寄生バチ

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&font(#6495ED){登録日}:2012/11/12(月) 20:06:36 &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- ハチの仲間は、実に様々な生活を過ごす種類が見られる。 毎日各地で蜜や花粉を集めるもの、大きな巣で女王の為に働くもの、さらには強力な毒や牙を持って他の昆虫やハチに猛威をふるうもの等々。 しかし、中にはその一生の一部を&font(#ff0000){他の生物の体の内外}で過ごし、そしてそれを食べながら成長していくという生活をするハチも存在する。 それらを総称して&font(#ff0000){寄生バチ}と呼び、中でも動物に寄生するものの多くは&font(#ffdc00){寄生蜂下目(Parasitica)}というグループの中に含まれている。 ◎概要 寄生バチが「寄生」を行うのは、基本的には卵から幼虫までの頃。大きくなると翅が生え、ごく普通の見慣れたハチの姿となって空を飛ぶ。 だが、そこに至るまで、その生活は他の生物を生きたまま食い尽くすという形を過ごすのである。 彼らのグループは大きく分けて、&font(#0000ff){植物に産卵するもの}と&font(#ff0000){動物に産卵するもの}に分かれている。 植物に産卵するものの場合、鋭く繊細な産卵管を器用に用い、表皮の下の組織内部に卵が挿入される。 そこで生まれた幼虫が食べる事も出来る揺りかごの中で大きく成長を遂げる一方、寄生された植物はその部分だけ大きく膨れ上がってしまう。植物の枝や葉の所に実とも違う妙な膨らみを見つける方も多いかもしれないが、あれが所謂&font(#ff0000){虫こぶ}と呼ばれるものである。 一方、動物に寄生するものも同様に、メスが宿主となる動物やその卵に自分の卵をうみつける。 こちらの場合も植物同様、幼虫はそのまま宿主の体を食べて成長する。あまりに暴れすぎると宿主が死んでしまい、自分自身も巻き添えを食らってしまうので大きくなる段階では殺すと言う事はしない。&font(#ff0000){いわば踊り食いの状態を維持しつつづけるのである。} だが、一旦成長してしまうと状況は一変する。もう住処に用は無いと言わんばかりに態度を変え、宿主を殺して蛹になり、そして羽化に至るのである。 一見ごく普通のアゲハチョウの幼虫が蛹になり、そしていよいよ大空へ向かってはばたくという段階で、その殻を破って出てくるのは見慣れぬ一匹のハチ…そういう体験をした人もいるかもしれない。 こういう場合の寄生を、ずばり&font(#ff0000){「捕食寄生」}と呼ぶ。 因みに基本的にどんな昆虫にも寄生し、他の寄生バチの上にもまた寄生してしまうなど容赦ないが、ノミのように小さすぎるとさすがに無理らしい。&font(#ffdc00){人間には寄生しないのでご安心を。} 同じような生き方をするハチに、ジガバチを代表する&font(#ff0000){「狩りバチ」}と呼ばれるものがある。 こちらも捕えた昆虫の体表の上で卵が産まれ、幼虫は宿主を&font(#ff0000){生きたままじわじわと食べ尽くす}のだが、こちらは親が鋭い針で餌となる昆虫に麻酔を注射し運動機能を奪い、それを自分の巣へと運ぶと言うどこか鳥のような行動をとる。 まず胸部を刺すことで胸部にある脚の筋肉を弛緩させ、動きが鈍ったところで頭部に麻酔を注射し、運動機能のみを完全な停止へと追い込む。 いきなり頭部を狙っても激しい抵抗を受ける可能性があり、刺す場所を間違えると相手が死ぬため、二段階の手順を踏むことで確実に目的を遂行出来るようにしている。 寄生バチと比べてより高度で複雑化している事から、狩りバチは寄生バチから進化したのではないかとも言われている。 ◎主な種類 ・[[エメラルドゴキブリバチ]] ゴキブリを毒を用いて&font(#ff0000){ゾンビ化}させ、洗脳したまま幼虫が食いつくす。 その一生は狩りバチにも似ているが、ゴキブリが行動可能な洗脳状態であることから寄生バチの一つとしても数えられる事もある。詳細は項目参照。 ・アザミウマタマゴバチ 大きさ僅か&font(#ff0000){0.18mm}と、ゾウリムシよりも小さい&font(#ff0000){世界最小}の昆虫。こちらも0.7mmと非常に小さいアザミウマという農業害虫の幼虫に寄生し成長する。 当然ながら顕微鏡を使わないと碌に見る事が出来ず、翅の形もまるでタンポポの綿のように独特なもので飛ぶと言うよりも&font(#ff0000){空中に浮かぶ}と言った方が良いかもしれない。 