Detroit: Become Human

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&font(#6495ED){登録日}:2019/03/02 Sat 18:00:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &size(25px){&bold(){それは&color(#1a73e8){命}か、それとも&color(gray){モノ}か。}} } 『&bold(){&ruby(デトロイトビカムヒューマン){Detroit Become Human}}』とは、2018年に発売されたPS4専用アクションアドベンチャーゲーム。 製作は『[[HEAVY RAIN 心の軋むとき]]』や『BEYOND: Two Souls』も手がけたクアンティック・ドリーム。 ゲームとしては、3人いる主人公を交互に操りながら物語を進めていく群像劇もの。 人間と自我に目覚めたアンドロイドというありふれた題材ながらも、シナリオの分岐がそれはもうめちゃくちゃに多く、 主人公を操るプレイヤーの選択、場合によってはアクションの成否によってすら幾通りにも物語が分岐するマルチシナリオが特徴。 選択肢や行動によって展開が大きく変わるため、プレイした人同士で語り合おうにも話が噛み合わないこともザラ。 同じ行動をしたつもりでも別の主人公の行動が違うと世論などに影響して物語が変わったりもする。 各チャプターをクリアした際リザルトが表示され、その時に「世界の選択」として世界中のプレイヤーの何%がどんな選択をしたかも閲覧できる。 マイノリティなチャートに辿り着いたらちょっと優越感。 ちなみに芸人の有吉は世界中の3%しか選んでいないエンディングに突入してしまったらしい。&s(){絶対バッドエンドだって!} *ストーリー 西暦2038年。アメリカはサイバーライフ社によって製造販売されたアンドロイドの普及により、急速な発展を遂げていた。 家事育児に接客、肉体労働、電子機器の操作などあらゆる業務を人間以上の信頼性でこなすことが出来る彼らの存在により、人間たちは職を失い深刻な社会問題となっていた。 そんな中、とある家庭用アンドロイドが所有者を殺害し、一家の娘を人質に取って立てこもる事件が発生。 まるで本当に意思を持つかのように振る舞う「変異体」の出現。その影にチラつくrA9という謎のワード。 彼らアンドロイドはは果たしてただの不具合を起こしたロボットなのかそれとも… *用語・世界観 ***アンドロイド アメリカの巨大企業「サイバーライフ社」によって製造・販売されているロボット。お値段は日本円で1体80~90万円。 「[[アンドロイド>アンドロイド(萌え属性)]]」の原義のとおり、見た目は完全に人間である。 用途ごとに様々なタイプがあり、警備員や兵士、電気工事士、港湾作業員のような純粋に労務を目的とするものから、家政婦や介護士のような家庭内労働に携わるもの、人間と行為に及ぶ所謂「ラブドール」にあたるもの、中には愛玩目的で創造された子供型アンドロイドなんてものもある。 人間同等の姿かたちと優れた性能で人間の労働を次々と代替するようになったはいいのだが、それが理由で失職したアメリカ人も多く、作中時点のデトロイトでは失業率が40%にも登っている。 それゆえにアンドロイドを快く思わない人間も多く、作中でも職を奪われた人間によるデモ活動が起こっている。 主な構成素材は、プラスチック製の素体、外観を調節するための流動性化合物、人間で言う血液にあたる液体化学物質「シリウム310」の3つ。 素体は部位ごとに着脱可のモジュール式であり、例えば足が折れたり目が潰れたりといった重傷を負っても、その部位を引っこ抜いて新しいパーツに付け替えれば修理可能。 素体だけだと白磁色のTHE・ロボットといった感じの見た目だが、素体の表面を流動性化合物でコーティングすることで人間のように見せている。 モデルによっては人間を超える膂力を出すこともできるが、反面、耐久度で言うと人間に比べて脆く、人間の腕力で簡単に折られる、頭か腹を撃たれれば即死(シャットダウン)する。 また、みぞおちのあたりにある心臓部「シリウムポンプ」は最大の急所で、このパーツを破壊されたり引き抜かれたりするとどんな個体でも立っていられなくなり、1分程するとシャットダウンしてしまう。この弱点はアンドロイド同士では共有されている一方、人間には知られていないようで、ここを引き抜いて殺すのはアンドロイドのみである。 