&font(#6495ED){登録日}:2016/01/04 (月) 00:09:11 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 北の京・芦別(きたのみやこ・あしべつ)とは北海道芦別市に位置するテーマパーク&color(red){だったもの}。 [[帯広のドイツ王国>グリュック王国]]と同じくバブル期の開発に失敗して閉鎖、現在は観光地としては使用されていないが、 他のテーマパークにはない数奇な運命を辿っており、別な意味で話題となっている。 #contents() *1.開園 この項目を見ているwiki籠りの皆さんは「ああ、またバブル期に調子こいて開発始めて失敗したテーマパークね」と思っているかもしれない。 …が、実はこのテーマパークの開園は&bold(){1970年}。 『マジンガーZ』や『科学忍者隊ガッチャマン』よりも前、アニヲタ的には『[[あしたのジョー]]』『みなしごハッチ』『いなかっぺ大将』が放送されていた頃。 特撮で言えば『[[仮面ライダー]]』が生まれる1年前、ウルトラシリーズの番外編『[[ウルトラファイト]]』やスポ根柔道ドラマ『柔道一直線』が放送されていた時期だ。 何より、この年は&bold(){大阪万国博覧会}が開催され、東京オリンピック(1964年)と共に日本中が活気にあふれ出していた頃でもある。 つまり、戦後に出来たとは言え決して新しい方ではなく、そこそこの歴史を誇る遊園地だったのだ。 この時の名前は『芦別レジャーランド』。福島のハワイアンセンターの成功を元に、ボーリング場や大浴場を完備しており観光客から人気を博していたようだ。 …そして、開園から5年。レジャーランドは一つの計画を始める… *2.1970年代後半~1980年代半ばまで そもそものきっかけは1975年、「[[北海道]]に大観音を設立する」という壮大なプランが立てられたのが始まりだった。 下準備として1977年、「ホテル五重の塔」が建設される。 これはその名のとおり奈良にある五重の塔を模して作られた宿泊施設で、高齢者を中心に人気を獲得。 姉妹版として「ホテル三十三間堂」も建てられた。 確たる収入源となる事を確信したのか、翌1978年に敷地内に大観音像の設立が決定。1984年に着工が開始された。 この前後に[[十二支]]と聖徳太子を祀った「[[十二支]]苑神宮寺」と言う神社も作られているが、 内部に祀られた聖徳太子、当初は何と&color(red){モーターで回転}していたそうな… *3.『北の京・芦別』へ [[十二支]]苑が目論見通り老人層を獲得した事に成功を確信したレジャーランド側は、 1988年にタイトルにある『北の京 芦別』と名前を変えてリニューアルを開始。 日本庭園とギリシャ神殿をモチーフにした大浴場や、2000人が収容可能な「お祭り広場」というステージも作られた。 翌1989年、ようやくメインコンテンツの北海道大観音が完成。 全長88mと[[ノイエ・ジール]](76.6m)よりも大きなこの大仏は 世界平和や[[北海道]]の発展のために日本とインドから20名近い僧侶を招いて[[\カイガン!/>仮面ライダーゴースト]]され、 当時としては日本最大の観音像として話題を集めた(ただし後に牛久大仏という120mの大仏が[[茨城県]]に出来たため、この記録は更新されてしまうのだが)。 内部は26階建ての高層建築となっており、20階の展望台まではエレベーターで登ることが出来る。 途中には様々な仏像が安置され、6階には十二支を祀った干支守本尊が、4階には大理石の彫刻壁画や世界中の仏具等が置かれた仏教記念館が、2階には[[七福神]]が祀られた「[[七福神]]殿」が作られている。 また、内部だけでなく外部もインドのタージ・マハルの庭園を模した作りとなっており、宿泊施設と大観音を結ぶ[[モノレール]]も建設された。 [[東京モノレール]]とは違い正式な鉄道ではなく遊具扱いだったものの、[[北海道]]では初のモノレールとして観音像と共にCMで大々的に放送された。 ホテル内部も80mの廊下に1600枚の絵が書かれた天井、途中のロビーには[[伊達政宗>伊達政宗(戦国武将)]]や[[上杉謙信>上杉謙信(戦国武将)]]、[[真田幸村]]等[[戦国武将]]の鎧(勿論レプリカ)が展示され、 [[十二支]]が掘られた一刀彫のテーブルがズラリと並ぶ豪華な建物となっていた。 