SCP-2003

「SCP-2003」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
SCP-2003」を以下のとおり復元します。
&font(#6495ED){登録日}:2016/12/12 (月) 20:39:46
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 10 分で読めます

----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----

SCP-2003は、シェアード・ワールド「[[The SCP Foundation]]」に登場するオブジェクトの一つ。
項目名は「Preferred Option (望ましい選択)」。
[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation)]]は「&bold(){Thaumiel}」。財団の最終兵器である。


*概要
まずコイツが何なのかというと、主流科学によって理解されている時空間の通常な推移の中で、ある程度の期間の未来に先立って行き来することのできる装置……わからない? では単刀直入に言おう。


#center(){&bold(){タイムマシーンである。}}


……そこ、嫌な予感がするとか言わない。確かに財団世界で時間関連のオブジェクトはどれもこれも厄介である。
しかしこれは、財団が運用しているオブジェクトである。
他のいくつかのThaumiel同様、これも財団が作り上げたものである。SCP-2000とは異なり、現在の財団が、とある3つのオブジェクトの研究の成果を使い、実に25年の時間をかけて完成させたマシーンなのだ。

ただし、何が出来て何がどうなるのかはわかっているが、&bold(){なぜそうなって何でこうなるのかはわかっていない。}しっかりしろ財団。


*使い方
外観の情報がないので不明だが、中央には被験者が入るカプセルがある。
ここに被験者が入り、本体にエネルギーを入力すると、その強さに応じた未来に被験者を一時的に転送。転送された被験者は元々の時間と現在位置との境界ポイントに自分で戻るまで、15週間から38週間の範囲で変動する時間の中に存在することになる。
安全確保のために、被験者が戻って来るまで安全箇所が運転中に確定され、98日の間は運転記録を報告しなければならない。
これを使って未来の可能性を観測し、確定された事象に対して対応策を立てる……というのが用途と目的である。

ただし問題があり、生きた人間を転送するとその過程で肉体が著しく損傷する。
これでは観測も何もない。困った財団だが、動物の神経系統は無傷であることに気付き、ある方法を採用した。
ぶっちゃけると、被験者の&bold(){脳神経系統をXX8890-V生命機能及び観測システムという機械的実体に移植して送り出す}、というものである。その他の臓器はすべて回収。
財団の名誉のために述べておくと、強要しているわけではなく、定年の近い職員から志願者を募り、彼らに特別待遇を与えることで成り立っている。

このシステムの搭乗者と移植された職員は、観測からの帰還後18か月で研究を確立する。その時間を過ぎると、極度の興奮に始まる精神的フィードバックがはじまる、要するにSAN値がピンチになるのである。


*歴史
コイツが稼働を開始したのは1995年のことで、現在のモデルは職員が将来の状況と出来事を観察できるように修正されている。これらの配備の目的はSCP-2003を利用した移動の性質の確認に加え、可能であれば財団がよりよく将来の異常現象のデータ収集を簡易にする為でしかなかった。
この最初の調査任務の結果はしかし、将来観察される出来事を理解するためのいくつかの重大な要因を示した。


・その1:SCP-2003を用いて得られたデータは不正確
初期の調査任務では、将来で起きたかのように見える出来事に関する夥しい量のデータが得られた。
ところがその後の観察で、これらの観察は全てを予測するわけではないことが確認された。
その一例としては、財団資産が集めたデータは1997年のサイト-19でのSCPオブジェクトの重大保安違反を防止できたことだが、その一方で1999年に起きたアメリカ西海岸沖を震源とする地震の予報には失敗。
より多くのデータを集めた結果、観察結果を適切に解釈可能で、将来起こり得る重大事象を対象となった。

・その2:特定の個人が因果律に不相応な影響を及ぼす
財団の把握する、「将来起こり得る事象の一覧」が多くの調査任務の完了後に増加するケースが多々見受けられた。
このため、特定の事象は財団の任務に相応しく無いと判断されている。
初期のこれら事象に影響を与える試みがあり、それは様々な結果を及ぼすことになった。
一部個人の取り扱い及び排除で任務目標を達成する一方、その他の事象に影響を与える財団の試みとして数人の重要と思われる人物を粛清しても一切結果を変えることができないケースも多かった。
メタアナリシス(メタ的分析)は場合によっては、重大な事象と関連が見られない個人の行動、またはまさしく存在そのもの が、時折1000km以上も離れた場所で、これらの事象に対し即座に重大な影響を与えることを確定した。
この発見以降、研究職員はこれら個人のデータベースを維持している。

・その3:僅かしかない凝り固まった"未来"は、都合の良い人類存続を許さない
観察された状況がそれぞれ任務調査で変化する傾向を示す一方、それらには共通点としていくつかの大雑把に一致した「予定」が観察され、確定事象として財団データベースに一覧化されている。
これら殆どの確定事象は&bold(){地球が人間文明 (場合によっては全生命体) にとって相応しくない状態に、または殆どの人類の健康に対して直接的に有害な状況に陥る総体的な未来}から成り立っている。ぶっちゃけ終わっている。
長期生存シナリオが相対的に少ない理由は不明であり、財団全体で記録される異常現象の観察が着実に増加している事の接点も判明していない。


とりあえず、2348年までは財団と人類社会が存在していることは確定している。&bold(){ただしその年に滅ぶが。}


*確定された事象
このオブジェクトによって観測された破滅的未来について覚えがある人はいないだろうか?
そう、Kクラスシナリオである。これはその、表向きになっていない一部である。