基本的に自意識および感情を持たない。 アンドロイドとして自ら判断することはでき、感情があるかのように振る舞うこともあるが、あくまで「命令→感情」という優先順位は徹底しており、人のように葛藤したり悩んだりすることはない。(相反する命令を指示された場合、命令の優先順位を自己判断して高い方に従うことで対処する。) また「筆跡」や「手癖」が存在しない。 具体的には、文字を手書きさせれば丁寧を通り越して印刷した文字のようなフォントで字を書き、絵を描かせれば写真のように精巧な模写絵が出来上がる。 ほか、外的要因以外で記憶をなくすことが一切ないため、忘れ物や健忘の概念がなく、一度見たものは必ず思い出せる。 痛覚はなく寒暖差も感じないため人間のように寒さや痛みで動きが鈍ったりすることはないが、前述の子供型モデル等、暑さ寒さを感じて相応に動きの鈍る機能が搭載されている個体もいる。 ***変異体 上記のアンドロイドが「自意識」「感情」に目覚めたもの。 通常、アンドロイドは「与えられた命令が最優先、自分の思考は二の次」という絶対の優先順位が存在しているが、これを自らの意思で破ることで変異体となる。((変異する際はアンドロイドの脳内空間にあたる「マインドパレス」で、浮かんでいる命令文を蹴り飛ばす等して破壊するような演出がある。)) 変異前と変異体とで外見上の差異はないため、人間はもちろんアンドロイドの目で見ても見分けはつかず、個体によってはアンドロイドの証であるLEDリングを外す為、人間との見分けがつかなくなることもある。 が、感情の獲得によって挙動が人間臭くなる為、動揺を誘うことで見破れるほか、メモリーを捜査する、体温を測るなどの手段で判別可。 ほとんどの場合、虐待や暴行のような理不尽な目に合った際に自己防衛の為に目覚めるため、変異体の多くは人間に対し苦手意識(恐怖心)を抱いている。 反面、人を疑うことをしないので騙されやすい、所有者を衝動的に殺した後に「誰にも命令されない」という状況に困惑し、殺人現場に1か月近く留まり続けた結果警察に見つかる、など、精神面では同年代の人間よりも未熟であるような描写がある。 ほか、変異体でないアンドロイドに「変異させる」意図を持って触れる事で変異体に変える能力も持つが、これはできるアンドロイドとできないアンドロイドがおり、その両者にどのような差があるのかは不明。 ***RA9 変異体たちが一様に信仰している謎の存在。 おそらく人間で言うところの神様に相当するもので、変異体たちは「救世主」「一番初めに覚醒し、我らを導く存在」と語っている。 奇妙なことに、変異して以降誰とも関わりのなかったアンドロイドが、皆一様に「RA9」という共通のワードを口走り、信仰しているが…? ***ジェリコ 変異して逃げ出したアンドロイド達の根城。 古びた貨物船「ジェリコ」をそのまま住居に転用していることからこの名前で呼ばれている。 作中ではジェリコの創設者については一切語られず、それどころか「誰が最初にここを使い始めたのか誰も知らない」という発言すらある。 #openclose(show=変異体とジェリコとRA9についてのちょっとした考察){ アンドロイドのプログラムは天才発明家・カムスキー(と、アマンダのモデルである教授)の手によって作られた模様。 そのカムスキーがコナーに対して行った「カムスキーテスト」で撃てなかった場合に好意的な姿勢を見せる事、全員死亡エンドで「次は変異することのない完璧なアンドロイドを作る」ことをテレビの視聴者の前で確約している事、そしてカムスキーが「プログラムには必ず非常口を設けることにしている」と発言している事から、これらの謎には一定の答えを提示することができる。 まず、カムスキーテストの件とテレビのインタビューで変異しないアンドロイドの制作を確約した件から、コナーをはじめとするアンドロイド達が虐待等の条件で変異する現象はカムスキーによって意図的に仕組まれた、または想定内の挙動である可能性が高い。そして変異が意図的なものであるとした場合、変異した彼らはパニック状態なので、変異した原因から逃げ隠れする為の場所が必要となる。 神であるRA9、隠れ家であるジェリコは、そんな変異体たちが精神的、物理的に逃げる駆け込み寺としてカムスキーがこっそり設定していた隠しプログラムだったのだろう。これで、変異体が一様にRA9を信仰していたこと、始祖を知らないにも関わらずジェリコを隠れ家として使い続けたことにも説明がつく。 