因みに意外に種類も多く、現在5種類が見つかっている。 ・ヒメバチ科 主にチョウのような蛹になる昆虫を中心に寄生する。 前述の「チョウの蛹の中から現れるハチ」というのは大概こいつのようで、チョウが蛹になるや否や一気に食らいつくし、蛹の内部を乗っ取る。 元々種類の多い昆虫達に寄生するという事からその種の数は半端なく、現在の段階でも既に1万5千種、まだ学名が付いていなかったり未発見のものも含めると&font(#ff0000){最大10万種}もいると考えられている。 ・テントウハラボソコマユバチ 最近になってとんでもない能力が発見されたもの。 名称の通りテントウムシの成虫を襲って卵を産むのだが、テントウムシサイズにまで巨大化したこの幼虫は腹を突き破って外に出て繭を作る。そしてその繭の上にテントウムシが覆いかぶさる。 まるでボディーガードのようなこの行動、実は体内にいる間に幼虫はテントウムシを&font(#ff0000){洗脳}し、行動を支配しているのである。 ・セイボウ上科 青や緑のメタリックカラーが非常に美しいハチだが、なんとこちらは&font(#ff0000){同類のハチ}に卵を産みつける。 しかも狙われるのは主にトックリバチのように泥や筒の中に巣を作る狩りバチ。様々な昆虫を生きながら食べる彼らが、今度は標的の立場になるのである。 ただ中にはガの仲間に寄生するものもいるとか。寄生蜂下目とは違う分類。 ・クリタマバチ タマバチ科のハチで、日本には外来種として現れた。 こちらは名前の通り、クリの新芽に寄生して虫こぶを作ってしまう厄介な害虫。一時は耐性遺伝子を持ったクリのおかげで数が減少したものの、それに慣れてしまいまだ被害は大きい。 ・チュウゴクオナガコバチ そんなクリタマバチを専門に寄生を行うハチ。 前述のアザミウマタマゴバチ同様コバチの仲間で、クリタマバチ対策の為に日本に持ち込まれた。 &font(#ff0000){ただ、日本由来のクリマモリオナガコバチとの交雑が確認される等少々不安な一面も。} ◎生物農薬として …ここまで書くと非常に恐ろしい存在のように思える寄生バチ。特に「植物」に寄生するハチは、農作物以外にも街路樹にも大きな被害を与える事もある。 だが、その一方で「動物」に寄生するハチ達の方は、&font(#ff0000){実は非常に頼もしい存在である。} これらのハチが利用するチョウやガ、そして植物の寄生バチと言うのは、農業にとっては非常に厄介な存在であるのはご存じの通り。 イモムシや毛虫によって次々に野菜や果物が被害を受け、農薬をまいてもすぐにそれに対する耐性を身につけ、さらに強くなってしまう。 だが、実は植物側はこの時、&font(#0000ff){空気中に寄生バチを呼び寄せる物質を作り、SOSを呼び掛けるのである。}それに応えて寄生バチが参上し、害虫を見事に死滅させてくれるのだ。 その能力を活かすべく、近年この寄生バチの研究が進んでいる。 温室やビニールハウス内で大繁殖している害虫達を一網打尽にしてくれる天敵として、現在一部の動物への寄生ハチが&font(#ff0000){「生物農薬」}として販売されているのだ。 害虫が全滅すればそれに合わせて彼らも役目を終えるので、薬品のように後々まで影響が残ると言う事がない。 また相手が相手なので害虫側も対抗手段が持てず、化学農薬と合わせればほぼ無敵の力を得る事が出来る。 しかし一方で動物という事もあり、なかなか結果が思うように出ないという欠点もある。 また先程の通り、管理をしっかりしないと生態系に影響を与えてしまう可能性も捨てがたい。 利点と欠点それぞれを見つつ、適切な対応を取るのが一番だろう。 「寄生」と言うと、嫌な印象で捉えられる事が多い。だが、その能力は時に人間生活を支える重要な力になると言う事を忘れないで頂きたい。&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){グロいけど}}} 追記・修正は殻をやぶってからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,8) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 実際に寄生バチが出てくるところ見たけど、かなりグロい…!! -- 名無しさん (2014-06-01 00:29:04) - カブトムシの幼虫に寄生する奴もいるらしいね。蛹になったからわくわくしてたら変なハエみたいなのが出て来たっていう話を聞いた事がある。 -- 名無しさん (2014-06-05 22:18:17) - 小学生の頃に理科で沢山のアゲハを育てたが、8割くらいはハチになっちゃったなあ。