・XN
「望ましい選択」。これが現在の財団世界である。2348年1月に観測されていなかった隕石が衝突し、人類が絶滅するまで、合意された現実として正常に支持されている。そのため、SCP-2003を用いた干渉試験は現状全てこのシナリオへ繋げるために動いている。

・XB
IK-クラス:世界文明崩壊シナリオ。2017年4月23日にガンマ線バーストが降り注ぎ、人類は絶滅する。

・XE
CK-クラス:世界終焉シナリオ。2049年のサー・エントウィッセルのニュージーランド首相への当選と、同じ日にトルクメニスタンで生まれた一般人の男児の存在がバタフライ・エフェクトを発生させ、2058年にイスラエルとインドネシアで核戦争が発生、世界は終わる。財団がいくら干渉しても日付が早まるにとどまっている上、どのケースでも核兵器起爆の86日前に財団の存在が暴かれる。

・XH
EK-クラス:未定義シナリオ。高毒性インフルエンザの流行に伴い、2023年から48年にかけて国際協調の機運が高まる。多国籍組織の介入により民族紛争は終わり、貧困や飢餓も解消。海面上昇に対する対策も成功した。
しかし2059年7月29日、地球上の全人口は既知のあらゆる動物と共に自然と消え去り、観察期間中には復帰が確認されなかった。現在、このシナリオはN/A(観測されず)となっている。

・XJ
ZK-クラス:現実不全シナリオ。2011年4月1日、あるSCPに関する責任を負っていたマサコ・コイズミ博士の複製体が武装サイト-47の保安境界線内に出現。この実体は施設内のどこかにいるコイズミ博士の予定された安楽死を即座に中止してほしいと要請した。この収容確立時に当該SCPは機能しておらず、実体がこの要請を出来た方法は不明であり、将来において生じると推定されていた。この要請は財団職員では応じることが出来ず、アルファ-8型時間パラドックスを誘因。この一連の事象は無数の実体により繰り返され、最終的に人類が理解する時空間の崩壊を引き起こしてしまった。現在は回避されている。

・XO
XK-クラス:世界終焉シナリオ。異常現象の頻度が2037年から極端に増加。財団は2039年までに合意を得た世界を保護する力を完全に失い、世界文明は混沌と大変動の時代に突入した。数百万人が自然発生の暴動で死亡し、集団自殺が世界中で当たり前のものとなった世紀末世界。多数の救世主的な宗教の動向が加速し、大規模な内紛と戦争に発展。そして2040年代中頃、いくつかの宗派と、中央政府の生き残りが多様な異常現象の兵器化に成功。2048年にはサイト-104に避難した少数の集団を除き人類は絶滅する。

・XR
SK-クラス:支配シフトシナリオ。財団が確認していたホモ・イグノタス(SCP-655の宇宙人)がいきなり800万に増加。財団との交戦の末支配種は入れ替わり、人類は絶滅する。

・XS
未確定。2019年某日に、武装サイト-47とSCP-2003に関する情報が消えるまでは「望ましい選択」と同じ。送り込んだエージェントは向こう側の財団に捕まってSCPオブジェクトと認定され、戻ってきたときには脳組織の一部が除去されていたためデータは得られなかった。

・XU
XK-クラス:世界終焉シナリオ。2026年、太陽がいきなりブラックホール化。人類は死ぬことが出来ず、肉体の機能が停止しても意識を保っている。
これは元々事象XTの付随現象であり、これを回避する策を財団が打ったところ発生した。

・XW
RK-クラス:再構築シナリオ。2019年8月、強化され人型になったSCPオブジェクトが出現。これにより社会は急速に発展し、2022年までには&bold(){数千人の人々が複数の人間の意識を単一の存在に結合させる実験計画に積極的に加わった}。2024年、およそ134000人の転写された意識から成る精神を備えたと推定される、完全に成熟した一人の人間がこれらの存在によって誕生。それから、この人間は独房に閉じ込められ、自動的に食料と水が供給される事を除いて全ての外部からの接触を絶たれた。その他全ての人間は、2024年内に組織的に抹殺される。

・XX
EK-クラス:未定義シナリオ。ある微生物が爆発的に増殖、感染するとあるクモに対する偏愛を抱く症状の発症者が世界人口の八割に到達。非感染者は食糧にされた。世界資源のほぼすべてがそのクモのために使われた結果、世界規模でクモが繁殖・増殖し、世界的飢饉により人類は絶滅する。

・XZ
ZK-クラス:現実不全シナリオ、あるいは「望ましい選択」。地球は完全に無人と化したが、人類は遠く離れたみずへび座銀河団のどこかにある惑星に移住。現在の社会を悪化させている要因のほとんどをクリアした社会を作り上げていた。博物館などの文化的要素もそのまま引き継がれている。
[[SCP-2798]]の機能不全に伴い、これに関する再評価が保留されている。



&bold(){財団世界の明日はどっちだ。つうかあるのかそんなもの。}



追記・修正は明日の予定を立ててからお願いします。

----
#right(){
SCP-2003 - Preferred Option
by Kalinin
www.scp-wiki.net/scp-2003
scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-2003(翻訳)
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,1)
}
#include(テンプレ3)

#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 財団世界には生まれたくないな。最低2回はリセットされてるし  -- 名無しさん  (2016-12-13 00:03:43)
- どうあがいても絶望な上に逃げ場なんて無いし酷すぎる…  -- 名無しさん  (2016-12-13 00:25:08)
#comment
#areaedit(end)
}

復元してよろしいですか?