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生物化学兵器 - (2025/05/15 (木) 00:12:45) の1つ前との変更点

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#contents ---- *全般 **生物化学兵器に関して国際条約で取り締まる動きはないのでしょうか? 化学兵器禁止条約や生物兵器禁止条約があります、ちなみに[[北朝鮮]]は 生物兵器禁止条約に批准しています、化学兵器禁止条約はまだ。 #right(){(71:639)} **NBC防護車だか汚染除去車とかいう対ガス兵器の車両は、どういう事をやって除去するの? ああいうNBC兵器関連の機材ってのは基本的には 生物(ウィルス・細菌)兵器には殺菌 化学兵器には中和剤を散布し、 洗浄水で汚染された地域の地面を洗い流し汚染物質を薄める #right(){(540:82)} **生物化学兵器によるテロの恐れというのを良く聞きますが、列国の軍医ってのはそういうものへの特別訓練を受けるのでしょうか? 少なくとも先進国の陸軍では化学戦部隊を編成している。 まあこれらの部隊の主任務は化学兵器の探知や除去活動なんだけどね。 #right(){(287:852)} **細菌などに対する防毒マスクは通常のマスクなのですか? 細菌に対しては「防塵」マスクを使います。フィルターは単に細塵を透過しない 微細な構造を持っているだけのものと、電気的な力によって細塵を吸着するもの とがあります。 まあ、大なり小なり電気力は使うんでしょうが。 防毒マスクは化学物質に対する防護に用いますが、もちろん、ただのマスクでは ありません。防塵処理がされており、対応する化学物質によって異なるフィルタを 用いることができるようにアタッチメントが装備されているのが普通です。 どちらも、国家規格が存在しており、適切な選択を行うことが肝要です。また、ある種の 化学物質は粘膜を激しく冒す性質があるため、目を保護するためのゴーグルがついている のが普通です。 神経ガスや糜爛性ガスなどについては、マスクでは防ぎきれない(皮膚から浸透する) ため、全身防護が必要になります。 #right(){(109:127)} **生物化学兵器の研究をするにはどの大学に行ってどこに就職すればよいでしょうか? 生物化学兵器を研究するには、国立の研究所か、欧米か、テロリストか、ヤバげな発展途上国に行くしか道は無いです。 マトモなルートへ行く場合、国立大学の化学系の学科へ行って、大学院まで出ないと無理でしょうね。 そうでないルートへいく場合、国としては、[[アフリカ]]諸国、ミャンマー、北、でしょうかね?  テロ組織は世界中に散らばっていますが、横のつながりはあるので、一つとコンタクトを取れれば、 研究者が必要な組織を紹介してくれるでしょう。 薬学の道に進んで、クスリの開発するとかならもう少し楽でしょうが(もちろんこれも難しいけど……) あと、そういったものは趣味でやるのが良いと思います。 マジメに有機化学の勉強すれば、インペリットやらリシンやら麻薬とかの合成・抽出ぐらいでしたらできますよ。 ネット上には英文ですが実験テキストも転がっています。 細菌もしかり。生物兵器クラスはムリですが(菌が手にはいらない、入れば可能)、入手可でかなーりやばい物までは キッチンラボで取り扱い可。 とりあえず、趣味で扱うなら一般毒物劇物取扱責任者の資格を取ることを目標に頑張ってみると言うのはどうだろ? 目標としてわかりやすいし、そういった知識を蓄えることが出来ますよ。参考書も市販されていますしね。 P4実験施設でメジャーなところと言えば 米CDC、米フォートデトリック、米陸軍微生物病研究所、米NIC、 英国のポートンダウン、仏のリヨンの6箇所。 ロシアにも何箇所か有るけど、バイオハザード事故の前科の有る所が複数だし 旧ソ連の純軍事施設だったんで今も継続してるかワカンネ。 これらの施設に勤務するポスドクにでもなれば、もしかしたら現場を見る機会は あるかもな。もっとも、外国人には手出しできない様に成ってるだろうが。 