&font(#6495ED){登録日}:2023/07/06 Thu 12:25:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(b,#ff0000){当記事は飲酒を勧める物ではありません!!} &font(b,#ff0000){また、20歳未満の飲酒は法律で禁じられています。} } ウイスキーとは、穀物を発酵、蒸留したあと樽に詰めて熟成させて作る蒸留酒である。 アルコール度数は概ね40%以上。 日本では酒税法の分類の関係から表記をウ''イ''スキーとすることが多いがあくまで法律の都合なので英語の発音に近いウ''ィ''スキーと書く人もいる((昔は「ウヰスキー」という表記もあり、「ニッカウヰスキー」は現在も社名に使っている。))。 ひとまずこの項目ではウ''イ''スキーで統一する。 #openclose(show=●目次){ #contents } *概要 数々の映画、ドラマ、漫画、アニメなどフィクションのハードボイルドなキャラが飲んでいるアレ。 代表的なキャラには「ルパン三世」の[[次元大介]]がいるが、場面によって[[スコッチウイスキー]]派だったりバーボンウイスキーしか飲まない発言をしたりブレる。 石川さゆり氏の名曲「ウイスキーが、お好きでしょ」でも有名か。 アルコール度数が強く、また慣れないと口当たり・喉越しの感触がキツイ((慣れるのも危ない話ではあるが))ため、ちびちびと飲むのが基本。 逆に「ウイスキーをがばっと飲む」というアクションは、酒呑みorアルコールが効きにくいキャラのわかりやすい記号として使われる場合もある。 洋酒類の区別のつかない人に要約すると、以下のような感じ。 |原料|醸造酒|蒸留酒| |穀物|ビール|&bold(){ウイスキー}、ジン、ウォッカなど| |果実|[[ワイン]]、シードル|ブランデー| 穀物蒸留酒組の区別は慣れないと難しいところも多いが、ウォッカなど純度の高いアルコールで他の味や香りはほぼないものから、香草で風味を付けたジンなどそれぞれに特徴がある。 ウイスキーは木の樽で保存し独自の色や香りをつけるのが基本。 現在もスカンジナビア諸国で作られる無色透明の蒸留酒、ラテン語で「生命の水」を意味する「アクア・ウイタエ(アクアビット)」がその起源らしい。 「ウイスキー」という言葉も、ケルト語で同じく生命の水という意味の「ウシュク・ベーハー」に由来するとされる。 しかし現在のウイスキーの形になった元祖については判然とせず、イギリス発祥説やアイルランド発祥説などが争われているが決着は付いていない。 日本では昭和末期までは国産・輸入品問わず高級酒として知られ、人気はあっても一般庶民がおいそれと手が出せるものではなかった。 平成期以降は酒税法の改正と等級制度の廃止に加え地場メーカーが製造する地ウイスキーも多数登場、価格も大幅に下がり手に入りやすくなった。 2010年代後半あたりから世界的なウイスキーブームが巻き起こっており、2023年現在はウクライナ侵攻などの諸々の国際事情も重なって急高騰が世界規模で起きてしまっている。 ウイスキーの厳密な定義については国毎に千差万別なので注意。 [[イギリス]]のスコットランドでは法律によって極めて厳正に製法やルールが決められていたりする一方、日本やインドの様にウイスキー作りが盛んにもかかわらず定義から曖昧な国も多い。 英語でのスペルもイギリス英語とアメリカ英語のような関係でイギリス寄りの地域でwhisky、アメリカ寄りではwhiskeyで表記する。 日本は後述の通りイギリスでウイスキー作りを学んできたためwhiskyになっているが、これも色々な事情でまちまちなので深くこだわらない方が良い。 *主な国別の分類 ・&bold(){[[スコッチウイスキー]]} イギリスのスコットランド地方で生産されるウイスキー。 現在世界的ブームになっている&bold(){モルト(大麦麦芽)ウイスキー}のパイオニア。 イギリスの法律で厳密に要件が決められており、スコッチであればどんな安価なものでも一定の品質を保証されている。 多種多様な個性を持った蒸留所の原酒を、大手メーカーが集めてブレンドするブレンデッドウイスキーがメイン。 蒸留所単独で生産するシングルモルトウイスキーも世界的ブームになっている。 バリエーション豊富でこれと言った方向性が定められないほど、とにかく奥の深いカテゴリ。 他にない特徴としては原料の大麦麦芽(モルト)を乾燥させる工程で&bold(){ピート(泥炭)}を使って燻す点が挙げられる。 