あのがっかり感といったら -- 名無しさん (2014-06-07 23:47:28) - ファーブル昆虫記でゾウムシの神経節を正確に刺し貫いて気絶させて生きたまま巣に運ぶジガバチの話があったな -- 名無しさん (2014-06-08 00:09:54) - ↑↑つまり8割が寄生されていたということなのか……恐ろしい話だ。というかそんな身近なんだな。生まれてこのかた見たことない。 -- 名無しさん (2014-06-08 00:11:30) - アゲハは何匹か羽化させたけどまだ見たことは無いなあ -- 名無しさん (2014-06-08 01:00:26) - 俺もアゲハを羽化させた事は何度かあるけど、小さいうちから虫かごで飼ってたせいか、寄生バチにやられた事は無かったな。単純に近所にいなかったのかも知れないけど -- 名無しさん (2014-07-22 22:40:53) - 農家の方々には益虫の面が強いが、蝶愛好家の方々にはせっかく手塩にかけて育てた蝶の幼虫をダメにする害虫の一面がある。 -- 名無しさん (2014-07-22 22:45:09) - 飼ってた幼虫を寄生バチにやられた人は、蛹から出てきたハチをどうするのかな。逃がすか? 幼虫の仇とばかりに殺すか? -- 名無しさん (2014-07-22 22:46:45) - サウンドノベル「夜光虫」で、新種の寄生バチが人間に寄生する代物で、船員の一人が犠牲になるというシナリオがあった。 -- 名無しさん (2014-07-22 23:12:28) - ↑2仇を討つのはやめといた方がいいと思う。刺されると結構痛いと聞いたことあるし。 -- 名無しさん (2014-07-22 23:38:41) - まだ虫かごの中にいる状態なら、かごの隙間から殺虫剤かけてから、箸かピンセットで拾って、蠅叩きでとどめを刺すという手もあるけど。そんな手間をかけてまで仇を討ちたいと思うかな… -- 名無しさん (2014-07-22 23:50:14) - 自分はアゲハの幼虫を手塩にかけて蛹にしたのにこいつが出たから頭にきてピンセットで捕獲して頭引っこ抜いた。 -- 名無しさん (2014-07-23 00:09:28) - 「ハッピーピープル」って鬱グロ漫画で、本来寄生するクモが激減したから人間に寄生するように進化したハチの話はマジでグロい -- 名無しさん (2014-07-23 00:28:29) - 寄生バチに限らないがハチって基本的に生命力が強い気がする。頭ブッコ抜いた寄生バチも首が無いまんま暫く飛び回ってたし。 -- 名無しさん (2014-07-23 17:51:11) - うちのアゲハはハチじゃなくてハエに寄生されてばかりだなぁ……まぁ、どちらにせよ自分は逃がす派。生のヒメバチは一度見てみたくもある -- 名無しさん (2014-08-23 21:43:12) - No.6しか思い浮かばない -- 名無しさん (2014-08-27 18:40:26) - 俺もNo.6思い出した。 -- 名無しさん (2014-10-04 18:15:29) - ファーブル昆虫記にて狩り蜂の項目立ててほしい、 -- abe (2015-01-28 00:43:30) - 一応益虫なんだよね。 -- 名無しさん (2015-05-26 23:53:02) - あまり日本でばら撒かんで欲しいね。生態系が崩れる。 -- 名無しさん (2015-08-17 14:15:02) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/11/12(月) 20:06:36 &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- ハチの仲間は、実に様々な生活を過ごす種類が見られる。 毎日各地で蜜や花粉を集めるもの、大きな巣で女王の為に働くもの、さらには強力な毒や牙を持って他の昆虫やハチに猛威をふるうもの等々。 しかし、中にはその一生の一部を&font(#ff0000){他の生物の体の内外}で過ごし、そしてそれを食べながら成長していくという生活をするハチも存在する。 それらを総称して&font(#ff0000){寄生バチ}と呼び、中でも動物に寄生するものの多くは&font(#ffdc00){寄生蜂下目(Parasitica)}というグループの中に含まれている。 ◎概要 寄生バチが「寄生」を行うのは、基本的には卵から幼虫までの頃。大きくなると翅が生え、ごく普通の見慣れたハチの姿となって空を飛ぶ。 だが、そこに至るまで、その生活は他の生物を生きたまま食い尽くすという形を過ごすのである。 