日野日出志の銅鑼衛門

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日野日出志の銅鑼衛門 - (2024/12/09 (月) 18:43:38) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2021/06/16 (水) 20:16:53
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます

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#center{&sizex(7){&font(b,#ffffff,#000000){日野日出志の銅鑼衛門}}}










&font(b,#ffffff,#000000){日野日出志の銅鑼衛門}とは、1981年12月25日に発行された『&bold(){マンガ奇想天外臨時増刊号 パロディ・マンガ大全集}』に掲載された日野日出志作の短編ホラー漫画である。


*概要

SFマンガ雑誌『マンガ奇想天外』の特別版として、様々なパロディ漫画を掲載した『パロディ・マンガ大全集』。
赤塚不二夫や吾妻ひでお等の大御所から、スノウチサトルや佐々木けいこ等知名度の低い漫画家までこぞって寄稿していた。
その中でホラー漫画家として有名な日野日出志が執筆したのが&font(b,#ffffff,#000000){日野日出志の銅鑼衛門}である。

題名からわかる通り[[ドラえもん>ドラえもん(作品)]]のパロディであるが、「あの」日野日出志(ご存じない方は[[こちら>地獄の子守唄(日野日出志)]]を参照)が執筆している為案の定というか&bold(){中々のホラー漫画と化している。}
直接的な描写こそ無いものの、&bold(){グロテスクなシーン}も存在しているので、怖い系が苦手な人は読むのを控えた方が良いだろう((扉絵の時点でドラえもんのパロディキャラがジャイアンのパロディキャラの生首を押さえており、既に来るものがある))。
&s(){静香ちゃんが登場しないのは救い……か?}


*ストーリー

#center{&sizex(7){&font(b,#ffffff,#000000){グサッ}}}

ある日、&bold(){シャイアン}の顔写真に鉛筆をぶっ刺していた&bold(){のぶた}。
それを見ていた&bold(){銅鑼衛門}がいったい何をしているのか聞くと、&font(b,#ffdc00,#000000){「いつもぼくをいじめたりばかにしてるやつらにしかえしをしてるんだ!!」}と、のぶたは返す。

その事を聞いた銅鑼衛門は…

#center{&font(b,#008cc0,#000000){「これかりるぜ……いいものを買ってきてやる」}}

と言ってのぶたの貯金箱を手に取って机の引き出しの中に入り、未来に行ってしまった。

&font(b,#ffdc00,#000000){「ちぇっ!プラモを買おうと思ってたのに…」}

数分後、帰ってきた銅鑼衛門はのぶたに&bold(){何やら大きなマシンを見せる。}
言うには、このマシンは&bold(){「ミニ地獄マシン」}というものらしく、入口に写真を入れるとその人間が豆つぶぐらいになって出てきて、その人間を&bold(){このマシンでいじめるという恐ろしいものなのだ。}((現実世界での描写がないので、地獄マシンの中の人間がその人本人なのか、そっくりのクローン人間なのかは不明))

&font(b,#008cc0,black){「未来社会ではすっごくはやってるんだぜ!!」}

&font(b,#ffdc00,#000000){「ふふふ……そりゃおもしろいや!!」}

説明を聞いたのぶたは早速中を見てみる。
そこには&bold(){針山、血の池、火あぶり、釜茹で、石うす、そしてノコギリ等の切り刻む道具とまさに地獄と言わんばかりのものが揃っていた。}

そして仕返しを実行するのぶた。手始めに自分をいじめているシャイアンの写真を入れた。
すると、穴からシャイアンが豆つぶぐらいのサイズで現れ、自身より大きく見えているのぶたを見て戦慄する。

&font(b,#ffdc00,#000000){「いつもぼくをいじめる罰だ」}

まず、槍で刺され血の池に落とされる。更にその槍で&bold(){串刺しにされ、そこから追い打ちで針山を登らされ、最終的に銅鑼衛門の持ったノコギリで一刀両断にされてしまった…}

次に&bold(){ソネ夫}の写真を入れ、&bold(){先程と同じように槍で串刺しにした挙句、今度は石うすで粉々にしてしまった。}

こうして銅鑼衛門とのぶたは毎日毎日地獄遊びをしていた。


ところが、一ヵ月後…
のぶたは何やらガッカリした様子で部屋に入ってくる。

&font(b,#ffdc00,#000000){「今月のお小遣いを水洗トイレに落として流しちゃったんだ……」}

それを聞いた銅鑼衛門は急に慌てだす。

&font(b,#008cc0,#000000){「た…大変だ!!あの地獄マシンは地獄からの通信販売で、きみのお小遣いをあてにしてローンで買ったもんなんだ!!」}