が…いつまでもこんな浮かれっぷりが続くはずがない。 *4.バブル期終了、そして… 90年代に入るとバブルが崩壊、一気に客足が遠のく(この辺は[[グリュック王国]]と同じである)。 維持費と修理費がかさむ[[モノレール]]は1999年に閉鎖。施設内にあった[[ゲーム]]コーナーや流れる[[プール]]も次々と姿を消した。 肝心の大観音も除雪作業が大変なため、積雪時には公開を中止するなど大幅な経営の縮小を余儀なくされる。 2000年代に入ると経営は尚も悪化、2007年に運営会社「株式会社 北の都芦別」が施設の営業権の売却と会社解散を決議。 翌2008年には特別清算((裁判所の監督が入り、債権者の判断で会社の資産を運用する。破産とは違うが、ぶっちゃけ会社を好きに動かせなくなる。))が開始され、残っていた[[モノレール]]の路線跡も完全に撤去。 2010年には「バブル観光ごちそうさまツアー」と題して、市内にある芦別カナディアン公園((当初『芦別カナディアンワールド』として営業を開始したが、カナダの町並みを再現しただけの場所に人が集まる訳もなく営業を終了。現在は芦別市の管理下にある))と共にバブル期を楽しむツアーが開催された。 学習塾の合宿や[[修学旅行]]の宿泊先に活路を見出そうとしたものの、収益は回収しきれず経営母体は二転三転。 2012年にようやく[[奈良県]]の企業がホテル部分を買い上げ、「ライフステージ天都」へと名称が変更された。 翌2013年、[[石川県]]の宗教団体「天徳育成会」が大観音像を購入し、ホテル部分を譲り受け宗教施設として再出発を果たす。 しかし… *5.新たな問題 仏教系宗教法人である天徳育成会は特定の宗派に肩入れをせず、青少年の育成を重点的に行うという団体である。 天徳館というフリースクールを設立し、小中学校の学生達を受け入れるという名目で活動を開始したものの、 突如として生徒たちを学校に登校させないと一方的に宣言((通常、フリースクールは学校と連携して不登校を解決する事がほとんどであり、このケースはかなり特異な状況である。))。 天徳育成会側は「今は取材に答えられない。時期が来れば公に発表する」と地元のニュースに答え、 学校に通わせたい行政や住民と対立をしている。 後に内部の取材を一部許可したものの、授業のスケジュールについては公開を拒否。 「WHY STORY」という謎の単語が載せられていたが、こちらの説明も拒否している。&s(){WHYはこっちのセリフだ} 教団の代表も取材に応じていないため、全く問題が解決していないのが実情。 レジャー施設から閉鎖を経て宗教法人のフリースクールへと変貌を遂げた北の京。 静かに佇む大観音は何を思うのだろうか… 追記・修正は88mの大観音を建立してからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,9) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 久しぶりに聞いた名前だ……今でも子供を監禁して教育という名の洗脳を続けてるのか? -- 名無しさん (2016-01-04 00:23:07) - うちの地元の元名物www昔は家族で風呂入りにいって風呂上りにゲームコーナーで遊んだり下でやってる歌謡聞きに行ったり……楽しかったな…… -- 名無しさん (2016-01-04 00:38:41) - まだ終わってないぞ!ただいま、たい平師匠の後輩で、芦別のスーパースター(北海道ローカルな称号)よう平氏が、芦別盛り上げるために頑張っておられるぞ! -- 名無しさん (2016-01-04 10:25:31) - 地元にいた時CMでよく聞いたもんだが、悪のカルト組織のアジトと化していたとは。 -- 名無しさん (2016-01-04 23:12:04) - 小さい頃に一度行ったことがある。祖母との思い出深い場所のひとつだけど、今ではそんなことになってるなんて知らなかった… -- 名無しさん (2016-01-05 18:31:18) - フリースクール内で何をやっているのか……。まさか子供たちを洗脳して、オウムみたいに自分たちの国を作るためのエージェントにしようとしてるんじゃあるまいな……? -- 名無しさん (2016-05-10 15:05:06) #comment #areaedit(end) }