テリファー 終わらない惨劇

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テリファー 終わらない惨劇 - (2025/02/11 (火) 22:24:12) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2024/11/02 Sat 22:09:47
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 13 分で読めます

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#center(){
&sizex(7){&font(b,i){全米が吐いた!?}}

&sizex(6){&font(b,i,#ff0000){失神者続出}}&b(){の}&sizex(6){&font(b,i,#ff0000){超過激ホラー!}}}

&b(){『テリファー 終わらない惨劇(原題:Terrifier 2)』}は、2022年10月公開の米国のスプラッターホラー・ファンタジー・スラッシャー映画。
&b(){安定のR18+作品}である。殺ったぜ。

日本での公開は2023年6月2日で、日本ではシリーズでも初めてVODサービスでの配信やビデオスルーによるソフト販売からではなく、TOHOシネマズ系列での劇場公開作品となり&b(){殺人ピエロが日本の銀幕デビュー}を飾った。
尚、本作の公開に合わせて地域限定だが前作『[[テリファー>テリファー(映画)]]』も劇場初公開されている。

そして、2024年11月8日より長編3作目となる『テリファー 聖夜の悪夢(Terrifier 3 )』が上陸する前の予習としてTOHOシネマズ新宿&梅田にて劇場初公開の『テリファー0』を含むおさらい上映が決定。

監督はデミアン・レオーネ。
主演はローレン・ラヴェラ。

#Openclose(Show=▽目次){
#Contents()}

*【概要】
余りにも&b(){過激な殺人シーンと容赦のないグロ描写}から話題を集めた『テリファー』の続編。
相変わらず、一般的な相場から見れば低予算とはいえ、前作から2倍超の予算となり演出面や小道具が数段どころか幾段もパワーアップしている。
……というか&b(){スラッシャー物で138分は長尺すぎて草}。
それでいて“平均的なホラー映画”━━いや、平均よりも中弛みしていないのは構成と編集がちゃんとしているからなのか。

前作ではストーリーが“あって無いような物”だったのに対して、本作では被害者となる主人公サイドが物語のメインとなるように描かれており、そういう意味では本シリーズがオマージュを捧げてきた過去の名作ホラー、スラッシャー映画に近い構成と風格を持った作品になったと言える。

ストーリー部分については、初の長編作品として再構成された前作の元になった短編作品を纏める形で長尺作品とした『テリファー0』の追加ストーリーパート部分から流用されたと思われる要素が多い一方で、本作では特に『[[ハロウィン>ハロウィン(1978年の映画)]]』や『エルム街の悪夢』や、シチュエーションや毒々しい色使いなど、ダリオ・アルジェント作品から影響・参考を受けたと思われる部分やオマージュ的な要素が強い。

今作中で明確に解答がされている訳ではないものの、初めて“アート・ザ・クラウン”の&ruby(●●){正体}を匂わせる要素が登場している。

*【物語】
&font(b,#ff0000){※以下からは、今作と前作のネタバレを含むので未視聴の方は閲覧注意。}

自らが引き起こした“マイルズ大虐殺”事件の最後に、自らの頭を拳銃で撃ち抜き自殺した“アート・ザ・クラウン”だったが、不思議な力で復活すると監察医を惨殺。

自分を探すパトカーが走り回る深夜のマイルズに戻ると、血に染まった道化装束を綺麗にするためにコインランドリーに入るのだった。
装束を凡て洗濯機に放り込み、全裸で寛ぐアート。

━━すると、かつて移動遊園地で殺した少女が自分と同じ扮装とメイクで現れて微笑みかけてくる&font(l){ついでに盛大にお漏らしした}ので、嬉しくなって少女と手遊びするアート。

アートが&ruby(●●●●){一人きり}で手遊びしているのを奇異な目で見ていた居眠りしていてアートの入店に気づいていなかった客を殺害すると、洗濯は終わって綺麗になったが乾燥機は使わずに濡れたままの装束を着て出ていくアート。

━━それから、1年が過ぎようとしていた。
それはつまり、あの“マイルズ大虐殺”の&b(){次のハロウィン}がやって来るということ。

ハロウィンを前に浮かれるマイルズの若者達の中に、今回の主役であるシエラとジョナサンの姉弟もいた。

……かつて、芸術家だった父親を異常な方法で失ったJKのシエラも、一時期は危うい時期もあったものの服薬の甲斐もあってか安定した日々を取り戻し、来るハロウィンに備えて父の遺したデザイン画を元にしたヴァルキリーのコスチュームの完成を目前にしてラストスパートをかけていた。

