Seraphic Blue

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&font(#6495ED){登録日}:2015/11/23 (月) 23:49:58 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(#008cff){「折りしも運命が再動の気配を見せ始めている今日この頃だ。} &font(#008cff){此処は一つ、”彼女達の物語”を見せて貰うか。」} &font(#008cff){「それでは始めよう。」} &font(#008cff){「題名は、これを置いて他に在るまい。」} &font(#008cff){&size(16){Seraphic Blue}} } 『Seraphic Blue』(セラフィックブルー)とは、「天ぷら」こと榊本祐氏が製作したPC用フリーゲーム。RPGツクール2000作品で、2004年公開。 フリーゲームRPGファンなら知っていておかしくない有名作である一方、 その長大なボリュームと盛大に人を選ぶ作風から、フリーゲームトップクラスの賛否両論作でもある。 **概要 プレイ時間50時間の大作RPG。 この50時間というのはサブイベント・やりこみ要素といった脇道を含んでではなく、真っ直ぐゲームクリアまで突っ切って50時間である。 そもそも、本作は意図的に過去作にあったそういう脇道を撤廃しており、やりこみ要素はアイテムコンプぐらいしか存在しない。 曲や一枚絵などもプレイ時間に比例して多数使われている。製作期間は2年だが、クリアすると正直短い気がしてくる。 同氏の「Blue」シリーズの3作目にあたるのだが、特にストーリーの繋がりはない。 前2作はとっくに公開停止されており入手困難なので、なおさら特に前準備として遊ぶ必要は皆無。 本作を遊んだ後にプレイすると、その作風の違いに仰天すること確実ではある。 前述の通りRPGツクール2000で作られているが、ツクール標準の戦闘システムは一切使われていない。 『[[ファイナルファンタジーX>FINAL FANTASYⅩ]]』のCTBに近い、素早さによって行動回数が自由変動する変則ターン制戦闘となっている。 インターフェース面もツクール2000の変数まわりやグラフィック配置を活用することで自作しており、 戦闘画面からメニュー画面、タイトル画面に至るまでツクール2000デフォルトの面影はほとんど無くなっている。 せいぜいセーブ画面で少し垣間見えるくらい。 **特徴 とりあえずストーリー無しに本作を語ることはできない。 後述の通り賛否が非常に激しいものの、フリーゲームとしては異色と言っていいレベルでシナリオに力が入っている。 特に多重に張られた伏線描写に定評があり、中盤以降は怒涛の伏線回収が行われながら話が進行。 冒頭でちらっと触れられただけの描写がラスト近くに繋がっていたりもする。 ただ、その分伏線張りタイムである序盤はやや展開が唐突に感じると言われることも多く、 物語が本当に面白くなってくるのは一章終盤~二章序盤辺り(プレイ時間にして8~10時間)からと評されたりする。 冒頭での映画『[[ショーシャンクの空に]]』のモチーフを初め、演出はどことなく映画的。 笑いの部分もフリーゲームにありがちなギャグやパロディの類ではなく、映画のようなウィットの利いたセリフによって生み出している。 全体的にシリアスで雰囲気が重めの作品であり、「フリーゲームならでは」とも評される残酷描写も特徴。 (直接的なグロはそれ程ないが、文章表現的に色々とえぐってくることはかなり多い) 「鬱ゲー」というまとめ方をされることも多くそれも間違いではないが、決してローテンションがひたすら続くゲームではない。 熱いシーンや感動シーン&font(l){やネタにできるシーン}も十分盛り込まれており、緩急の付け方にも工夫がある。 また、本作は「呉れ」「心算」「只管」など、妙に漢字変換が多く、「暗澹」「欺瞞」などの漢字語もやたらと出てくる。 あくまで演出の一環だが、最初は文章にかなり違和感を感じる、っていうかはっきり言って読みづらい。 ただ、話の内容自体は普通のキャラが大部分、難解な漢字語も話が理解できないレベルの頻度では出てこないので、 「何言ってんのかさっぱり訳わからない」みたいなキャラは殆どいない。&font(gray){いなくはないよ?} 段々慣れてきて、「この漢字語がなければセラブルじゃない」と思うようになれば立派なセラブル信者。 そして、この作品は物語重視だけに、イベントがかなり長い。 序盤から十分単位のイベントが入ってくる上、オープニングから戦闘が可能になるまでは約30分である。 ただ、プレイを通しての想定戦闘数が500とあるように、決して戦闘部分がおまけになっている訳ではなく、ボス敵も多数登場する。 とは言え、「ゲームはプレイヤーが操作してなんぼ、イベントなんて短ければ短いほどいい」と考えるのであれば、 それは&bold(){ドクターマリオしか知らないお母さんが弾幕シューティングをやるようなもの}なので流石に本作とは相容れないとは思われる。 作者は『[[ゼノギアス]]』のディスク2肯定派なので、その辺りから察するべきか。 以上の点から、「&font(#ff0000){厨二病のクソゲー}」から「&font(#0000ff){フリーゲーム世紀の傑作}」まで評価の割れやすいゲームである。 決して万人受けはしないが、少なくとも凄まじい作り込みに関しては誰もが認めるところだろう。 上記の点に納得できるのならば、ツクール2000を代表する大作のひとつとして遊ぶ価値はある。 **ストーリー ==二年前== 門扉に「Residence Minerva」と書かれたとある施設。 