Nein(Sound Horizon)

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&font(#6495ED){登録日}:2018/10/10 (水曜日) 13:19:12 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(#008cff){彼方より来たりて事象を覗き見る視線}} #center(){&font(#008cff){数多の世界を生み出せし《幻想の神々》}} #center(){&font(#008cff){嘗みて願いの星は文月の空に満ち、}} #center(){&font(#008cff){斯くして異なる地平線はひとつに繋がれた…}} 『&bold(){Nein}』とは、2015年4月に発売された[[Sound Horizon]]の「9th Story CD」にして、通算8枚目、メジャーデビュー後5枚目のアルバム。 前Story CD「[[Märchen]]」から約4年強の歳月を経て発売された。 本項目ではアルバムの他、コンサート版等派生作品も解説する。 #contents() *概要 本来なら「Märchen」(7th)の次は「8th」だったのだが、8番目の構想が長大になり過ぎた等であえて先送りにされ、9番目の本作が制作された。 世界観的には2014年のシングル『ヴァニシング・スターライト』との関連性が強いが、同時にこれまでの全Story CDアルバムとも関連している。 タイトルの「Nein(ナイン)」はドイツ語で「&bold(){否定}」を意味し&footnote(本作に参加したナレーターのサッシャ氏はライブパンフレットにて「最初「否定」ではなく9を示す「nine」や「neun」と思った」と記しており、9と否定のダブルミーニングと思われる。)、その名が示すように本作のテーマは「&bold(){過去作の『否定』(IFストーリー・公式二次創作)}」。 重く暗い悲劇や切ない物語を多く綴り、様々な解釈や2次創作同人をファンが紡いでいるサンホラ。 なら、もし曲の中の「悲劇」が否定されたらどうなるのか。 「&bold(){人死にが出るビター・[[バッドエンド]]}」の逆は、「&bold(){万人が喜ぶ[[ハッピーエンド]]}」たりうるのか? &bold(){そもそも人生に絶対的なる正しい選択肢など存在するのか?} そんな答えの出ない問いかけを視聴者に投げかける作品となっている。 ただスタッフクレジットの枠にて「物語解釈の自由」をも記しているため、ある意味ではファンに優しいとも言える。 また曲中では共通して「&bold(){第九の現実}」(初出は2013年の「星の綺麗な夜」から)という単語が登場し、これをどう読む(捉える)かは曲ごとに異なっている。 CDは通常版・初回限定版・完全数量限定デラックス版(「R.E.V.O.」の模造品付属)の3パターン存在し、ある意味では全部買わないと全容が分からない鬼仕様となっている。 ※以下、内容のネタバレを含みます。なおここに挙げた説明はあくまで解釈の一つです。 *ストーリー 基本ストーリーは、意志持つ《遮光眼鏡型情報端末》(サングラス)「R.E.V.O.(but it's called for convenience' sake)」(便宜上R.E.V.O. 以下本文では「R.E.V.O.」と記す)が、他の「書庫」(地平線)にアクセスし、 他の地平線の「悲劇」に繋がる「因子」を「否定」し「改竄」、その後の様子を覗き見るというもの。 だがその上にもう一段階ストーリーが存在し… なおコンサート版パンフレット収録のインタビュー記事によると、選出された原曲と収録曲には共通の裏テーマがあるらしい(「×××」と伏字にされているため詳細は不明だが)。 1:&font(#008cff){檻の中の箱庭} (メインボーカル:「R.E.V.O.」) 「ワタシは眠るのが、とても恐ろしいのです…」 遠い日に「主」を失った「R.E.V.O.」(猫耳グラサン男)が、自分の存在意義に迷い「主の遺した物語(他地平線)」の改竄を図る。 本作基本設定の説明。 「檻の中」だの「箱庭」だのヤバイタイトルだが、少なくとも「Ark」とは関係していない…はず。 今までサンホラにはなかったサイバー感全開の曲で、コンサート版では「R.E.V.O.」や猫ダンサー達がハードなダンスを披露した。 初回盤ジャケット表紙はこの曲にあたり、彼の傍にいる猫耳娘はそれぞれ&color(orange){SHCau}・&font(#b8d200){ROhre}・&font(#008000){DINg}・&font(#008000){GERät}と「シュレディンガーの猫」とも取れる名前で、「西洋骨董屋根裏堂」にも登場している。 なお「R.E.V.O.」はコンサート版や漫画版では「掛けると猫耳が生えるグラサン」扱いされてもいたり。 ソフト版ではここで人型「R.E.V.O.」の出番は終了だが、コンサート版では曲間のブリッジ部分(ソフト版ではモニター映像での説明)で踊っていたそうな。 2:&font(#008000){名もなき女の詩} (メインボーカル:花れん) クロニカ様「めでたし…めでたし…」 恋人に再び会うため、女王を称える歌を紡いで生き延びた詩人エンディミオ・バラッド。だが彼を探し旅立った恋人ルーナは、旅の途中で「支え」が無かったせいか力尽き、パン屋との平凡な幸せを選ぶことに…。 元ネタは『[[Chronicle 2nd>Chronicle 2nd(Sound Horizon)]]』の「詩人バラッドの悲劇」と「辿りつく詩」。同作がリメイク作品だったせいか「R.E.V.O.」は「既に改竄されている」と記している。 パン屋女将となったルーナの明るい様子は楽しいが、ある意味最初から「&bold(){人が死ななきゃ悲劇では無くなるのか?}」と疑問を投げかけてくる歌でもある。 後映像版ではクロニカ様が初実写化されていたり。 3:&font(#b8d200){食物が連なる世界} (メインボーカル:[[南里侑香]]) 「ここに... いたの!? 笑って... いたの!!!」 幼いころから肉を受け付けず、それによるいじめや親友との関係の破綻等で心に傷を負っていた女性。 優しい夫を得るも、子供の死のショックで死の淵に立たされた彼女が最後に得た「悟り」とは…。 元ネタは『[[Thanatos>Thanatos(Sound Horizon)]]』の「輪廻の砂時計」。同作で描かれなかった主人公の過去が語られている。 ラストの歌詞が完全に&bold(){図形}という訳の分からないことになっている(コンサート版ではそれが「砂時計」になるように描かれた)。 …中の人の[[過去キャラ>ヘンリエッタ(GUNSLINGER GIRL) ]](及びサンホラとの接点とも言える[[派生作品>poca felicita]])を考えると、本曲設定で「輪廻の砂時計」をカバーさせたことに何かあるのではと勘ぐってしまう。 4:&font(#0000ff){言えなかった言の葉} (メインボーカル:結良まり) 「それでも私はこの【第九の現実(せかい)】と向き合うことから逃げ出さないわ 」 家族を亡くし、男に裏切られ子供を産んだ、離島にある港街の女性。 愛するわが子が死の淵に立たされた時、彼女を救ってくれたのは偶然にも島を訪れていた老医師だった。 元ネタは『[[Lost>Lost(Sound Horizon)]]』の「ゆりかご」。&bold(){原曲全体がバッドエンド}なせいか、その前に助けが来る様に改竄されている。 5:&font(#ff0000){憎しみを花束に変えて} (メインボーカル:Fuki) 「私... 《同性》が好きだ……」 自分を裏切った男を殺そうとするも、寸前でなぜか愛と殺意が消えた深紅の金髪女性。 ひょんなことから挫折したデザイナーと出会い有名モデル「ステラ」となるも、ライバル「ルナ」に抱いた[[思わぬ思い>百合]]から、自身の悲惨な過去と歩みたい道を考える事に…。 元ネタは『[[Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜>Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜(Sound Horizon)]]』の「StarDust」。曲中には「仮面の男」も登場している。 コンサート版では曲中とリアルをオーバーラップさせるように「児童虐待反対運動への寄付金」金額が表示された。 6:&font(#008cff){西洋骨董屋根裏堂}&footnote(本来の表記では文字の真ん中にキスマークが入る) (メインボーカル:Noël the VANISHING STARLIGHT) 「《対価》は《然るべき刻が訪れたら》払われる…… 」 マネージャー市蔵&footnote(スタッフクレジットや漫画・小説版『ヴァニシング・スターライト』で記されているフルネームは「市蔵仁之助」。コンサート版「最果てのL」でバックに映る眼鏡青年が彼にあたる。)と合流するため「FLOWER ASATO」を探すロックシンガーノエルが、ふと迷い込んだ店「西洋骨董屋根裏堂」。 娘・少女・淑女・老女と見る度に姿を変える女店主が「地平線の迷い子」な「十三番目のお客様」に薦める品は、どれも(他地平線に出てくる)曰く付きのものばかりで、 その中から彼は[[自身のプロディーサー>Revo]]のに似たサングラスを選び、《十三番目の宿主》になってしまう…。 ここで舞台は大きく変わり、ノエルが主人公を務める『ヴァニシング・スターライト』地平線に。映画・ソフト版ではファーストナンバーとなっている。 完全数量限定デラックス版ではこの店の様子が&bold(){箱}型ジオラマとして再現され、その中に「R.E.V.O.」が安置されていた。 ちなみに女店主(CV:[[沢城みゆき]]・[[藤田咲]]・[[深見梨加]])のパートは通常版・初回限定版・完全数量限定デラックス版全てで違うもので、 彼女の素性に関しては「屋根裏」や店に置いてある「深紅の宝石」(レーヌ・ミシェル)等から、「檻の中の花」の「ミシェル・マールブランシェ」説が有力視されている。 7:&font(#ffb74c){涙では消せない焔} (メインボーカル:RIKKI) 「まだ終わりじゃない!!! 」 戦乱の世の中、子供の未来を悲観するあまり生まれる前に中絶してしまった女性。 夫が戦地で死闘に巻き込まれている最中、なぜか屋根裏堂女店主が彼女に2つの姫君人形を貸し与え、彼女は再び諦めた筈の夢を思い描く…。 元ネタは『[[Roman]]』の「焔」。ここから原曲と同じメインボーカルになる。 ある意味では別な形で「イヴェール」に繋がるとも繋がらないとも言える物語。 8:&font(#800080){愛という名の咎} (メインボーカル:Еλευσευζ&栗林みな実) 「ミーシャ♡ ミーシャ♪ ミーシャ♡ ミーシャ♪ ミーシャ♡ エレフ♪ エレフ♡ エレフ♪ エレフ♡エレフ♪ 」 野望の将スコルピオスに贄にされようとする寸前「運命に逆らう」と決め逃げ出し、間に合った兄エレフと再会した巫女ミーシャ。 だがその逃避行には常に、「運命から目を背けた」という罪悪感が付きまとい、2人の幸せの背後には戦乱の世界が…。 対応するのは『[[Moira>Moira(Sound Horizon)]]』の「星女神の巫女」だが、実質的には同アルバム後半全体のアナザーストーリー。 「海賊と縁のあったエレフ」等、一部では本編で語り切れなかった描写の補完にもなっている。 後半での兄妹の限界とも言えるいちゃLOVEっぷりと、その代償の様に繰り広げられる若本無双がやり切れない話。 ここでいちゃついていたせいか、マーベラス小宇宙(仮)コンサート版でも二人がいちゃつくとピンクエフェクトが入った。 というか[[駆逐してやる!>エレン・イェーガー]]とか[[アルミン>アルミン・アルレルト]]声キャラの未来な梶声に言わせるってこれなんて進撃ネタ…。 9:&font(#808080){忘れな月夜} (メインボーカル:Joelle) 「... 矛盾を《否定する》ように呟いた... 私... 幸せだと... 」 遠い日に喪った少年への思いを過去のものにし、政略結婚を受け入れた姫君エリーザベト。 皮肉にも子を為せなかったせいで貴族界から叩きだされた彼女は、流れ着いた修道院で「ムッティ(母)」となる。だが月夜には…。 対応するのは『[[Märchen]]』の「磔刑の聖女」。ラストの高笑いから「エリーゼ勝利エンド」とも呼ばれたり。 また歌い手のリアルを知ると何とも言えなくなる…(本人もライブパンフレットにて自身と重ねたと綴っている)。 10:輪∞廻 「&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){いいえad921d60486366258809553a3db49a4はそれをのぞみません}」 「第八の書庫」にアクセスし、ある「生まれる前の双子」に干渉しようとする「R.E.V.O.」。だがその否定行為は「きょうだいの上の方」から否定される。 未だ描かれぬ「第八の地平線」『Rinne』(題名はコンサート版千秋楽で初お披露目)を暗示させるインスト曲。 実質的に本作の隠しトラック枠にあたり、詳細内容は歌詞カード付属のURL(現在は閲覧不可能)や漫画版、コンサート版映像で確認出来る。 