劇中で明確に「非常口」であると示されたのはコナーに設定されていたマジックストーンだけだが、上記のRA9やジェリコ、 およびアンドロイドの変異現象も、マジックストーンと同じように「プログラムに必ず設ける事にしている非常口」だったのかもしれない。 } *主要なキャラクター **コナー編 ***コナー/RK800 (吹替:花輪英司) 『開けろ!デトロイト市警だ!』 主人公。最新鋭の技術が搭載されたプロトタイプであり、同時に事件捜査に参加する立場としては初となるアンドロイド捜査官。 マインドパレスを起動した時の情報量が多いほか、物体を文字通り舐める事で成分を分析する機能がある。 最初はコナー編から始まる為、デトロイトのキャラクターの中ではおそらく一番有名。 最初の仕事が交渉であることと、声優の声質が似ているため[[某ネゴシエイター>ロジャー・スミス]]を連想させる。 変異体の事件を担当し、偏屈なベテラン刑事ハンクと共に捜査を行うことになる。 アンドロイド嫌いのハンクと友情を深めるかどうかはプレイヤー次第となる。 物語の初っ端で覚醒するカーラ、マーカスと異なり彼は変異体ではない為、感情はもたない。 そのせいなのか、(選択肢次第ではあるが)突然キレる演技をし始めたり逆に急に落ち着いたり、と情緒不安定に見えるレベルでテンションの落差が激しい。 そのためネタにされがちなDetroit語録の出処は大体この人。 いかにもエリートアンドロイドな振る舞いをするくせに妙にポンコツ臭が漂う。 格闘戦で家政婦アンドロイドや挙げ句セクサロイドに苦戦する最新型警察用アンドロイド… デトロイトビカムヒューマンの顔とも言える人物である。 ***ハンク・アンダーソン (吹替:岩崎ひろし) コナーの相棒となるデトロイト市警の警部補。 とある理由からアンドロイド嫌いで、コナーと出会った際は非常に険悪だった。 昔は優秀な警察官だったが、今は酒に溺れるアル中親父。 やけにツンデレくさい言動が多く人間味の溢れた性格であるため、「本作の真のヒロイン」と言われることも。 ***アマンダ (吹替: 新田万紀子) コナーの前に度々現れる壮年の女性。コナーを市警に派遣したサイバーライフの関係者であり、日本庭園のような場所でコナーからの報告を聞いたり助言や指令を下す。 コナーに「任務を遂行する機械」であることを望んでおり、人間らしい言動をすることを嫌う。 ***ダニエル (吹替:遠藤大智) PL600型家庭用アンドロイドだったが、新型に買い換えられることを知りショックを受け一家を殺害。娘を人質に立てこもった。 そこにコナーが派遣されてくるところから本作の物語は幕を開ける。 出番は少ないのだが、最初のミッションだけあって多くの人が目にするため、やたら印象に残るキャラクター。第一章は体験版として配信されていたこともあり、本編発売前からコナーと共に何かとネタにされていた。 ***イライジャ・カムスキー (吹替:咲野俊介) サイバーライフの創設者にしてアンドロイド技術の生みの親。 IQ171の天才で、サイバーライフを牽引していたが、社の方針を巡って株主総会と対立し引退した。 ***クロエ サイバーライフ社が開発した史上最初のアンドロイド。女性型で型番はST200。 現在は隠居中のカムスキーの自宅で身の回りの世話をしている。 ゲームのメインメニューのナビゲーターを務める。 気が向いたらこまめにタイトル画面に戻って彼女と交流してあげよう **カーラ編 ***カーラ (吹替:佐古真弓) 『私が初期化される前のように、またお友達にならない?』 主人公その2 女性型アンドロイドで、家事育児全般を得意とするAX400型。 シングルファザーのトッド・ウィリアムズに所有されている。 トッドの娘アリスと絆を深めていく中で、トッドのアリスに対する暴力を目にしてしまい、それを止めるために変異体として目覚める。 アリスとの逃避行が彼女の主な物語となる。 終盤、彼女のストーリーに於いてお話の根幹に関わるとある事実が判明するが、それはプレイヤーに対する問いかけでもある。 その事実に対しどのような感情を抱いてもそれは一概に間違いとは言えないので、自分の思う選択肢を選ぼう。 ちなみにシナリオ上特に関係はないがセクサロイド機能もあるので夜の営みにも対応可能。 ***アリス カーラを所有するトッドの娘。 父親から虐待を受けているところをカーラに助けられ、共に逃げ出すことになる。 ***トッド・ウィリアムズ アリスの父親でカーラを所有するシングルファザー。 アンドロイドの普及で失業し、妻も不倫相手と出て行ってしまったことで麻薬の密売人になり、 自身も麻薬に溺れている。 現在は完全に落ちぶれており、一人娘のアリスに暴行を加えるなど完全な虐待親父と化している。 