そんなシエラの悩みは6年生の弟ジョナサンの最近の趣味の傾向。
“マイルズ大虐殺”の犯人と噂され、遺体安置所から死体が忽然と消えたなんて噂もある殺人鬼“アート・ザ・クラウン”に夢中になり、四六時中インターネットで情報を漁ったり、止めろと言ったのに今度のハロウィンではアートのコスプレをすると言って聞かないのだ。
生真面目て堅物なママにジョナサンのことを訴えるシエラだったが、ママは心配ないという。

そんな中、衣装を直したいとして部屋にやって来たジョナサンと久々にまともに話し合う中で、ジョナサンのことについては少し安心するも、父が噂の“アート・ザ・クラウン”に似たピエロのスケッチと、今まさに完成させようとしているヴァルキリーの衣装を来たシエラがピエロの首を掲げるスケッチが既に描かれていた事実を指摘されて、動揺しつつも就寝。

……が、&ruby(●●●●●●●●●){夢の中で目を覚ます}と、そこは奇妙な“クラウンカフェ”のCM(?)の撮影現場で、シエラも、衣装に身を包み撮影に参加……しているようなのだった。

どう見てもレストランその物ではないのにホームレスに食べ物を分けろと声を挙げ続けるシスター。
陽気に歌いながら危険なガラスと虫入りシリアルの宣伝風景に注目させる、バンジョーを掻き鳴らすフォークシンガー風のピエロメイクの女司会者。
何よりも、他の出演者達は一様に異常に笑顔で、全く話が通じる雰囲気でないことに戦いたシエラは嫌な予感から必死に脱出しようとするが全く体を動かすことが出来ない。

━━そんな中、司会の女に迎え入れられてゲストとして&b(){“アート・ザ・クラウン”}が颯爽と登場する。
最初こそ出演者達と楽しく触れ合っていたかに見えたアートだったが、突如として豹変すると手にしたマシンガンで次々とスタジオに居た者達を虐殺していく。
余りの光景に絶叫したシエラだがそれでも動くことが出来ず、自分も足を撃ち抜かれて痛みでやっと体を動かせるように。
弾を撃ち尽くしたアートは、スプレーを使った即席の火炎放射器で女司会者を火だるまにするとシエラに迫る。
しかし、逆転の一手を&ruby(●●){知る}シエラはガラス片で手を切り、虫に傷口を這い回られながらもシリアルの箱を探り続け━━&b(){パパからもらった剣を翳して炎を弾き返す}のだった、危機を脱するとともに現実世界に帰ってきたシエラが異変を感じて前を見ると、何と苦労して作り上げてきた翼が燃え上がっていた。

シエラの悲鳴に駆けつけてきたママにより本格的な火事にはならずに済んだものの、理不尽にも大目玉を食らうシエラ。
翌日の学校では友人達とハロウィンの話で盛り上がっていたが、TVショーにて“マイルズ大虐殺”の生き残りの女が女司会者を襲ったという話を聞いて、昨日の悪夢を思い出してしまう。

……一方、ジョナサンもまた同級生が見つけた腐った犬の死体で一悶着があった後に何となく気分を害していた所で、授業中にトイレに行くのを許してもらった時に廊下で件の犬の死体を弄ぶアートとアートメイクの少女を目撃するばかりか彼等に死体を投げつけられたことで自分が校内に犬の死体を持ち込んだとの疑いをかけられて自宅謹慎を受けることに。

そして、燃えてしまった自作の羽根の代わりに市販のコスチュームをハロウィンショップに買いに来たシエラだったが、現実世界でも&b(){本物としか思えないアートが接触してくる}のだった。

*【主要登場人物】

-&b(){シエラ}
演:ローレン・ラヴェラ/吹替:筏井かなえ

本作のヒロインにしてヒーロー。
アートと戦う運命を&b(){決定づけられていた&ruby(ヴァルキリー){戦乙女。}}
&font(l){[[リアルでガチ>出川哲朗]]なロリ巨乳な見た目で二次元好きも大喜び。}
芸術家であった父親の才能を受け継いでおり、絵や造形物が得意でハロウィン用の衣装も自作を目指していたが、夢の中でのアートとの邂逅を経て失われてしまうことに━━。

実は、かつてその尊敬すべき相手であった父親が脳腫瘍を理由に精神に異常を来し、家族の中でも特に思春期のシエラが狂った父親の行動により精神を追い詰められたという過去があり、その時の影響から現在でも抗精神薬を服薬している。
父親は最後には車を暴走させて変圧器に突っ込んだ末に逃げることも助け出されることも出来ないままに焼け死んだが遺体は見つからなかった。