「青髪の女性」は、この施設の中で厳しく管理され、外に出るにも発信機と何人もの警備兵が必要であった。 今日も護衛を引き連れ「アカデミー」から帰ってきた彼女だが、そこに何者かによる施設への襲撃が発生。 セキュリティを跳ね除け警備兵を倒してその女性を「迎えに」きたその中年男性に、女性はこう言う。 「&font(#008cff){また…。逢えたわね…。}」 ==現在== 人々を襲う怪物「イーヴル」を掃討する稼業「イーヴルスイーパー」で生計を立てる青年・レイクに、 近くの森に住むイーヴルを退治してほしいという依頼が入る。 金を稼ぐというより荒んだ人生のウサ晴らしにイーヴルスイーパーをやっているレイクは、 いつもの通りイーヴルを殺してやろうと森に足を運ぶが、そこで謎の存在・エンデに遭遇。 レイクを知っているらしいエンデの呼び出した怪物にレイクは全く歯が立たず、 殺されそうになるレイクの前に、突如として冒頭の「青髪の女性」=ヴェーネが現れる。 ヴェーネからは謎のエネルギーが放出され、怪物は消滅する。そして、彼女の背中からは白い羽根が…… 「&font(#0000ff){天使…?}」 気を失ってしまったヴェーネを、町医者ランゲルの元へ運んできたレイク。 一体彼女は、そしてあのエンデとかいう化け物は何者なのか?なぜレイクの元に現れたのか? 目が覚めたヴェーネに問おうとするレイクに向かって、ヴェーネは言う。 「&font(#008cff){アナタ…誰?}」 記憶喪失になってしまったヴェーネ。 すべてを知るため、レイクはヴェーネと共に「天使」の正体を知る旅に出るのだった。 **登場人物 ・レイク・ランドヴェリー(22) 産まれてすぐ母親が死に、父親も行方不明という境遇のお陰ですっかりやさぐれてしまった青年。 命の危険もありながら大して稼ぎのないイーヴルスイーパーという職業を選んだのも、 化け物イーヴルを惨殺してウサ晴らししたいというだけの理由だったりする。 冒頭でオラオラ言いながらイーヴルを嬲り殺しにする様にプレイヤーは引いてしまうだろうが、 精神的な拠り所がなくヒネてしまっているだけで、育った孤児院の運営者であるイリエナさんのお陰か割とまともな部分も多い。 2周目で見ると、むしろ微笑ましい光景とさえ思えないことも無いものである。いやほんとに。 主人公なのに、技が「&bold(){ヘイトレッド}エッジ」「&bold(){ダークネス}ハーツ」「ソード&bold(){インサニティ}」とネガティブなイメージしか受けないものばかりである。 性能そのものは素直なので、敵をあまり選ばない汎用型と言える。属性が闇と破に片寄る点がネック。 ・ランゲル・ハルス(58) 田舎町トゥルクで医院を開いている町医者。&font(l){ハゲ(後退型)。} 財閥系のローズバーグホスピタルに勤めていた名医のはずなのだが、 ローズバーググループを目の敵にするトゥルクにおいて彼の居場所は無い。&font(l){頭髪も無い。} レイクとはそれなりに付き合いが長く、互いに軽口を言い合う仲。 ・ヴェーネ・アンスバッハ(22) レイクの前に突如現れ、謎の力で怪物から救ってくれた女性。 羽が生えた「天使」であり、雰囲気もどこか常人と異なったものを感じさせる。 レイクを救うために力を解放したことで記憶喪失になってしまったため、 彼女の正体を掴むために旅に出るのが序盤のストーリーとなる。 記憶喪失は中盤に入りかける辺りで治り、「元々のヴェーネ」に戻るのだが、 そこからが彼女の本領発揮であり、「彼女こそ本作のヒロイン」だということをまざまざと見せつけてくれる。 回復と補助に適正を持った支援型キャラ。一応「アローレイン」などの攻撃技も習得するが、火力が低く当てにならない。 しかし中盤から強力な技を習得していくため、最終的には穴のない万能タイプにまで大成する。 ・エンデ(?) 子供の姿をした化け物。 とは言っても、灰色の皮膚組織など、見るからにヤバそうな感じがプンプンしており威圧感が凄い。 人を殺して泣き叫ぶ顔がどうとか臓物がどうとか排泄物や吐瀉物がどうとか、 レイクが全然かわいく見えるレベルの鬼畜グロ台詞を吐いて周囲とプレイヤーをドン引きさせる。 「このゲーム一般では出せないよなあ」とみんな思う理由の4割くらいはこいつのせい。 ・ニクソン・クロムウェル(33) ホーイックの街の教会で幼天使の保護をしている牧師。 一行が訪れた際はいきなりチンピラに銃を突き付けて退去させているシーンに遭遇するが、 実際はなかなかの人格者で、世間の酸いも甘いも噛み分けている。 基本的には温厚ながらも熱さを持っているところがあり、 環境が揺れ動く中感情を露わにするシーンは必見。 ヴェーネ同様回復と補助に適正を持つが、「ロザリオスナイプ」などの固有技で、ある程度攻撃もこなすことが可能。 無印版だとヴェーネと異なり、イベント進行に伴う強化がなかったため下位互換扱いされやすかった。 しかしDC版で大幅に技が追加され、役割を明確に差別可されている。 ・ランサード・シャイアン(30) 十年前に、若手にも関わらず最強のイーヴル「イーヴル・ディザスティア」を倒した伝説の英雄。 だが、人々が安堵と歓喜に包まれる中、当の本人はそれを最後に失踪している。 莫大な賞金も受け取らずなぜ姿を消したのか、現在ではむしろ謎の人物として語られる存在である。 ゲーム中盤から登場し、口数は少ないながらもどこか何かを背負っているような様子を感じられるが、 登場当初から朴念仁呼ばわりされたりおじちゃん呼ばわりされたりとどこかネタ臭い。 挙句の果てにプレイヤーからはロリコンネタが定着する始末。