つか実験やるだけならその辺のキッチンラボでも出来るだろうが、六畳一間の 爆弾製造と同じで危険極まりない。つーか、自分が死ぬだけならともかく 周りが巻き添えになるんで   激 し く 止 め と け !!!いやマジでホントに駄目。 #right(){(143:93-95)} *化学兵器 **毒ガスの歴史について教えて 紀元前5世紀 ギリシャでスパルタ軍が亜硫酸ガスを使用? WW1前 発煙筒が坑道戦で敵兵を燻し出すのに使用される。 1899年 ハーグ陸戦協定で毒を用いた兵器の使用が禁止される。      付属宣言で窒息性ガス使用についても禁止を謳う。 1914年 フランス軍が催涙ガスを充填した小銃擲弾を実戦使用。[[ドイツ軍]]も同時期にガス砲弾を使用。 1915年 第二次イープル戦でドイツ軍が塩素ガスのボンベ散布を本格実施し、一定の成果。       その後、ドイツ軍及びフランス軍双方がホスゲンガスを実戦投入。 1917年 ドイツ軍がイープル近郊でマスタードガス(イペリット、黄十字とも)を使用。 1918年 ドイツ軍がカイザー戦でジフェニール砒化塩素を使用。       第一次世界大戦中、英仏独墺が毒ガスを本格使用した。露土も若干を用いた。 1919年 ヴェルサイユ条約でドイツの毒ガス保有禁止。 1921年 ソ連が農民反乱鎮圧のために毒ガスを使用。 1922年 スペインがモロッコ植民地のリーフ戦争でマスタードガスを使用。 1925年 ジュネーブ議定書により窒息性ガス等・生物兵器の使用を禁止。 1930年代 ドイツで神経ガスが開発される。 1935年 イタリアが第二次エチオピア戦争でマスタードガスを使用。 1939年 日本が[[日中戦争]]でマスタードガスを使用。 1962年 エジプト軍がイエメンに侵攻した際にマスタードガスを使用。 1987年 イランイラク戦争中のイラクが、国内クルド人勢力に対して毒ガスを使用。 1993年 化学兵器禁止条約。  同年 オウム真理教がサリンによる池田大作殺害未遂。信者が重症。 1994年 松本サリン事件。ホスゲン殺害未遂事件。翌年にかけVXガス殺人・同未遂事件数件。 1995年 地下鉄サリン事件。新宿駅青酸ガス事件。 #right{(生物・化学戦総合スレ:12,13)} **FAEは、化学兵器に分類されないのですか? FAEは化学兵器ではないのですが、実は少し微妙なところもあります。 燃料自体に毒性があること。もちろん、燃料の毒性で死ぬほど爆発点に 近ければ、その前に爆死しますが、例えば不発に終わった場合、これは 化学兵器として作用したことになります。まあ、ガソリンだって多量に蒸気を 吸えば有害ですし、爆薬だって中毒するものもありますから、キリないけど。 また、これはアジ目的ですが、使用された側がFAEやThermobarotic弾頭を 化学兵器、と呼ぶことがあります。チェチェンがそうでしたし、たしかイラクも。 #right(){(12:system)} **大戦末期、なんで旧軍─特に関東軍は毒ガスを実戦で使わなかったのでしょうか? 効果的に使用できるほどの在庫がなかったのが理由です。 #right(){(22:400)} >撤退する都市にペスト菌を撒く→占領した赤軍大混乱、てな構想もなかったのですか? ありません。 細菌兵器を使いたがっていたのは石井軍医中将だけで、 本当の威力や使用方法を把握していた人はいませんでした。 「赤軍」というところからしてソ連侵攻直後の使用を想像したのでしょうが、 細菌兵器とは突然使用できるものではありません。 施設を破壊して撤退するのが精一杯で、使用など及びもつかなかったでしょう。 #right(){(22:413)} **生物兵器や化学兵器は、弾道ミサイルに積んだ場合あまり効果を発揮できないと聞きました。 生物兵器や化学兵器は、ただ目標に到達すればいいわけじゃなくて ちゃんと目標近辺で散布されないと効果ががた落ちになるのは、分かるよね? 見当ハズレなとこにフマキラーぶっかけてもゴキブリは死なないわけで。 で、「[[弾道ミサイル]]」なんてのは、そうした散布の方式としては確実性に欠ける。 高速で落下するミサイル、当然弾体は高熱になっているわけで それでは中身が変質してしまったり、それでなくても散布がうまくいかない可能性は充分にある。 