銘柄によってはピートの香りが残っており燻製のようにスモーキーなものも。 日本のウイスキー造りもスコッチを目指すところから始まっており、ジャパニーズの原点はスコッチにある。 ・&bold(){アイリッシュウイスキー} イギリスと仲の悪いお隣さん、アイルランドで生産されるウイスキー。(厳密には一部イギリス領内生産も含む) 歴史としてはスコッチより更に古いとされる説もある由緒あるカテゴリだが、時代の煽りを受け衰退、一時は絶滅の危機に瀕した。 現在ではブームに乗って復活してきており、次々と新規蒸留所や復活蒸留所が増えてきている。 製法もスコッチに似ているが、大麦麦芽だけでなく発芽済みの大麦を混ぜた原酒をブレンドしたり、 スコッチなら2回蒸留が主だがこちらは3回蒸留したりと異なる点もある。 スコッチと比較すると軽やかで飲みやすいとされる方向性。 ・&bold(){アメリカンウイスキー} アメリカで生産されるウイスキーで、有名なバーボンウイスキーもアメリカンの一種。 スコッチ、アイリッシュと違って穫れる穀物の種類が豊富な土地で生まれたため、トウモロコシ、小麦、ライ麦など色々なものが原料に使われる。 あくまでアメリカ国内で製造されればなんでもアメリカン。中にはウイスキー用にわざわざ大麦を育てて&ruby(モルト){大麦麦芽}ウイスキーを作っているこだわり蒸留所もある。 主要なのはバーボン、テネシー、コーンウイスキーと言ったラインナップ。荒々しくもかなり甘みの強いのが特徴。 イギリスよりも温暖な州での製造が主なので熟成が早く、熟成期間が割と短めなものが多い。 ・&bold(){カナディアンウイスキー} アメリカのお隣のカナダで生産されるウイスキー。 麦類原料で香味の強いフレーバリングウイスキーと、コーン等が原料で土台となるベースウイスキーをブレンドして作られる。 ハチミツのようにメローな味わいが傾向とされるが、日本で味わえるのはカナディアンクラブくらいなのであまり種類が飲めない現状。 ・&bold(){[[ジャパニーズウイスキー]]} 日本で生産されるウイスキー。 その原点はサントリー山崎蒸留所の初代工場長であり、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝氏。 氏が英国スコットランドで学んだスコッチ製造の技術を日本に持ち込んだところから始まった。 その為スコッチの影響が特に色濃く、大手メーカーはスコッチのルールに準拠している場合がほとんど。 しかしイギリスと違って日本にはウイスキーに関して細かい法律はなく、 国産ウイスキーを名乗っているが中身は海外既製品を安価に購入し、国内で瓶詰めしただけの物が横行している現状もある。 他にも安価な物に関しては9割方色付きの焼酎といった似非ウイスキーもあるので注意。 海外での[[ジャパニーズウイスキー]]の評価は高く、そのブランドイメージを損ねない為にここ数年は各メーカーが色々と企業努力を行っている。 2021年に日本洋酒酒造組合に加盟するメーカーでは自主規制が制定され、「ジャパニーズウイスキー」を名乗るには日本で蒸留、熟成された原酒のみ使っている事、など要件が定められた。 サントリー、アサヒ(ニッカ)、キリンの最大手メーカー三社はいち早くこの規制に準拠した体勢に移行し始めている。 ただしあくまで自主規制なのと、組合に所属していないメーカーには効果がない。 このジャパニーズウイスキーを守っているメーカー間では、海外産の原酒をブレンドしたりする物に関しては「ジャパニーズ[[メイド]]」など微妙に濁した言い方をしている。 ・&bold(){その他の国のウイスキー} インドのアムルット蒸留所、台湾のカバラン蒸留所、イスラエルのM&H蒸留所など、 世界的なウイスキーコンペティションでスコッチやジャパニーズを負かすようなボトルを出す新規参戦国も増えている。 比較的温暖な地域が多く、その分冷涼なスコッチ系より短い期間で樽熟成が進むのが割と多い特徴。 *主な製品 世界各国で様々な製品が出ており、その種類は千差万別。 本項では特に有名な製品について簡単な解説をしたいと思うので、購入の際の参考にしていただきたい。 **国産 ・サントリー角瓶 1937年に発売された国産ウイスキー屈指のベストセラー。 当初は「サントリーウイスキー12年」という名称で、ガラス瓶の角ばった独特の形状から「角」「角瓶」と呼ばれるようになり、後に正式採用された。 後述するハイボールブームは当時売れ行きが低迷していた本製品の需要喚起策としてサントリーが仕掛けたものであり、「ウイスキーが~」はこのCMで使用されてリバイバルヒットを果たした。 