&font(l){実際最後には三才児に落ち着くからちょっとマジで否定できない} 威力の高い単発技で、敵の弱点を突いていく重戦士キャラ。 技で発生したFEを味方の攻撃に利用できる一方、弱点属性のない相手では若干その利点が薄れる。 無印だと技のレパートリーがイマイチ乏しかったり、最強技がFEを消費するせいで使い辛かったりしたが、DC版でいずれも改善されている。 ・ゲオルク・ローズバーグ(62) 世界最大の巨大財閥「ローズバーググループ」のドン。 新薬の開発を機に、田舎町の小さな薬屋から今の立場まで成り上がった稀に見る成功者。 ただ、その陰ではやっぱりというか何というか黒い噂が絶えない。 上記からの流れで、なんでこの話に財閥のトップが関わってくるのかと思うかもしれないが、 あんな経緯やこんな経緯があって非常に重要な立場なのである。 ・ドリス・シュテンダル(16) オープニングにも出てくる、ヴェーネと友人らしき関係にある少女。 一応現実なら高校生の年齢で、背も159cmとそれなりにあるのだが、 知的障害を抱えており言葉が拙いため、本作ではゲーム内外を問わずロリ扱いされる傾向にある。 その一方で、サヴァン症候群の一種と見られる現象により非常に高い魔力を持ち、 その設定に違わぬ高火力っぷりはゲーム中大いに役立ってくれる。 高魔力と最高の攻撃魔法適正により、最大の瞬間火力を発揮する。 反面、耐久が全メンバー中ぶっちぎりの紙。いかに戦闘不能を回避していくかが課題になる。 ・ジークベルト(56) 本作随一のマジキチであり、だいたいこいつのせい。 「&font(#ff0000,u){&color(Blue){子育てこそはこの世で最高の『ゲーム』である}}」という狂った思想に基づき、事態を色々な方向にややこしくした元凶。 本ページ冒頭の台詞などを例として、妙にキザったらしいというか持って回った言い回しを多用する傾向にあり、 その骨頂が名言「&bold(){臨場感を凌駕してリアルに於いて反映実現される、有質量の全ての結果}」である。&font(l){何言ってんだお前。} このゲームが厨二病ゲーと揶揄される理由の3割くらいはこいつのせい。 「絵に描いたようなWiki籠もりがいたものだな。天然記念物だ。」 「保全する必要はありませんがね。」 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 数年ごとに一周プレイしてる。 -- 名無しさん (2015-11-24 00:12:41) - 全体的にストーリーが重いんだけど最後まで終わらせてみるとスッキリした達成感が残る良ゲー。初めてプレイした当初は中盤辺りの展開に呆然とした覚えがあるなぁ。お前そこで○ぬのかよ、と -- 名無しさん (2015-11-24 19:20:04) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2015/11/23 Mon 23:49:58 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 9 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(#008cff){「折りしも運命が再動の気配を見せ始めている今日この頃だ。} &font(#008cff){此処は一つ、”彼女達の物語”を見せて貰うか。」} &font(#008cff){「それでは始めよう。」} &font(#008cff){「題名は、これを置いて他に在るまい。」} &font(#008cff){&size(16){Seraphic Blue}} } &bold(){『Seraphic Blue』}(セラフィックブルー)とは、「天ぷら」こと榊本祐氏が製作した[[フリーゲーム]]。 [[RPGツクール2000]]作品で、2004年5月15日公開。 フリーゲームRPGファンなら知っていておかしくない有名作である一方、 その長大なボリュームと盛大に人を選ぶ作風から、&bold(){フリーゲームトップクラスの賛否両論作}でもある。 *【概要 - Übersicht -】 ---- ''プレイ時間50時間''を誇る大作[[RPG>RPG(ロールプレイングゲーム)]]。 この50時間というのはサブイベント・やりこみ要素といった脇道を含んでではなく、真っ直ぐゲームクリアまで突っ切って50時間である。 そもそも、本作は意図的に過去作にあったそういう脇道を撤廃しており、やりこみ要素はアイテムコンプぐらいしか存在しない。 この長いプレイ時間に比例して演出の量も凄まじく、ざっくり数えて&bold(){曲は100曲、一枚絵も100枚を優に超える。} 戦闘曲を例に挙げれば、ボス曲が複数あるのは当たり前、章ごとに通常戦闘曲が変わり、特定ボス専用曲も複数ある。 ある街では&font(#008cff){イベントでも何でもないエレベーターの昇り降り専用の一枚絵がある}(動かして動画のように見せている)ぐらいの凝りよう。 製作期間は2年だが、クリアしてから振り返ると&bold(){「え、これたった2年で作ったの…?」}と引くほど驚けること必至。 同氏の「Blue」シリーズの3作目にあたるのだが、特にストーリーの繋がりはなく、全くの別作品と考えても問題ない。 そもそも前2作は本作の公開以前に公開停止しているため、そもそも基本的に遊ぶことはできないのだが。 前述の通りRPGツクール2000で作られているが、&bold(){ツクール標準の戦闘システムは一切使われていない。} 『[[ファイナルファンタジーX>FINAL FANTASY Ⅹ]]』のCTBに近い、素早さによって行動回数が自由変動する変則ターン制戦闘となっている。 