登録日:2019/04/06 Sat 19:41:07
更新日:2024/04/17 Wed 09:34:41
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RPC Authorityは、アメリカ初のシェアード・ワールド創作である。
公式日本語訳はRPC機構。旧非公式訳はRPC機関、RPC公社など。
概要
RPC Authorityは、この現実に潜む超常的な恐怖から人類を守る『機構』と、それが立ち向かう異常存在を描く共同怪奇創作のグループである。
機構は異常存在を『調査(Research)』し、『保護(Protect)』し、『収容(Contain)』する。
機構の活動は全世界に及んでおり、いかなる場所に潜んでいても機構が見逃すことはないだろう。
そもそものはじまりと財団からの決別
そもそもがSCP Foundationの創作グループが分かれてできたのがRPC Authorityであり、リアルカオス・インサージェンシーと呼ばれることもあるが、『The Chaos Insurgency』という創作グループは別にある(無論、財団からの分派である)。
そもそも機構は方向性そのものは財団同様、異常存在を人々から遠ざけることにある。
では何が違うのかというと、むしろ機構は保守的で、身近に潜む危険から人々を守るというSCPシリーズIの路線を拡張する試みである。
よってリアルインサージェンシー評はむしろ当てはまらないとすら言える。ある意味では財団のほうが初期の雰囲気に反乱しているとすら言えるのだ。
機構黎明期の職員はdjkaktusを代表的とした壮大なホラーや
SCP-049の改稿などの、
『インスタ映え』を狙うような作品群への反発や、
そうした新しいネットコミュニティに吹き荒れる政治的活動への参画への辟易を示しており、
財団がロゴをLGBT happy weekに合わせ虹色にし、反発した職員を一部のシニアスタッフが差別主義者と扱い出したところがトドメとなり、決別したとされる。
なおロゴの改変に反発した職員にはLGBTも存在していたが、その職員からしても『創作に政治を持ち込むな』と言った部分はあった様子。
この辺は『
RPC-023』の記述も参照のこと。
なお順風満帆にスタートを切れたわけでなく、財団からの盗作騒動が起きたりもしている。
よって日本の一部でまことしやかに囁かれる『機構は差別主義者の集まりだ』という評は正しくない。
そりゃ、『Faggot(ホモ)』という言葉を使う機構職員もいるけどさ…
なお財団サイドも一連の騒乱を機に政治的なものがタブーであるとの認識は広まった模様。
この間に韓国支部でも似たような騒動は起こっている。
支部の誕生とENとの関わり
そんな機構も財団同様、翻訳サイト(支部)が生まれている。
機構そのものが『創作に思想は関係ない』というポリシーを持つため、
EN及び支部に於いてもLGBTの参加はオープンであり、かつ財団職員の参加も認められている。
というか、機構日本支部職員に機構専従はほぼおらず、財団日本支部職員が大半を占めている。
まあ別にもとが対立で生まれたからって関係ないところで対立する必要もないしね。
また、SCP-ENに愛想をつかしたRPC-EN職員も、SCP-INT(International Translation Archive)の創作コンテストには参加したりと、
他国の財団創作には興味はある模様。
オブジェクトクラス
機構は財団とことなり、『収容難度』+『危険性』のダブルナンバリングを行っており、
オブジェクトクラスを見ただけで危険性もわかるようになっている。
例としては、『Beta-White』とあれば、完全とはいかないが一応収容できているオブジェクトで、危険性はほとんどない、あるいは有用なオブジェクトといえる。
収容難度のオブジェクトクラス
|
財団表記 |
説明 |
Alpha |
Safe |
完全に収容ができているもの。 |
Beta |
Euclid |
一応は収容できているもの。 自律して動くオブジェクトはBetaに振り分けられる。 |
Gamma |
Keter |
収容が困難、あるいは不可能なもの。 |
Neutralized |