何を狂ったか最近は[[プラモデル]]化もされている。 ・サントリーオールド 1950年に発売されたロングセラーにして、ジャパニーズ・ウイスキーの代表格。 山崎蒸留所のモルト原酒をメイン作られるブレンデッドウイスキー。 漆塗りをイメージしたという黒い瓶の形状から、「だるま」や「[[タヌキ]]」の愛称がある。 料亭や寿司屋など和食店への売り込みを積極的に実施したことから、かつては高級品とされ政財界の大御所にも愛飲者が多かったとされる。 数多くの傑作CMを輩出しており、「夜が来る」のCMソングでもおなじみ。 先述された自主規制の「ジャパニーズウイスキー」を名乗る為の要件を満たしており、その中では最安クラスのボトル。 ・サントリーローヤル 80年代~90年代頃は普及品としては最上級の、フラグシップ商品と言っていい扱いだった銘柄。 今や高級路線は響に譲り、高騰を加味してもギリギリ3000円代くらいで購入は可能。 中核になっているのはおそらくは山崎原酒で、グレーン的な味わいも強め。 この原酒不足の時代にブレンドの妙を感じられるような味わい。 カジュアルな値段で味わえるサントリー製品としては最も高級感を感じられるかも。 ローヤル、スペシャルリザーブ、オールド、角の四製品は完全な「ジャパニーズウイスキー」。 ・サントリートリス 上で取り上げている「ジャパニーズメイド」の代表格。 白州産モルトと外国のウイスキー原酒をブレンドしている。 そのためサントリーのウイスキーの中では最安価であり、かつての「うまい、やすい、トリス」のキャッチコピーは現代でもそのまま。 缶入りのハイボールが有名だが、瓶入りのストレート物も存在する。 ただブレンダーも「ハイボールにした時のバランス」を重視したと語っているので、推奨はおそらくハイボール。 アンクル・トリスというキャラクターも有名で、デザイナーは当時サントリーに所属していたイラストレーターの柳原良平。 ・ブラックニッカ ニッカウヰスキーの代表製品。 竹鶴政孝考案によるキング・オブ・ブレンダーズのロゴを採用した記念すべき製品で、「ヒゲのウイスキー」の通称がある。 クリア、リッチブレンド、ディープブレンド、スペシャルが通常ラインナップ。 リッチブレンドは宮城峡蒸留所のシェリー樽原酒がメインの華やかな味わい、ディープブレンドは余市蒸留所の新樽原酒をキーモルトにした力強い味わい。 特にディープブレンドはモルトファンからの評価も高い傾向。 ブラックニッカ・スペシャルは元祖に近いにもかかわらず取扱店は少ないし広告も打たれない隠しキャラ。 お値段以上の味わいがある。 2016年あたりに2000円代で発売した「ブラックニッカディープブレンド ブレンダーズスピリット」は60年物の原酒が使われた限定品。 味も見事で今では語り草になっいる。 ・スーパーニッカ かの竹鶴政孝氏が、亡き妻リタさんに捧げるために生み出した渾身のボトル。 中身のブレンドからボトルデザインまで氏がこだわり抜いて作った逸品。 当時はガラス職人が一本一本手作業で製作したボトルを採用するほどのこだわりっぷりだった。 重厚な余市モルト原酒、華やかな宮城峡モルト原酒と、ニッカが誇るカフェグレーン原酒のブレンド。 余市の程よいピートが効いており、この価格帯としては本格的なスモーキーさが味わえる。 伝統的なスコッチウイスキーへのリスペクトが強いニッカならではの品。 ・ニッカ フロムザバレル 今では知る人ぞ知る人気の品。隠しキャラ的扱いで、レアなのでネットで買うと定価の倍くらいしてしまう。 アルコール度数51.4%という高度数が特徴。ただ度数が高くて酔いやすいだけ…では当然ない。 ウイスキーは樽の中では元々55~64度くらいある物を、通常は瓶詰めの際に40度付近まで水で薄めて商品化している。 つまり度数が高い製品はそれだけ水で薄まっていない=ウイスキーの味わいも濃い、という事が言える。 アルコール度数51.4%のフロムザバレルは甘みやコクなどの味がかなり濃いのが特徴。 生産数・流通ルートをかなり絞っている半限定品のような扱いで、人気の高さも拍車をかけてなかなかお目に掛かれないのが玉に瑕。 名前からカスクストレングス=樽出し原酒と勘違いされやすいが50度に揃うまでは少量の加水がされている。 ・ニッカ フロンティア 2024年10月に、ニッカセッション以来4年ぶりの新発売となった新ボトル。 余市蒸留所のピーテッド(燻した大麦を使ったスモーキーな)原酒がキーモルト。 