SCP-790-JP

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SCP-790-JP - (2017/02/05 (日) 15:35:42) のソース

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&font(#6495ED){所要時間}:約 ? 分で読めます

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失礼します、新しくSCP-790-JPの担当になりましたアニオタです。
…あれ、誰も居ない。
参ったな。誰かいたら、このSCiPについて教えてもらおうと思ったんだけど。
このSCiP、何故か&bold(){財団の記録に一切データが残されてない}んだよな。

やれやれ…ん、何だこれ、電話機?

『&bold(){専用記録装置D-790-JPアクセス用端末}』…つまり情報が欲しければ、この端末を使えってことか。


&link_anchor(A){【 受話器を取る 】}


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#include(テンプレ3)















&aname(A,option=nolink){ }


SCP-790-JPとは、怪異創作コミュニティサイト「[[The SCP Foundation]]」の日本支部によって生み出されたオブジェクトの一つです。 
項目名は『口伝の儀式』。[[オブジェクトクラス>オブジェクトクラス(The SCP Foundation) ]]は「safe」に指定されています。

SCP-790-JPは、とある農村に伝わっていた儀式に関連する情報を、媒体を問わず記録に残した際に発生する異常現象です。

この儀式は、飢饉や災害に襲われた際に沈静化を図る目的で行われていたものであり、その実態は&bold(){5歳未満の子供を用いた人身御供}であったことが判明しています。
以後、この儀式を《&bold(){SCP-790-JP-1}》と呼称します。

SCP-790-JPの異常性は、この儀式に関する情報を何らかの媒体を用いて記録しようとした際に発現します。
記録を作成してから&bold(){24時間以内に、記録を作成した担当者はその場から消滅し、かつて儀式が行われていた土地で手足をもぎ取られ、裸に剥かれた惨殺死体となって発見される}事になるのです。

しかも、全ての遺体は同地に存在する中央広場の付近にある電柱に吊り下げられた状態で発見されています。
現在まで、この時点で記録者が生存していたことはありません。

また、欠損した四肢は発見されていません。

この消失現象と同時刻に、&bold(){犠牲者が作成していた記録が修復不可能なレベルに破壊される}ことが確認されています。
残念ながら、担当者の殺害と記録の破壊を止める手立ては現在まで発見されておりません。

財団がこのSCiPに着目するきっかけとなったのは、1960年代に問題の土地で起きた大量殺人でした。

この事件は、SCP-790-JPそのものが引き起こした騒動と、それに対する地元住民の恐怖が齎したパニックが原因であったと考えられています。 
同事件により、同村に在住していた住人の6割が死亡しました。

この様な事態に陥ってしまった原因が判明したのは、財団が事件の生き残りである村長を保護し、インタビューを行なった事で明らかとなりました。

事の発端は、1640年から1643年にかけて発生した寛永の大飢饉にまで遡ります。

言葉を繰り返すことになりますが、SCP-790-JPの元となった人身御供の儀式は、当初はその当時発生していた寛永の大飢饉を鎮める為に行われました。
その後も、何らかの災害が発生する度に人身御供の儀式は散発的に行われ、最終的には江戸時代を通して何らかの災害が起きる度に散発に続けられることになったのです。

最終的に、江戸時代の終わり頃に人身御供の儀式は取りやめとなりましたが、ここで新たな問題が発生しました。
同地に住む若者たちが、この『人身御供』に関する情報を公開し、「恥の歴史」として後世に語り継ごうではないかと言い出したのです。

この若者たちは、忌まわしい儀式の記憶を封印しようとしていた村の重鎮たちと対立。

最終的に、&bold(){人身御供の儀式を公表することに肯定的だった住民は、公開に否定的であった住民たちの手によって殺害され、見せしめとされる}事になったのです。

以後、1950年代に至るまで、この粛清活動は実施されたと考えられています。

最終的に、交通網の発達により粛清活動の隠滅が不可能になってきた事と、村の指導者たちの方針が変わってきた事により一連の事件は終焉を迎えました。

しかし、粛清活動が終息した後も、人身御供の儀式を記録しようとした人物が変死する事件は続きました。
それは財団の職員も例外ではなく、セクター8106にてSCP-790-JP-1についての記録を文章・音声・動画・図画の各媒体ごとに作成しようとしたことで異常を誘発させてしまうことになったのです。

結果、Dクラス職員を含む記録作成に立ち会った財団職員25名が作成後15~23時間の間に消失、当該地域にて死体で発見されました。

また、SCP-790-JP-1について音声通信装置を用いて連絡を取っていた職員2名も16時間後に消失、当該地域にて死体で発見されました。


&link_anchor(B){【 小休止する 】}


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#include(テンプレ3)















&aname(B,option=nolink){ }


なるほど。

つまり、文章に残すことのできない特殊なSCiPという訳か。
確か、アメリカ本部にも、[[自分に関する文献をその製作者ごと誘拐するSCiP>SCP-2521]]が居たな。
だからそのSCiPに関しては、絵文字でしか記録を残せないっていう。
やれやれ、面倒なヤツの担当に当たっちゃったな。

――まてよ、&bold(){今私が聞いている記録は、一体どうやって残した}やつなんだ?