BC兵器は現代戦に用いるには、効果が不確実すぎてあまり役に立つものではない。 核と同じく、これもどちらかといえば外交カードとして使うべき兵器やね。 #right(){(36:697)} **なぜ現在はガス兵器が使用可能なのでしょうか? 今は穴やトーチカにこもる敵には黄リン・白リン[[手榴弾]]を使うことが多い。 高温ガスで穴の中を焼き払う。 ガス兵器は致死性のものは今も国際条約で禁止。条約に加盟していない 国では毒ガスを使うこともままあるが、犯罪行為と見なされ、国際的に非難を浴びる。 それでも使う国はあるが。 催涙ガスはデモ・暴動鎮圧、犯罪者の抵抗力をそぐ、などの用途に広く使われている。 だが、催涙ガスとはいえ子供や老人に使用すると氏ぬことがある。 #right(){(40:187)} **「催眠ガス」を使ったら・・・寝るの? 飲むと眠くなるような薬とはだいぶ違うと思う。 中枢神経に作用させていたのでは、時間がかかりすぎる。 もっと、即効性の行動力を失わせるようなガス。下手すりゃお陀仏みたいなガスだと思うよ。 #right(){(47:453)} **NBC兵器と生物兵器と化学兵器ってなんですか? NBC兵器=核、生物、化学兵器 生物兵器=細菌など 化学兵器=毒ガスなど #right(){(56:188)} Nuclear 核 Bio 生物 Chemical 化学 分かり易く言えば、生物兵器=炭疽菌、化学兵器=サリン 聞いた事あるでしょ? #right(){(56:190)} **サリンまかれた時の症状ってどんなですか? 縮瞳、唾液の過多、鼻水、呼吸系での分泌物による呼吸困難、発汗、嘔吐、 下痢、痙攣などの症状を示す。もっとも危険な症状は、中枢神経系の呼吸中枢へ の作用による呼吸筋の麻痺であり、呼吸麻痺により死に至る。 蒸気に暴露した場合(発症:暴露後秒~分単位)    軽症:縮瞳、夜盲症、頭痛、鼻汁、唾液過多、呼吸困難(胸部圧迫感)    重症:上の症状の他に、下痢、強い呼吸困難、筋攣縮、麻痺、痙攣、       意識消失、膀胱直腸障害 液体が皮膚に付いた場合:    軽症~中程度(発症:暴露後10分~18時間):      暴露部位の筋攣縮、発汗、吐き気、嘔吐、気分不快    重症(発症:暴露後、分~時間単位):      上の症状の他に、下痢、強い呼吸困難、筋攣縮、麻痺、痙攣、      意識消失、膀胱直腸障害 国立医薬品食品衛生研究所 化学物質情報部 Webサイトから転載しました。 #right(){(64:307)} サリン吸引者に見られる症状で最も多いのは瞳孔の収縮(吸引者の99%に起きる)。 次いで、頭痛、視力低下、呼吸困難、痙攣、嘔吐等が多い。 初期症状としては、鼻水がでる、視界が暗く感じられます。 眼の関係を訴えることが多いそうです。 #right(){(64:308)} **自衛隊は防護服等の性能試験用に少量のサリンやVXを所持しているそうですが、何処から入手したのでしょうか? >自家製ですか?国際的に認知されているのですか? 陸自化学学校で合成しています。 国際的にも認知されていて、毎年国連の査察を受けています。 #right(){(85:剣恒光 ◆YR1Hskt.M.)} **どうして雷酸水銀を始めに作った人は水銀に硝酸を反応させてアルコールを入れようなんて思ったんでしょうか? 錬金術のノリで何でもかんでもまず混ぜてみるというのが初期の化学です。 物質の組み合わせはいくらでも考えられますが9割以上の無駄な実験の中から 有用な反応が発見されました。 #right(){(92:334)} **第二次大戦中、各国で毒ガスが実際に使われたことはあるのですか? イタリア軍が槍と小銃だけのエチオピアに対して毒ガスを使った。 ちなみに戦車や飛行機まで使ってやっと勝った。 #right(){(97:399)} 第二次大戦中も第一次大戦中もあります。 #right(){(97:400)} つーか、ナチのユダヤ人に対する強制収容所で 鬼のように毒ガスは使われたわけだが。 #right(){(97:404)} **湯川新太郎の「毒瓦斯及試験法」という本は実在するのでしょうか? 