4分33秒

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4分33秒 - (2016/09/07 (水) 22:50:08) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/12/31(土) 15:21:10
更新日:2023/04/01 Sat 19:46:31
所要時間:約 3 分で読めます





TACHET



TACHET



TACHET



4分33秒とは、アメリカの作曲家ジョン・ケージが発表した楽曲の一つ。
正式名は『沈黙の奏者』。


全三楽章で構成され、使用する楽器は自由。だいたいピアノで演奏されるがオーケストラで採用されたこともある。
通称の『4分33秒』は初演が33秒、2分40秒、1分20秒の計4分33秒で演奏されたことに由来する。



さて、この曲は音楽に関してずぶの素人でも演奏することができる。
なぜか?





最初に書いたこの曲の楽譜を見ていただきたい。

そう、この曲は三編を通して全てTACHET(休止)としか書かれていないからである。
つまり楽器を鳴らす必要なし。


ケージは「此の世に遍く音は、決して消えることはない」という発想からこの曲を思いついたとされる。
彼の提唱する『偶然性の音楽』(管理されない東洋的で偶然的ギミックを含む音楽)の極致である。

具体的には、客席からの咳やざわめき、外の風の音などすべての音が音楽なのである。

つまりこの曲は無音なのではなく、常に自分を取り巻く、流れる水のように変化する音を感じ取るための曲といえよう。


ただ、この曲が実際に演奏(?)された際、観客からは大ブーイングの嵐だったことが伝えられている。
結局のところ、演奏者の思惑と観客の思惑は相容れなかったということか。

なお、周りの音を音楽とする曲ではあるがTacetの指示があるため、演奏者は楽器の演奏はしてはいけない(音を出す以外ならOKらしい)。



【余談】

かつてトリビアの泉で世界で最も長い曲(約15時間超。ギネス認定)『ヴェクサシオン』の後に紹介されたことがある。

また、ケージは演奏時間が639年という「ASLSP」という曲も創作している。

尚、4分33秒は273秒であり、絶対零度を表しているという説があるが、ケージ自身はこれについて言及したことがない。
伊集院光深夜の馬鹿力」の嘘トリビアコーナーの投稿ネタが発祥とも言われているが、出所は不明。

BUCK-TICKは本作のパクリ曲「13秒」を発表したことがあり、アルバム「十三階は月光」に収録されている。


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