11:&font(#008cff){最果てのL} (メインボーカル:Noël the VANISHING STARLIGHT、「R.E.V.O.」) 「もう辞めてくれ…それじゃ、あまりにも悲しいじゃないか」 「今夜は月が、いえ星が綺麗ですね」 《十三番目の宿主》としてこれまでの改竄世界を見て来たノエルは、自らの感情に従い「R.E.V.O.」からの干渉を「否定」。気持ちを歌にして彼に訴えかける。 そしてそれを受けた「R.E.V.O.」もまた、戸惑いながら自分の思いを歌にする…。 ノエル自作曲「Nein」と、「R.E.V.O.」が歌うメロディー「星空の詩」の2部構成からなるラストナンバー。 コンサート版では「Nein」時「ヴァニシング・スターライト」関係者映像がバックに映り、「星空の詩」時通常版ジャケットが再現された&footnote(ソフト版では完全再現+αとなっているが、実際のライブでは一部キャストが重複している都合上欠けていた面子がいたという。)。 ラストシーンの解釈は様々にとれるが、少なくとも今までのアルバムの中では一番平和的なエンディングと言える。 &font(#ff0000,u){&font(#ffffff){…「西洋骨董屋根裏堂」の存在、及びコンサート版で同曲に追加された台詞を勘定しなければ。}} *Omake Maxi マーベラス小宇宙(仮) 予約限定版に付属するミニマキシで、「別宇宙から試聴版が送られてきた」という設定になっている。 元ネタは2007年に公式サイトで閲覧できた、エイプリルフールネタ版&bold(){2015年発売}第九の地平線「マーベラス超宇宙」から。 なお冒頭の「手紙」の中身は本CDが一週間発売延期になった際、公式LINEに流れた文章とリンクした様な中身になっている。 コンサート版ではアンコールラストに日替わり披露され、ソフト版ではさらに複数公演の映像をリミックスしたものを収録。 このため[[じまんぐ]]氏(本編では『名もなき女の詩』・『憎しみを花束に変えて』・『涙では消せない焔』、アンコールではそれらの原曲に登場)等一部出演者の姿が、まるで女店主の様に見るたびに代わり、 歌い手の姿も曲によってノエル・エレフ(追加公演一日目登場)・&bold(){「R.E.V.O.」装備猫耳尻尾}[[Revo]]氏(追加公演千秋楽登場)の内どれか2人へと変化した。 1:即ち…光をも逃がさぬ暗黒の超重力 [Symphonic Band Style: Short ver.] ライブで定番となっているアクティブナンバーがついにCD化。但し「第二次領土拡大遠征」時のフルバージョンではなく「Moira」コンサートで披露されたショート版となっている。 2:即ち…星間超トンネル [Rock Band Style: Long ver.] 元々は「国王生誕祭2010 休日スペシャル」で披露された楽曲。 コンサート版クライマックスでランウェイに進んだ歌い手についていくのが、生誕祭と同じじまんぐの他「涙では消せない焔」主人公・ミーシャ・エリーザベトなのはどこか意味深である。 3:即ち…小惑星を喰らう超紅炎 [Metal Band Style: Medium ver.] エイプリルフールネタから生まれた新曲で、再び「第九の現実」が登場。 *付属映像 初回盤では「檻の中の箱庭」MVを収録。 完全数量限定デラックス版では↑の他、『ヴァニシング・スターライト』の「Interview with Noel」ラストで予告されていた、 『Sound Horizon メジャーデビュー10周年ファンクラブ祝賀祭』(2014年10月26・27日)冒頭の「ヴァニシング・スターライト」によるオープニングアクト&footnote(「最果てのL」中の「オープニングアクト」はこれのこと。)の様子を収録。 エンディングでは&bold(){ノエル&Revo}という夢の光景が実現している&font(l){メタなことを言うと片方は影武者だが(エンディングクレジットから)}。 なお「最果てのL」の歌詞はこの映像、及び『ヴァニシング・スターライト』限定版付属の冊子設定が前提となっている。。 ちなみにコンサート版日替わりエンディングではここで登場した『「Interview with Noel」のインタビュアー』がゲスト出演しており 、 ソフト版でも「最果てのL」のバック映像や「マーベラス小宇宙」部分、超デラックス盤で確認できる。 *9th Story Concert 『Nein』~西洋骨董屋根裏堂へようこそ~ 2015年4・5月に行われた本アルバムのコンサート版。同年本編部分が映画化された。 アルバム内容を分かりやすくするためか、アンコールでは&bold(){「改竄前の原曲」が日替わりで披露され}(BD版には全曲収録)、 追加公演千秋楽ではアルバム各曲のさらにIFエンドを描いた本編展開も行われた(完全受注限定生産コンプリート超デラックス盤収録)。 特に「輪廻の砂時計」・「ゆりかご」は原盤が入手困難なため(未映像化のライブでは複数回披露されていた)、カバーとはいえ貴重なフルコーラス版と言える。 但しアンコールに関してはあくまで「アルバム設定からの逆算」として描かれたため、 ・「辿りつく詩」冒頭・「StarDust」ラスト・「焔」の語りをナレーターのサッシャ氏(本編では『憎しみを花束に変えて』にキャラとして登場)が担当。 ・「辿りつく詩」中に「詩人バラッドの悲劇」再現が挿入。 ・キャラの姿は本編基準で、「輪廻の砂時計」・「ゆりかご」に『Nein』初出キャラが登場。 ・「StarDust」でキャラ追加により一部台詞が変更、ラストに仮面の男が登場。 ・「磔刑の聖女」のメルヒェン登場シーンがモニター映像とスポットライト演出&font(l){ぶっちゃけ本編で一人三役している中の人の都合} 等と工夫をこらした演出となっている。 ちなみにダンサーズとバックバンドは全員黒猫耳帽子と黒衣装で統一されていた。 また「最果てのL」後、アンコール前のブリッジとして「ノエルのその後」を日替わりエンディングとして披露(超デラックス版では選択式マルチエンディングとして収録)。 …が、中にはかなり不穏なものもあり(公式LINEと連動したものも)、特に追加公演千秋楽のラストはファンを騒然とさせた。 なお映画・ソフト版では編集により、一曲目が「西洋骨董屋根裏堂」に変更。 OP映像・本編ED演出やライブでの日替わりエンディングと合わせ、これにより物語構造はCD版の「&bold(){「R.E.V.O.」の語る物語}」から、「&bold(){ノエルと屋根裏堂を狂言回しにした物語}」に変更されているとも言える。 ソフト版は通常版(本編のみ)・BDデラックス版(アンコール収録)・完全受注限定生産コンプリート超デラックス盤が存在し、 「星空の詩」ラストやマーベラス小宇宙部分等「コンサート版ではキャスト等の都合上物理的に無理だった演出」をふんだんに取り入れている。 