……そんな過去がありつつもまともだった頃の父親を今も尊敬しており、頑張って作っていた“ヴァルキリー”の衣装も&font(l){自分の豊かな胸のせいでいやらしくなってたが}父親のデザイン画を再現しようと頑張ってたものである。

最後は、ジョナサンを助けるために導かれた移動遊園地にてアートに追い詰められるが、予想外のタフ&font(l){(なにっ)}さで反撃に転じる。
━━それでも力及ばずに倒れた……と思いきや、アート自身がシエラの部屋から持ち出していた父親から貰った剣の不思議な力により復活━━そして。

因みに、中の人が顔立ちの割には中々のガチムチ体型なのは&b(){中の人がスタントウーマンで本職の格闘家}のため……どんなに属性盛るねん。((更に言えば中の人は実は三十路)である。……どんなに属性盛るねん。))

-&b(){ジョナサン}
演:エリオット・フラム/吹替:中島咲紀

シエラの弟。
12歳で&font(l){父親に似たのか}ヒョロヒョロと背が高い。
ホラーが気になるお年頃なのか、熱心に“アート・ザ・クラウン”のことを調べていてシエラにも心配されていたが、実は興味は勿論のこと父親の遺したスケッチのことも念頭に置いての調べ物だったことを明かしてシエラを安心させている。
実際、本当に遭遇した後はアートに少しも憧れるような素振りは見せず、一貫して恐怖の対象であり(シエラが)倒すべき相手と見なしていた。
中盤にて誘拐され、移動遊園地にシエラを誘き寄せるための道具に使われるが……。

-&b(){バーバラ}
演:サラ・フォークト/吹替:天海玖美

シエラとジョナサンの母親。
父親が変死というか怪死してからは彼女が保険の外交員として働いているようで、家でも顧客と話をしているのが伺える。
母親一人で精神的に負担を抱えたこともあった子供たちを守らねばならないという思いからか、やや堅物が過ぎる所もあり、自分はもう立ち直ったと思っているシエラ達からは少し煙たがられている部分もある。
ジョナサンが学校の中まで犬の死骸を持ち込んだと疑われた時にも少しも息子を信じようとしておらず、ジョナサンが家出するきっかけを作ってしまった。
その後で自動車がシェービングクリームで塗り固められているのを見つけた時には(普通には物理的に不可能なこともあって)ジョナサンの悪戯だとしてプリプリしながら掃除にかかったものの、窓を拭いた時に中で待機していたアートを目撃。
そのまま、手にしていた大口径の銃で首チョンパされてしまい、愛する子供達とは気まずい思いをしたままで別れて身を案じる間もなく殺害されてしまう。

-&b(){ブルック}
演:カイリー・ハイマン/吹替:高木遥香

シエラの友達の中では最も軽薄な見た目と性格で、デリカシーに欠けた話題を出したり、飲酒したり違法な薬物の経験があったり年上の彼氏がいて明らかに経験済みだったり、シエラの迷惑行動に中々の悪態を吐いたりと視聴者にこいつは死んでよし……と思わせておいてからの「それでもあの子は頑張ってる」発言と友情の厚さに「頼む殺さないでくれ」と一気に評価を一変させてみせたとどのつまりは超いい娘。
……が、彼氏のジェフが&ruby(●●●●){尊厳破壊}された後に車外に引きずり出され、何とか一度は逃れたものの、シエラに助けを求めて移動遊園地の中に逃れた後にトイレで追い詰められ、本作を見た後で一部で有名になった&b(){世界最強の酸・(ヘキサ)フルオロアンチモン酸}を浴びせられてからの一連の残虐な方法で殺害されることに。 
因みに、彼氏のジェフの方もJKに手を出す&コカインにも手を出すなど、どうしようもない奴感が半端ないのにそれ以外の言動と考え方はまともで良識的と……何というかいいカップルやったなって……。

-&b(){アリー}
演:ケイシー・ハートネット/吹替:山下琳央
シエラの友達の一人で、大人びた容姿で落ち着いた性格。
シエラが市販のコスチュームを買う羽目になった時に付き合っており、噂のピエロ(アート)に会ったと怯えるシエラに現実的な方向からアドバイスを与えていたものの、真っ先にアートの標的となりシエラ達と合流しようと思っていた矢先に襲撃され、自室に追い詰められた後に&b(){人体解剖レベル}の(殺害ではなく)&ruby(●●){拷問}を受けることに。
その後に母親が帰宅したのだが、母親の方の首は後にお菓子を貰いに訪問しに来た子供達へ渡すお菓子の入れ物として利用された。

