登録日:2023/02/09 (木) 21:02:00
更新日:2023/02/09 Thu 23:34:38
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『絶体絶命の輪舞曲』とは、『
名探偵コナン 特別編』のエピソードのひとつ。
『特別編』第37巻に収録されており、漫画は太田勝&窪田一裕の両名が担当。
※以下、ネタバレに注意してください。
【あらすじ】
麻薬密売人のセルゲイチェフは、今夜18時に麻薬の取引を計画していた。
その量は大量である事から目暮からの指令で高木と佐藤はセルゲイチェフを探しており、2人がいた近くの結婚式場にいたコナンも合流して捜査に参加していた。
すると、手に入れたケーキ食べ放題の招待状にクイズが入っていたという元太からの連絡がコナンの探偵バッジに入るも、大した用事ではないと判断したコナンはすぐに元太との会話を終了し、コナン達3人は暗号を解読。
しかし、暗号に書かれている内容はどれも抽象的だった為、ひとつずつ探す事に。
最初のメモの内容を解読し、米花銀行に到着するも、銀行は閉店していた。
その後、元太から髪の長い女に追いかけられているという連絡が入るもコナンは相手にしなかった。
だが、その後に灰原から探偵団の3人が謎の女と黒い服を着た男達に捕まったという連絡が入った。
そして、時刻も取引時間となる18時に近づいていた…。
【事件関係者】
麻薬密売人。
防犯カメラに偶然映ったメモで、彼の取引計画が判明し、警察が行方を追っている。
マフィアの女ボス。
目暮からの連絡でセルゲイチェフの取引相手である事が判明。
今回の大取引に部下を総動員させてるとの事。
【レギュラー陣】
ご存知主人公。
小五郎の依頼人の結婚式だった為、本人曰くいなくても問題ないとの事で捜査に参加している。
捜査の途中で何度も元太から連絡があったものの大した用事ではないと判断して相手にしていなかったが、その後に灰原からの連絡で探偵団の3人が謎の女と黒い服を着た男達に捕まったという報告を聞く。
ご存知高木君。
コナンが読みあげたメモを聞いて、銀行には使用済みのお金とまっさらな新札があり、銀行のお金は客が預けた借り物の為、取引場所が銀行だと推理している。
本編では佐藤の事を「佐藤さん」と呼んでいるが、本作では「美和子さん」と呼んでいる。
ご存知捜査一課のマドンナ。
高木と捜査している時、コナンとばったり会っている。
その後、コナン達と暗号の解読をして、高木の推理を聞いた後に3人で米花銀行に向かうも銀行は閉店。
閉店後はATMコーナーのみ営業していたものの、そこで取引すると防犯カメラにしっかり映るとの事。
ご存知哀ちゃん。
探偵団の3人が謎の女と黒い服を着た男達に捕まった事をコナンに報告している。
話によれば、追っていた連中も組織の中で見た事ない顔ばかりで新手の追手の可能性もあるとの事で、自身は無事だったものの集団で3人がさらわれると思っていなかった為、油断したとの事。
元太が持っていた招待状を写真で撮っており、それを送るとコナンはある事に気づく。
ご存知少年探偵団団長。
ケーキ食べ放題の招待状を手に入れたが、それをなくしたらしくてコナンにも探してもらおうとしたり、中にクイズが入ってたと言ってコナンに協力してもらおうとするもいずれも相手にしてもらえなかった。
髪の長い女に追いかけられて助けを求めようとするが、その後に捕まってしまう。
ご存知純真小学生と天才小学生。
元太と同じく、謎の女と黒い服を着た男達に捕まってしまう。
元太と違って共に台詞はなし。
ご存知蘭姉ちゃんと迷探偵。
依頼人の結婚式に招待されて式場にいたが、出番は最後しかない。
蘭は小五郎よりも出番がなく、1コマしか登場していない(台詞もなし)。
ご存知警部殿。