アルコール度数高めの48%、ブレンデッドとしては稀なモルト原酒比率51%以上、冷却ろ過せずに常温ろ過のみ…と、 明らかにカジュアル層狙いではなくウイスキー好き、特にシングルモルト好きのようなマニア層にリーチさせるような造り。 スモーキーさはそれほど強くないものの、同価格帯の他のボトルと比較して骨太で重厚感ある重ための味わい。 定価は2000円だが、内容量は少なめの500ml。700mlに換算すると2800円くらいのランクのボトル。 ハイボールよりもストレートやロックの方が味わい深い印象(これは個人の感想です)。 まだハイボールしか飲んでいないウイスキー初心者もフロンティアを機にロックにチャレンジしてみるのもいいかもしれない。 氷で冷却・加水されたウイスキーはストレートよりもまろやかに味わいやすくなる。 **スコッチ ・ジョニー・ウォーカー ディアジオ社が手掛ける世界一有名で、世界一売れているスコッチウイスキー。 味わい豊かなモルト原酒と、生産性に優れるグレーン原酒をブレンドする「ブレンデッドウイスキー」。 ディアジオが所有する数多の蒸留所から原酒を集めて作られ、ブレンドを調整する事により毎年出来の違うウイスキーの品質を安定させている。 ブレンドや熟成年数の違いでラベルを色分けしており、特に有名なのが黒いラベルのブラックラベル12年、通称「&bold(){ジョニ黒}」。 日本ではシャンパンやワインが台頭するまで高級洋酒の代名詞として知られ、小津安二郎映画から「[[サザエさん]]」「[[かりあげクン]]」に至るまで数多くの作品に登場した。 1980年代までは関税・酒税が非常に高く価格は一瓶1万円だったが(高級品だったのもこれが理由)、1985年に当時の英国首相サッチャーによって規制緩和され現在では2000円台で入手可能。&color(#a9a9a9 ){サッチャーさん本当にありがとう。} かつての高級ポジションは現在ブルーラベル(ジョニ青)が担っている。 黒の下にあたるレッドラベル(ジョニ赤)は安くて飲みやすく、スコッチの入門向け。 ・バランタイン スコッチの販売数量では永遠の二番手。ジョニーウォーカーに次ぐ大定番。 歴史も同じくらい深く、同じくらいファンも多い。老舗としては珍しくカクテルも公式で推していく革新派。 つい最近歴史の長いバランタイン12年が終売し、新たにバランタイン10年に入れ替わったのは業界をかなりざわつかせた。 ジョニーウォーカーの看板商品をジョニ黒ことジョニーウォーカー12年とするなら、こちらは何といってもバランタイン17年。 17年は「ザ・スコッチ(意訳:これぞスコッチウイスキー)」と謳われるほど評価が高く歴史も古い。 近年思い切り高騰してしまったが、ウイスキー好きならば1度くらいフルボトルで購入し好きに味わってみる価値はある。 一番安いバランタイン・ファイネストも慣れていれば値段に見合わない複雑味を楽しめるが、 短熟ゆえの未熟さも結構強めなので初心者がストレートで飲むなら7年や10年の方が無難。 ・グレンリベット12年 ・グレンフィディック12年 世界一売れている「シングルモルト」スコッチの2銘柄。 年によって1位と2位が入れ替わる事はあってもこのツートップはもはや不動。 どちらも華やかでフルーティーな、シングルモルト入門として最適なボトルで、ハイボール適性も高い。 シングルモルトとは一ヶ所の蒸留所が単独(シングル)で作る、大麦麦芽(モルト)原酒100%のボトル、と言う意味。 上述のジョニーウォーカーの様なブレンデッドとはあらゆる意味で対極に位置するジャンル。 それぞれグレンリベット蒸留所、グレンフィディック蒸留所の個性をダイレクトに味わえる。 ウイスキーにただコスパを求めるならブレンデッド一択なのだが、ウイスキーを趣味にするなら手始めにこの辺りから買ってみても良い。 奥が深すぎて底が見えない、深淵のシングルモルト沼にハマる入り口になるかも知れない。 **アメリカン ・ジャックダニエル 上述したテネシー・ウイスキー代表。というか世界一売れているアメリカンウイスキーなのでアメリカン代表。 テネシーウイスキー特有の製法にチャコールメローイング(炭ろ過)の工程があり、バーボンと比べると滑らかで飲みやすいのが特徴。 通常のオールド№7から、上位品のシングルバレルやライなどバリエーションも豊富。 初心者へのオススメは炭ろ過を熟成前と熟成後の二度に渡って行うボトル「ジェントルマンジャック」。ちょっとだけお高いが非常に滑らかで飲みやすい。 同じアメリカ代表の[[コカ・コーラ]]と割って飲む人も多く、下部に記載しているコークハイではなくジャックコークという独自の名称まであるほどにメジャー。