&link_anchor(C){【 再開する 】}


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&aname(C,option=nolink){ }









以上の事件を受け、財団は『&bold(){専用記録装置D-790-JP}』の運用を決定しました。

『専用記録装置D-790-JP』は、SCP-790-JPの記録のために&bold(){Dクラス職員の脳髄及び発話器官を利用した生体記録デバイス}です。
開発記録はセクター管理者に許可された場合のみ閲覧できます。

オブジェクトの記録の閲覧には専用直接音声振動伝達器、通称、『&bold(){高性能糸電話}』が用いられます。


&link_anchor(D){【 終了する 】}


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&aname(D,option=nolink){ }



&bold(){他の人類が光の中で暮らす間、我々は暗闇の中に立ち、それと戦い、封じ込め、人々の目から遠ざけなければならない。}

&bold(){We secure. We contain. We protect.} 


&link_anchor(E){【 メタ視点からの余談を閲覧する 】}


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&aname(E,option=nolink){ }






*メタ視点からの余談
財団が、元々このSCiPが発生していた村の住民に記憶消去を施したことにより、&bold(){『人身御供』に関する情報を知るのは財団のみ}となってしまった。
その為、村で発生していた呪いのターゲットが&bold(){そっくりそのまま財団に移ってしまった}のである。

しかし、財団はたとえ呪いであろうとも確保・収容・保護する使命がある。
そこで、苦肉の策としてこの様な記録装置に頼らざるを得なくなってしまったのだ。



*類似するオブジェクト
人間の脳髄を何らかの機械の一部に用いるという発想は、オブジェクトの製作者と財団の双方が実行に移している禁忌の発想である。
ただし、両者には決定的な違いがある。

オブジェクトの製作者は、単に自らの&bold(){制作物の能力向上のために人間の脳髄を部品として利用している}だけに過ぎない。 

それに対して、財団はこのオブジェクトのように他に方法が存在しない場合、文字通り『&bold(){最後の手段}』として人間の脳髄に仕方なく頼っているだけなのである。

&bold(){[[SCP-748]] (通称・産業崩壊)}
様々な種類のSCiPを大量生産する、工場型のSCiP。
元々は、1800年代に辣腕を振るった実業家であるランドルフ・メッツガーの所有する工場であった。
このSCiPの制御装置として、そのメッツガーの脳髄が利用されているのが財団によって発見された。

&bold(){[[SCP-457-JP]] (通称・リンカーン・ログ)}
アメリカ合衆国代16代大統領、エイブラハム・リンカーンを『再現』する為のシステム。
システムを構築するパーツの一つとして、世界各国から行方不明となっていた45人分もの脳が利用されていた。

&bold(){[[SCP-845-JP]] (通称・ヤエコトシロ)}
託宣を司る神様である『八重言代主神』の名前を冠した改造人間。
その実態は、とある志願兵の脳髄に、12人分の人間の脳髄を接続して生み出した生きたスパコンである。
完璧な事前情報を入力した上で質問すると、託宣と殆ど変わらない精度の高い返答をしてくれる。

&bold(){[[SCP-115-JP]] (通称・鵺)}
人間の望むものに姿を変え、望む事象を具現化させる意思を持った謎の角柱。
この角柱が変な『願望』を感知してむやみに具現化してしまうのを防ぐ為、財団は人間をデバイスとして使用する装置を開発した。




追記・修正は命の重みを感じながらお願いします。
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#right(){
SCP-790-JP - 口伝の儀式
by munihako
http://ja.scp-wiki.net/scp-790-jp
この項目の内容は『[[クリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス>https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/deed.ja]]』に従います。
}

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}
#include(テンプレ3)

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#areaedit()
- 因みに元ネタでは音声ファイルが使われている  -- 名無しさん  (2017-02-05 15:13:17)
- オッスオラ御供!一町殺ってみっか!  -- 名無しさん  (2017-02-05 15:35:42)
#comment
#areaedit(end)
}