実在します。 以前は複数の軍事サイトで紹介されていたのですが プロバイダーの自主規制などでほとんどみかけなくなってしまいました。 現存数は極めて少ないですが古書店で根気よく探せば見つかるとおもいます。 #right(){(107:255)} **マスタード(イペリット)で数時間で症状が出ると聞きましたがマスタード以外の遅効性の毒ガスでは他にどのようなものがあるでしょうか? イペリット瓦斯=蒸留マスタード=精製マスタード(HD) 初期症状4~6時間後から長くて数日。 窒素マスタード(HN-1) 初期症状12時間以上後から フェニルジクロロアルシン(PD) 眼球えの症状は急速に現れるが 皮膚への効果は30分以上後から #right(){(120:剣恒光 ◆yl213OWCWU)} **ケミカルメスは催涙スプレーのようなものだと思うのですが、グーグルなどで調べてもはっきりしません。 資料が発見できないので確証がありませんが CS瓦斯を使った催涙スプレーの商品名のはずです。 転じて催涙スプレー全般も指す。 #right(){(123:剣恒光 ◆yl213OWCWU)} **日中戦争で旧日本軍が残した燃焼神経性毒ガス弾「燃焼神経性毒ガス」とは一体何なのでしょうか。 要するに「燃焼しながら神経ガスを撒き散らす」毒ガス弾ではないかと見当を つけました。 んで、旧日本軍の毒ガスの種類を調べてみると、 http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/030424gas.pdf 「有毒発煙筒」としてあか筒、みどり筒の二種類が出てきます。 他にも中国で有毒発煙筒を処分したとの記事があり、おそらくこれではないでしょうか。 #right(){(123:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}※一部リンク消滅 **第二次大戦中、日本軍は中国戦線では毒ガス兵器をどのくらい使用したのが真実に近いんでしょうか。 使用条件が難しいことから使用は限定され、むしろ抑止力として大量所有。 通例どおり弾薬が欠乏し、発煙筒を投げつけたところ毒ガスと間違えて敵が動揺し、 『日本軍は毒ガスを使用している、防毒装備がないのでこれ以上の追撃は無理』 (軍閥の将軍だから戦意ははなはだ低い)と通信しているのを傍受した、という話なら 記録されている。 #right(){(128:380)} 赤一号などはそこそこ使っていたようですが、あまり一度に大量に使用は使用しませんでした。 また、[[中国側]]には国民党、八路軍共に化学戦能力など殆どなかったため少数でもかなりの成果を上げたようです。 ちなみに現在の人民解放軍は相当これに懲りたようで化学戦には力を入れているらしいです。 #right(){(128:402)} 日本軍による毒ガス作戦は、1930年の台湾に於ける所謂、霧社事件で使用されたのが最初です。 当初は、現地作成で、台湾総督府中央研究所に於いて飛行機からの投下用に、青酸ガスと催涙ガスを発生させる甲三弾を試作し、 少なくとも3発を投下していますが、効果の程は不明でした。 次いで、日本本土より、山砲用催涙弾(緑弾(甲一弾))100発が台湾に送られ、11月18日の総攻撃で使用されました。 ちなみに、緑弾は、催涙性の塩化アセトフェノンが用いられていました。 宇垣陸相はこの山砲弾を催涙ガスであると国会で答弁していますが、国際連盟の問い合わせでは、幣原外相は、これを「催涙ガス も毒ガスに含まれる」と回答しています。 また鎮圧に当った台湾軍参謀の服部兵次郎大佐も、自らその講演で、毒ガス弾の使用とか関係ありませんが、ダムダム弾の使用を 認めています。 で、1937年7月27日に華北へ、「第一野戦化学実験部」が派遣され、日中戦争に於いて、毒ガス戦がスタートします。 この毒ガス使用が停止されるのは、1943年6月に米国大統領からの警告(毒ガスを使用し続けるのなら、米軍は日本軍に対しても同じ 方法で報復する)があってからです。 1937~38年までは、実験期、1939~43年までは、本格使用期です。 