛の菩薩である。 所謂「お地蔵さま」の事であり、我が国では奈良時代以降に地蔵を紹介した経典がもたらされ、その後の「浄土信仰(あの世でハッピー)」の高まりにより民間にも広く親しまれてゆく事になった。 「[[観世音菩薩]]」「[[不動明王]]」と共に現世利益の解り易さと尊格の優しさから特に民衆に親しまれて来た「仏様」である。 我が国への伝来以前にも、中国でも広く信仰されていたらしく「地蔵十王経」なる(偽)経典が作られている事からもそれが窺える。 ……やはり地蔵の本願、功徳(御利益)が多大な人気を集めた結果だろうと思われる。 尚、我が国でも地蔵信仰が民間に広く親しまれたのは、貴族は「善」を積む為に寺院や本尊である[[阿弥陀如来]]を建立したのに対し、貧しさからそうした行為が出来ない民衆は地蔵に祈る以外に「善」を積み、地獄に落ちる事から逃れる術が思いつかなかった為である。 &bold(){【概要】} 地蔵はその字面から大地の守護者としても捉えられており、その守るべき「大地」には地獄も含まれる。 我が国では「浄土信仰」が盛んになった結果「浄土に行けぬ者は地獄に落ちる」と云うやや極端な考えが定着する事になり、更にその地獄に落ちた罪人の苦しみを地蔵が代わりに受けてくれると云う「地蔵代受苦」の信仰が広まる事となった。 (亡者の替わりに地蔵が火あぶりにされるシュールな図像も存在する) ……こうした信仰の結果、地蔵を題材にした多くの二次創作(「伝説」「説話」「縁起」)が作られる事となり、 「今昔物語集」等にも多くの地蔵を主人公にした物語が寄せられている。 また、地蔵菩薩を地獄の支配者である[[閻魔大王>閻魔]]と同体(変身)とする説も有名だが、これは前述の中国で「地蔵十王経」を生む契機となった地蔵信仰から生まれた物。 尚、閻魔大王は仏教の閻魔天(ヤマ)が[[道教]]思想と結び付いて生まれた存在。 我が国では方角を守る十二天の一人として閻魔天が、地獄で亡者の罪を裁く十王の一人として閻魔大王が共に伝えられる事になった。 ……やや脱線したが、これらの信仰により地蔵菩薩は地獄に落ちた衆生を裁きつつも真の救済を目指す仏として定着する事になるのである。 &bold(){【六地蔵】} 仏教に於ける生死の概念である「六道輪廻」に基づき、それぞれの道で苦しむ衆生を救うべく、あの世とこの世の境に地蔵が顕れるとされる信仰。 似た物に観世音菩薩が六道に応じて姿を変える「六観音」があるが、地蔵の場合は名称こそ分けられているが姿は変わらない。 名称も一定していないが「覚禅鈔」に依れば大定智悲(地獄)、大徳清浄(餓鬼)、大光明(畜生)、清浄無垢(修羅)、大清浄(人)、大堅固(天)の名称が挙げられている。 ……こうした思想は「道路」や「境界」の守護者として民間信仰の塞(さえ)の神信仰と結び付き、墓地の入口や集落の入口に地蔵像を立てる信仰へと繋がる事になった。 言うまでも無く、有名な「傘地蔵」の民話はここから生まれた物である。 ……更に時代が下り江戸時代になると地蔵は「賽の河原」で子供を救う仏……またここから派生して「水子」や「安産」を守る仏としても扱われる様になった。 &bold(){【真言】} ●オンカカカビサンマエイソワカ &bold(){【余談】} 地蔵菩薩と対になる存在に虚空蔵菩薩(梵名:アーカーシャガルバ)がある。 その名の様に大地に対して天空の様な広大無辺の知恵を意味する仏であり、民間では今イチ「マイナー」な尊格だが、弘法大師空海が若き日の入唐前に修したとされる「虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう=超記憶術)」で良く知られる(※知りません)。 &bold(){【弱い者の味方、その名はお地蔵さん!】} はるか昔、インドに大変慈悲深い二人の王がいた。一人は自らが仏となることで人を救おうと考え、一切智威如来という仏になった。 だが、もう一人の王は仏になる力を持ちながら、あえて仏と成らず、自らの意志で人の身のまま地獄に落ち、苦悩し迷い続ける全ての魂を救おうとした。 その名を地蔵という。 「十界論」では声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界の順で菩薩は如来に次ぐ高い見地に住するが、地蔵菩薩は「一斉衆生済度の請願を果たさずば、我、菩薩界に戻らじ」と決意し、菩薩界にとどまらず、六道( 地獄・ 餓鬼・ 畜生・ [[阿修羅]]・ 人間・ 天)を自らの足で行脚して、救われない衆生や親より先に世を去った幼い子どもの魂を救いながら旅を続けている。 幼い子どもが親より先に世を去ると、親を悲しませ親孝行の功徳も積んでいないことから、三途の川を渡れず賽の河原で鬼のいじめに遭いながら石の塔婆作りを永遠に続けなければならない。お地蔵さんはそういう子ども達を守ってやり、念仏を教え、成仏への道を開いていく。 だから地蔵菩薩は最も弱い立場の人々を最優先で救済する菩薩である。 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,4) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 日本中にいるいい人。ただし、嘘をついてはいけない。 -- 名無しさん (2013-08-10 16:44:52) - 賽の河原で子供守ってくれるのもこの方 -- 名無しさん (2013-08-10 18:28:53) - ゲゲゲの鬼太郎ではねずみ男が金儲けのため鯰地蔵というお地蔵さまを盗んだが、このお地蔵さまはねずみ男が心の底から反省しない限り、背中にぴったりくっつくという恐ろしいお地蔵さまだった。 -- 名無しさん (2014-05-29 14:18:10) - 田舎にはわりと首なし地蔵が沢山ある。誰にも見られず地蔵の頭を盗むと賭け事が強くなると言う迷信の為に。 -- 名無しさん (2014-05-29 17:45:11) - 河童は地蔵菩薩の眷族、と言う信仰もある。間引きで川に流された子供達を極楽に導く役割を担う存在として。 -- 名無しさん (2014-07-13 01:08:49) - すみませんが、地蔵和讃やいわゆる「お地蔵さま」のことについて書いてみたいことがあるので、多めの加筆をしてもよろしいでしょうか。 -- ページ作成者様へ (2017-06-25 07:36:39) - ↑編集に入れるなら誰が追記修正してもいいでしょう。 -- 名無しさん (2017-06-25 10:05:29) - ↑作成者の方ですか? だとしたら、お気遣いいただきありがとうございます。 これから記述の下書きをはじめますので、要望がありましたらどんなことでもおっしゃってください。 -- 名無しさん (2017-06-25 21:42:16) #comment #areaedit(end) }