特に超デラックス盤では一部曲における日ごとの変更演出の&bold(){ランダム再生}(見るたびにどのバージョンが再生されるか異なる)や、 ディスク3での千秋楽エンド・日替わりマルチエンディング・豊富な字幕コメンタリー・ライブでのみ行われた「「西洋骨董屋根裏堂」前のノエルと市蔵(声:[[梶裕貴]])会話集」収録などてんこ盛りな中身となった。 …但し、その超デラックス盤は値段&bold(){10万}で、&bold(){箪笥型オルゴール兼ミニチェスト}付きという文字通りデラックス過ぎる代物だったり(予約分だけで生産限界に達したそうな)。 (注:建て主も入手していないため、本項目の説明は公式情報や箪笥購入者の感想などを基にしています) なお注文した客のため、主宰Revo氏によるBDディスク3試写会(通称:箪笥お渡し会)がサンホラ初のメジャーライブ開催地「なかのZERO大ホール」や大阪にて行われた。 *漫画版 2015~2017年にヤングエースで連載された。全3巻。 但し通常版は電子書籍のみで、紙の書籍は解説や付属品が付いた限定版のみとなっている。 歌ごとに作画者が変わるオムニバス形式となっており(但し有坂あこは「檻の中の箱庭」・「西洋骨董屋根裏堂」・「最果てのL」と3作担当)、 比較的アルバムより「優しい」ないし「他地平線との関連を強調した」演出となっている。 だが「最果てのL」のみ、エンディングで&bold(){ある意味本編やライブ以上のとんでもないことになり}…。見る時は覚悟してみてほしい。 *余談 本作は初期発表時「Bastet」、「最果てのL」は「最果てのLA」なんてタイトルだった。 結果的には違う題名にはなったが、それぞれ「バステト=猫」・「LA=星空の詩のラ」と連携はしている。 冒頭の文章(アルバムブックレット冒頭より引用)にある「文月」(七月)とは、2014年7月7日にサンホラ公式LINE(6月プレ開設)で公開された文章(「願いが集まればヴァニスタ地平線に繋がるよ!」的な言葉)が元と思われる。 追記・修正お願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 発売日は4/22 -- 名無しさん (2018-10-10 16:20:28) - ↑誤送信 発売日は4/22(当初発表時は4/15で、「黒猫が逃亡したため」1週間延期)だったはず -- 名無しさん (2018-10-10 16:21:57) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2018/10/10 Wed 13:19:12 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&font(#008cff){彼方より来たりて事象を覗き見る視線}} #center(){&font(#008cff){数多の世界を生み出せし《幻想の神々》}} #center(){&font(#008cff){嘗みて願いの星は文月の空に満ち、}} #center(){&font(#008cff){斯くして異なる地平線はひとつに繋がれた…}} 『&bold(){Nein}』とは、2015年4月に発売された[[Sound Horizon]]の「9th Story CD」にして、通算8枚目、メジャーデビュー後5枚目のアルバム。 前Story CD「[[Marchen]]」から約4年強の歳月を経て発売され、Sound Horizonメジャーデビュー10周年作品の第3弾&footnote(第1弾は総集編ソフト「The Assorted Horizons」・第2弾はシングル「ヴァニシング・スターライト」。)として発表された。 本項目ではアルバムの他、コンサート版等派生作品も解説する。 #contents() *概要 本来なら「Märchen」(7th)の次は「8th」だったのだが、8番目の構想が長大になり過ぎた等であえて先送りにされ、9番目の本作が制作された。 世界観的には2014年のシングル『[[ヴァニシング・スターライト]]』の後日談に近いが、同時にこれまでの全Story CDアルバムとも関連している。 タイトルの「Nein(ナイン)」はドイツ語で「&bold(){否定}」を意味し&footnote(本作に参加したナレーターのサッシャ氏はライブパンフレットにて「最初「否定」ではなく9を示す「nine」や「neun」と思った」と記しており、9と否定のダブルミーニングと思われる。)、その名が示すように本作のテーマは「&bold(){過去作の『否定』(IFストーリー・公式二次創作)}」。 重く暗い悲劇や切ない物語を多く綴り、様々な解釈や2次創作同人をファンが紡いでいるサンホラ。 なら、もし曲の中の「悲劇」が否定されたらどうなるのか。 「&bold(){人死にが出る[[ビターエンド]]・[[バッドエンド]]}」の逆は、「&bold(){万人が喜ぶ[[ハッピーエンド]]}」たりうるのか? &bold(){そもそも人生に絶対的な正しい選択肢や幸福の在り方など存在するのか?} そんな答えの出ない問いかけを、&bold(){[[シュレディンガーの猫]]}と&bold(){正方形の箱}をトータルイメージとして視聴者に投げかける作品となっている。 ただスタッフクレジットの枠にて「物語解釈の自由」をも記しているため、ある意味ではファンに優しいとも言える。 また「檻の中の箱庭」・「西洋骨董屋根裏堂」以外の曲中では共通して「&bold(){第九の現実}」(初出は2013年の「星の綺麗な夜」)という単語が登場し、これをどう読む(捉える)かは曲ごとに異なっている。 CDは通常版・初回限定版・完全数量限定デラックス版(「R.E.V.O.」の模造品付属)の3パターン存在し、ある意味では全部買わないと全容が分からない鬼仕様となっている。 ※以下、内容のネタバレを含みます。なおここに挙げた説明はあくまで解釈の一つです。 *ストーリー 基本ストーリーは、自我が芽生えた《遮光眼鏡型情報端末》(サングラス)「R.E.V.O.(but it's called for convenience' sake)」(キャストロールより。便宜上R.E.V.O.とも 以下本文では「R.E.V.O.」と記す)が、他の「書庫」(地平線)にアクセスし、 他の地平線の「悲劇」を「幸福な結末」にするためそれに繋がる「因子」を「否定」し「改竄」、その後の様子を覗き見るというもの。 だがその上にもう一段階ストーリーが存在し… なおコンサート版パンフレット収録のインタビュー記事によると、選出された原曲と収録曲には共通の裏テーマがあるらしい(「×××」と伏字にされているため詳細は不明だが)。 