SCP-2003

登録日:2016/12/12 Mon 23:08:23
更新日:2025/03/25 Tue 20:10:56
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選んだ答えが常に正しいとは限らないが、正しい答えがあるとも限らない。


SCP-2003は、シェアード・ワールド「SCP Foundation」に登場するオブジェクト
項目名は「Preferred Option (望ましい選択)」。
オブジェクトクラスは「Thaumiel」。財団の最終兵器である。


概要

本オブジェクトは、主流科学によって理解されている時空間の推移の中である程度の期間を行き来できる装置……

わからない? では単刀直入に言おう。

財団が作り上げたタイムマシンである。

現在の財団が3つのオブジェクトの研究成果を使い、25年かけて完成させた時間関連のオブジェクトなのだ。

被験者は本体に入力されたエネルギーに応じて15週間から38週間先の未来に転送され、元々の時間との境界ポイントに自力で戻るまで未来に存在することができる。
これを使えば未来に確定された事象に対応策を立てることができるが、被験者が戻って来るまでセーフティが固定されるので、安全確保のために運転記録を報告しなければならない。


なお、SCP-2000同様になぜそうなって何でこうなるのかはわかっていない。

……そこ、嫌な予感がするとか言わない。

そもそも財団世界で運用しているブツは、どれもこれも厄介である。


転送過程で肉体が著しく損傷するため、財団は定年の近い職員から志願者を募り、シミュレーション訓練を施したうえで、脳神経系統をXX8890-V生命機能及び観測システムに移植*1。移植後はは昏睡状態で維持され、四回まで許可されたタイムトラベルを行う。
さすがに肉体を失って神経系だけで活動するのは辛いらしく、研究を確立する平均18か月を過ぎると、極度の興奮に始まる精神的フィードバック…………要するに、SAN値がピンチになる。





現在のモデルは移動の性質の確認に加え、可能であれば財団が効率良く未来のイベントを収集・観察できるように修正されている。

確定された、不安定な未来

稼働した1995年当初の調査任務は、観察した出来事を理解するために必要ないくつかの要因を示した。

  • 1:SCP-2003によるデータは不正確
観察結果をもとに、1997年のサイト-19での重大インシデントを阻止できたが、99年のアメリカ西海岸沖を震源とする地震予報は失敗。
将来起こり得る重大事象に関連する夥しいデータを得られても、すべてを予測できないので、メタアナリシス(メタ的分析)を用いて解釈する必要がある。

  • 2:特定個人が因果律に不相応な影響を及ぼす
ある人物の扱いを変えたり排除したりすることで目標を達成したケースもあれば、重要人物を粛清しても一切結果を変えることができず、むしろ「将来起こり得る事象」が増加するケースも見受けられた。
またメタアナリシスによって発見された重大な影響を与える個人や行動がデータベース化されている

  • 3:凝り固まった"未来"は人類存続を許さない
任務調査で変化する状況は共通して地球が人類 (場合によっては全生命) にとって最悪の状況に陥るという大雑把な「予定」がある。
これは確定事象としてデータベース化されているが、異常現象の観察が着実に増加する理由も、長期生存シナリオが相対的に少ない理由も判明していない。

とりあえず、2348年までは財団と人類社会が存在していることは確定している。ただしその年に滅ぶが。


確定された事象

このオブジェクトによって観測される「破滅的未来」はK-クラスシナリオとして知られているだろう。
これらはその、表向きになっていない一部である。

  • XN:「望ましい選択」
「合意を経た現実」(=異常存在とかが表沙汰になっていない、いわゆる普通の現実)が正常に維持される財団世界。
ただし、2348年1月に、事前に観測されていなかった隕石が衝突して人類が絶滅する。SCP-2003を用いた干渉試験は現状全てこのシナリオに繋がるために動いている。

  • XB:IK-クラス:世界文明崩壊シナリオ
2017年4月23日にみんな大好きガンマ線バーストが降り注ぎ、人類は絶滅する。

  • XE:CK-クラス:世界終焉シナリオ。
2049年のサー・エントウィッセルのニュージーランド首相当選と、トルクメニスタンで誕生した男児の存在によるバタフライ・エフェクト。2058年にイスラエルとインドネシアで核戦争が発生、世界は終わる。財団が干渉してもその日付が早まるだけで、どのケースでも核兵器起爆の86日前に財団の存在が暴かれる。

