相棒のBGM

登録日:2024/05/03 Fri 18:31:56
更新日:2025/03/29 Sat 13:08:14
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本項目では、テレビ朝日のドラマ『相棒』で使用されているBGMを解説する。

概要

相棒のBGMは主に池頼広氏が作曲している。
おしゃれなBGMから哀しい・鬱なBGMまで様々な種類がある。その種類が相棒のBGMの最大の特徴と言っても過言ではない。
BGMのほとんどはサントラに収録されているが、中にはサントラ未収録や流用曲が使用されるケースも多々ある。
だが不思議と相棒はそのBGMを使用しても視聴者からはそのマッチ度で相棒の曲(池氏作曲)と勘違いすることもよくある。

また、2008年発売の相棒オリジナル・サウンドトラックの解説書内で杉下右京役の水谷豊氏は「(前略)撮影中の本番直前に数々のサウンドトラックの曲を口ずさんでいることがある。何と、曲のイメージに芝居を合わせようとする自分を発見する。音楽が芝居を導いてくれる、全く音楽というものはすごい」と語った。
亀山薫役の寺脇康文氏も「(前略)和泉監督がその芝居に合った曲をかけてくれます。僕たち俳優はそれによってまた感情が入ったりしてシーンがレベルアップするわけですが、それくらい重要なんですね」と語っている。

解説

以下で相棒のBGMを解説する。~お願い(必ずご覧ください)~
  • 相棒の曲はかなり多いので主によく知っているまたはよく使われる曲をメインに紹介する。
  • ()内には収録されているサントラ名を記入。
  • 一部の曲には、「旧:○○」とあるものがあるが、これは廃盤となった相棒初代サントラに収録されていた当時の名前となっている。
  • 「主に使用されたシーン」は相棒でかなり使われた及び珍しく使われた場面のみ扱うが、ネタバレ防止のため何シーズンの何話で使用されたかは基本的には書かない。
    ただ一部はどうしても書かなければならないものがあるので記入しているものもある。

主に冒頭で流れる曲

  • 日溜まり (season9サウンドトラック)
現在でも聴くことが多い曲。特に初使用されたseason9ではかなりマッチしている。
特命係の部屋で右京と相棒が話している時に流れるのが多い。

  • ティー・タイム (season9サウンドトラック)
こちらも現在よく使われる曲。初使用が上記同様にseason9であるためかなりマッチしている。
ただ、亀山復帰後はあまりマッチしないと賛否が分かれている。

主に事件関係者に質問する時に流れる曲

  • 疑念 (オリジナル&オリジナル・デラックス)旧:推理
初期から使用されている曲。捜査時などによく流れた。
実は神戸シーズンでも少しだけ使われたことがある。
旧名の通り推理時に流れたが右京さんが疑問に思ったときに流れる印象が大きいため現名の方がしっくりと来る。

  • 気配 (オリジナル)
初期から使用されている曲。右京さんが何か考えている時に流れる印象がある。
実はseason21でも使用された。

  • Road(season8サントラ)
質問や聞き込み、相棒との会話等で流れた曲。近年ほとんど使用されなくなったので、あまり耳にしない。

  • monster(season8サントラ)
特命係が関係者への聞き込みや、事件現場の捜査中に流れることが多い曲。season8はかなりの頻度で流れた。

主に推理時に流れる曲

  • 推理 (オリジナル·オリジナルデラックス)旧:推理と捜索
初期から流れている曲。右京さんが勝手に捜査したり調べたりするときに流れる印象が大きい。
旧名にも納得がいくが基本的には推理時しか流れないため「推理」のみの名前になったと思われる。
甲斐享(以下:カイト)シーズンまで使用されたが、近年は使われてない*1

  • 臨場 (オリジナル・オリジナルデラックス)旧:杉下右京 ひらめく!
旧名の通り右京さんが何かひらめいた時に流れる曲。初期から使用されたがS21の初回を除き、近年では使用されていない。右京さんがひらめいた時に使用される他右京さんと亀山が小野田官房長と寿司を食べる時や亀山がタクシーで犯人を追跡する際などにも流れた。

  • Labyrinth (season8サントラ)
右京さんが推理するだけではなく、なにかを思いついた時にも流れる。推理と臨場の曲で使用された場面が主にこれになった。season8では頻繁に流れるも、season9の曲に押され今も流れるが、使用頻度は現在では1シーズンにほんの数回ほどしか流れないのが現状である。

  • 捜索 (season9サントラ)
推理BGMの中では現在多く使用されることが多く、神戸期以来では頻繁に使用されている。多くの歴代相棒とマッチしているのも最大の特徴だろう。