前半期に使用されたのは、催涙性の「みどり」(塩化アセトフェノン)、嘔吐剤の「あか」(ジフェニール・シアンアルシン)が主に使用されて います。 使用状況は、1938年に発行された教育総監部「事変の教訓」第5号、第7号(化学戦の部)に詳しいです。 なお、「きい」と言われた糜爛性のイペリット、ルイサイトですが、これらが用いられるようになったのは後半期で、1942年の陸軍習志野 学校編「支那事変ニ於ケル化学戦例証集」に使用例が収められています。 ちなみに、両者とも、「毒ガス戦関係資料」(不二出版:1989)に収められています。 例えば、武漢の例では、「堅固なる陣地に拠り頑強に抵抗せる敵を制圧し、軽微なる我損害を以て陣地奪取を可能ならしめ作戦の進捗 に資すること少なからず」という評価が下されています。 #right(){(128:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **マスタードガスってその名の通りマスタードの匂いがする訳ですが、匂いがしたらもう死亡確実なんですかね? 死亡確実じゃない。 そもそもいわゆるマスタードガス、つまりイペリットは致死性がそこまで高くない。 イペリットは「びらん剤」とよばれる系統のガスで、 相手を即死させるよりも、目や呼吸器、皮膚などに炎症を起こさせて戦闘力を奪うのが用途。 なので、神経ガスなんかと違って、少し匂いがするくらい吸っても死なない。 高性能の毒ガス検知器が普及するまでは、匂いが重要な毒ガス感知手段だった。 #right{(540:662)} **実際に使用された化学兵器、生物兵器で、効果が最も大きかったものを教えてください。 マスタードガスあるいはイペリット、黄十字などと呼ばれる系統のガス。 致死性は低いが、重質で滞留性能がよく気象の影響を受けにくく、 浸透性が高いため防御も困難で、苦痛が激しいびらん剤で精神的効果も大きい。 WW1中の第三次イープル戦でドイツ軍が使用開始し、両軍が多用した。 西部戦線における英軍の毒ガス損害のうち、9割近くはマスタードガス被害だという。 WW1後も実用性の高さから各国の主力化学兵器となり、 英国がロシア内戦で、スペインがモロッコ植民地で、イタリアが第二次エチオピア戦争で、 日本が日中戦争で、エジプトがイエメン侵攻で、イラクがイライラ戦争などでと実戦例も多い。 米国もWW2で使用を検討しており、イタリア戦線では搭載輸送船が爆撃されて大惨事となった。 #right(){(548:531)} **自衛隊には、毒ガスや細菌といった化学兵器が導入されないのはなぜですか? 細菌毒素兵器開発生産貯蔵禁止条約に批准してるから #right(){(自衛隊板初質スレ101:849)} **日本軍は中国戦線で毒ガス兵器を結構使ってたそうですが。 日本軍による毒ガス作戦は、1930年の台湾に於ける所謂、霧社事件で使用されたのが最初です。 当初は、現地作成で、台湾総督府中央研究所に於いて飛行機からの投下用に、青酸ガスと催涙ガスを発生させる甲三弾を試作し、 少なくとも3発を投下していますが、効果の程は不明でした。 次いで、日本本土より、山砲用催涙弾(緑弾(甲一弾))100発が台湾に送られ、11月18日の総攻撃で使用されました。 ちなみに、緑弾は、催涙性の塩化アセトフェノンが用いられていました。 宇垣陸相はこの山砲弾を催涙ガスであると国会で答弁していますが、国際連盟の問い合わせでは、幣原外相は、これを「催涙ガス も毒ガスに含まれる」と回答しています。 また鎮圧に当った台湾軍参謀の服部兵次郎大佐も、自らその講演で、毒ガス弾の使用とか関係ありませんが、ダムダム弾の使用を 認めています。 で、1937年7月27日に華北へ、「第一野戦化学実験部」が派遣され、日中戦争に於いて、毒ガス戦がスタートします。 この毒ガス使用が停止されるのは、1943年6月に米国大統領からの警告(毒ガスを使用し続けるのなら、米軍は日本軍に対しても同じ 方法で報復する)があってからです。 1937~38年までは、実験期、1939~43年までは、本格使用期です。 前半期に使用されたのは、催涙性の「みどり」(塩化アセトフェノン)、嘔吐剤の「あか」(ジフェニール・シアンアルシン)が主に使用されて います。 