  • XH:EK-クラス未定義シナリオ
高毒性インフルエンザ流行と、2023年から48年にかけて多国籍組織の介入で民族紛争が終結。貧困や飢餓も解消し、海面上昇に対する対策も成功した。
ただし、2059年7月29日、地球上の全人口は既知のあらゆる動物と共に消滅。観察期間中には復帰が確認されなかったため、N/A(観測されず)となっている。

  • XJ:ZK-クラス:現実不全シナリオ。
2011年4月1日、マサコ・コイズミ博士の複製体が武装サイト-47の保安境界線内に出現。この実体は施設内のどこかにいるコイズミ博士の予定された安楽死を即座に中止してほしいと要請した。この収容確立時に当該SCPは機能しておらず、実体がこの要請を出来た方法は不明であり、将来において生じると推定されていた。この要請は財団職員では応じることが出来ず、アルファ-8型時間パラドックスを誘因。この一連の事象は無数の実体により繰り返され、最終的に人類が理解する時空間の崩壊を引き起こしてしまった。現在は回避されている。

  • XO
XK-クラス:世界終焉シナリオ。異常現象の頻度が2037年から極端に増加。財団は2039年までに合意を得た世界を保護する力を完全に失い、世界文明は混沌と大変動の時代に突入した。数百万人が自然発生の暴動で死亡し、集団自殺が世界中で当たり前のものとなった世紀末世界。多数の救世主的な宗教の動向が加速し、大規模な内紛と戦争に発展。そして2040年代中頃、いくつかの宗派と、中央政府の生き残りが多様な異常現象の兵器化に成功。2048年にはサイト-104に避難した少数の集団を除き人類は絶滅する。

  • XR
SK-クラス:支配シフトシナリオ。財団が確認していたホモ・イグノタス(SCP-655の宇宙人)がいきなり800万に増加。財団との交戦の末支配種は入れ替わり、人類は絶滅する。

  • XS
未確定。2019年某日に、武装サイト-47とSCP-2003に関する情報が消えるまでは「望ましい選択」と同じ。送り込んだエージェントは向こう側の財団に捕まってSCPオブジェクトと認定され、戻ってきたときには脳組織の一部が除去されていたためデータは得られなかった。

  • XU
XK-クラス:世界終焉シナリオ。2026年、太陽がいきなりブラックホール化。人類は死ぬことが出来ず、肉体の機能が停止しても意識を保っている。
これは元々事象XTの付随現象であり、これを回避する策を財団が打ったところ発生した。

  • XW
RK-クラス:再構築シナリオ。2019年8月、強化され人型になったSCPオブジェクト(番号は伏せられており不明)が出現。これにより社会は急速に発展し、2022年までには数千人の人々が複数の人間の意識を単一の存在に結合させる実験計画に積極的に加わった。2024年、およそ134000人の転写された意識から成る精神を備えたと推定される、完全に成熟した一人の人間がこれらの存在によって誕生。それから、この人間は独房に閉じ込められ、自動的に食料と水が供給される事を除いて全ての外部からの接触を絶たれた。その他全ての人間は、2024年内に組織的に抹殺される。

  • XX
EK-クラス:未定義シナリオ。未発見の微生物が爆発的に増殖。これに感染すると、ある種類のクモに対する偏愛を抱くようになる。2028年には世界人口の85%の人間がこの症状を発症し、非感染者はクモの食糧にされた。世界資源のほぼすべてがそのクモのために使われた結果、世界規模でクモが繁殖・増殖し、世界的飢饉により人類は絶滅する。

  • XZ
ZK-クラス:現実不全シナリオ、あるいは「望ましい選択」。地球は完全に無人と化したが、人類は遠く離れたみずへび座銀河団のどこかにある惑星に移住。現在の社会を悪化させている要因のほとんどをクリアした社会を作り上げていた。博物館などの文化的要素もそのまま引き継がれている。
SCP-2798の機能不全に伴い、これに関する再評価が保留されている……が、
このことについて、「Kalininの提言」(SCP-001のうちの一つ)では、


追記・修正は明日の予定を立ててからお願いします。


CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-2003 - Preferred Option
by Kalinin
http://www.scp-wiki.net/scp-2003
http://ja.scp-wiki.net/scp-2003

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最終更新:2025年03月25日 20:10

*1 他の臓器はすべて回収されるが、財団の名誉のために述べておくと、強要しているわけではない