インターフェース面もツクール2000の変数まわりやグラフィック配置を活用することで自作しており、 戦闘画面からメニュー画面、タイトル画面に至るまでツクール2000デフォルトの面影はほとんど無くなっている。 せいぜいセーブ画面で少し垣間見えるくらい(そのセーブ画面も、キャラクターではなく進行状況とプレイ時間等を出すよう改造されている)。 なお、本作には「&font(blue){通常版}」と、公開後の自己反省や意見等を元に若干のリメイクが行われた「&font(red){ディレクターズカット版}」(DC版)が存在する。 (通常版はフリーDLサイトのVectorで現在もダウンロード可能。DC版は公開ブログ[[消滅]]のため、有志が公認で代理公開していたがこちらも配布を終了しており、現存するキャッシュを通じてダウンロードする必要がある) ただし、変更点が必ずしも上位互換という訳ではないので、今後遊ぶ場合は以下の点を参考に。 ・&font(blue){通常版}……音楽の評価が高い。 / 死に技がやや多く、キャラ間バランスが微妙。最近のPCでは音源が合わないため自分で調整する必要あり。 ・&font(red){DC版}……追加イベントがある。弱キャラが少ない。 / 音楽がテクノ調に変わりやや不評。一部壊れ技がある。 その他にも有志による非公式の改造版や、海外プレイヤー向けにファンが翻訳した公認の[[英語]]版も存在する。 原稿用紙何百枚の文章量を書いた作者も凄いが、それを全訳したファンも相当変態である。 『Ocean Voice』『Dark Necklofar』等の&bold(){明らかに本作}&font(l,gray){をパクった}&bold(){に影響を受けたゲーム}や、 &bold(){本作に人生変えられた人}とか、&bold(){本作で大学の論文書いた人}とかも居るゲームである。マジで。 *【特徴 - Eigenschaften -】 ---- とりあえずストーリー無しに本作を語ることはできない。 後述の通り賛否が非常に激しいものの、フリーゲームとして異色なのはもちろん、''普通に世の大作RPGとタメを張れるかそれ以上のレベルでシナリオに力が入っている。'' 多重に張られた[[伏線]]描写に定評があり、中盤以降は怒涛の伏線回収が行われながら話が進行。 冒頭でちらっと触れられただけの描写がラスト近くに繋がっていたりもする。 特に高く評価されているのは、&bold(){黒幕関連の正体/動機/目的に関する伏線。} その巧妙に隠され散りばめられた伏線もさることながら、このゲーム特有の「真実」とクライマックスに繋がっていく様が非常に美しい。 ただ、その分伏線張りタイムである序盤はやや展開が唐突に感じると言われることも多く、 物語が本当に面白くなってくるのは一章終盤~二章序盤辺り(プレイ時間にして8~10時間)からと評されたりする。 「天ぷら節」とも言われる軽妙な筆致はゲーム序盤から十分堪能できるが。 冒頭での映画『[[ショーシャンクの空に>ショーシャンクの空に(映画)]]』のモチーフを初め、演出はどことなく映画的。 笑いの部分もフリーゲームにありがちなギャグやパロディの類ではなく、映画のようなウィットの利いたセリフによって生み出している。 全体的にシリアスで雰囲気が重めの作品であり、「フリーゲームならでは」とも評される残酷描写も特徴。 (直接的・視覚的なグロはそれ程ないが、文章表現的に色々とえぐってくることはかなり多い) 「鬱ゲー」というまとめ方をされることも多くそれも間違いではないが、決してローテンションがひたすら続くゲームではない。 熱いシーンや感動シーン&font(l){やネタにできるシーン}も十分盛り込まれており、緩急の付け方にも工夫がある。 また、本作は「呉れ」「心算」「只管」など、妙に漢字変換が多く、「暗澹」「欺瞞」などの漢字語もやたらと出てくる。 あくまで演出の一環だが、最初は文章に違和感を感じるかもしれない、というかまあ正直やや読みづらい。 ただ、話の内容自体は非常に丁寧かつ自然に描写されており、複雑な世界観や人物設定がすっと話に入って来る。 そのため、「何言ってんのかさっぱり訳わからない」みたいなキャラは殆どいない。 &font(#BBBBBB){オーファ⇔エルの会話と黒衣の少女⇔女性の会話は初見用ではないのでしばらく聞き流しておいてください} 世界設定も要素は多いが敵味方の構図等は単純であり、決して難解で理解困難なストーリーという訳ではない。 幅広い人に勧められる作品か…と言うと&bold(){内容が濃すぎて全然違う}のだが、上記の要素が決して出来の悪さに繋がっている訳ではない。 実況動画等でも、「難しい漢字はそんなに…」という人であっても最後まで進んで楽しんだ人は複数見受けられる。 段々慣れてきて、「この漢字語がなければセラブルじゃない」と思うようになれば立派なセラブル信者。 そして、この作品は物語重視だけに、イベントがかなり長い。 序盤から十分単位のイベントが入ってくる上、オープニングから戦闘が可能になるまでは約30分である。 ただ、プレイを通しての想定戦闘数が500とあるように、決して戦闘部分がおまけになっている訳ではなく、ボス敵も多数登場する。 とは言え、「ゲームはプレイヤーが操作してなんぼ、イベントなんて短ければ短いほどいい」と考えるのであれば、 それは&bold(){[[ドクターマリオ]]しか知らないお母さんが弾幕シューティングをやるようなもの}なので流石に本作とは相容れないとは思われる。 作者は『[[ゼノギアス]]』のディスク2肯定派なので、その辺りから察するべきか。 以上の点から、「&font(#ff0000){厨二病のクソゲー}」から「&font(#0000ff){フリーゲーム世紀の傑作}」まで評価の割れやすいゲームである。 