  • 死角 (season9サントラ)
推理BGM…というよりは右京さんが相棒に自身の仮説等を語る際に使用されることが多い。
特命係の部屋の中で推理する際に流れることが近年では多い。
冠城期が一番頻繁に使われたため、冠城期に作られた曲と勘違いした視聴者も多いはずだ。

螺旋(season10サントラ)
season10からめちゃくちゃ使用されているBGM。鑑識課の一室や事件現場で右京さんが推理・考察する際に流れる。冠城シーズン辺りであまり使用されなくなった。

主に格闘・走っている時に流れる曲

  • 追跡 (オリジナル・オリジナルデラックス)旧:危機迫る
初期のド定番曲。犯人を追跡するだけではなく格闘シーンでも流れたことがある。
その後神戸期でも若干使用されている。
長らく使用されていなかったが、亀山復帰後のS21初回前後編にて復活を果たし何度か使用されるも結局また使用されなくなった

  • 疾走 (オリジナル・オリジナルデラックス)
初期でごくまれに使用された曲。「疾走」というタイトルだが、走るシーンより格闘シーンで流れたことが多い。
サントラ収録されるも長い間現在は使用されていない。

  • 躍動 (オリジナル・オリジナルデラックス)
走っている時によく流れた曲。主にseason4でよく流れた。
月本幸子初登場回のついていない女では亀山が電話の相手のマンションを訪ねるために階段を全力疾走した際に流れたことで有名な曲。現在は使用されていない。

  • 緊急事態(オリジナル・オリジナルデラックス)
現在でもごくまれに使われている曲。
かなりseason4で使われた印象が大きく、特に亀山監禁回や元日スペシャルで使われたことが最も有名である。

  • mobile(season8サントラ)
追跡・格闘シーンでかなり流れた人気曲。season8の元日SPの疾走シーンでも流れたため、走る曲として認知されてたが後に「ディーバ」の格闘シーンでも使用された。
近年は、あまり使用がなくなっているが、ファンの中では「亀山と神戸の共闘シーンで流してほしい」という声もある。

  • モメンタム (season19&20サントラ)
season22で異常なほどに使われた曲。それまではかなり使われなかったため驚いたファンも多いだろう。
初回SP「無敵の人」だけで数回は流れた。その印象が大きい。

主に重要な手がかりを得た時に流れる曲

  • 鼓動 (オリジナル・オリジナルデラックス)
現在も使用されたいる曲。なにか右京さんが重大なものを発見した時に流れることがある。

  • 生きていない指紋 (鑑識・米沢守の事件簿サントラ)
元はスピンオフ映画の曲だがドラマでも少し使われたことがある。
だが使用場面は米沢さんが臨場を行う際ぐらいしか、流れることはなかった。近年は使用されていない。

  • 黒雲(season8サントラ)
米沢さんが臨場する際に流れる曲パート2。S13「米沢守、最後の挨拶」ではほぼフルで流れた。米沢さんが警察学校異動後は、上記の生きてない指紋同様使われてない。

  • 右京の奇策 (劇場版Ⅱサントラ)
カイト期にかなり使用された劇場版曲。
サビ前か、サビの部分のどちらかが使われる。近年でも少々使われる。

主に罪が暴かれる・動機を語る時に流れる曲

  • 暴かれた罪 (オリジナル・オリジナルデラックス)
BGM追跡の短調版。実は追跡よりもこっちの方が使用が、多かった。犯人が動機を語るシーンで流れた印象が濃い。
曲が終わる寸前で犯人が殺害を実行するシーンに移ったり動機を語り終える。

  • 正義の行方 (オリジナル・オリジナルデラックス)
相棒メインテーマのバイオリンアレンジ。現在でも使用されている初代亀山時代から使われている曲の一つ。
犯人の動機のシーンでの印象が強いが、右京さんがキレた後に流れることが多いため、ファンからは「プルプルのテーマ」とも言われており、S16のネタにされるプルプル回二つがキレた後これが流れた。
動機のシーンではかなり数少ない明るい曲である。また亀山復帰後の違和感ない曲の一つでもある。

  • 光と影 (オリジナル・オリジナルデラックス)
こちらも近年よく流れる。正義の行方と比べると少し暗いが明るさもあるため名の通り「光と影」である。亀山復帰後の違和感ない曲の二つ目。

  • 疑惑 (オリジナル)
初期にかなり流れた曲。右京さんが犯人の前で妄想や仮説を立てる時に流れる。「気配」と似ている。神戸期まで使用されたがseason21でも少しだけ使用された。