最近コラボ製品も出た。 ミュージシャンに愛好者が多いことでも知られる。 すっごい余談だけど、辛いソースで有名なタバスコ社のペッパーソース。製法としては唐辛子と調味料を樽で熟成させた物なのだが、その樽が&bold(){コレの熟成に使った樽の廃品}だったりする((テネシーウイスキーはバーボンの亜種なので、熟成には新しい樽を用いるのが義務故に樽は1回で廃棄されてしまう。))。 そしてタバスコで使い古した廃品をまたウイスキー用の樽として使う「タバスコカスク」というフレーバーウイスキーがあったりと、持ちつ持たれつの関係だったりする。 ・ジムビーム 販売量ではジャックダニエルには負けるが、バーボンの中では世界一売れている銘柄。 アメリカのビーム一族に受け継がれてきた由緒ある銘柄で、2014年にサントリーがビーム社ごと買収。 実は日本の企業が所有・生産しているバーボン銘柄になっている。 最も安価なホワイトから上位品まで銘柄も豊富。アップルやハニーなどシロップを混ぜたフレーバードウイスキーもある。 ジャックほどではないが、バーボンウイスキーの中では比較的クセは少なく飲みやすい。 **アイリッシュ ・ジェムソン イギリスのお隣のアイルランドから、アイリッシュウイスキー代表。 スコッチに近いが、発芽した大麦麦芽を混ぜた「ポットスチル原酒」を使うのが独自要素。 非常に軽やかでフルーティー、それでいてどこかクリーミーな印象もあってアイリッシュの教科書的銘柄。 一番お安いスタンダードはとにかく飲みやすい。 スタウト樽やIPA樽などの[[ビール]]樽を使用したバリエーション品もあり、美味。 ・バスカー 新進気鋭のロイヤルオール蒸留所の銘柄。 2020年ころに上陸して以来、日本で毎年100万本を売り上げる大ヒットを記録している。 モルト原酒、グレーン原酒、ポットスチル原酒の三種類の原酒を全てロイヤルオーク蒸留所単独で生産しており、 世にも珍しい‘’シングル‘’ブレンデッドウイスキーが看板商品。 上記のジェムソンが軽やかなフルーティーさならこちらは厚みを感じるフルーティーさ。 炭酸にも割り負けないので飲みごたえのあるハイボールが楽しめる。 **カナディアン ・カナディアンクラブ ガナディアンウイスキー代表。現在国内でまともに流通している唯一のカナディアンだろうか。且つてはクラウンローヤルなどもあったが正規輸入終了。 メープルシロップの様な甘みが特徴的。 カナディアン全体を見るとライ麦由来のスパイシーさも特徴だが、カナディアンクラブにはそれほどスパイシーさは無い。 蜜の様に甘く、蒸留酒慣れした人が初めて飲むと本当に砂糖やシロップを入れているのかと思いかねないほど。 スタンダード品はハイボールに持ってこい。 *飲み方 #center(){&bold(){&color(red){自由(強調)}}} ストレートでなきゃダメ、ハイボールは邪道!なんて事は一切ない。 勿論スコッチウイスキーは基本的にストレートで飲む事を前提にブレンドされているので、ストレートで飲める方がまず銘柄の基本を味わえるというのは間違いない。 しかしハイボールで飲む人にストレートで飲まなきゃ云々とバーでケチを付けたりする迷惑おじさんがこのご時世でも未だに出没する。 自分の好きなように飲めば良いので少なくとも自分が迷惑おじさんにならないように気をつけよう。 強いて言えば蒸留酒のお約束で度数もアルコールの風味も強いので、変に見栄張って濃いまま飲んで具合悪くなったり何が美味しいか分からずじまいな方が余程損をする。 ストレートもまずは味見位の少量で試し、キツいと思ったら素直に他の飲み方に切り替えると良いだろう。 そもそも下戸な人はどうしようもない訳だし。 ・&bold(){ストレート} 蒸留酒の最も基本的飲み方。 何も混ぜたり割ったりせずに瓶から注いでそのまま味わう。 スコッチは基本的にストレートで飲む事を前提として作られている。 ウイスキーのアルコール度数は&bold(){40%~60%}と蒸留酒の中でも比較的高いので、基本はチェイサー(水など)と交互に飲む。 喉や胃を保護する役割があるのでチェイサーは大事。 また西部劇のガンマンよろしく一口でグビッと飲むのは絶対に止めよう。 日本酒以上に舐めるようにチビチビ飲んだ方が味も香りも楽しめる。 本場英国ではビールをチェイサーにウイスキーを飲む猛者もいるが、日本人とはアルコール分解能力が違うので真似するのはオススメしない。 ・&bold(){オンザロックス} 単に&bold(){「ロック」}とも。 ロックグラスと言う背の低い大振りのグラスに、大きな氷を入れてウイスキーを注ぐ物。 