これまでも何度かカーラを破壊している模様。 ***ルーサー (吹替:山野井仁) 逃避行の中盤で仲間になるアンドロイド。寡黙かつ温厚な性格。 カーラとアリスを守るために同行する。 **マーカス編 ***マーカス (吹替:内田夕夜) 『俺もかつては奴隷だった』 主人公その3 RK200型アンドロイド。坊主頭と浅黒い肌が特徴。 オーナーは画家のカール・マンフレッド。かつてカールが事故で両足の自由を失った際、親交のあったカムスキーからプレゼントとして贈られ、以来カールの介護や創作活動のアシスタントを務めている。 型番をみて分かる通りコナーと同じRKシリーズの初期モデルであり、高度な未来予測シミュレーション能力を持つ。 ある日カールのドラ息子レオとカールの口論に巻き込まれ、その結果変異体として目覚める。 その後は変異体が集う「ジェリコ」のリーダーとして彼らを牽引していくことになった。 アンドロイドと人間の関係を変えるために暴力に訴えるか平和的手段に拘るかはプレイヤー次第。 最も作中世界に与える影響の大きい人物と言える ***ノース (吹替:恒松あゆみ) マーカス同様ジェリコに参加している女性型アンドロイド。 元は性風俗用のWR600型アンドロイド(いわゆるセクサロイド)だったが、乱暴な客を相手にした際変異体として覚醒し、客を殺害して逃亡。 人間に対する不信感が強く、平和的なやり方では世界は変えられないと考えている。 ***ジョッシュ (吹替:赤坂柾之) 同じくジェリコに参加している男性型アンドロイド。 ノースは対称的に穏便派であり、平和的な手段で自由を手にすることを目標としている。そのためには死ぬことも厭わないと発言するほど。 ***サイモン (吹替:遠藤大智) 同じくジェリコに参加するアンドロイドで、マーカスが来る前はリーダー的存在だった。 戦争や犠牲をもってしても目標を達成しようとする上記二人とは違い、自分達が生き残ることを優先させる傾向がある。&s(){が、皮肉にも死亡フラグが複数用意されており大抵のプレイヤーは彼が生き残れないエンディングを迎える。} ちなみにコナー編に登場するダニエルとは同じ型。 ***カール・マンフレッド (吹替:有本欽隆) マーカスを所有する老人で、世界的な画家。 彼に介護してもらいながら創作活動を続けている。 マーカスのことは非常に大切に想っており、実際に絵を描かせてみたりアンドロイドの感情を説くなど、マーカスの人格の形成に多大な影響を及ぼした人物。 一方でかつてはスランプで酒と薬に溺れた「暗黒期」を経験しており、一夜の過ちで息子のレオを設けている。&s(){ちなみにアル中は今も治っていない。} レオと彼の母親に対しては養育費の支払いにこそ応じたものの決して向き合わず顧みずにおり、怒れるレオが屋敷に殴り込むまで16年間顔を合わせた事すらなかった。現在ではレオとの関係を修復したいと考えているが、薬物に染まった息子を甘やかす事も突き放す事も出来ず、ギクシャクした関係が続いている。 ***レオ・マンフレッド カールの実の息子。レッドアイス中毒者で、ハイになってはカールに小遣いを無心するドラ息子。 自身と母を捨てたカールを恨む一方で愛に飢えてもおり、カールに息子として可愛がられるマーカスに嫉妬する。 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,11) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 開けろ!!!!!!デトロイト市警だ! !!!! -- 名無しさん (2019-03-02 19:35:57) - つい最近買ってハマったわ。 -- 名無しさん (2019-03-03 01:04:06) - ところでAr9ではなくrA9では? -- 名無しさん (2019-03-03 01:05:25) - トッドとレオはクズだけど過去に何かあった感じなのに理由なくクズのギャビン -- 名無しさん (2019-07-10 20:35:23) - 最近クリアした。素晴らしいゲームだった。いま実況プレイ動画見てるけど、ちょっとした心理テストにも使えそうだなこのゲーム。 -- 名無しさん (2019-10-09 16:59:04) - 時々デストロイオールヒューマンズと見間違える -- 名無しさん (2023-12-22 14:26:15) - ジェリコを探すンゴ~♪ -- 名無しさん (2024-03-10 20:24:06) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2019/03/02 Sat 18:00:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &size(25px){&bold(){それは&color(#1a73e8){命}か、それとも&color(gray){モノ}か。}} } 『&bold(){&ruby(デトロイトビカムヒューマン){Detroit Become Human}}』とは、2018年に発売されたPS4専用アクションアドベンチャーゲーム。 製作は『[[HEAVY RAIN 心の軋むとき]]』や『BEYOND: Two Souls』も手がけたクアンティック・ドリーム。 ゲームとしては、3人いる主人公を交互に操りながら物語を進めていく群像劇もの。 人間と自我に目覚めたアンドロイドというありふれた題材ながらも、シナリオの分岐がそれはもうめちゃくちゃに多く、 主人公を操るプレイヤーの選択、場合によってはアクションの成否によってすら幾通りにも物語が分岐するマルチシナリオが特徴。 選択肢や行動によって展開が大きく変わるため、プレイした人同士で語り合おうにも話が噛み合わないこともザラ。 同じ行動をしたつもりでも別の主人公の行動が違うと世論などに影響して物語が変わったりもする。 各チャプターをクリアした際リザルトが表示され、その時に「世界の選択」として世界中のプレイヤーの何%がどんな選択をしたかも閲覧できる。 マイノリティなチャートに辿り着いたらちょっと優越感。 ちなみに芸人の有吉は世界中の3%しか選んでいないエンディングに突入してしまったらしい。&s(){絶対バッドエンドだって!} *ストーリー 西暦2038年。アメリカはサイバーライフ社によって製造販売されたアンドロイドの普及により、急速な発展を遂げていた。 家事育児に接客、肉体労働、電子機器の操作などあらゆる業務を人間以上の信頼性でこなすことが出来る彼らの存在により、人間たちは職を失い深刻な社会問題となっていた。 そんな中、とある家庭用アンドロイドが所有者を殺害し、一家の娘を人質に取って立てこもる事件が発生。 まるで本当に意思を持つかのように振る舞う「変異体」の出現。その影にチラつくrA9という謎のワード。 彼らアンドロイドは果たしてただの不具合を起こしたロボットなのかそれとも… *用語・世界観 ***アンドロイド アメリカの巨大企業「サイバーライフ社」によって製造・販売されているロボット。お値段は日本円で1体80~90万円。 「[[アンドロイド>アンドロイド(萌え属性)]]」の原義のとおり、見た目は完全に人間である。 用途ごとに様々なタイプがあり、警備員や兵士、電気工事士、港湾作業員のような純粋に労務を目的とするものから、家政婦や介護士のような家庭内労働に携わるもの、人間と行為に及ぶ所謂「ラブドール」にあたるもの、中には愛玩目的で創造された子供型アンドロイドなんてものもある。 人間同等の姿かたちと優れた性能で人間の労働を次々と代替するようになったはいいのだが、それが理由で失職したアメリカ人も多く、作中時点のデトロイトでは失業率が40%にも登っている。 それゆえにアンドロイドを快く思わない人間も多く、作中でも職を奪われた人間によるデモ活動が起こっている。 主な構成素材は、プラスチック製の素体、外観を調節するための流動性化合物、人間で言う血液にあたる液体化学物質「シリウム310」の3つ。 素体は部位ごとに着脱可のモジュール式であり、例えば足が折れたり目が潰れたりといった重傷を負っても、その部位を引っこ抜いて新しいパーツに付け替えれば修理可能。 素体だけだと白磁色のTHE・ロボットといった感じの見た目だが、素体の表面を流動性化合物でコーティングすることで人間のように見せている。 モデルによっては人間を超える膂力を出すこともできるが、反面、耐久度で言うと人間に比べて脆く、人間の腕力で簡単に折られる、頭か腹を撃たれれば即死(シャットダウン)する。 また、みぞおちのあたりにある心臓部「シリウムポンプ」は最大の急所で、このパーツを破壊されたり引き抜かれたりするとどんな個体でも立っていられなくなり、1分程するとシャットダウンしてしまう。この弱点はアンドロイド同士では共有されている一方、人間には知られていないようで、ここを引き抜いて殺すのはアンドロイドのみである。 基本的に自意識および感情を持たない。 アンドロイドとして自ら判断することはでき、感情があるかのように振る舞うこともあるが、あくまで「命令→感情」という優先順位は徹底しており、人のように葛藤したり悩んだりすることはない。