*【殺人ピエロ】

-&b(){アート・ザ・クラウン}
演:デヴィッド・ハワード・ソーントン

今作から、明らかに普通の登場人物の枠を超えてきたので分けて紹介。
1年前に“マイルズ大虐殺”を引き起こしたことで早くも都市伝説と化した殺人ピエロで、今作から殺人ピエロ自身が殺害現場(遺体安置所)に残していった署名から劇中でも&b(){アート・ザ・クラウン}が正式な呼称となっている。

遺体安置所にて復活して監察医と、コインランドリーにてハゲたおっさんの2名をオマケで殺害した後は姿を消していたが、再度のハロウィンの到来と共に活動を再開。
……今回は無差別にターゲットを選んでいたように見えていた前作とは違い、シエラを直に会う以前からメインターゲットにしていたようで、それは生前のシエラの父親の遺したスケッチで予言されていた。

前作の時点で映画のスラッシャー(殺人鬼)にもかかわらず銃を使うリアリストぶりが話題となっていたが、本作に於いては薬品にまで詳しいことが明らかとなり、ブルックを殺害する時には激しく焼くつもりで前述のフルオロアンチモン酸を、アリーを拷問する際には人体をじわじわと溶かすアルカリ性の漂白剤を……と薬品に対する知識まであることが判明した。

#Openclose(Show=※正体と考察要素){
アートの正体が&b(){悪魔的な存在}であることは、前作のラストにて明かされていたことだが、本作に於いてはストーリーに関わる匂わせの部分に於いて、本体というよりは、その&b(){悪魔が取り憑いた肉体(?)が死んだはずのシエラとジョナサンの父親}かも知れないと思わせる情報が盛り込まれている。
実際、今作のストーリーに『ハロウィン』の影響が見られることからも、シエラを狙ったのは&b(){他ならぬ肉親を狙っていたから}という考察が有力視されており、父親を狂わせた脳腫瘍=&b(){}悪魔憑きだったとの推論もされている。

**【アートの協力者?】

-&b(){ピエロメイクの少女}

復活したアートが立ち寄ったコインランドリーにて出会った(?)後に行動を共にするようになったアートのコスプレ(?)をした少女。
&ruby(●●●){何故か}&b(){アートとシエラ達姉弟にしか見えない}。
ジョナサン曰く、顔立ちから今回の最終決戦の場となった移動遊園地で数年前に惨殺された少女……らしいのだが、それならばそれで何故に自分を殺したアートに従っているのかは不明。(ただし、下記のビクトリアの例を考えると……?)
時間や空間を無視して出現するのは幽霊か、そもそもが幻の可能性があるが物理的に接触が可能━━と思われる場面も存在している。
『テリファー0』の描写から考えると、この世界での悪魔的存在は光る目が特徴らしいので、アートに取り憑いた悪魔の仲間か何かが支援の為に姿を借りた存在……とかだろうか?

-&b(){ビクトリア}
演:サマンサ・スカフィディ

アートに顔面を喰い潰されながらも“マイルズ大虐殺”からの唯一の生還者となった女子大生。
前作の冒頭、そして今作でも語られている通りにゲストとして呼ばれたTVショーにてホストの女を襲撃していた訳だが、その後は精神病院に収監されていたことがエピローグにて明らかに。
……そして、最後にはシエラが父親から貰った聖剣にて切り落とした後にピエロメイクの少女が持ち去っていた&b(){アートの生首を出産}してアートを現世に復活させた。
壁に“ビクトリア&アート”の署名(日本風に言えば相合傘)をしていたことから、アートの犠牲者の一部は傀儡となる可能性が示されたと言える。
また、他にも女性を侮辱するような文言を書いていたが、これも『テリファー0』にてアートの犠牲になった女性が四肢切断された後に体に刻まれていた文言である。
因みに、エピローグのシーンはまたもやハロウィンなのだが、それが&ruby(●●●){何時の}ハロウィンなのかは現時点では不明。(看護師の口ぶりでは少なくとも1年後が妥当か。)}

*【余談】

-劇中にて流れている白黒映画はジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』とエド・ウッドの『プラン9 フロム・アウタースペース』である。&br()この2作は『テリファー0』(として纏められた短編シリーズ)でも登場している。




追記修正は聖剣で殺人ピエロを撃退してからお願い致します。

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- コアなファンがいる『サマーキャンプ・インフェルノ』の主演だったフェリッサ・ローズも出演してたりする。  -- 名無しさん  (2024-11-03 08:47:35)
- ↑アリーのママ…でいいのかな?  -- 名無しさん  (2024-11-03 11:33:43)
- シエラがヴァルキリーの衣装に着替えるシーンでMiami Nights 1984の「On the Run」という曲が流れてた   -- 名無しさん  (2024-11-04 17:34:46)
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