そう、あの地獄マシンは地獄から調達したものであり、のぶたのお小遣いをあてにしていたのである。
とんでもない事になりどうすればいいのか分からなくなる二人。だが時すでに遅く、机の引き出しから&bold(){単眼の巨大な鬼が現れた!}
そして鬼は二人に…

&font(b,#ff0000,#000000){「どうやらローンが払えないようだな、罰として1ヵ月間の地獄行きを命ずる!!」}

そう言って鬼は二人を釜茹で、火炙りにしてしまったのであった…

#center{&font(b,#008cc0,#000000){「あ…あついよ~っ!!」}}

#center{&font(b,#ffdc00,#000000){「た…助けてえ~っ!!」}}


*登場人物

・銅鑼衛門
主人公で、言うまでもなく[[ドラえもん>ドラえもん(キャラクター)]]のパロディ。
「ひひひ」「ふふふ」と不気味な笑い方をする。
いじめられて鬱憤を晴らそうとしているのぶたに「ミニ地獄マシン」を買ってくる。その地獄マシンを説明している時の顔は目が血走っていてかなり怖い。

・のぶた
冒頭でシャイアンの顔写真に鉛筆をぶっ刺していた眼鏡少年。[[のび太>野比のび太]]のパロディ。
「ミニ地獄マシン」を使って、シャイアンとソネ夫に復讐する。
いじめられていたとはいえ、やってる事は狂気としか言いようがない。
一方で小遣いを[[トイレ]]に流すという、本家以上にドジな一面も。

・シャイアン
のぶたをいじめていたというガキ大将。[[ジャイアン>ジャイアン(剛田武)]]のパロディ。
地獄マシンによるのぶたの仕返しに遭い、ノコギリで一刀両断にされてしまう。

・ソネ夫
シャイアンと同じくのぶたの残酷な仕返しに遭ったキャラ。[[スネ夫>骨川スネ夫]]のパロディ。
こちらは石うすで粉々にされてしまった。

・鬼
ラストで登場した巨大な鬼。[[未来デパート]]の店員のパロディ…ではあるまい。
ローンを払えなかったものを地獄行きにさせる役割を担っており、最後の最後で銅鑼衛門とのぶたを火炙り、釜茹でにしてしまった。


*余談

・『パロディ・マンガ大全集』自体のマイナーさもさることながら、権利的な意味でも復刊はまず無理だと思われる。[[国立国会図書館]]への収蔵も未だされておらず、古書店ではプレミアがついている。

・雑誌の目次では銅鑼衛門の絵(扉絵の流用)が中央に大きく据えられており、看板作品だったことが窺える。

・この『パロディ・マンガ大全集』には『銅鑼衛門』の他、吉元淳((この作品以外での活動は確認できない))による『2001年 さようならドラえもん』というドラえもんパロディが収録されている。荒廃した世界で大人になったのび太と静香が、機能不全に陥ったドラえもんを守りながら闘うという内容で、キャラクターは&s(){元ネタが想像できない程}美形に描かれている。

・日野日出志は後のインタビューで、「編集者が責任を持つからと言われて描いた」と嫌々ながら手がけた作品であることを認めている。





&font(b,#ff0000,#000000){「どうやらローンが払えないようだな、罰として1ヵ月間の追記・修正を命ずる!!」}

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- キテレツ「地獄ぐらい僕が作ってあげたのに」  -- 名無しさん  (2021-06-16 21:44:12)
- これ知ってる…。この頃からギリギリな「パロディ精神」ってあったのね。  -- 名無しさん  (2021-06-16 23:01:51)
- ちゃんと「最後はのび太(たまにドラえもんも)が痛い目見てオチ」なのは「さすがプロだ、違うなぁ」ってなる。なお「怪奇まんが道」で一コマだけこれを書いてるシーンがあったりする。  -- 名無しさん  (2021-06-16 23:52:17)
- 意外にのろいのカメラと話の流れが似てるような気がする  -- 名無しさん  (2021-06-17 00:01:55)
- ぶっちゃけ原作のキマってる回の方がより陰湿だったり怖かったり…  -- 名無しさん  (2021-06-17 00:39:19)
- 二次創作で日野日出志っぽく描いたものだとばかり思っていたわ  -- 名無しさん  (2021-06-17 09:15:38)
- …読みたい…無性に…  -- 名無しさん  (2021-06-24 21:17:14)
- 一か月で済む辺り破格ではあるな…  -- 名無しさん  (2021-06-25 22:54:32)
- 静香のパロディキャラはちゃっかり登場しないのねw  -- 名無しさん  (2021-06-25 23:40:00)
- ブラックなストーリーだけど、概ねドラえもん作品のフォーマットを守ってるんだよな  -- 名無しさん  (2023-10-27 20:02:07)
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