魔砲戦機ダルマ・カルマ(遊戯王OCG)

登録日:2024/04/29 Mon 22:21:23
更新日:2025/02/09 Sun 01:05:45
所要時間:約 8 分で読めます







だるまさんが〜〜〜〜〜〜〜〜〜………………








ころんだ!!!






アライバルくんとノアールちゃん動いた〜♪





魔砲戦機(まほうせんき)ダルマ・カルマ》とは、遊戯王OCGに登場する通常罠カードである。


  • 《魔砲戦機ダルマ・カルマ/Destructive Daruma Karma Cannon》
通常罠
(1):フィールドのモンスターを全て裏側守備表示にする。
その後、フィールドに表側表示でモンスターが存在する場合、
そのコントローラーは自身のフィールドの表側表示モンスターを全て墓地へ送らなければならない。

【概要】


元々は海外先行カードの一枚であり、2023年9月23日、海外先行カードを収録した『WORLD PREMIERE PACK 2023』にて【ゲート・ガーディアン】、【ゴーティス】らと共に来日した。
また、同年10月10日には遊戯王マスターデュエルでも先行実装が行われた。

イラストに描かれているのは、昔懐かしの通常モンスター《大砲だるま》を模した達磨型の巨大兵器。ホント最近のKONAMIは昔のカードを拾うのが好きだなもっとやれ。
元の《大砲だるま》から更に何門ものレーザー砲を携え照射しており、焼け野原となった戦場と思わしき背景も相まって緊迫感あるイラストとなっている。


【解説】


カード名から連想した人もいるかもしれないが、効果は簡単に説明すると誰もが一度はやったことのある子供の遊びだるまさんがころんだをモチーフにしている。

先行収録された海外でのカード名は《Destructive Daruma Karma Cannon》となっており、『Daruma(達磨)』に近い言葉としてサンスクリット語で『Dharma(法・保持する)』があり、『Karma(業・応報)』と合わせて『動いた者に罰が下る』という意味合いで、この時点で既に『だるまさんがころんだ』を意識していたことが窺える。

一方の日本語版カード名はモンスター名にも見えるネーミングに。ダルマ・カルマなる兵器を出現させるイメージだろうか。
あるいは他作品に詳しいプレイヤーだと魔法少女作品やロボットアニメのタイトルにも見えるかもしれない。これとかこれとか。

では気になるその効果はと言うと、一つの効果を二段階に分けて適用するものとなっている。


一段階目

まず一段階目は、『フィールドのモンスターを全て裏側守備表示する』というもの。
要するにドロー効果の無い《皆既日食の書》である。

『相手の展開中に発動して展開を止めるも良し、バトルフェイズに発動して攻撃を止めるも良し』な汎用性ある効果自体は、自ターンに手札からも発動出来て後攻捲りに使える速攻魔法の《皆既日食の書》と比べて一度伏せる必要のある罠カードであることから、『エンドフェイズにリバースさせない・ドローさせない』という違いを積極的に活かせないと使い勝手に劣る下位互換……と思いたくなる

そしてこの効果は《皆既日食の書》と同じように、
  • 他のカードの効果を受けないモンスター
  • 裏側という概念が存在しないリンクモンスターやトークン
  • 罠カード故に罠カードの効果を受けないモンスター
には一切通用しないのが欠点である。



これだけならダルマ・カルマよりも使いやすく奇襲性の高い増Gニビルなどの手札誘発、状況が限られる上に狙ったカードは除去出来ないものの耐性を無視した大量除去を狙える《拮抗勝負》、小回りの効く【壊獣】の方が良いのではないか、そう思った者もいるかもしれない。


しかしそれは時期尚早。このカードの真価は、この時裏側にならなかったモンスター達に適用される効果の二段階目にある。


二段階目

効果の二段階目。それは、『表側になったままのモンスターを、コントローラーに墓地送りさせる』というもの。


もう一度言おう。




『表側になったままのモンスターを、コントローラーに墓地送りさせる



のである。


これはカード効果をモンスターに適用するのではなく、《痛み分け》《拮抗勝負》と同じように、相手プレイヤーに強制させる効果。

つまり裏側にならなかった効果耐性持ちや裏側という概念自体無いモンスター達を、これ一枚で一斉除去してしまえるのだ。


シトリスの蟲惑魔「ありえない……このわたしが……」


ラーの翼神竜ー不死鳥「おrrrrrrrrrrrrrrrrr」


聖天樹の大母神「貴様あああああああああ!!!!」


ジ・アライバル・サイバース@イグニスター「表出ろこの野郎!!!」


エクスピュアリィ・ノアール「やめて!私の思い出を奪わないでぇ!!