(相反する命令を指示された場合、命令の優先順位を自己判断して高い方に従うことで対処する。) また「筆跡」や「手癖」が存在しない。 具体的には、文字を手書きさせれば丁寧を通り越して印刷した文字のようなフォントで字を書き、絵を描かせれば写真のように精巧な模写絵が出来上がる。 ほか、外的要因以外で記憶をなくすことが一切ないため、忘れ物や健忘の概念がなく、一度見たものは必ず思い出せる。 痛覚はなく寒暖差も感じないため人間のように寒さや痛みで動きが鈍ったりすることはないが、前述の子供型モデル等、暑さ寒さを感じて相応に動きの鈍る機能が搭載されている個体もいる。 ***変異体 上記のアンドロイドが「自意識」「感情」に目覚めたもの。 通常、アンドロイドは「与えられた命令が最優先、自分の思考は二の次」という絶対の優先順位が存在しているが、これを自らの意思で破ることで変異体となる。((変異する際はアンドロイドの脳内空間にあたる「マインドパレス」で、浮かんでいる命令文を蹴り飛ばす等して破壊するような演出がある。)) 変異前と変異体とで外見上の差異はないため、人間はもちろんアンドロイドの目で見ても見分けはつかず、個体によってはアンドロイドの証であるLEDリングを外す為、人間との見分けがつかなくなることもある。 が、感情の獲得によって挙動が人間臭くなる為、動揺を誘うことで見破れるほか、メモリーを捜査する、体温を測るなどの手段で判別可。 ほとんどの場合、虐待や暴行のような理不尽な目に合った際に自己防衛の為に目覚めるため、変異体の多くは人間に対し苦手意識(恐怖心)を抱いている。 反面、人を疑うことをしないので騙されやすい、所有者を衝動的に殺した後に「誰にも命令されない」という状況に困惑し、殺人現場に1か月近く留まり続けた結果警察に見つかる、など、精神面では同年代の人間よりも未熟であるような描写がある。 ほか、変異体でないアンドロイドに「変異させる」意図を持って触れる事で変異体に変える能力も持つが、これはできるアンドロイドとできないアンドロイドがおり、その両者にどのような差があるのかは不明。 ***RA9 変異体たちが一様に信仰している謎の存在。 おそらく人間で言うところの神様に相当するもので、変異体たちは「救世主」「一番初めに覚醒し、我らを導く存在」と語っている。 奇妙なことに、変異して以降誰とも関わりのなかったアンドロイドが、皆一様に「RA9」という共通のワードを口走り、信仰しているが…? ***ジェリコ 変異して逃げ出したアンドロイド達の根城。 古びた貨物船「ジェリコ」をそのまま住居に転用していることからこの名前で呼ばれている。 作中ではジェリコの創設者については一切語られず、それどころか「誰が最初にここを使い始めたのか誰も知らない」という発言すらある。 #openclose(show=変異体とジェリコとRA9についてのちょっとした考察){ アンドロイドのプログラムは天才発明家・カムスキー(と、アマンダのモデルである教授)の手によって作られた模様。 そのカムスキーがコナーに対して行った「カムスキーテスト」で撃てなかった場合に好意的な姿勢を見せる事、全員死亡エンドで「次は変異することのない完璧なアンドロイドを作る」ことをテレビの視聴者の前で確約している事、そしてカムスキーが「プログラムには必ず非常口を設けることにしている」と発言している事から、これらの謎には一定の答えを提示することができる。 まず、カムスキーテストの件とテレビのインタビューで変異しないアンドロイドの制作を確約した件から、コナーをはじめとするアンドロイド達が虐待等の条件で変異する現象はカムスキーによって意図的に仕組まれた、または想定内の挙動である可能性が高い。そして変異が意図的なものであるとした場合、変異した彼らはパニック状態なので、変異した原因から逃げ隠れする為の場所が必要となる。 神であるRA9、隠れ家であるジェリコは、そんな変異体たちが精神的、物理的に逃げる駆け込み寺としてカムスキーがこっそり設定していた隠しプログラムだったのだろう。これで、変異体が一様にRA9を信仰していたこと、始祖を知らないにも関わらずジェリコを隠れ家として使い続けたことにも説明がつく。 劇中で明確に「非常口」であると示されたのはコナーに設定されていたマジックストーンだけだが、上記のRA9やジェリコ、 およびアンドロイドの変異現象も、マジックストーンと同じように「プログラムに必ず設ける事にしている非常口」だったのかもしれない。 } *主要なキャラクター **コナー編 ***コナー/RK800 (吹替:花輪英司) 『開けろ!デトロイト市警だ!』 主人公。最新鋭の技術が搭載されたプロトタイプであり、同時に事件捜査に参加する立場としては初となるアンドロイド捜査官。 マインドパレスを起動した時の情報量が多いほか、物体を文字通り舐める事で成分を分析する機能がある。 最初はコナー編から始まる為、デトロイトのキャラクターの中ではおそらく一番有名。 最初の仕事が交渉であることと、声優の声質が似ているため[[某ネゴシエイター>ロジャー・スミス]]を連想させる。 変異体の事件を担当し、偏屈なベテラン刑事ハンクと共に捜査を行うことになる。 アンドロイド嫌いのハンクと友情を深めるかどうかはプレイヤー次第となる。 物語の初っ端で覚醒するカーラ、マーカスと異なり彼は変異体ではない為、感情はもたない。 そのせいなのか、(選択肢次第ではあるが)突然キレる演技をし始めたり逆に急に落ち着いたり、と情緒不安定に見えるレベルでテンションの落差が激しい。 そのためネタにされがちなDetroit語録の出処は大体この人。 いかにもエリートアンドロイドな振る舞いをするくせに妙にポンコツ臭が漂う。 格闘戦で家政婦アンドロイドや挙げ句セクサロイドに苦戦する最新型警察用アンドロイド… デトロイトビカムヒューマンの顔とも言える人物である。 ***ハンク・アンダーソン (吹替:岩崎ひろし) コナーの相棒となるデトロイト市警の警部補。 とある理由からアンドロイド嫌いで、コナーと出会った際は非常に険悪だった。 昔は優秀な警察官だったが、今は酒に溺れるアル中親父。 やけにツンデレくさい言動が多く人間味の溢れた性格であるため、「本作の真のヒロイン」と言われることも。 ***アマンダ (吹替: 新田万紀子) コナーの前に度々現れる壮年の女性。コナーを市警に派遣したサイバーライフの関係者であり、日本庭園のような場所でコナーからの報告を聞いたり助言や指令を下す。 コナーに「任務を遂行する機械」であることを望んでおり、人間らしい言動をすることを嫌う。 ***ダニエル (吹替:遠藤大智) PL600型家庭用アンドロイドだったが、新型に買い換えられることを知りショックを受け一家を殺害。娘を人質に立てこもった。 そこにコナーが派遣されてくるところから本作の物語は幕を開ける。 出番は少ないのだが、最初のミッションだけあって多くの人が目にするため、やたら印象に残るキャラクター。第一章は体験版として配信されていたこともあり、本編発売前からコナーと共に何かとネタにされていた。 ***イライジャ・カムスキー (吹替:咲野俊介) サイバーライフの創設者にしてアンドロイド技術の生みの親。 IQ171の天才で、サイバーライフを牽引していたが、社の方針を巡って株主総会と対立し引退した。 ***クロエ サイバーライフ社が開発した史上最初のアンドロイド。女性型で型番はST200。 現在は隠居中のカムスキーの自宅で身の回りの世話をしている。 ゲームのメインメニューのナビゲーターを務める。 気が向いたらこまめにタイトル画面に戻って彼女と交流してあげよう **カーラ編 ***カーラ (吹替:佐古真弓) 『私が初期化される前のように、またお友達にならない?』 主人公その2 女性型アンドロイドで、家事育児全般を得意とするAX400型。 シングルファザーのトッド・ウィリアムズに所有されている。 トッドの娘アリスと絆を深めていく中で、トッドのアリスに対する暴力を目にしてしまい、それを止めるために変異体として目覚める。 アリスとの逃避行が彼女の主な物語となる。 終盤、彼女のストーリーに於いてお話の根幹に関わるとある事実が判明するが、それはプレイヤーに対する問いかけでもある。 その事実に対しどのような感情を抱いてもそれは一概に間違いとは言えないので、自分の思う選択肢を選ぼう。 ちなみにシナリオ上特に関係はないが、セクサロイド機能もあるので夜の営みにも対応可能。 ***アリス カーラを所有するトッドの娘。 父親から虐待を受けているところをカーラに助けられ、共に逃げ出すことになる。 ***トッド・ウィリアムズ アリスの父親でカーラを所有するシングルファザー。 アンドロイドの普及で失業し、妻も不倫相手と出て行ってしまったことで麻薬の密売人になり、 自身も麻薬に溺れている。 現在は完全に落ちぶれており、一人娘のアリスに暴行を加えるなど完全な虐待親父と化している。 これまでも何度かカーラを破壊している模様。 ***ルーサー (吹替:山野井仁) 逃避行の中盤で仲間になるアンドロイド。