ルパン三世で次元大介や[[峰不二子]]が良くやっている、大きな氷をカラン…と鳴らして飲むアレ。 冷やす事で香りや甘みは感じにくくなる傾向。 大きい氷はゆっくりと溶けてウイスキーに水が混じり、加水されていく味わいの変化を含めて楽しむ飲み方。 ・&bold(){トワイスアップ} 常温のウイスキーと常温の水を1:1の割合で割って飲む。 常温の水で割る事でウイスキーの要素を引き延ばし、分析しやすくなる。 スコッチを作るプロのブレンダー達はこの飲み方で味わいを分析しながら原酒配合を決めるそう。 そのせいかたまにスコッチの正当な飲み方はこれだと言われる事もあるが、あくまで分析する為という側面が強い。 商品としてはストレートを基本としている。 ・&bold(){ハイボール} 厳密には[[カクテル]]の一種。 氷を入れたのち、ウイスキーと炭酸を1:3~1:5程度の割合で注いで混ぜる。 最も初心者向けで、ウイスキーを飲めない人でもこれなら飲めるという場合もあるくらい飲みやすい。 炭酸によってストレートでは感じられなかった香りを拾えたりと意外にハイボールで味わい甲斐のある銘柄も。 名前の由来は多々あり、「スコットランドのゴルフ場説」「アメリカの信号係説」「泡を見立てた説」に分かれる。 アメリカ発祥だが日本にはすでに戦前に入ってきた記録がある。 「アサッテ君」でおなじみの東海林さだお氏は「塩豆片手にハイボールを飲みながら夜が更けていった」と学生時代の思い出をエッセイで語ったことがあり、当時(1960年代)は貧乏人向けの安酒扱いだったことがうかがえる。 長らくマイナーな存在だったが、2000年代後半以降にブームが浸透してビールに匹敵する定番に。居酒屋には必ず何かしらのハイボールはある。 ただ○○ハイという名前でもベースがウイスキーだったり焼酎だったりとややこしいのが難点。 ・&bold(){コーラ割り、ジンジャーエール割り} ハイボールの炭酸を[[コーラ]]やジンジャーエールにしたバージョン。 コークハイ、ジンジャーハイという呼称がメジャー。 少年少女にも親しまれているジュースが割り材になっているため、飲みやすさはハイボールと同等かそれ以上。 ウイスキーが入っても脂っこい食べ物との相性は健在。 揚げ物を頬張った後にこれで流し込むと、あぁ至高…… 良くも悪くも割り材の主張が強く、安価なウイスキーでも一定の美味しさを担保してくれる飲み方でもあるが、高価なウイスキーで作ったものはまさしく背徳の味。 ボトルを丸々一本手に入れる機会があったら試してみるのもまた一興。 ・&bold(){水割り} ハイボールの炭酸を冷水にしたバージョン。 かつて日本では「ウイスキー=水割り」と言うほど一般的だった飲み方。 現在では廃れてしまったと言っても良いくらい飲まれる機会が減った。 優しい味わいになって食中酒として優れる飲み方。 ・&bold(){烏龍茶割り} ハイボールの炭酸を[[烏龍茶]]にしたバージョン。「ウイスキー・ウーロン」とも呼ばれる。 『BARレモン・ハート』で酒オンチの松ちゃんがいつも注文してマスターから不興を買っているアレ。 だが決して不味いわけではなく、癖のある香りを和らげつつ、烏龍茶の香りも合わさって飲みやすい。 逆に癖のないウイスキーで作ると烏龍茶の味しかしないが。 また烏龍茶には脂肪分解効果や脂肪吸収抑制効果があるため糖質ゼロのウイスキーと合わせた烏龍茶割りは肥満が気になる人の食中酒として注目されている。むしろ空きっ腹に烏龍茶(とアルコールの組み合わせ)は胃を痛めるので脂っこい食事の食中酒として飲む方が適している。 ・&bold(){量} 主な用語としては、&bold(){『シングル』『ジガー』『ダブル』}がある。 シングルは手の指一本分、だいたい30mlである。 ダブルはシングルの2倍で指二本分、60ml。 ジガーはシングルとダブルの中間で、45mlである。 シングルを&bold(){『ワンフィンガー』}、ダブルを&bold(){『ツーフィンガー』}と呼ぶ場合もあるが、&bold(){意味は同じ。} ウイスキーはアルコール度数が高いので、少しの量でも十分に楽しめるし酔える。 &bold(){自分に合った適度な量で楽しみましょう。} 追記・修正お願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,14) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - ウイスキーフロートっていう水と酒の二層に分かれた見た目を楽しみながら飲むって楽しみもあるでよ -- 名無しさん (2023-07-09 20:48:43) - 好きなんだけど下戸だからちょっとずつしか飲めなくてなかなか減らない。