1:&font(#008cff){檻の中の箱庭} (メインボーカル:「R.E.V.O.」、サブボーカル:Fuki・駒形友梨・結良まり・井上花菜) 「ワタシは眠るのが、とても恐ろしいのです…」 遠い日に「主」を失った「R.E.V.O.」(猫耳グラサン男)が、自分の存在意義に迷い「主の遺した?物語(他地平線)」の改竄を図る。 本作基本設定の説明。 「檻の中」だの「箱庭」だのヤバイタイトルだが、少なくとも「Ark」とは関係していない…はず。 今までサンホラにはなかったサイバー感全開の曲で、コンサート版では「R.E.V.O.」や猫ダンサー達がハードなダンスを披露した。 初回盤ジャケット表紙はこの曲にあたり、彼の傍の猫耳娘4人は&color(orange){SHCau}・&font(#ffdc00){ROhre}・&font(#b8d200){DINg}・&font(#008000){GERät}と「シュレディンガーの猫」とも取れる名。ちなみに猫耳娘は「西洋骨董屋根裏堂」・「愛という名の咎」にも登場している。 なお「R.E.V.O.」はコンサート版で(OPで「R.E.V.O.」装備ノエルが彼と似た顔だった事等を受けて)「掛けると猫耳が生えるグラサン」扱いされ、漫画版では実際にノエルが彼に憑依され変化した。 映像版ではここで人型「R.E.V.O.」の出番は終了だが、コンサート版では曲間のブリッジ部分(ソフト版ではモニター映像での説明)で踊っていたそうな。 2021年の『Sound Horizon Around 15周年記念祭』では『絵馬に願ひを!』キャラにより和楽器アレンジカバーされ、同作が「7.5もしくは8.5」と定義されているためかライブラストで披露された。 2:&font(#008000){名もなき女の詩} (メインボーカル:花れん) クロニカ様「めでたし…めでたし…」 恋人に再び会うため、女王を称える歌を紡いで生き延びた詩人エンディミオ・バラッド。だが彼を探し旅立った恋人ルーナは、旅の途中で「支え」が無かったせいか力尽き、パン屋との平凡な幸せを選ぶことに…。 元ネタは『[[Chronicle 2nd>Chronicle 2nd(Sound Horizon)]]』の「詩人バラッドの悲劇」と「辿りつく詩」。同作がリメイク作品だったせいか「R.E.V.O.」は「既に改竄されている」と記している。 パン屋女将となったルーナの明るい様子は楽しいが、ある意味最初から「&bold(){人が死なない物語は悲劇では無くなるのか?}」と疑問を投げかけてくる歌でもある。 後コンサート版ではクロニカ様が初実写化されていたり。 3:&font(#b8d200){食物が連なる世界} (メインボーカル:[[南里侑香]]) 「ここに... いたの!? 笑って... いたの!!!」 幼いころから肉を受け付けず、その事や歳の割に巨乳なせい等によるいじめや親友との関係が恋愛絡みで破綻した事で心に傷を負っていた女性。 優しい夫を得るも、子供の死のショックで死の淵に立たされた彼女が最後に得た「悟り」とは…。 元ネタは『[[Thanatos>Thanatos(Sound Horizon)]]』の「輪廻の砂時計」。同作で描かれなかった主人公の過去が語られている(「R.E.V.O.」の語りによると情報が古いため自分で補完したそうな)。 ラストの歌詞が完全に&bold(){図形}という訳の分からないことになっており、コンサート版ではそれが「砂時計」になるように描かれた。 …中の人の[[過去キャラ>ヘンリエッタ(GUNSLINGER GIRL) ]](及びサンホラとの接点とも言える[[派生作品>poca felicita]])を考えると、本曲設定で「輪廻の砂時計」をカバーさせたことに何かあるのではと勘ぐってしまう。 2021年の『Sound Horizon Around 15周年記念祭』では&bold(){学生カップル編}と&bold(){歳の差夫婦編}の2パターンでカバーされたが、後者では&bold(){否定を最悪な形で否定するような}エンドとなってしまった…&font(l){誰が呼んだかバットエンド}。 4:&font(#0000ff){言えなかった言の葉} (メインボーカル:結良まり) 「それでも私はこの【第九の現実(せかい)】と向き合うことから逃げ出さないわ 」 家族を亡くし、男に裏切られ子供を産んだ、離島にある港街の女性。 続く絶望で心を閉ざす中、唯一人愛するわが子が死の淵に立たされた時、彼女を救ってくれたのは島の人々が彼女たちのため本土から呼んでくれた白髭の医師だった。 元ネタは『[[Lost>Lost(Sound Horizon)]]』の「ゆりかご」。&bold(){原曲全体がバッドエンド後の風景}なせいか、その前に助けが来る様に改竄されている。 余談だが『Sound Horizon Around 15周年記念祭』にて『ゆりかご』と『星女神の巫女』内でルート選択が可能な回が存在したが、&bold(){『ゆりかご』内には本曲に至るルートは存在しなかった}(『星女神の巫女』は選択で『愛という名の咎』序盤再現に)。 5:&font(#ff0000){憎しみを花束に変えて} (メインボーカル:Fuki) 「私... 《同性》が好きだ……」 自分を裏切った男を殺そうとするも、寸前でなぜか愛と殺意が消えた深紅のドレスの金髪女性。 その後ひょんなことから挫折したデザイナーと出会い「星(ステラ)」と呼ばれる有名モデルとなるも、 デザイナーの求婚を断ったこととライバル「月(ルナ)」に抱いた[[思わぬ思い>百合]]から、自身の悲惨な過去と歩みたい道を考える事に…。 元ネタは『[[Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜>Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜(Sound Horizon)]]』の「StarDust」。曲中には「仮面の男」も登場している。 コンサート版では曲中とリアルをオーバーラップさせるように「児童虐待反対運動への寄付金」金額が表示された。 6:&font(#800080){西洋骨董}&footnote(本来の表記では文字の真ん中にキスマークが入る)&font(#ff0000){屋根裏堂} (メインボーカル:Noël the VANISHING STARLIGHT&footnote(『ヴァニシング・スターライト』やコンサート版でのクレジットでは「Noël from VANISHING STARLIGHT」。どちらにしても意味は「(バンド)ヴァニシング・スターライトのノエル」となる。)