  • 終わりの始まり(オリジナル・デラックス)
初期を代表する名曲。格闘シーンや犯人が被害者を○すシーンにて使用された。2008年を最後に通常版の使用が、されていない。

  • 終焉(オリジナル・デラックス)
終わりの始まりの短調版。初期は、暴かれた罪が流れる→犯人が動機を語る(この曲が流れる)→犯行シーン(終わりの始まりが流れる)という感じが多々あった。

  • 裏工作(劇場版Ⅱサントラ)
終焉にかなり似てる曲。終焉と間違えやすいが、終焉よりもゆっくりなところが判別方法だが、そんなことに気づいたファンは、ほぼいない。近年はこっちの方がよく流れる。

  • scars(season8サントラ)
こちらも近年使用される曲。後味の悪い曲としてファンから認知されている。なのだが、ある相棒の卒業回で右京さんがブチギレた際に使用されたので、そっちの方に持ってかれたファンもしばしばいる。

主に終盤が特殊な時に流れる曲

  • 花の里ブルース (オリジナル・オリジナルデラックス)旧:花の里にて
宮部たまき期によく使われた印象がある。終盤よりは中盤の方が多いが、右京さんと亀山夫妻などがここで一杯するとき等に流れた印象が大きい。

  • 黄昏 (オリジナル)
相棒メインテーマの花の里アレンジ。結末が花の里で過ごす時はこれがお約束のごとく流れる。
神戸期でもごくまれに使われた。花の里の女将が月本幸子に変わってからは、使用されていない。

  • 花の里 (season11サントラ)
月本幸子時代に使われた曲。Bossa Novaとハワイアンとピアノバージョンの3つが存在する。いずれもカイト期に流れたため、冠城期以降は使用されていない。

  • superhero (未収録兼流用曲)
S9~S11の前後編系でよく流れていた。近年では後述記載の乱反射に譲る形で出番を失った。

  • 乱反射 (season14サントラ)
近年の前後編スペシャルの前編の最後に流れるのが多い曲。まれに前後編に全く関係ない通常回でも流れるケースがある。
逆に次回の楽しみが盛り上がる曲でもある。だが前編がもう終わってしまうカウントダウン的はタイミングで流れることもある。

  • 息吹 (オリジナルデラックス)
亀山期~カイト期まで頻繁に使われた曲。主に特命係の一室で最後を過ごす時に使われる印象がある。この曲で終わると「相棒だなぁ~」感が半端ない(らしい)。

主に結末が明るい方に進むときに流れる曲

  • 帰還 (オリジナル)
相棒の泣ける名曲。カイト期まで使用された。結末が悲しくてもこの曲が最後に流れると誰もが明るい方向へ向かうそんな気持ちになる曲である。この曲のおかげで「自分も心が明るくなった」などと視聴者からも影響を与えた。

  • 真実の果て (オリジナルデラックス)
帰還に似ている曲。近年はこっちの方が使用されている。
帰還との違いは帰還よりも少し明るくなっている。だが、相棒ファンの多くは帰還派がかなり多い。

  • 木濡れ日 (season8サントラ)
明るい曲ではないが明るい方向へ向かう感じを捉える曲。
ミス・グリーンの回の印象が大きい。相棒ファンも認めるかなりの名曲と言える。

  • Deference (season8サントラ)
木濡れ日の金管楽器バージョン。こちらもそこまで明るい曲ではないが明るい方向へ向かう印象を持つ。贖罪の回で神戸が泣きながら後悔するシーンの印象が強い。

  • 希望の欠片 (オリジナルデラックス)
現在でも流れる曲。明るい方向へ向かう曲で多くのファンからの信頼が多い。
この胸の高鳴りをで、使われた印象が大きい。

  • 正論と曲論(season12サントラ)
主に哀しい結末を向かえた際に流れる曲。明るくはないがその先に待ってるのはもしかしたら希望なのかもしれない感じを出す。S12の名作「最後の淑女」にて流れた以降、多くの相棒ファンから「名曲」「泣ける」という声が多くあり、今でもなおファンからこの曲を挙げる人もいる。

主に哀しい・鬱な終わり方の時に流れる曲

  • 悲しい結末 (オリジナル・オリジナルデラックス)
初期から使用されている曲。亀山期でもかなり流れたが、近年では史上最大にして最悪の鬱回と評されるボーダーラインの結末に流れた印象の方が、相棒ファンにとっては一番大きいだろう。

