からくりの君

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からくりの君 - (2019/04/18 (木) 23:46:41) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2010/01/04(月) 02:15:05
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&font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます

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[[週刊少年サンデー]]にて掲載された[[藤田和日郎]]作の短編漫画作品。


**【話の触り】
時は戦国、ある時期から急速に力を付けた地方領主、狩又貞義の城にその秘密を探るべく忍の集団が忍び込む。が、任務は失敗。集団は逃げだすも狩又自慢の精鋭部隊「死なずの忍」に追われ、たった一人の忍を残して全滅してしまう。

時を同じくして大きな行李(荷物入れ)をしょった顔立ち卑しくなき娘がその近く、山あいの荒屋にたどり着く。
娘は先年狩又の軍に滅ぼされた文渡家生き残りの末娘、蘭菊。父と家の仇を討つため当代随一と噂された忍び、加当段蔵の助力を得んとして訪ねてきたのであった。
しかしその家にいたのは先ほどの下忍集団の生き残り、逃げおおせ一息ついていた眦弥三郎(まなじりやさぶろう)一人。
眦は「加当は売り込み先で武田信玄に殺された」と告げる。と、同時に現れた「死なずの忍」集団。忍び頭の一声で集団は眦に飛びかかる。
「逃げ切れねぇ!!」応戦する眦がそう覚悟した瞬間、蘭菊の行李から武者の腕が飛び出し、忍びの太刀を受け止めた。
蘭菊はその場に座りこみ叫ぶ。

#center(){&font(#ff0000){「太郎丸!!」}}

行李から解き放たれた緋色の鎧武者はそれに呼応するように次々と死なずの忍びを切り捨てていく。

眦&font(#0000ff){「…糸!?すごく細い糸であの鎧武者を動かしているのか?」}


#center(){&font(#0000ff){「 か ら く り !」}}


この作品は後の藤田作品「[[からくりサーカス]]」のルーツとされ、作中にもいくつかの類似点がある。
例)糸で操るからくり人形。繰り手を守護する生身の人間等。
また狩又の城のからくり門や次郎丸の「虎乱」など、そのまま流用した部分もあるため藤田ファンにはニヤニヤの作品である。

後に藤田和日郎短編集「夜の歌」に収録され映画化、OVA化を果たし、その独特な世界観は日本よりむしろ海外で高い評価を得た。
ちなみにこの作品は後に実写ドラマ化も果たしたが、当時人気絶頂期の『め組の大吾』と抱き合わせという形で上映されたため、ネットなどでは当時上映にあたり広報が十分でなかったという意見も出ている。



**【登場人物】
・文渡 蘭菊(あやわたり らんぎく)
CV.矢島昌子
文渡家唯一の生き残り。人形作りに没頭する父に可愛がられて育ち、人形繰りに類い希な才能を発揮する。
文渡家が滅ぼされた際蘭菊のみが密かに乳母によって連れ出され、いくつかの人形を持ち出していた。
世間の常識には非常に疎く、おっとりとした性格のいかにもな箱入り娘。ナマ足。
だが、その背中には美貌とは不釣り合いな巨大な傷跡が…
ちなみに蘭菊が腰帯でなく褌をしめているのは作者(藤田)の趣味。


・眦 弥三郎(まなじり やさぶろう)
CV.[[若本規夫]]
流れの雇われ忍び。任務の失敗と部隊の壊滅で逃げ回っていたところを蘭菊に救われ、そのまま雇われ行動をともにする。
スレた性格でスケベかつ情と忠義に厚い素敵マユゲ。
蘭菊には必ず名前を間違われる。
#openclose(show=ネタバレ){

#center(){
&font(#0000ff){上様… &bold(){おれの主君であられる事ができますか?}}
}

&bold(){だがその正体は伝説の忍び・&font(#ff0000){加当段蔵}その人。}
幻術に於いて卓越した腕前を持っていたが、逆に主君に恐れられてしまい、誰も雇ってくれず、仕方なく偽名を名乗って下忍仕事で食い繋いでいた。
蘭菊を「上様」として認めてからは打って変わって礼儀正しく、謙虚な態度を取るようになった。