Neutralized |
異常性を失ったオブジェクト。 |
Theta |
Safe/Hiemal/Thaumiel |
他のオブジェクトの収容に運用されるオブジェクト。 |
Omega |
Uncontained |
完全な収容が不可能、あるいは世界そのものに影響を及ぼすオブジェクト。 |
Epsilon |
Apollyon |
最高機密のオブジェクト。基本収容不可で、知覚すら困難なもの。 |
危険性のオブジェクトクラス
|
説明 |
White |
ほとんど無害または機構にとって有益なオブジェクト。 |
Yellow |
死に至る危険性はあるが気をつければ容易に回避できるオブジェクト。 |
Orange |
死に至ることもあるちょっと危険なオブジェクト。 |
Red |
積極的かつ致命的な危険性を持つオブジェクト。 |
Purple |
一定範囲の人間を駆逐しうる危険性を持つオブジェクト。 |
Black |
世界中の人々を死に至らしめる危険性を持つオブジェクト。 |
ハザードタイプ
機構は数多くの危険性に遭遇するため、危険性類型を定めている。
例えば
RPC-023は集合性ハザードとなっているが、これは特定集団内に作用するオブジェクトという意味合いになる。
本コメント欄は記事内容についての議論を深めるために設けられたものであり、
性的アイデンティティや政治について議論するためのものではありません。
- ここら辺の分裂の事情がよく分からなかったから助かる。日本にこの騒動が伝えられてきた当初も『機構は差別主義者の集まりだ』という評が蔓延していたな。 -- 名無しさん (2019-04-06 21:10:25)
- こう見ると保守的だけでなく「原点回帰」とも言えるかもしれない。目をそらしたら首を折りに来る彫刻!何これ怖くて不気味!とか、見たらどこまでも追いかけて殺しに来るモンスター!怖い!とか、不死身の凶悪トカゲ、定期的に棺桶抜け出して暴れる超人なんて今やったら"そこらの怪物"や"X-MEN崩れ"呼ばわりされるのがオチだろうし -- 名無しさん (2019-04-06 21:39:18)
- ↑ 正直、世界を左右するような神性存在や災害は良くて、人型の怪物的存在が忌避されるのはなんかおかしいと思う そういう方向のを乱発すると異能バトルや強さ議論的な方向に行ってしまうのは分かるんだけど -- 名無しさん (2019-04-06 21:45:48)
- 最近の仕掛けに富んだ意識高い系記事も好きだけどやっぱり初期のストレートホラーが一番好き -- 名無しさん (2019-04-06 22:33:59)
- ただ原点回帰するだけじゃなくレーティングシステムを変えてみたり、オブジェクトクラスの問題点を修正してみたり結構革新的なところはあるのよね -- 名無しさん (2019-04-06 22:38:28)
- RPCが出来た後、RPCを作った人の中でもLGBT排除をするかどうかでもめてまた離脱者出したりしてたけど落ち着いたんだろうか? -- 名無しさん (2019-04-06 22:40:41)
- ロゴをレインボーカラーにしたのは別にRPCが出来たときが初めてじゃないから、それが理由というのは間違い(前年もやっていた)。分裂の直接的な原因はSCP-2721で、オブジェクトがトランスジェンダー女性の性自認を持ったことで危険性を喪失した、とLGBTが肯定的に扱われたのが理由。 -- 名無しさん (2019-04-06 22:46:15)
- まあ、SCPでLGBTを扱うなら収用失敗してExplainedになっちゃいましたくらいはやってほしい -- 名無しさん (2019-04-06 22:57:27)
- 趣向を凝らした記事は読むの疲れるし、SCP初期くらいのあっさりめが一番いい。 -- 名無しさん (2019-04-06 23:14:17)
- ↑シェアードワールドでも単一作者の作品でも「設定遊び」は作れば作る程必然的にパワーインフレならぬ趣向インフレを起こすからね…大量の人間が参加したシェアードワールドは加速度的に面白くなっていくと同時にハードルが上がってしまう -- 名無しさん (2019-04-07 00:41:38)