、「西洋骨董屋根裏堂」店主) 「《対価》は《然るべき刻が訪れたら》払われる…… 」 マネージャー市蔵&footnote(コンサート版や映像版メニュー画面より。スタッフクレジットや漫画・小説版『ヴァニシング・スターライト』で記されているフルネームは「市蔵仁之助」で、コンサート版「最果てのL」でバックに映る眼鏡青年が彼にあたる。)と合流するため「FLOWER ASATO」を探すロックシンガーノエルが、ふと迷い込んだ店「西洋骨董屋根裏堂」。 娘・少女・淑女・老女と見る度に姿を変える女店主が「地平線の迷い子」な「十三番目のお客様」に薦める品は、どれも(他地平線に出てくる)曰く付きのものばかりで、 その中から彼は[[自身のプロデューサー>Revo]]のに似たサングラスを選び、《十三番目の宿主》になってしまう…。 ここで舞台は大きく変わり、ノエルが主人公を務める『ヴァニシング・スターライト』地平線に。映画・ソフト版ではファーストナンバーとなっている。 完全数量限定デラックス版ではこの店の様子が&bold(){箱}型ジオラマとして再現され、その中に「R.E.V.O.」が安置されていた。 ちなみに女店主(CV・歌:[[沢城みゆき]]・[[藤田咲]]・深見梨加)&footnote(コンサート版では彼女たちの声に合わせアクターが演技を担当。)のパート割りは通常版・初回限定版・完全数量限定デラックス版全てで異なるもの。 彼女の素性に関しては「洋館の屋根裏にある店」や彼女の傍に置いてある「深紅の宝石」(『Roman』のレーヌ・ミシェル)、 本曲メロディーが『Lost』の「檻の中の遊戯」に似ている等から、「檻の中の花」の「ミシェル・マールブランシェ」説が有力視されている。 またコンサート版の日替わりエンディングでは「FLOWER ASATO」の店員が登場し(ソフト盤マーベラス小宇宙部分で確認できる)、漫画版「最果てのL」で登場シーンが漫画化された。 7:&font(#ffb74c){涙では消せない焔} (メインボーカル:RIKKI) 「まだ終わりじゃない!!! 」 戦乱の世の中、子供の未来を悲観するあまり生まれる前に中絶してしまった女性。 夫が戦地で死闘に巻き込まれている最中、なぜか屋根裏堂店主が彼女に2つの姫君人形を貸し与え、彼女は再び諦めた筈の夢を思い描く…。 元ネタは『[[Roman]]』の「焔」(但し「R.E.V.O.」曰く「揺らぎ」が多く観測しづらいらしい)。ここから原曲と同じメインボーカルになる。 本作の「○○将軍に続けー!」枠であり、ある意味では別な形で「イヴェール」に繋がるとも繋がらないとも言える物語。 8:&font(#800080){愛という名の咎} (メインボーカル:栗林みな実&Еλευσευζ) 「ミーシャ♡ ミーシャ♪ ミーシャ♡ ミーシャ♪ ミーシャ♡ エレフ♪ エレフ♡ エレフ♪ エレフ♡エレフ♪ 」 野望の将スコルピオスに贄にされようとする寸前「運命に逆らう」と決め逃げ出し、間に合った兄エレフと再会した巫女ミーシャ。 だがその逃避行には常に、「運命や救うべき人々から目を背けた」という罪悪感が付きまとい、2人の幸せの背後には戦乱の世界が…。 対応するのは『[[Moira>Moira(Sound Horizon)]]』の「星女神の巫女」だが、実質的には同アルバム後半全体のアナザーストーリー。 「海賊と縁のあったエレフ」等、一部では本編で語り切れなかった描写の補完にもなっている。ちなみに『Moira』の詩女神の代役を「黒猫四姉妹」が担当していたり。 後半での兄妹の限界とも言えるいちゃLOVEっぷりと、その代償の様に繰り広げられる若本無双がやり切れない話。 ここでいちゃついていたせいか、ソフト版マーベラス小宇宙(仮)でも二人がいちゃつくと画面がピンク色になった。公式自重しろ。&font(#ff0000,u){&font(#ffffff){そして千秋楽エンドでは、ついに禁忌の領域へと突入したそうな。}} というか[[駆逐してやる!>エレン・イェーガー]]とか[[アルミン>アルミン・アルレルト]]声キャラの未来な梶声に言わせるってこれなんて進撃ネタ…。 #region(進撃に関する余談) 蛇足だが本作から6年後に描かれた『進撃の巨人』クライマックスでは、大切な人々を守り真の意味で自由を得るため&bold(){人類を駆逐する世界の敵}となったエレンが、 最後に幼馴染の少女ミカサと共に「&bold(){他の全てを捨てて2人だけで地の果てへと逃げる世界}」を体感し、しかしその後に&bold(){ミカサに介錯され斃れる}結末が描かれる事になる。 他の人間を見殺しにする重さを「罪」として背負い生を選んだ『愛という名の咎』世界の兄妹と、仲間を見捨てられないゆえに愛ゆえの罪を犯すことなく、片方を殺す事で争いに幕を下ろした幼馴染2人、どちらが幸せだったのだろうか…。 #endregion 9:&font(#808080){忘れな月夜} (メインボーカル:Joelle) 「... 矛盾を《否定する》ように呟いた... 私... 幸せだと... 」 遠い日に喪った少年への思いを過去のものにし、政略結婚を受け入れた姫君エリーザベト。 皮肉にも子を為せなかったせいで貴族界から叩きだされた彼女は、流れ着いた修道院で「ムッティ(母)」となる。だが月夜には…。 元ネタは『[[Marchen]]』の「磔刑の聖女」。ラストの高笑いから「エリーゼ勝利エンド」とも呼ばれたり。 また歌い手のリアルを知ると何とも言えなくなる…(本人もコンサート版パンフレットにて自身と重ねたと綴っている)。 10:輪∞廻 「&font(#0000ff,u){&font(#ffffff){いいえad921d60486366258809553a3db49a4はそれをのぞみません}」 「第八の書庫」にアクセスし、ある「生まれる前の双子」に干渉しようとする「R.E.V.O.」。だがその否定行為は「きょうだいの上の方」から否定される。 未だ描かれぬ「第八の地平線」『Rinne』(題名はコンサート版千秋楽で初お披露目)を暗示させるインスト曲。 実質的に本作の隠しトラック枠にあたり、詳細内容の説明文は歌詞カード付属のURL(現在は閲覧不可能)や漫画版、ソフト版映像で確認出来る。 また2017年に発表された小説版『ヴァニシング・スターライト』2巻では、本曲を連想させる様な幻視シーンが挿入されていた。 ちなみに本作から6年後の2021年現在、ようやく第七.五or第八.五の地平線の序章が判明した(BD『絵馬に願ひを!』Prologue Edition)段階であり、『絵馬に願ひを!』冒頭で歌われた「輪廻の始まり」への道はまだまだ遠いらしい…。 11:&font(#afdfe4){最果てのL} (メインボーカル:Noël the VANISHING STARLIGHT、「R.E.V.O.」) 