彼らのグループは大きく分けて、&font(#0000ff){植物に産卵するもの}と&font(#ff0000){動物に産卵するもの}に分かれている。 植物に産卵するものの場合、鋭く繊細な産卵管を器用に用い、表皮の下の組織内部に卵が挿入される。 そこで生まれた幼虫が食べる事も出来る揺りかごの中で大きく成長を遂げる一方、寄生された植物はその部分だけ大きく膨れ上がってしまう。植物の枝や葉の所に実とも違う妙な膨らみを見つける方も多いかもしれないが、あれが所謂&font(#ff0000){虫こぶ}と呼ばれるものである。 一方、動物に寄生するものも同様に、メスが宿主となる動物やその卵に自分の卵をうみつける。 こちらの場合も植物同様、幼虫はそのまま宿主の体を食べて成長する。あまりに暴れすぎると宿主が死んでしまい、自分自身も巻き添えを食らってしまうので大きくなる段階では殺すと言う事はしない。&font(#ff0000){いわば踊り食いの状態を維持しつつづけるのである。} だが、一旦成長してしまうと状況は一変する。もう住処に用は無いと言わんばかりに態度を変え、宿主を殺して蛹になり、そして羽化に至るのである。 一見ごく普通のアゲハチョウの幼虫が蛹になり、そしていよいよ大空へ向かってはばたくという段階で、その殻を破って出てくるのは見慣れぬ一匹のハチ…そういう体験をした人もいるかもしれない。 こういう場合の寄生を、ずばり&font(#ff0000){「捕食寄生」}と呼ぶ。 因みに基本的にどんな昆虫にも寄生し、他の寄生バチの上にもまた寄生してしまうなど容赦ないが、ノミのように小さすぎるとさすがに無理らしい。&font(#ffdc00){人間には寄生しないのでご安心を。} 同じような生き方をするハチに、ジガバチを代表する&font(#ff0000){「狩りバチ」}と呼ばれるものがある。 こちらも捕えた昆虫の体表の上で卵が産まれ、幼虫は宿主を&font(#ff0000){生きたままじわじわと食べ尽くす}のだが、こちらは親が鋭い針で餌となる昆虫に麻酔を注射し運動機能を奪い、それを自分の巣へと運ぶと言うどこか鳥のような行動をとる。 まず胸部を刺すことで胸部にある脚の筋肉を弛緩させ、動きが鈍ったところで頭部に麻酔を注射し、運動機能のみを完全な停止へと追い込む。 いきなり頭部を狙っても激しい抵抗を受ける可能性があり、刺す場所を間違えると相手が死ぬため、二段階の手順を踏むことで確実に目的を遂行出来るようにしている。 寄生バチと比べてより高度で複雑化している事から、狩りバチは寄生バチから進化したのではないかとも言われている。 ◎主な種類 ・[[エメラルドゴキブリバチ]] ゴキブリを毒を用いて&font(#ff0000){ゾンビ化}させ、洗脳したまま幼虫が食いつくす。 その一生は狩りバチにも似ているが、ゴキブリが行動可能な洗脳状態であることから寄生バチの一つとしても数えられる事もある。詳細は項目参照。 ・アザミウマタマゴバチ 大きさ僅か&font(#ff0000){0.18mm}と、ゾウリムシよりも小さい&font(#ff0000){世界最小}の昆虫。こちらも0.7mmと非常に小さいアザミウマという農業害虫の幼虫に寄生し成長する。 当然ながら顕微鏡を使わないと碌に見る事が出来ず、翅の形もまるでタンポポの綿のように独特なもので飛ぶと言うよりも&font(#ff0000){空中に浮かぶ}と言った方が良いかもしれない。 因みに意外に種類も多く、現在5種類が見つかっている。 ・ヒメバチ科 主にチョウのような蛹になる昆虫を中心に寄生する。 前述の「チョウの蛹の中から現れるハチ」というのは大概こいつのようで、チョウが蛹になるや否や一気に食らいつくし、蛹の内部を乗っ取る。 元々種類の多い昆虫達に寄生するという事からその種の数は半端なく、現在の段階でも既に1万5千種、まだ学名が付いていなかったり未発見のものも含めると&font(#ff0000){最大10万種}もいると考えられている。 ・テントウハラボソコマユバチ 最近になってとんでもない能力が発見されたもの。 名称の通りテントウムシの成虫を襲って卵を産むのだが、テントウムシサイズにまで巨大化したこの幼虫は腹を突き破って外に出て繭を作る。そしてその繭の上にテントウムシが覆いかぶさる。 まるでボディーガードのようなこの行動、実は体内にいる間に幼虫はテントウムシを&font(#ff0000){洗脳}し、行動を支配しているのである。 ・セイボウ上科 青や緑のメタリックカラーが非常に美しいハチだが、なんとこちらは&font(#ff0000){同類のハチ}に卵を産みつける。 しかも狙われるのは主にトックリバチのように泥や筒の中に巣を作る狩りバチ。様々な昆虫を生きながら食べる彼らが、今度は標的の立場になるのである。 