決して万人受けはしないが、少なくとも凄まじい作り込みに関しては誰もが認めるところだろう。 上記の点に納得できるのならば、ツクール2000を代表する大作のひとつとして遊ぶ価値はある。 *【ストーリー - Geschichte -】 ---- **==二年前== 門扉に「Residence Minerva」と書かれたとある施設。 「青髪の女性」は、この施設の中で厳しく管理され、外に出るにも発信機と何人もの警備兵が必要であった。 今日も護衛を引き連れ「アカデミー」から帰ってきた彼女だが、そこに何者かによる施設への襲撃が発生。 セキュリティを跳ね除け警備兵を倒してその女性を「迎えに」きたその中年男性に、女性はこう言う。 「&font(#008cff){また…。逢えたわね…。}」 **==現在== 人々を襲う怪物「イーヴル」を掃討する稼業「イーヴルスイーパー」で生計を立てる青年・レイクに、 近くの森に住むイーヴルを退治してほしいという依頼が入る。 金を稼ぐというより荒んだ人生のウサ晴らしにイーヴルスイーパーをやっているレイクは、 いつもの通りイーヴルを殺してやろうと森に足を運ぶが、そこで謎の存在・エンデに遭遇。 レイクを知っているらしいエンデの呼び出した怪物にレイクは全く歯が立たず、 殺されそうになるレイクの前に、突如として冒頭の「青髪の女性」=ヴェーネが現れる。 ヴェーネからは謎のエネルギーが放出され、怪物は消滅する。そして、彼女の背中からは白い羽根が…… 「&font(#0000ff){天使…?}」 気を失ってしまったヴェーネを、町医者ランゲルの元へ運んできたレイク。 一体彼女は、そしてあのエンデとかいう化け物は何者なのか?なぜレイクの元に現れたのか? 目が覚めたヴェーネに問おうとするレイクに向かって、ヴェーネは言う。 「&font(#008cff){アナタ…誰?}」 [[記憶喪失]]になってしまったヴェーネ。 すべてを知るため、レイクはヴェーネと共に「天使」の正体を知る旅に出るのだった。 *【用語 - Anordnung -】 ---- -イーヴル 黒い翼を持った怪物。本編の20年前程から出現を確認されるようになった。 基本そこまで強い個体は見られないが、10年前に現れた超大型個体…通称&bold(){「イーヴル・ディザスティア」}に限っては、ワールドマップの広域を草一本生えない更地に変えるとかいうデタラメな強さを持った、最強最悪のイーヴルとして現代まで語り継がれている。 -天使 [[神話]]上に語られるソレではなく、本作の世界で稀に確認される白い翼を有した人間のこと。翼を持つ以外は通常の人間と大差ない。 全容の解明は遅々として進んでいないが、研究者によればその翼には本人のDNAとは異なる塩基配列が大量に収められており、「なんらかの情報」が収められているとのこと。 現在まで確認されているのはホーイックの村で保護されている幼児の天使のみで、ヴェーネのような成人天使の目撃報告はまだ無い。 *【登場人物 - Charakter -】 ---- ゲーム自体が大規模なため、ゲーム中のキャストデータに載る(メインストーリーに絡む)キャラクターだけでも40人近くに上る。 いずれのキャラクターにも見せ場が与えられており、パーティメンバーや協力者たちだけでなく、敵側や国家要人に対しての描写も濃密である。 もっとも、中盤以降のキャラクターには、&bold(){説明すると自動的に(主に世界観の)ネタバレになってしまう}ようなキャラも多いため、説明者泣かせである。 本項でも、なるべくそこに抵触しないような形に留めて紹介する。 **【パーティメンバー - Hauptfigur und Mitarbeiter -】 -レイク・ランドヴェリー(22) &font(#0000ff){「だったら、帰ってみるか。&br()あいつと居る時間は、嫌いじゃないからな。」} 産まれてすぐ母親が死に、父親も行方不明という境遇のお陰ですっかりやさぐれてしまった青年。 命の危険もありながら大して稼ぎのないイーヴルスイーパーという職業を選んだのも、 化け物イーヴルを惨殺してウサ晴らししたいというだけの理由だったりする。 冒頭でオラオラ言いながらイーヴルを嬲り殺しにする様にプレイヤーは引いてしまうだろうが、 精神的な拠り所がなくヒネてしまっているだけで、育った孤児院の運営者であるイリエナさんのお陰か割とまともな部分も多い。 2周目で見ると、むしろ微笑ましい光景とさえ思えないことも無いものである。いやほんとに。 記憶喪失のヴェーネの正体を探るため、ヴェーネと共に旅に出る。 主人公なのに、技が「&bold(){ヘイトレッド}エッジ」「&bold(){ダークネス}ハーツ」「ソード&bold(){インサニティ}」とネガティブなイメージしか受けないものばかりである。 性能そのものは素直なので、敵をあまり選ばない汎用型と言える。属性が闇と破に片寄る点がネック。 -[[ヴェーネ・アンスバッハ>ヴェーネ・アンスバッハ(Seraphic Blue)]](22) &font(#0000ff){「顔に書いて在るのよ。&br()”昨日は済まなかった”って。」} レイクの前に突如現れ、謎の力で怪物から救ってくれた女性。 羽が生えた「天使」であり、雰囲気もどこか常人と異なったものを感じさせる。 レイクを救うために力を解放したことで記憶喪失になってしまったため、 彼女の正体を掴むために旅に出るのが序盤のストーリーとなる。 記憶喪失は中盤に入りかける辺りで治り、「元々のヴェーネ」に戻るのだが、 そこからが彼女の本領発揮であり、「彼女こそ本作のヒロイン」だということをまざまざと見せつけてくれる。 