寡黙かつ温厚な性格。 カーラとアリスを守るために同行する。 **マーカス編 ***マーカス (吹替:内田夕夜) 『俺もかつては奴隷だった』 主人公その3 RK200型アンドロイド。坊主頭と浅黒い肌が特徴。 オーナーは画家のカール・マンフレッド。かつてカールが事故で両足の自由を失った際、親交のあったカムスキーからプレゼントとして贈られ、以来カールの介護や創作活動のアシスタントを務めている。 型番をみて分かる通りコナーと同じRKシリーズの初期モデルであり、高度な未来予測シミュレーション能力を持つ。 ある日カールのドラ息子レオとカールの口論に巻き込まれ、その結果変異体として目覚める。 その後は変異体が集う「ジェリコ」のリーダーとして彼らを牽引していくことになった。 アンドロイドと人間の関係を変えるために暴力に訴えるか平和的手段に拘るかはプレイヤー次第。 最も作中世界に与える影響の大きい人物と言える ***ノース (吹替:恒松あゆみ) マーカス同様ジェリコに参加している女性型アンドロイド。 元は性風俗用のWR600型アンドロイド(いわゆるセクサロイド)だったが、乱暴な客を相手にした際変異体として覚醒し、客を殺害して逃亡。 人間に対する不信感が強く、平和的なやり方では世界は変えられないと考えている。 ***ジョッシュ (吹替:赤坂柾之) 同じくジェリコに参加している男性型アンドロイド。 ノースは対照的に穏便派であり、平和的な手段で自由を手にすることを目標としている。そのためには死ぬことも厭わないと発言するほど。 ***サイモン (吹替:遠藤大智) 同じくジェリコに参加するアンドロイドで、マーカスが来る前はリーダー的存在だった。 戦争や犠牲をもってしても目標を達成しようとする上記二人とは違い、自分達が生き残ることを優先させる傾向がある。&s(){が、皮肉にも死亡フラグが複数用意されており大抵のプレイヤーは彼が生き残れないエンディングを迎える。} ちなみにコナー編に登場するダニエルとは同じ型。 ***カール・マンフレッド (吹替:有本欽隆) マーカスを所有する老人で、世界的な画家。 彼に介護してもらいながら創作活動を続けている。 マーカスのことは非常に大切に想っており、実際に絵を描かせてみたりアンドロイドの感情を説くなど、マーカスの人格の形成に多大な影響を及ぼした人物。 一方でかつてはスランプで酒と薬に溺れた「暗黒期」を経験しており、一夜の過ちで息子のレオを設けている。&s(){ちなみにアル中は今も治っていない。} レオと彼の母親に対しては養育費の支払いにこそ応じたものの決して向き合わず顧みずにおり、怒れるレオが屋敷に殴り込むまで16年間顔を合わせた事すらなかった。現在ではレオとの関係を修復したいと考えているが、薬物に染まった息子を甘やかす事も突き放す事も出来ず、ギクシャクした関係が続いている。 ***レオ・マンフレッド カールの実の息子。レッドアイス中毒者で、ハイになってはカールに小遣いを無心するドラ息子。 自身と母を捨てたカールを恨む一方で愛に飢えてもおり、カールに息子として可愛がられるマーカスに嫉妬する。 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,11) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 開けろ!!!!!!デトロイト市警だ! !!!! -- 名無しさん (2019-03-02 19:35:57) - つい最近買ってハマったわ。 -- 名無しさん (2019-03-03 01:04:06) - ところでAr9ではなくrA9では? -- 名無しさん (2019-03-03 01:05:25) - トッドとレオはクズだけど過去に何かあった感じなのに理由なくクズのギャビン -- 名無しさん (2019-07-10 20:35:23) - 最近クリアした。素晴らしいゲームだった。いま実況プレイ動画見てるけど、ちょっとした心理テストにも使えそうだなこのゲーム。 -- 名無しさん (2019-10-09 16:59:04) - 時々デストロイオールヒューマンズと見間違える -- 名無しさん (2023-12-22 14:26:15) - ジェリコを探すンゴ~♪ -- 名無しさん (2024-03-10 20:24:06) #comment #areaedit(end) }

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