  • 真実の翼 (オリジナル・オリジナルデラックス)旧:解決したが、やるせない
旧サントラから発売された曲では数少ない現在でも使用されている曲。旧名の通り視聴者が少し考えさせられる回を主に使われる。
基本的には終盤及びラストシーンで流れるが冒頭から流れるケースもある。右京さんの「それまでは生きなさい!精一杯…生きなさい!!」の場面や朝倉が幽霊となって出てくる回にもこれが流れるため、ファンからは涙線崩壊の曲と言われている。

  • 別れの予兆 (オリジナル)
前述の帰還のピアノバージョン。多くの視聴者を涙させるためファンからは、「名曲」と絶賛している。その名曲の一つであるこの曲は特に亀山が同僚たちに別れを告げる場面で流れた印象が大きい。
だが、多くのファンがこの時しか流れていないと言われているが実際は他の回でも使われ、何なら
カイト期でも使用されているのが発見されている。

  • 事件の果て (オリジナル・デラックス)
別れの予兆と似ている曲。別れの予兆と違う点はフルが短いのと、イントロが異なること。冠城亘が、右京さんと最後の挨拶をした時に流れた印象が大きいがそれ以前から使用はされている。
そのため多くのファンが冠城との別れのシーンが別れの予兆が使用されていると誤解している。

  • 心の色(オリジナル・デラックス)
相棒メインテーマの高音ピアノバージョン。鬱回を筆頭に流れる。season9の暴発の締め。ちなみに余韻verも存在している。

  • 久遠の扉 (season9サントラ)
近年よく流れる曲。終わりだけではなく犯人が動機を語るシーンでも使用されることが多い。この曲が流れるとたまに右京さんがキレるシーンがある。

  • 翳り(season10サントラ)
鬱回でやや多い頻度で聴く曲。犯人が動機を語る時にも、流れる。冠城期の途中からあまり聴かなくなった。S14「死に神」で右京さんが犯人にブチギレた際に流れたことがあまりにも有名である。

  • 碑前の復讐 (劇場版Ⅱサントラ)
鬱回を中心に流れる讃美歌。基本的にはスペシャルで使用が多く、S19まで使用された模様。
劇場版Ⅱサントラ曲の中でもかなり人気がある。空耳で「味噌ラーメン」と聞こえるのが毎回ネタにされるため通称「味噌ラーメンの讃美歌」

  • 別れの言葉 (劇場版Ⅱサントラ)
劇場版Ⅱの終盤曲。通常verとエンディングverの二つがあり、エンディングverは通常vetのオーケストラverである。ドラマ本編でも流れたことが多々あり、特にカイト期に頻繁に使用された。

歴代相棒のテーマ

  • 亀山薫は… (未収録)
廃盤されたサントラのみ収録されたため現在では聴くのが困難になっており、使用も全くされていない。season4辺りまで使用された。まさに「亀山薫のテーマ」である。

  • フラメンコ (未収録)
season6のついている女と狙われた女にて使用された曲。通称「幸子のテーマ」。同シーズンの新·Wの悲喜劇でも使用された。その後、season7最終話「特命」でも何度か使用され「神戸尊のテーマ」とも呼ばれている。
事実、神戸尊の方が似合っている。この曲は元々season6~season8まで選曲を担当していたteam kのオリジナル曲であることが公式のブログで語られている。その関係で現在もサントラには収録されていないがファンからは収録してほしい声が多い。またDVDやBlu-ray等では別の曲に差し替えられているため地上波のみ流れる。ちなみに「特命」ではseason6では使われなかったところも追加され、フルで流れる。

  • 道の途中 (season14サントラ)
season14にてかなり流れた曲。冠城亘のクールさとキャリア感がミックスしたような感じの曲。まさに、冠城亘のテーマと言える。season15以降は使用されていない。

備考

  • 相棒の曲の作曲者は池頼広氏が担当していることは多くの人が知っているがPreseasonのみ義野裕明氏が担当している。旧サントラが廃盤となったのは池氏と義野氏の曲が収録されており、その曲の権利問題が発生したためである。なお義野氏はseason5まで音楽監督として相棒に関わっていた。また義野氏は、TBSのGメンの音楽を担当していた一人である。

  • ファンからは相棒の音楽について「明るい曲だけではなく、ちゃんと悲しい曲や切ない曲もあって良い」と池氏の音楽を評価している。

  • 等項目になかったBGMはもちろんたくさんある。他にも様々な名曲たちがたくさんあるので是非探して聴いてみてほしい。


修正・追記は相棒のBGMを全て聴いた方にお願いします。



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最終更新:2025年03月29日 13:08

*1 だが2024年に放映された亀山薫日産コラボCMの時に一瞬流れた