高木と佐藤に指示を与えているが、姿が描かれたのは冒頭のページの1コマだけしかない。
ご存知
黒の組織のメンバー。
コナンと灰原の会話内で登場。
【防犯カメラに映ったメモ】
このメモを見た高木と佐藤は、宝石のように古いものがある場所なら、美術館、宝石店、骨董品店、寺、神社が、まっさらで新しいものなら、紙、物や新品を製造する工場と推理するが、それらはいっぱい存在する。
他人から借りた物がある場所だと、レンタルビデオ店や不動産屋を連想した後、すべてが置いてある場所が銀行だと高木が推理している。
【以下、事件の真相。さらなるネタバレ注意】
この紙は最初から破れており、お店の人がもっと丁寧に紙を切ればと灰原は話していたが、実は防犯カメラに映ったメモの切れ端だった。
つまり、これを元太が何故か持っていた事が原因で探偵団の3人がさらわれていた。
そして、メモと切れ端のふたつを合わせると…、
という内容が本当の中身だった。
暗号の答えは「古いもの」「新しいもの」「借りたもの」「青いもの」…、
これらを表す取引場所にコナン達は向かった。
結婚式場では、1組のカップル結婚式をあげており、神父に言われて花嫁が誓約書にサインをして、神父が誓約書を受け取っていた。
その後、式場スタッフの静止を無視して別のカップルが式場に乱入した。
佐藤「こんなバカげた式すぐに終わらせてあげるわ!!」
神父の正体は麻薬密売人のセルゲイチェフ、花嫁の正体は取引相手の井川だった。
計画は、セルゲイチェフがウエディングケーキに隠した麻薬を持ち込んで神父役として式場に入り、それを偽披露宴に黒服で出席する井川の手下に配られ渡される計画だった。
結婚の誓約書も、実際はそれに見せかけた小切手であり、書いた金額がセルゲイチェフに支払う麻薬の代金だった。
計画がバレたセルゲイチェフ達は逃げようとするが、花婿と花嫁に変装した高木と佐藤、同行していた機動隊、そしてコナンによって全員確保され、井川らによって捕まっていた探偵団の3人も灰原に救出された。
なお、黒の組織とは無関係だった。
「古いもの」「新しいもの」「借りたもの」「青いもの」の正解が結婚式場という理由は、この4つが結婚式で花嫁が身につけると幸せになれるという言い伝えで「マザーグースの詩」にもなっていた事を灰原に教える。
- 古いもの→祖母の宝石など昔から家に伝わる物
- 新しいもの→ドレスや靴など新生活が幸せになるように願いを込めて新調した物
- 借りたもの→幸せな結婚をした人から幸せをわけてもらう為のおまじないとして、ハンカチなどを借りる
- 青いもの→青色は昔、幸運を呼ぶ色と言われており、青いリボンなどを誰にも見えない場所に結んでいた
これらを欧州では「サムシングフォー」と呼ばれており、コナンが気づいたのは切れ端にあった「青いもの」だった。
花婿と花嫁に変装しないと式場に入る事が出来なかった為、変装して潜入したものの衣装はボロボロになってしまった。
その後、騒ぎで駆けつけた小五郎と蘭が登場。
花婿と花嫁姿の高木と佐藤を見て、小五郎は結婚していきなり夫婦喧嘩かと驚いていた。
佐藤は何度も否定するが、高木のほうはまんざらでもなさそうだと灰原は言うのであった。
【余談】
本エピソードの終了後に収録されているスペシャル4コマ『サムシングフォー』では、蘭が小五郎に
英理と結婚した時にサムシングフォーを用事したかと聞かれたが、用事しなかったとの事。
しかし、「借りたもの」に関しては式の当日に競馬で負けてお金を借り、それが英理にバレて小五郎の顔が青くなったとの事で、それが「青いもの」だと蘭が言っていた。
花婿衣装の高木と花嫁衣装の佐藤は、2022年に公開された劇場版『
ハロウィンの花嫁』で今回のような披露宴をあげている。
追記・修正は、サムシングフォーを用事してからお願いします。
最終更新:2023年02月09日 23:34