ただ中にはガの仲間に寄生するものもいるとか。寄生蜂下目とは違う分類。 ・クリタマバチ タマバチ科のハチで、日本には外来種として現れた。 こちらは名前の通り、クリの新芽に寄生して虫こぶを作ってしまう厄介な害虫。一時は耐性遺伝子を持ったクリのおかげで数が減少したものの、それに慣れてしまいまだ被害は大きい。 ・チュウゴクオナガコバチ そんなクリタマバチを専門に寄生を行うハチ。 前述のアザミウマタマゴバチ同様コバチの仲間で、クリタマバチ対策の為に日本に持ち込まれた。 &font(#ff0000){ただ、日本由来のクリマモリオナガコバチとの交雑が確認される等少々不安な一面も。} ◎生物農薬として …ここまで書くと非常に恐ろしい存在のように思える寄生バチ。特に「植物」に寄生するハチは、農作物以外にも街路樹にも大きな被害を与える事もある。 だが、その一方で「動物」に寄生するハチ達の方は、&font(#ff0000){実は非常に頼もしい存在である。} これらのハチが利用するチョウやガ、そして植物の寄生バチと言うのは、農業にとっては非常に厄介な存在であるのはご存じの通り。 イモムシや毛虫によって次々に野菜や果物が被害を受け、農薬をまいてもすぐにそれに対する耐性を身につけ、さらに強くなってしまう。 だが、実は植物側はこの時、&font(#0000ff){空気中に寄生バチを呼び寄せる物質を作り、SOSを呼び掛けるのである。}それに応えて寄生バチが参上し、害虫を見事に死滅させてくれるのだ。 その能力を活かすべく、近年この寄生バチの研究が進んでいる。 温室やビニールハウス内で大繁殖している害虫達を一網打尽にしてくれる天敵として、現在一部の動物への寄生ハチが&font(#ff0000){「生物農薬」}として販売されているのだ。 害虫が全滅すればそれに合わせて彼らも役目を終えるので、薬品のように後々まで影響が残ると言う事がない。 また相手が相手なので害虫側も対抗手段が持てず、化学農薬と合わせればほぼ無敵の力を得る事が出来る。 しかし一方で動物という事もあり、なかなか結果が思うように出ないという欠点もある。 また先程の通り、管理をしっかりしないと生態系に影響を与えてしまう可能性も捨てがたい。 利点と欠点それぞれを見つつ、適切な対応を取るのが一番だろう。 「寄生」と言うと、嫌な印象で捉えられる事が多い。だが、その能力は時に人間生活を支える重要な力になると言う事を忘れないで頂きたい。&font(#0000ff){&u(){&font(#ffffff){グロいけど}}} 追記・修正は殻をやぶってからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,9) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 実際に寄生バチが出てくるところ見たけど、かなりグロい…!! -- 名無しさん (2014-06-01 00:29:04) - カブトムシの幼虫に寄生する奴もいるらしいね。蛹になったからわくわくしてたら変なハエみたいなのが出て来たっていう話を聞いた事がある。 -- 名無しさん (2014-06-05 22:18:17) - 小学生の頃に理科で沢山のアゲハを育てたが、8割くらいはハチになっちゃったなあ。あのがっかり感といったら -- 名無しさん (2014-06-07 23:47:28) - ファーブル昆虫記でゾウムシの神経節を正確に刺し貫いて気絶させて生きたまま巣に運ぶジガバチの話があったな -- 名無しさん (2014-06-08 00:09:54) - ↑↑つまり8割が寄生されていたということなのか……恐ろしい話だ。というかそんな身近なんだな。生まれてこのかた見たことない。 -- 名無しさん (2014-06-08 00:11:30) - アゲハは何匹か羽化させたけどまだ見たことは無いなあ -- 名無しさん (2014-06-08 01:00:26) - 俺もアゲハを羽化させた事は何度かあるけど、小さいうちから虫かごで飼ってたせいか、寄生バチにやられた事は無かったな。単純に近所にいなかったのかも知れないけど -- 名無しさん (2014-07-22 22:40:53) - 農家の方々には益虫の面が強いが、蝶愛好家の方々にはせっかく手塩にかけて育てた蝶の幼虫をダメにする害虫の一面がある。 -- 名無しさん (2014-07-22 22:45:09) - 飼ってた幼虫を寄生バチにやられた人は、蛹から出てきたハチをどうするのかな。逃がすか? 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