まさに、『振り返った瞬間に相手をその場に止まらせ(裏守備にさせ)、それに応じなかった相手を脱落させる(墓地送りにする)という、『だるまさんがころんだ』を見事に再現した効果なのである。
既に禁止カードであるものの、あらゆる効果を受けないどころか、壊獣によるリリース除去すら封じるあの《No.86 H-C ロンゴミアント》さえも除去出来てしまえる良いノリしたカードなのだ。

これは大量除去を狙えても使用できる状況が限られている&一番除去したいカードを除去出来ない《拮抗勝負》には無い強みであり、このカードと差別化できる要因である。


【弱点】


しかし二つの効果を繋ぐ言葉が「その後」である故の弱点もあり、それは『最初の効果で裏側になったモンスターがいない場合、その後の表側除去処理が行われない』という点。
止まってくれる相手がいなければ、『だるまさんがころんだ』として成立しないからだろうか。

特にありがちなケースとして、フィールドにいるのがリンクモンスターだけになると発動できない
これは、ルールレベルで裏側守備表示が存在しないリンクモンスターでは「フィールドのモンスターを全て裏側守備表示にする」効果処理が行えないため*1
リンク召喚系のデッキを相手にする場合、予め自分がモンスターを出しておく、引っ張りすぎずにリンクモンスター以外の素材要員がフィールドに混ざっているタイミングで発動することも大事。
そして裏側にできるモンスターがいる状況でも過信はできない。
このカードの発動にチェーンして裏側にできるモンスターを除去・耐性付与あるいは先に裏側化されると、このカードの効果で裏側にできるモンスターがいないとして不発、あるいは自分側だけ犠牲になる形になってしまう。

また、以下の弱点は《皆既日食の書》と同様。

  • チェーン不可などの耐性はなく、肝心の状況で相手に無効化されるという状況が起こり得る。
    相手の制圧盤面を崩すために使用するには工夫が必要。
  • 破壊ではなく裏側にする効果なので、裏側になったままフィールドに残るモンスターにはまた別の除去が必要。
    逆に言うと裏側ならモンスターの持つ耐性は適用されないので、破壊耐性持ちでも破壊することが可能になる。
  • 《底なし落とし穴》《砂塵のバリア-ダスト・フォース-》あたりと違い、裏側にしたモンスターの表示形式は変更可能なので、以前のターンに召喚されたモンスターは、効果後すぐに反転召喚されてしまう。
  • 自分のモンスターが並んでる状態で使用すれば、自分も大きな被害を被ってしまう。

そのためこのカードを使用しても困らない盤面・デッキを選んで使用した方が良いだろう。

総じて、闇雲に使用せず(振り返らず)にタイミングを見計らい、ここぞという時に使用する(不意を突く)ことが求められる、まさに『だるまさんがころんだ』の如きスリリングなプレイングが求められるカードと言えるだろう。


【相性の良いカード・カテゴリー】


現代遊戯王における罠カードの申し子であるラビュリンスなら、展開・妨害を罠・手札墓地効果に任せているので使い易く、《迷宮城の白銀姫》で簡単にサーチ出来る上に《白銀の城のラビュリンス》で再利用、《白銀の城の執事 アリアス》後攻0ターン目に使うなんて芸当も可能。
しかし、万能効果を持った姫様ズも裏側になってしまうので使用タイミングには注意。意気揚々と新発売の罠を使った結果巻き添えになるとは流石姫様。


リバースモンスターの集まりである占術姫とも相性抜群。特にダルマ・カルマの後に《占術姫ウィジャモリガン》をリバースすれば、裏守備になって無防備な相手モンスターを一掃することが出来る。


こちらも裏守備戦法が得意なカテゴリーなので高相性。特に裏側に出来ないリンクモンスターを除去できるのはありがたい。


裏守備モンスターを指定することの多い忍者でも採用圏内。何気に日本文化モチーフ繋がりなのも面白い。実際の達磨の起源はインドなのとどう見ても近代兵器なことは気にするな。


  • 《覇王龍の魂》新しいエンタメ
ズァークを呼び出す罠とは、実は相性がとんでもなく抜群である

まずこのカードでズァークを呼び、特殊召喚時の相手場全破壊効果を発動できるが、これで呼んだズァークは効果が無効になっているので、発動は出来ても効果を適用することは出来ない。そこにダルマ・カルマをチェーン発動すると、


ズァークが裏側になったことで、『効果が無効化されている』という状態が無かったことになる。

そのまま『効果が復活したズァーク』の効果で相手場を全破壊!!!

しかも裏側になった相手モンスターは破壊耐性持ちも含め効果を適用できず無防備に破壊される&裏側耐性持ちは強制墓地送りなのでほぼ確実に全破壊出来る。


という小指が赤い糸で結ばれているんじゃないかというレベルの絶妙なコンボが可能なのだ。
もちろんこのズァークは《覇王龍の魂》で呼んだ』という情報も消えるのでEXデッキに帰らず、反転召喚すれば4000打点+耐性持ちで大暴れできる上、相手が魔法を使えば四天の龍を呼ぶことも可能と、まさに至れり尽くせりの組み合わせなのだ。
今のデュエルに満足出来なかったのと再敗北したくなかった結果、サポートカードの穴を塞ぐ戦術までモノにするズァークであった。


【余談】


このカードの海外名は上記に挙げた通りサンスクリット語と日本の『だるまさんがころんだ』を掛け合わせたものだが、海外における『だるまさんがころんだ』に該当する遊びは、国によってモチーフが異なる。

例を挙げると、アメリカは『横断歩道と信号』フランスは『日の出の合図』スペインは『チョコラテ・イングレス』など。
気になる人は調べてみよう。




追記・修正は『だるまさんがころんだ』を遊んだ人も、遊んだことのない人も大歓迎です。

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最終更新:2025年02月09日 01:05

*1 「効果を受けない」モンスターだけの場合は、効果を受けないだけなので発動・効果処理が行える。。

*2 実際に達磨は縁起物として扱われている。