回復と補助に適正を持った支援型キャラ。一応「アローレイン」などの攻撃技も習得するが、火力が低く当てにならない。 しかし中盤から強力な技を習得していくため、最終的には穴のない万能タイプにまで大成する。 -ニクソン・クロムウェル(33) &color(#996600){「神…ですか…。&br()その答えは、まだ保留にしておきます。」} ホーイックの街の教会で幼天使の保護をしている牧師。 一行が訪れた際はいきなりチンピラに銃を突き付けて退去させているシーンに遭遇するが、 実際はなかなかの人格者で、世間の酸いも甘いも噛み分けている。 基本的には温厚ながらも熱さを持っているところがあり、環境が揺れ動く中感情を露わにするシーンは必見。 ヴェーネ同様回復と補助に適正を持つが、「ロザリオスナイプ」などの固有技で、ある程度攻撃もこなすことが可能。 無印版だとヴェーネと異なり、イベント進行に伴う強化がなかったため下位互換扱いされやすかった。 しかしDC版で大幅に技が追加され、役割を明確に差別化されている。 -ランサード・シャイアン(30) &color(#6600AA){「分かるさ。&br()過去と現在が交差する場所に浮かぶ、たった一つの真実<ぜつぼう>なのだからな。」} 十年前に、若手にもかかわらず最強のイーヴル「イーヴル・ディザスティア」を倒した伝説の英雄。間違ってもジャイアンではない。 だが、人々が安堵と歓喜に包まれる中、当の本人はそれを最後に失踪している。 莫大な賞金も受け取らずなぜ姿を消したのか、現在ではむしろ謎の人物として語られる存在である。 ゲーム中盤から登場し、口数は少ないながらもどこか何かを背負っているような様子を感じられるが、 登場当初から朴念仁呼ばわりされたりおじちゃん呼ばわりされたりとどこかネタ臭い。 挙句の果てにプレイヤーからはロリコンネタが定着する始末。&font(l){実際最後には三才児に落ち着くからちょっとマジで否定できない} 威力の高い単発技で、敵の弱点を突いていく重戦士キャラ。 技で発生したFEを味方の攻撃に利用できる一方、弱点属性のない相手では若干その利点が薄れる。 重戦士だけありHPと攻撃力は高いが。魔法防御と素早さが低めなので後手に回りやすく、敵の魔法攻撃で痛手を被りやすい。 無印だと技のレパートリーがイマイチ乏しかったり、最強技がFEを消費するせいで使い辛かったりしたが、DC版でいずれも改善されている。 -ドリス・シュテンダル(16) &color(#00BB55){「おネエちゃんとイッショに居たい。&br()おネエちゃんが、ワタシのおウチ。」} オープニングにも出てくる、ヴェーネと友人らしき関係にある少女。 一応現実なら高校生の年齢で、背も159cmとそれなりにあるのだが、 知的障害を抱えており言葉が拙いため、本作ではゲーム内外を問わずロリ扱いされる傾向にある。 (本作の登場人物はドリスを除けばほぼ全員成人しているので、確かに若いほうではあるのだが) その一方で、サヴァン症候群の一種と見られる現象により非常に高い魔力を持ち、 その設定に違わぬ高火力っぷりはゲーム中大いに役立ってくれる。 高魔力と最高の攻撃魔法適正により、最大の瞬間火力を発揮する。 反面、耐久が全メンバー中ぶっちぎりの紙。いかに戦闘不能を回避していくかが課題になる。 -ユアン・オースティン(43) &color(#0000ff){「あいつは必ず生き延びる!&br()生きて俺達の所に戻って来る!」} オープニングでヴェーネを誘拐した中年男性。 「オーグ」という組織のリーダーで、年齢に似合わない熱血漢。 直情的だが決断力だけでなく戦略的な思考や気配りも持ち合わせており、オーグのメンバーから慕われている。 ヴェーネを連れて旅をするレイクを追ってきており、ヴェーネのみならずレイクやエンデについても知っている模様。 -ケイン・クルスク(20) &color(#553300){「言っただろ?&br()縛られる程ガキじゃないって。」} 「オーグ」の若手構成員であり、ユアンの右腕。 オーグではエンジニアを担当しており、火器管制全般に広い知識、高い能力を持つ。 クールで皮肉屋な性格からユアンの無鉄砲な提案に嫌そうにする場面も多いが、何だかんだで良いコンビとなっている。 その性格には、本人の語る「家族を亡くした経験」が大きく影響している模様。 -ミネルヴァ・フェジテ(19) &color(#008833){「たとえ貴方が拒んでも、私は歩み寄ろうと思う。」} ヴェーネやニクソンとはぐれたレイクが出会った緑髪のお嬢様。 大男のハウゼンと組んで旅をしている途中でレイクと遭遇、仲間に加わる。 しかし、屈強なハウゼン側が華奢なミネルヴァの言いなりという力関係がミスマッチで、 話をした村人にも&bold(){「誘拐犯かと思ったが違った」「変な二人組」}と怪しまれている。%%もうちょっと素性隠せなかったのか%% 良くも悪くも真面目でスレたところのない性格で、問題に自分で立ち向かおうとする行動派。 本作の[[ゲロイン]]でもある。 -ハウゼン &color(#666666){「分かろうとはしていない。只この身に感じた事を言ったまで。&br()心意気は常にミネルヴァの味方だ。」} ミネルヴァに付き従う、ボディーガードと思われる屈強な大男。 敬語をミネルヴァに使おうとして、何度も「敬語は使うな」とたしなめられているが、人前以外では敬語で話している。 会ったばかりの頃は融通が利かない頑固者(特にミネルヴァについては)の面が目立つが、段々と思慮深さも備えていることがわかる。 固有技&bold(){「マッスルハイテンション」}に吹くのは皆が通る道。 アイデアモチーフは『[[ターミネーター2>ターミネーター2(映画)]]』のT-800だと作者談。 -フォクシー(24) &color(#CC2200){「アタシがあのクソ贅肉集団の仲間に見えるっての?&br()アンタ、本当にいい度胸してるね。」} スラム街「エンヴィ・ケイオス」に住む売春婦。 ゴロツキ集団「ミート一味」から逃げてきたレイクをフォクシーが匿ったのを機に仲間になる。 とてもサバサバした性格だが、生まれ育った経緯から生命に関しては非常にドライかつシビアで、やや暗い感情も持っている。 口を開けば出てくるケイオストークと売春婦トークが持ち味。 -ヤンシー・ユティカ(23) &color(#FF0000){「今度こそ、守り抜きたい。&br()この生命を捨ててでも。」} 異国的小都「テンリン」に住むカンフー使いの女性。 非常にストイックな性格であり、7年前に友人のメンチュンを目の前でイーヴルに殺されてから、その性質はより強くなった。 もっとも、そこにはむしろ過去のトラウマに追い立てられているような自己犠牲の精神も感じられ、どこか危うさも感じられる。 中盤の啖呵を切るシーンは、本作で随一の凛々しさを感じさせると評判。%%相手が小物すぎるだけ?いやそうなんだけども%% 手数で攻める遊撃型のキャラ。本作で大変存在意義の薄い「ノーマルアタック」を、現実的な運用をして戦えるおそらく唯一の仲間。%%鋭滅態ありのDC版に限るが%% 味方の回復も可能だがどうにも器用貧乏感が強く、最終盤の最強技習得までは他キャラに特化分野で劣るのは否めない。ただし「不惑我道・天女新星」の習得後からは文字通り世界が一変する。 **【サブキャラクター - Nebenfigur -】 -ランゲル・ハルス(58) &color(#666666){「失敬な。わしは根っからのリアリストだ。」} 田舎町トゥルクで医院を開いている町医者。&font(l){ハゲ(後退型)。} 財閥系のローズバーグホスピタルに勤めていた名医のはずなのだが、 ローズバーググループを目の敵にするトゥルクにおいて彼の居場所は無い。&font(l){頭髪も無い。} レイクとはそれなりに付き合いが長く、互いに軽口を言い合う仲。 -イリエナ・カンパーニ(58) &color(#CC2200){「あの娘も災難だよ。&br()選りに選ってレイクみたいな朴念仁と旅するなんて。」} トゥルク近くのココモの村にて孤児院を経営する女性。 公正で時には厳しく時には優しく、よく人を見ている孤児院のマザーの鑑のような人物。 両親のいないレイクが多少キレたところはあるものの、まあ全体的に見てまともに育ったのは偏に彼女のお陰とも言えるみんなの母ちゃん。 ただしレイクは未だにイリエナを「母親」とは認めておらず、「イリエナ」と名前で呼んでいる。 -エンデ(?) &color(#222222){「ヒャァァァッ!たまんねー!&br()イッちまいそうだぜッ!」} 子供の姿をした化け物。 とは言っても、灰色の皮膚組織など、見るからにヤバそうな感じがプンプンしており威圧感が凄い。 レイクの前に突如登場、怪物「イルムガルト」を召喚し格の違う力を見せつける。 ヴェーネの秘術により一度は撃退されるものの、以降も一行の前に何度となく現れる宿敵。 人を殺して泣き叫ぶ顔がどうとか臓物がどうとか排泄物や吐瀉物がどうとか、 レイクが全然かわいく見えるレベルの鬼畜グロ台詞を吐いて周囲とプレイヤーをドン引きさせる。 「このゲーム一般では出せないよなあ」とみんな思う理由の4割くらいはこいつのせい。 -ゲオルク・ローズバーグ(62) &color(#CC2200){「私は世界を食らう黒獅子だ。&br()家畜など及びも付かん遥か高みの獣。」} 世界最大の巨大財閥「ローズバーググループ」のドン。 精神安定剤「トランキルG」シリーズの開発を機に、田舎町の小さな薬屋から今の立場まで成り上がった稀に見る成功者。 ただ、その陰ではやっぱりというか何というか黒い噂が絶えない。 上記からの流れで、なんでこの話に財閥のトップが関わってくるのかと思うかもしれないが、 あんな経緯やこんな経緯があって非常に重要な立場なのである。 -[[ヴィルジニー>ヴィルジニー(Seraphic Blue)]] &color(#BBBB00){「赦さない…。御父様を悲しませる悪い奴ら…。&br()御父様は、私が守るッ!」} ゲオルクの一人娘。 なのだが、ゲオルクを「御父様」と呼んで仕える姿は、はたから見て普通の父娘関係には見えない。 非常に高い戦闘能力を持っており、ゲオルクのボディーガードを兼任している。 &color(#BB00FF){「ショックウェーブ&ruby(デュアルアサルト){DA}」}を始めとする強烈な技の数々はみんなのトラウマ。 -ハイディ・バーミンガム(39) &color(#EE8877){「貴方には勿体無い企画よ。&br()只影に逃げ惑うだけのジュヴナイルさん。」} ローズバーググループ傘下企業「ロビン」の開発部門幹部、第一主任。 エンジニアとして非常に高い能力を持ち、事実上のパートナーであるフョードルと共にその才能を買われているが、クールで感情が読めない。 冷徹な性格だが、時折やたら感情的になったりと、内面に抱えているものは誰にも読み取れない。 フョードルの青臭い性格については半ば呆れており、「青二才」と切り捨てている。 -フョードル・ヴォロネシ(22) &color(#7788EE){「よっしゃー!&br()やってやるぜッ!」} ローズバーググループ傘下企業「ロビン」の開発部門幹部、第二主任。 ハイディと共にその才能を買われ、ロビンの極秘プロジェクトリーダーとなった。 チャラい訳ではないが良くも悪くも若者らしく青臭い性格で、現実より理想を追って動くところがある。 