タッセル

登録日:2025/07/27 Sun 13:09:34
更新日:2025/07/27 Sun 23:56:58NEW!
所要時間:約 4 分で読めます








だからタッセルってなんだよ!!


カーテン…カーテンにつけるのっ…!



人のwikiでわけわかんねー項目立てやがって このwiki籠りがっ!!


















以下、分かるための解説。

『タッセル』とは、以下の意味を持つ単語である。
  1. 布の終りの部分に取り付けられる房状の装飾
  2. (1.から転じて)カーテンを束ねておくための紐や飾りのこと。
    区別のため「カーテンタッセル」と呼ばれることもある
  3. トウモロコシの雄穂
    気象条件によっては雄穂の先に実がつくことがあり、これは「タッセルシード(雄穂種子)」と呼ばれる
  4. 仮面ライダーセイバー』の登場人物(「タッセル(仮面ライダーセイバー)」の項目を参照)

本項では、1、2について解説する。

【房飾りとしてのタッセル】

Tassel(タッセル)は、元来、布の終りの部分に取り付けられる房状の装飾のことである。
これは、ラテン語で「留める物」を意味する“Tassau”に由来している。
ただ、一般的には房飾りではあるが、必ずしも長い房を必要とするわけではなく、組み紐の先が小さく分かれているようなものも「タッセル」に分類される。
敢えて乱暴に言ってしまえば、端っこで紐が垂れた装飾品は全てタッセルと言ってしまっていいだろう。

服以外につけるタッセルの例であれば、アカデミックドレスの角帽につけるそれが有名だろう。
帽子中央に留めて、そのままサイドに垂れ下がらせる。
なお、卒業前は右側に垂らしておき、学位の授与が終わった時に左に動かすという伝統がある大学も存在する。

また、甲の部分にタッセル飾りがついた靴のことを「タッセルシューズ」と呼び分けることもある。

その他、書物に直接つけられている栞用の紐も「タッセル」と呼ぶこともある。
ただ、製本業界における正式名称は「スピン」で、タッセルは単に端が房状になる事から付けられた俗語のようなものであろう。

日本でも、神社仏閣や大相撲などで、総角(あげまき)結びとそこから下がる房を目にする機会は多いと思われる。
これも、広義ではタッセルの一種と呼んでいいであろう。

《歴史》

その歴史は長く、また洋の東西を問わず世界中に広まっている。
また、単なる装飾の意味合いだけではなく、そこには祈りやまじないの思いが込められてきた。
そう言う意味では、組み紐や編み飾りなどと同様の存在であるとも言えよう。

タッセル自体の語源はラテン語の“tassa(タッサ)”。
これは「税」*1や「仕事」、「器や皿」を意味する単語。
それを原語として、12世紀ごろの中世ヨーロッパでブリオー(チュニック型ワンピースのような典礼服)の胸元を止める金具“Tasseau(タッサル)”が誕生した。
この時点では、金具・留め具でしかなかったが、以降15世紀ごろまでにかけて房飾りの意味を含んでいき、現在の“Tassel(タッセル)”になっていったとされている。


【カーテンタッセル】

上記の房飾りとしてのタッセルから転じて、カーテンの止め紐全般を「タッセル」と呼ぶようにもなった。
ただの房飾りと区別するため、「カーテンタッセル」と呼ばれることもある。
そのため、上述したような『房』が付いておらず、壁のフックに引っかける形状のものなんかも「(カーテン)タッセル」である。
なお、壁のフックに引っかけずカーテンに回して止めるロープ状の物(多くの場合、端に房状の「タッセル」がついている)は、「ループタッセル」と細分化されることもある。


【その他タッセルあれこれ】

・タッセルイヤリング/ピアス

タッセルのように長い房を垂らしたイヤリング。もしくはピアス。
ぶっちゃけ、タッセルをそのまま耳に付けたようなものだが、金属製の物でも同様の形状のものはそう呼ばれる。

・タッセルカット

髪型の一種。
ボブカットの一種で「切りっぱなしボブ」のような名で呼ばれることもある。
一般的にイメージされるタッセルのように、毛先が揃っていることからその名が付いた。


【……だから冒頭のやり取りってなんだよ!!】

漫画『タコピーの原罪』の5話ラストシーンでのやり取り。
経緯は割愛するが、登場人物の一人である雲母坂まりなに成り代わったタコピー。
そんな彼女が自宅に帰宅した直後の父母のやり取りが、冒頭のそれである。

『だからタッセルってなんだよ!!』
『カーテン…カーテンにつけるのっ…!』

『人の金でわけわかんねーもん作りやがって この寄生虫がっ!!』 ただいm…

この時、まりなの父は皿を料理ごと床に叩きつけるという典型的なDVも行っており、全くもって笑える状況ではない。
ラ〇ナー原作読んだら 全然笑えないシーンだった

ただ、唐突に出てきた耳慣れない“タッセル”という単語もあって、このシーンにシュールな笑いを感じてしまった読者もいたようだ。
このシーンで「タッセル」という単語を知った方も多いのでは?
なお、まりなの母が通ったのは「eco素材で作るタッセル教室」とのこと。
この教室で作ったのは房飾りの部分だけの様で、当然これだけではカーテンを止めることは出来ない。
「カーテンにつけるのっ」と言ってはいるが、既にあるカーテンタッセルに追加で付けるつもりだったのか、紐は別途用意する必要があったのかは不明。
ちなみに、掲載時点ではちょうど『仮面ライダーセイバー』が完結してから少し経った時期だったため、「ボンヌレクチュールの人じゃないの!?」という感想も多かったとか。

余談だが、このやりとりをボーボボのキャラが行っている画像を見たことがある人もいるかもしれない。
だが、それはパロディ(ファンアート)であり、公式ではないため注意。



追記・修正は仲良く目的を達せられ人にして欲しいッピ

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年07月27日 23:56

*1 そのため、後の“tax”の由来となった