ある意味得してるかもしれない… -- 名無しさん (2023-07-09 21:32:45) - 真冬にカフェラテに入れて似非アイリッシュコーヒーにしてみたり -- 名無しさん (2023-07-09 23:22:58) - アニメとかだと瓶で直に飲む人物が時折出てくるけど、実際飲んでみた時「こんなものあんな風には飲めない」と驚いたw -- 名無しさん (2023-07-10 00:58:19) - チビチビ飲むくらいでちょうどいい。こんなもんがぶ飲みできる人ヤバすぎる -- 名無しさん (2023-07-10 01:30:59) - 甘いものと合うのでマリアージュを楽しみすぎると太る -- 名無しさん (2023-07-10 02:14:24) - ↑アイスクリームと相性バツグンという極悪な特性がw -- 名無しさん (2023-07-10 02:16:38) - アイリッシュのダブルだ -- 名無しさん (2023-07-10 03:15:05) - ↑x2がわかる人なら、三ツ矢サイダーハイボール試してみて。マジでトぶぜ -- 名無しさん (2023-07-10 06:26:03) - 初めてバーに行ったとき映画のキャラにあこがれてウィスキーロック飲んだけど合わなくて断念しそれ以来のんでない・・・。マスターにラムおすすめされてからラムロックばっか飲んでるけど、いろいろ試してみようかな。 -- 名無しさん (2023-07-10 09:31:11) - アル中カラカラ -- 名無しさん (2023-07-10 12:54:39) - 調子に乗ってストレート&チェイサー無しで飲んだら口の中が爛れた -- 名無しさん (2023-07-10 14:39:22) - 美味しんぼのスコッチウイスキーの回でブレンダーがトワイスアップを紹介してた(水割りとしか言ってなかったが、やり方は明らかにトワイスアップ) -- 名無しさん (2023-07-10 14:45:00) - ウイスキーベースのカクテルとか好きなんでバーに行くと注文すること結構あるねえ、マンハッタンとかアイリッシュコーヒーとか -- 名無しさん (2023-07-10 17:16:19) - ウイスキーオナニー(オナホのローションにウイスキーを数滴混ぜる)が2ちゃんで紹介されていて、試したらちんちんが焼けるように熱くなり気持ちいいのは間違いないのだが、口で飲むより以上に酔いが回りやすく、凄い危険なオナニーだった。どう考えても1滴から徐々に試すべきオナニーであり、数滴というのは危険を誘発する表記だったな -- 名無しさん (2023-07-10 18:03:57) - ↑陰茎に限らず膣腔や直腸等へ直接アルコールを入れるのは普通に飲むより遥かに吸収されやすく酔いやすいから止めたほうがいいぞ。そもそもこの原理を応用したのがボラギノール等で知られる座薬な訳だし -- 名無しさん (2023-07-10 18:45:36) - ドクターペッパーともかなり合う -- 名無しさん (2023-07-10 20:49:59) - ダーケストダンジョン2ではヒーロー同士の絆を高めるために飲む(たまに誤爆するのもあるが) -- 名無しさん (2023-07-10 21:09:57) - セントオブウーマン 夢の香りでアルパチーノをジャックダニエルを「俺は付き合いが長いからジョンでいいんだよ」って言うの好き -- 名無しさん (2023-07-11 00:43:53) - オリジナル小説作品のタイトルに「とわいすあっぷ!」と名付けたド呑兵衛のラノベ書きがいる。 -- 名無しさん (2023-07-11 02:02:20) - 世界一売れているウイスキーはインドウイスキーがツートップらしいけどほとんどが国内消費だからカウントされない場合もあるとか。ジムビームはバーボン世界一だけどあくまでもバーボンの範疇でだからアメリカンウイスキーとしてはジャックダニエルにぼろ負けという -- 名無しさん (2023-07-11 03:03:20) - ↑たまーに買うけど自分の金銭感覚じゃあ2000円強や3000円チョイのジャックダニエルは常飲するには厳しいのよねぇ。2000円しないジムビームに手が出てしまうし、たまーにワンランク上!