「○○(ネタバレ)を超える」という一見明確かつ志高く殊勝な目的を持っているように思えるが、実際のところ若者特有の反抗心によって生まれたものであり、明確なビジョンがある訳ではない。 -ジークベルト(56) &font(#0000FF){「ステレオタイプの幸福論の罪科と言う物だ。&br()救い難い事よ。」} 本作随一のマジキチであり、&bold(){だいたいこいつのせい。} 「&font(#ff0000,u){&color(Blue){子育てこそはこの世で最高の『ゲーム』である}}」という狂った思想に基づき、事態を色々な方向にややこしくした元凶。 本ページ冒頭の台詞などを例として、妙にキザったらしいというか持って回った言い回しを多用する傾向にあり、 その骨頂が名言「&bold(){臨場感を凌駕してリアルに於いて反映実現される、有質量の全ての結果}」である。&font(l){何言ってんだお前。} このゲームが厨二病ゲーと揶揄される理由の3割くらいはこいつのせい。 また、ゲオルクとは違うベクトルで最低の屑親父でもある。 -フリッツ(24) &font(#99AAFF){「僕は咎人。君は十字架。&br()背負う事は在っても、抱き締め合う事は在り得ない。」} ジークベルトの息子。 本当にこの親から生まれたのかと疑問に思うレベルの規律正しい好青年で、初対面のミネルヴァやフォクシーにも「うちのガサツな男どもとは違う」と絶賛されている。 ジークベルトとは職場を同じくするものの、「僕は彼を父親とは思っていない」と精神的には決別している。 しかし、プレイヤー目線ではゲーム冒頭から同僚に向かって悩みや後悔の言葉をこぼす姿を何度も見ることとなる。 とにかくやたらとウジウジ悩んでいる姿ばかりが印象に残るのだが、果たして彼の抱えている「&ruby(とが){咎}」とは何なのか…? 主人公達一行とは積極的に絡まないにもかかわらず、物語のキーパーソンになっている人物である。 -[[イート・ザ・ミート>イート・ザ・ミート(Seraphic Blue)]](??) &font(#dd6622){「肉食え、肉!」} とあるスラム街で%%体のサイズ的にも%%幅を利かせているチンピラ一味のボス。 作者公認のネタ要員だが、そのふざけたビジュアルからは想像もつかない強さでプレイヤーの心をへし折りかかる壁ボスの一体。 個別項目が存在する段階である程度は察して頂きたい。詳細は別項。 「絵に描いた様なWiki籠もりが居たものだな。天然記念物だ。」 「保全する価値は在りませんがね。」 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,17) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 数年ごとに一周プレイしてる。 -- 名無しさん (2015-11-24 00:12:41) - 全体的にストーリーが重いんだけど最後まで終わらせてみるとスッキリした達成感が残る良ゲー。初めてプレイした当初は中盤辺りの展開に呆然とした覚えがあるなぁ。お前そこで○ぬのかよ、と -- 名無しさん (2015-11-24 19:20:04) - プレイ中何度も泣いたわ BGMとか素晴らしいのも多いけど、ラスボスの曲についての逸話知って吹いたw -- 名無しさん (2015-11-25 19:44:17) - ファミ通で紹介されてた -- 名無しさん (2017-02-19 01:23:51) - このゲームで大学論文書かれても担当教官分からんだろうな。てかその猛者、ソースはどこだよ・・・ -- 名無しさん (2019-07-23 17:45:54) - ↑「ヴェーネ論」でググれ -- 名無しさん (2019-08-11 23:48:33) - ↑サンクス -- 名無しさん (2019-10-04 17:00:41) - ゲオルクもジークベルトも、方向性は違えど父親としてはガチのキチガイだよね -- 名無しさん (2019-11-23 11:16:13) - ランサードの項目の三才児ってなんのことかと思ったらそういうことかw そりゃ嘘はついてないけどさw -- 名無しさん (2019-12-23 20:13:34) - 序盤の敵ですら、〇ぬがよいという難易度。甘ちゃんは攻略できない。 -- 名無しさん (2021-02-01 12:10:17) - ↑そんなにきついのか……ガクブル ところで、Switchでリマスターもされたことだし、Cresteajuの項目もできないかなぁ -- 名無しさん (2021-02-01 12:19:17) - ↑大丈夫、無茶しないのと敵の危険な行動を封じるのとで大体なんとかなる -- 名無しさん (2021-02-06 00:07:49) - レトロから最新まで、インディーから商業まで色んなRPGを遊んだけど、Not for meをこれほど感じたゲームは他にない。厨二も極限まで突き抜ければ評価されるものなんだな、という学びも得られたので、そういう意味でも貴重なプレイ体験だった。 -- 名無しさん (2021-10-25 20:10:12) - 単に中二ってだけじゃない。 人の生まれた意味とか使命から解放されることは本当に幸福なのかみたいな哲学的なテーマも内包されてるから大学の論文にまでなってるんだろう。 かなり堅苦しいから途中で脱落する人も多いけど、最後までプレイしたら色々考えさせられることは間違いなくあると思う。 -- 名無しさん (2021-10-30 09:32:15) #comment #areaedit(end) }

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