「もう辞めてくれ…それじゃ、あまりにも悲しいじゃねえか」 「今夜は月が、いえ星が綺麗ですね」 《十三番目の宿主》としてこれまでの改竄世界を見て来たノエルは、自らの感情に従い「R.E.V.O.」から自分への干渉を「否定」。気持ちを歌にして彼に訴えかける。 そしてそれを受けた「R.E.V.O.」もまた、戸惑いながら自分の思いを歌にする…。 ノエル自作曲「Nein(First Inspiration Ver.)」と、「R.E.V.O.」自作曲(メロディー)「星空の詩」の2部構成からなるラストナンバー。 コンサート版では「Nein」時「ヴァニシング・スターライト」メンバー(内2人は会場でも猫耳付けて演奏していたが)の演奏や関係者の姿がバックに映り、「星空の詩」時通常版ジャケットが再現され&footnote(ソフト版では完全再現+αとなっているが、実際のライブでは一部キャストが兼役している都合上欠けていた面子がいたという。)副題も一時的に曲と同じになった。 &font(l){ちなみにコンサート版では箱の上に安置された光るサングラスに説教して最後にハモるノエルというシュールな情景になったため、漫画版ではきちんと猫耳「R.E.V.O.」が「星空の詩」を歌っている。} ラストシーン・コーダはノエルの訴えに対する「R.E.V.O.」の肯定・否定・迷い等様々にとれるが、少なくとも今までのアルバムの中では一番平和的なエンディングと言える。 &font(#ff0000,u){&font(#ffffff){…「R.E.V.O.」がなぜノエルに「因子の否定」を掛けて来たのかの謎、「西洋骨董屋根裏堂」の存在、及びコンサート版で同曲に追加された台詞を勘定しなければ、だが。}} *Omake Maxi マーベラス小宇宙(仮) 予約限定版に付属するミニマキシで、「別宇宙から試聴版が送られてきた」という設定。 元ネタは2007年に公式サイトで閲覧できた、エイプリルフールネタ版&bold(){2015年発売}第九の地平線「マーベラス超宇宙」から。 なお冒頭の「手紙」の中身は本CDが一週間発売延期になった際、公式LINEに流れた文章とリンクした様な中身になっている。 コンサート版ではアンコールラストに日替わり披露され、ソフト版ではさらに複数公演の映像をリミックスしたものを収録。 このため[[じまんぐ]]氏(本編では『名もなき女の詩』・『憎しみを花束に変えて』・『涙では消せない焔』、アンコールではそれらの原曲に登場)等一部出演者の姿が、まるで女店主の様に見るたびに代わり、 歌い手の姿も曲によってノエル・エレフ(コンサート版追加公演一日目登場)・&bold(){「R.E.V.O.」装備猫耳尻尾}[[Revo]]氏(追加公演千秋楽登場)の内どれか2人へと変化した。 1:即ち…光をも逃がさぬ暗黒の超重力 [Symphonic Band Style: Short ver.] ライブで定番となっているアクティブナンバーがついにCD化。但し「第二次領土拡大遠征」時のフルバージョンではなく「Moira」コンサートで披露されたショート版となっている。 2:即ち…星間超トンネル [Rock Band Style: Long ver.] 元々は「国王生誕祭2010 休日スペシャル」で披露された楽曲。 コンサート版クライマックスでランウェイに進んだ歌い手についていくのが、生誕祭と同じじまんぐの他「涙では消せない焔」主人公・ミーシャ・エリーザベトなのはどこか意味深である。 3:即ち…小惑星を喰らう超紅炎 [Metal Band Style: Medium ver.] エイプリルフールネタから生まれた新曲で、マーベラス小宇宙(仮)内の「第九の現実」担当。 *付属映像 初回盤では「檻の中の箱庭」のアニメMVを収録。映像自体はイメージ的なものだが、漫画版冒頭ではMVの中に登場したある場所が「R.E.V.O.」と猫耳娘たちの居場所に設定されている。 完全数量限定デラックス版では↑の他、『ヴァニシング・スターライト』の「Interview with Noel」ラストで予告されていた、 『Sound Horizon メジャーデビュー10周年ファンクラブ祝賀祭』(2014年10月26・27日)冒頭のバンド「ヴァニシング・スターライト」によるオープニングアクト&footnote(「最果てのL」中の「オープニングアクト」はこれのこと。)の様子を収録。 エンディングでは&bold(){ノエル&Revo}という夢の光景が実現している&font(l){メタなことを言うと片方は影武者だが(エンディングクレジットで参加アクターが「4人」な事より)}。 なお「最果てのL」の歌詞はこの映像、及び『ヴァニシング・スターライト』限定版付属の冊子設定が前提となっており、マーベラス小宇宙ではここで登場したマスコット「バニオン」も登場。 またコンサート版日替わりエンディングではこの映像から『「Interview with Noel」のインタビュアー』3人がそれぞれ1回づつゲスト出演しており 、 通常ソフト版でも「最果てのL」のバック映像や「マーベラス小宇宙」部分、超デラックス盤に映っている。 *9th Story Concert 『Nein』~西洋骨董屋根裏堂へようこそ~ 2015年4・5月に行われた本アルバムのコンサート版。東京NHKホール(4月25・26日)・大阪オリックス劇場(4月29・30日、5月2~5日)・東京国際フォーラム(5月20・21日、追加公演5月23・24日)で上演された。 同年本編部分が映画化された。 アルバム内容を分かりやすくするためか、アンコールでは&bold(){「改竄前の原曲」が日替わりで披露され}(BD版には全曲収録)、 追加公演千秋楽では&bold(){アルバム各曲のさらにIFエンドを描いた本編展開}も行われた(完全受注限定生産コンプリート超デラックス盤収録)。 特に「輪廻の砂時計」・「ゆりかご」は原盤が入手困難なため(未映像化のライブでは複数回披露されていた)、カバーとはいえ貴重なフルコーラス版と言える。 但しアンコールに関しては、「原曲の完全再現」をポリシーとしつつ「情景はアルバム設定からの逆算」として描かれたため、 ・「辿りつく詩」・「StarDust」ラスト・「焔」の語りをナレーターのサッシャ氏(本編では『憎しみを花束に変えて』にキャラとして登場)が担当。 ・「辿りつく詩」中に「詩人バラッドの悲劇」の部分再現シーンが挿入。 ・キャラの姿は本編基準で(猫耳娘が「ゆりかご」後半語りや「愛という名の咎」・「星女神の巫女」詩女神役等)、「輪廻の砂時計」に『Nein』初出キャラが登場。 ・「StarDust」でキャラ追加により一部台詞が変更、ラストに仮面の男が登場。 ・「磔刑の聖女」のメルヒェン登場シーンがモニター映像とスポットライト演出&font(l){ぶっちゃけ本編で一人三役している中の人の都合}、ラストのエリーゼの台詞はカット。 等と工夫をこらした演出となっている。 ちなみにダンサーズとバックバンドは全員[[黒猫]]耳帽子と黒衣装で統一され、本編の一部回や『輪廻の砂時計』には地平線を超え&bold(){『Moira』の死神も現れた}。 また「最果てのL」後、アンコール前のブリッジとして「ノエルのその後」を日替わりエンディングとして披露(超デラックス版では選択式マルチエンディングとして収録)。 …が、中にはかなり不穏なものもあり(公式LINEと連動したものも)、特に追加公演千秋楽のラストはノエルファンを騒然とさせた。 なお映画・ソフト版では編集により、&bold(){一曲目が「西洋骨董屋根裏堂」に変更}。 OP映像・本編ED演出やライブでの日替わりエンディングと合わせ、これにより物語構造はCD版の「&bold(){「R.E.V.O.」の語る物語}」から、「&bold(){ノエルと屋根裏堂を狂言回しにした物語}」に変更されたとも言える。 ただCD版発売前の予告では骨董店スタートだったため、原点回帰かもしれない。 ソフト版は通常版(本編のみ)・BDデラックス版(アンコール収録)・完全受注限定生産コンプリート超デラックス盤が存在し、 「星空の詩」ラスト等「コンサート版ではキャスト等の都合上物理的に無理だった演出」をもふんだんに取り入れている&footnote(特にアンコール曲全収録かつマーベラス小宇宙部分が完全にリミックス映像で、超デラックス盤で全公演分のおまけ映像を収録した事等から、映像収録日はクレジットされていない。少なくともマーベラス小宇宙部分に関してはアイク・ネルソンなど一部公演のみのゲスト参加者や歌い手達の姿等から見て東京国際フォーラムでの公演映像が主と思われるが。)。 特に超デラックス盤では一部曲における日ごとの変更演出の&bold(){ランダム再生}(見るたびにどのバージョンが再生されるか異なる)や豊富な字幕コメンタリー、 ディスク3での千秋楽エンド・日替わりマルチエンディング・ライブでのみ行われた「「西洋骨董屋根裏堂」前のノエルと市蔵(声:[[梶裕貴]])会話集」収録などてんこ盛りな中身となった。 …但し、その超デラックス盤は値段&bold(){10万}で、&bold(){箪笥型発光オルゴール兼ミニチェスト}付きという文字通りデラックス過ぎる代物だったり(予約分だけで生産限界に達したそうな)。 &font(l){誰が呼んだかエレクトリカル(桐)箪笥。等と言っていたら7.5or8.5の地平線冒頭でエレクトリカル神社が降臨した。} (注:建て主も箪笥は入手出来なかったため、本項目の箪笥説明は公式情報や箪笥購入者の感想などを基にしています) なお注文した客のため、主宰Revo氏によるBDディスク3試写会(通称:箪笥お渡し会)がサンホラ初のストーリーコンサート開催地「なかのZERO大ホール」と大阪にて行われた。 *漫画版 2015~2017年にヤングエースで連載された。全3巻。 但し通常版は電子書籍のみで、紙の書籍は冨田明宏氏&footnote(サンホラと付き合いの長い音楽評論家で、『ファンクラブ祝賀祭』映像のエンディングにも祝賀祭に参加した他評論家・ライターと共に登場している。)による各話解説や付属品が付いた限定版のみとなっている。 制作形式は歌ごとに作画者が変わるオムニバス形式となっていて(但し同時に漫画ヴァニシング・スターライトも担当していた有坂あこは「檻の中の箱庭」・「西洋骨董屋根裏堂」・「最果てのL」と3作担当)、 全体としては比較的アルバムより「切なく」ないし「優しい」、「他地平線やコンサート版演出との関連を強調した」描写が多い。 また「言えなかった言の葉」のみ、原作にて無名だった主人公に「キャシー」、子供に「リオ」という名前が付いた。 だが「最果てのL」のみ、エンディングで&bold(){ある意味本編やライブ以上に不吉な場面となり}…。読む時は覚悟してほしい。 また他にも漫画『新約Marchen』(鳥飼やすゆき)最終巻にて、&bold(){『新約Marchen』世界における『忘れな月夜』}がエピローグとして収録されている。 *余談 本作は初期発表時「Bastet」、「最果てのL」は「最果てのLA」なんてタイトルだった。 結果的には違う題名にはなったが、それぞれ「バステト=猫」・「LA=星空の詩のラ」と連携はしている。 冒頭の文章(アルバムブックレット冒頭より引用)にある「文月」(七月)とは、2014年7月7日にサンホラ公式LINE(6月プレ開設)で公開された文章(「願いが集まればヴァニスタ地平線に繋がるよ!」的な言葉)が元と思われる。 …そして6年後の『[[絵馬に願ひを!]]』にて、文章内にある《幻想の神々》(≒サンホラファン、「ローラン」)は「狼欒神群」として神社に祀られることになる。 前述したようにバックバンドは皆黒&bold(){猫}耳帽子装備だったが、メンバーの中には偶然にも元「HOUND &bold(){DOG}」のギタリスト西山毅氏(『Marchen』からサンホラ・リンホラ作品に参加)がいたりした。 追記・修正お願いします #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 発売日は4/22 -- 名無しさん (2018-10-10 16:20:28) - ↑誤送信 発売日は4/22(当初発表時は4/15で、「黒猫が逃亡したため」1週間延期)だったはず -- 名無しさん (2018-10-10 16:21:57) - 檻の中の~ならミシェル・マールブランシェ関連じゃね? -- 名無しさん (2018-11-07 11:44:08) - ↑個人的に便宜上R.E.V.Oが『Ark』の監視卿とダブって見えて(観測対象に条件を与え、それにより起こる変化等を観察するという意味で)。 -- 名無しさん (2018-11-07 12:57:22) - 「愛という名の咎 」のラスト部分が、元ネタに参加していた某ボーカリストの某逆襲主題歌一番サビとダブって見えるような…。まさかそれ込みで作詞された? -- 名無しさん (2018-11-13 21:34:35) - 本作発表時、「最果てのL」は最初から「最果てのLA」になってたわけではなく、最初は「最果て」になっていて、日にちが経過するごとに一文字ずつ増えて「最果てのLA」になってたはず。 -- 名無しさん (2021-05-13 13:04:57) #comment #areaedit(end) }

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