って時もいつもの流れでデビルズカットとかダブルオークにしちゃう -- 名無しさん (2023-07-11 03:22:01) - ↑×3 でもその作者が好んで飲むのはウイスキーではなくクラフトビールという罠w -- 名無しさん (2023-07-11 11:33:49) - 密造酒だったウイスキーを大っぴらに飲めるようになったのは、ジョージ4世の数少ない功績だな。とは言え、密造酒ゆえの工夫が美味いウイスキーになったのも事実。 -- 名無しさん (2023-07-11 21:19:04) - ジョニウォのブルーラベルを紅茶にスプーン数杯垂らして砂糖多めで飲むの好き -- 名無しさん (2023-07-11 22:35:32) - ウイスキー飲んだことないって人は、とりあえずカティサークとかティーチャーズを飲んでみると良いと思う。安価な割には結構美味しいし -- 名無しさん (2023-07-11 23:48:05) - 夏はロックで冬は湯割り、肴は刺し身で。 -- 名無しさん (2023-07-12 11:31:39) - レジェンドという焼酎がウイスキーに似てる味 -- 名無しさん (2023-07-12 12:57:17) - 手が届く範囲で色々呑んだけどハイボールなら一周回って角瓶が一番美味い気がしてる -- 名無しさん (2023-07-12 14:30:41) - アンクルトリスのキャラクターでおなじみのトリスも忘れちゃいけないな。クラシックは廉価系だからお手頃だろうし -- 名無しさん (2023-07-12 22:02:51) - 知多の知の字も出ない項目。 -- 名無しさん (2023-07-13 00:18:03) - 白州やら山崎やらの出荷が復活してきて嬉しい -- 名無しさん (2023-07-13 10:06:47) - 知多もなけりゃバランタインも出ないとか立て主は分かってない -- 名無しさん (2023-07-13 22:40:43) - トップ◯リュのペットボトルウイスキーが雑誌レビューで無茶苦茶にされてたのには笑った。 -- 名無しさん (2023-07-14 01:48:46) - ビタースと砂糖混ぜて飲むのは女々か -- 名無しさん (2023-07-15 00:44:42) - ↑名案にごつ、いろいろカクテルもある以上否定する道理無し -- 名無しさん (2023-07-16 05:49:03) - 子供の頃にサントリーローヤルのCMを見て「いつか、紐をスパッと切って飲みたい」と思ったが、飲める頃には紐が無くなってた・・・ -- 名無しさん (2023-07-17 21:55:32) - サントリーオールドの「寿」マークを見て「なにかお祝いごとのためにとっておくお酒なのだ」と誤解したあの頃(昔は結構そうだった)。 -- 名無しさん (2023-07-17 22:57:56) - 急にめちゃくちゃ詳しい記事立ったな。やはりスコッチがすこ -- 名無しさん (2023-07-23 10:18:50) - シングルモルト沼に一度ハマると抜け出せない -- 名無しさん (2023-07-26 01:13:37) - バー行った時は、ジンライム→アイラ(正露丸みたいにピート強いスコッチ)→バーボン(〆は60度のブッカーズ)をルーティンにしてる。都内で飲んでも1万でお釣りくるし、酒好きにはオススメ -- 名無しさん (2023-07-26 11:30:00) - 邪道と思うなら笑うがいい。俺はザラメ入れて飲む -- 名無しさん (2023-08-02 02:49:00) - 5000円くらいのスコッチを月に3本くらいポイントアップの時に買ってれば、1年くらいでpaypayポイントが1万~2万はたまる。2万ポイント+数千円で20年越えのシングルモルトを実質数千円で買える。シングルモルトマニアにはヤフショおすすめ -- 名無しさん (2023-08-05 16:22:14) - 余市10年って定価8000円ぽっちなんだな。ネットだと10万円超えててビビる。バーなら安く飲めるんやな -- 名無しさん (2023-08-05 19:32:30) - ロボットに飲ませたらダメだぞ -- 名無しさん (2023-12-10 22:33:10) - トップバリュのアレはパッケージに書いてあるだけまだ良心的で上には上がいる。 -- 名無しさん (2024-12-15 11:37:58) - バスカーはまじでうまい -- 名無しさん (2025-01-14 17:26:17) - シングルで、と言いながら親指立てるやつ -- 名無しさん (2025-03-09 11:49:39) #comment #areaedit(end) }