ちなみに史実通りなら、&bold(){&font(#ff0000){60歳を大分越したじいさんである。}}
弥三郎自身はどう見ても20代後半~30歳前後の為、正確には(「先代」の息子か、名を襲名した)「二代目」加当段蔵である可能性が高い。
}

・狩又貞義(かりまた さだよし)
CV.中田浩二
文渡家を滅ぼし、領主の研究したあやつり人形の技術で『死なずの忍』を結成。無敵の軍事力を成した戦国武将。
領地で暴君のごとき圧政を敷き、"子ども狩り隊"を組織し、『死なずの忍』の動力源の為に領地内で年端もいかぬ子ども達を城に集める。
未完成だった文渡久重の自動人形を解析し、『死なずの忍』として完成させるなど、単なる暴君という訳ではない知恵の回る面も持つ。
[[同じ名前の「貞義」>フェイスレス司令]]とは多分無関係。
#openclose(show=ネタバレ){
終盤、&bold(){文渡久重の自動人形と合体した姿で登場する}という%%めっちゃキモい%%衝撃的な姿を見せた。
更なる強さを得るため…との事だったが、弱点部分も剥き出しだったのが災いし、弥三郎と蘭菊の手により、蘭菊の生皮を切られた事で内部機構が暴走。
歯車に生身が巻き込まれてミンチになるというグロい最期を遂げた。
}

・死なずの忍び頭(仮称)
CV.青野武
狩又貞義に仕え、『死なずの忍』を従える忍者軍団の頭目。本名は不詳。
腕が立つ上に極めて執念深い性格で、自身の死をもいとわぬ蘭菊の計略に遭って倒される。
アニメではその際も生き残るが、最後は弥三郎との対決で敗れ去った。

・文渡 久重(あやわたり ひさしげ)
CV.麦人
蘭菊の父。戦国武将だが穏やかな性格で、戦争よりも風雅を好んだ。
領地が天然の要害に囲まれている利点から平和を保て、外国の時計や技術書を積極的に収集し、特にからくり人形に深い興味を示すようになる。
#openclose(show=ネタバレ){
&bold(){だがその実態は今作最大の元凶。}
からくり人形作りをするようになってからはマッドサイエンティストに豹変。
異常なまでの執念で研究に没頭するようになり、終いには己の最高傑作を生み出すための材料として、&bold(){愛娘・蘭菊の背中の生皮をはがす}という凶行にまで至ることとなる。
最初に登場した時の穏やかな顔と、蘭菊の皮を剥いだ時の狂気に満ちた顔は完全に別人レベルである。

そして狩又との戦いに敗れた彼の最期の言葉は、蘭菊の心に決定的な影を落とすことになる…!!
}


**【蘭菊の操る人形】
・太郎丸
屈強な鎧武者の人形。%%自爆機能つき。%%
なんとなく某先をゆく者に似てる気がするのは気のせい。

・次郎丸
忍を模した人形。
上半身を回転させ周囲のものを竜巻のように巻き込みボコる「虎乱」という技を使う。

・弁慶丸
長刀や棍を携えた僧兵を模すパワータイプの人形。
一度閉じたら開かないとされるからくり門を支えた。

・白拍子(仮称)
白拍子を模した人形。
活躍の場がなかったため名称・能力は不明。


**【狩又の所有する人形】
・自動人形
文渡久重が生み出したからくり人形の最高傑作。
まだ上半身しか製造されておらず、内部構造もむき出しのままだが、自分で動くことができ、戦闘能力は抜きん出て高い。
#openclose(show=ネタバレ){
動力部には蘭菊の背中の生皮が用いられている。この生皮を始末するのが、蘭菊の目的の一つである。
}

・『死なずの忍』
狩又が自動人形をベースに作り出した量産型自動人形。
動力部分を破壊しない限り活動を停止することはない。
動力部には子どもの生皮を使用しているため、狩又の領内では頻繁に子ども狩りが行われている。





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#openclose(show=▷ コメント欄){
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- 大好きな作品です。優秀な短編は「続きが詠みたい」と思わせつつ、世界がそこで完璧に完成している物。これはそんな作品。  -- 名無しさん  (2014-06-22 17:15:20)
- 才賀と狩又…どっちの貞義も美少女と老け顔にヒドイ目に合わされるのな(意味合は大分違うけど)  -- 名無しさん  (2015-06-29 11:03:10)
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