使用状況は、1938年に発行された教育総監部「事変の教訓」第5号、第7号(化学戦の部)に詳しいです。 なお、「きい」と言われた糜爛性のイペリット、ルイサイトですが、これらが用いられるようになったのは後半期で、1942年の陸軍習志野 学校編「支那事変ニ於ケル化学戦例証集」に使用例が収められています。 ちなみに、両者とも、「毒ガス戦関係資料」(不二出版:1989)に収められています。 例えば、武漢の例では、「堅固なる陣地に拠り頑強に抵抗せる敵を制圧し、軽微なる我損害を以て陣地奪取を可能ならしめ作戦の進捗 に資すること少なからず」という評価が下されています。 #right(){(128:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **霧社事件で日本軍は化学兵器を使用したそうですが、具体的にどのような形式の化学兵器が使用されたのでしょうか? 主力は「みどり」と称された催涙ガス。 成分はクロロアセトフェノン(CNガス)で、警察の暴徒鎮圧用などに今でも一般的なもの。 山砲用100発が現地に送られ、うち不明数が実戦投入されたが、まあ全部使っても大した量ではない。 また、青酸ガスを試験レベルで急造の航空爆弾に仕立てたらしいが、使用程度や効果不明。 その後の研究で青酸ガスがあんまり重視されてないあたり、完全に失敗と判定されたようだ。 ほかに、びらん剤を現地に送ってほしいという要望が出された記録が確認されてる。 これは実際に送られたか、使ったかは不明。 びらん剤というのはマスタードガス(日本軍風には「きい」)が典型で、皮膚などから浸透して殺傷する。 死亡率がそれほど高いわけではないが、致死性の化学兵器。 揮発しにくく、気体の比重も大きく効果が持続するため、通路にばらまいて敵兵の行動阻害にも使える。 #right(){(599:785)} **731部隊が人体実験していたというのは本当ですか? 毒ガスを中国で使ったというのは本当ですか? 中国での毒ガス使用に関しては、 1)致死性皆無の催涙ガス(旧軍呼称「みどり」)の使用と、 2)致死率は極めて低い嘔吐性ガス(くしゃみガスとも。旧軍呼称「あか」) の使用までは、確実。 論争があるのは、 1)嘔吐性ガスの類が「毒ガス」と呼ぶに値するかという言葉遊びと、 2)強力な致死性の毒ガスが使用されたかどうか。 問題の致死性の毒ガスに関しては、日本政府の公式見解では「現在調査中」。 日本のまっとうな研究者の間では、台湾での青酸ガス微量の実戦テスト(おそらく失敗)と、 山東半島でのマスタードガス(日本軍呼称「きい」)の実戦テストは、確実だと見られている。 これらは日本軍の公文書で記録が出てきた。 しかし、中国の研究者が主張する大量の死者を出すような実戦投入に関しては、 今のところ日本の史料では確認ができておらず、怪しい話レベル。 #right(){(606:922)} **軍事技術の民間への転用って良く聞きますが、生物兵器や化学兵器でそう言うのはありうるのでしょうか? 化学兵器の場合、毒ガスは殺虫剤や農薬の製造技術へと転用可能 後、第一次大戦で使用されたガス溜り除去装置が掃除機の原型だったりする。 生物兵器の場合は特定の害獣、害虫に対してのみ発病する病原菌をばら撒くってやり方で駆除するってのが一応それに値する。 オーストラリアでのウサギ駆除に致死率99%のミクソーマウイルスをばら撒いたのがその例の一つ。 #right{(506:529)} **中国で旧軍が遺棄した化学兵器砲弾が問題になってるようなのですが、化学兵器とは六十年放置しても使用可能なシロモノなのですか? マスタードガスや青酸ガスなどは比較的単純な構造ですから、容器が良く設計されており、 低温に保たれていれば化学物質は使用可能な状態という可能性は十分あります。 しかし兵器として使うには、信管から始まって散布するための炸薬などがきちんと作動する必要があり、 その意味では60年後にそのまま使える可能性はまずありません。 また、容器内壁をきちんと保護してあるかどうかも問題で、当時の技術では金属の露出、 それによる容器の腐食と漏出、化学物質の変質が起きそうです。 とはいえ、中国では化学兵器砲弾の内容物による人的被害が報告されているわけですが。 #right(){(315:292)} **現代でも新しい毒ガスの研究開発は行われてるんですか? 公開されている限りでは、いわゆる毒ガスでは新規開発は見当たらない。 既存の兵器の改良(主に安全性や保存性の改善)や対抗策の研究が行われている程度。 そもそも、米を含む多くの国が批准したChemical Weapons Convention (CWC)が1997年に発効し、 2012年5月までにすべての加盟国の化学兵器は処分されることになっている。 興味があれば、下記資料のページ CRS-16以下を参照。 http://www.fas.org/sgp/crs/nuke/RL30699.pdf 化学兵器は現代の周辺危害を最低限に抑える必要がある戦場では使いにくく、確実性に欠け、 しかも軍は対策しているため効果も期待できず、使用すれば国際的な大失点につながり、 相手が核保有国なら核による報復も否定できないため、ご自分で書かれているとおり、 新たに開発する予算を割く値打ちがない。非対称戦争、治安用の低致死性化学兵器は 開発が続けられている。 #right(){(663:system ◆systemVXQ2)} **現代では毒ガスはどうやって使うんでしょう? 気の利いた国の毒ガスは、安全性の高い二剤混合型の神経ガス(カップリング剤)が主流です。すでに書かれているとおり、 爆弾、ミサイル弾頭、砲弾などに搭載し、通常は目標地点の上空で起爆し、爆発熱でガスを分解しないように二剤を混合して ガスを生成し、散布します。書くのは簡単ですが、実際にはノウハウが必要で、下手すると効果が100倍ぐらい変わってきます。 正面戦争の場合、通常は敵の行動を(対化学戦装備の使用を強要することによって)遅らせ、混乱を招くことによって 戦場でのバランスをこちらに傾ける一手段として使用されます。奇襲の一要素でもあります。いずれにせよ、攻勢時の 最終目的はそれによって敵の前線を突破することにありますから、化学兵器は味方の侵攻の邪魔にならないよう、 短時間で分解されることが望ましく、水分によって分解しやすい薬剤を使用しますから、風向き、湿度などの天候も重要になります。 逆に、退却戦の場合は、数日間持続するような薬剤を使用することもあります。 一次大戦時の塩素ガスに比べれば、時間、空間的にコントロールが容易にはなりましたが、上記のように不安定要素が多く、 特に最近の周辺被害が問題となる情勢下では、実際上使えない兵器となっています。従って、先進国ではテロリストなどによる 使用に対する対策などは研究されているものの、攻勢用の研究、開発、装備のアップグレードなどは事実上ストップしています。 条約などによる化学兵器の制限、禁止も効いてはいますが、使えない兵器は要らない、という事情が主でしょう。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **ダイオキシンって毒性が強いそうだけど、化学兵器に利用しようとした試みってないんですか? ダイオキシンがやばいと言われてるのは、モルモットでの半数致死量が非常に少ないことが実験で 確かめられていることが根拠です。 ただしモルモットは一部の化学物質にきわめて敏感なことが知られております。 たとえばハムスターの場合、ダイオキシンの半数致死量はモルモットの8000倍(体重比)とされております。 人間の場合はそれ以上じゃないかとか考えられているようですね。確かめた人はいないと思いますが。 イタリアのセベソで起きた農薬工場の爆発事故で、キログラム単位のダイオキシンが周囲にばらまかれた、 という事例がありますが、ダイオキシン中毒でなくなった方「は」いないそうです。 無害というわけではないでしょうけど。 そういえば、ベトナム戦争で使用された枯葉剤にはダイオキシンが含まれていますね。 ただしこれは枯葉剤の製造工程の問題でついでに出来ちゃった副産物です。 東欧の首相か誰かがダイオキシン盛られて殺されかけた事件がありましたが。 復帰しちゃったとこ見ると人に対する即効性はもちろん、毒性もさほどとは思えません。 発ガン性はあるけど、確率的なものだし。 #right(){(280:579-583)} **日本陸軍の配備していた化学兵器、あか筒(嘔吐性・くしゃみ性)の毒性はどれほどのものだったのでしょうか? ジフェニル青化ヒ素くしゃみ剤(あか一号) 極めて低濃度でも粘膜に強烈な刺激を与える。せき、嘔吐、胸痛を催し、軽い皮膚びらん性 がある。また、高濃度になると肺などに障害が起こる。窒息性はあまりなく、中毒者は30分 以内で回復する。 だ、そうです。 #right(){(130:87)} *生物兵器 **炭そ菌って細菌兵器としてはどれぐらいのレベルなのですか?炭そ菌より強力な細菌兵器はあるのでしょうか? 大したことありません。最低なのは二次感染しないこと。つまり菌を振りかけた人間には 発症するけど、そこで止まってしまう。それじゃ神経ガスの方がずっと確実、強力。 天然痘やエボラ出血熱、肺ペストなど、二次感染して致死性の高い細菌兵器はいくらでもあります。 炭疽菌は扱いが楽でバカにでも使える点だけが取り柄です。ダメっす。 #right(){(12:145)} 炭疽菌は常温で長期間保存が可能な点が生物兵器としてすぐれている反面、 人から人へ伝染しないという欠点もあります。 個人的には肺ペストのように空気感染する致死性の伝染病の方が生物兵器としては強力な気がします。 #right(){(12:147)} >つうか簡単に生物兵器について丁寧に答えてらっしゃるがヤヴァくないっすか?ヴァカな摸倣犯が質問してないとも限らないんでわ。。。 生物兵器はそう簡単に作れるもんじゃありません。作る基礎知識、技術を持った人なら、そもそもこんな質問はしません。 実技、職人芸的な部分も多いので、文章を少々読んだって役に立ちません。 核兵器より簡単で、比較する対象によっては化学兵器より簡単かも知れないけど、爆弾作るよりは桁違いに難しいです。 使える状態で保管し、感染させられる状態で使用するにも、知識、技術が必要です。 塩素ガス作って撒く方がずっと簡単。 #right(){(12:151)} **イスラエルや南アフリカ共和国が特定の人種・民族だけに効く生物兵器開発に手を染めていた >という話を聞いたことがあるのですが、実際にそういう兵器を作ることは可能ですか? 今のところ、特定の人種だけに効く薬、細菌はありません。多少の差がある、という レベルです。可能性としてはあり得る、という話です。 人種による発病率の差は、遺伝子の差よりも、居住環境や食生活の差による物が 大きく、人種を決定する遺伝子自体による違いは、確かにありはする物の、兵器として 特定人種にのみ有効と言うほどではないのです。 #right(){(14:system)} **天然痘兵器で攻撃を受けてその被害地域にいた場合 僕が小さいとき天然痘の種痘を受けていてもやばいですか 免疫ができていれば大丈夫です。遺伝子操作で別種に、といいたいところですが それ自体高度なテクニックが要る上、操作後ちゃんと感染力を持ち、有効な 病原体に仕上げるのは大変です。変化はたいていマイナス方向に行ってしまい ますから。結局、オリジナルが使われることになるでしょうし免疫が有効です。 #right(){(48:67)} **炭疽菌テロがアルカイダの仕業であるというのなら、なんでイラクとか北朝鮮といった国をルーツにする菌を使わなかったのか? アメリカ国内の品のほうが入手しやすいからです。 テロや犯罪で現地の品、武器を使うのはよくあることです。 それ以前に、なぜアルカイダがイラクや北朝鮮の菌を使う必要が? #right(){(88:83)} ラディソがわざわざそれらの国に菌をもらいに行く理由は? 調べてみたらイラクからの菌であることが判明しますた、 なんてことになったらそれこそアメリカの思う壺。 #right(){(88:86)} **「リシン」は生物兵器ですかそれとも化学兵器ですか? ヒマの実から抽出する毒素なので、生物兵器。 #right(){(115:538)} 「毒素兵器」 リシンは植物毒素系。生成は生物学的に行われるので生物兵器扱いになる 事が多いが、使用方法は化学兵器に近い。 #right(){(115:541)} 基本的にはボツリヌス菌毒素とか、フグ毒とかと同じです。 541さんが書かれた通り。分類は生物(細菌、ウイルスの他生物由来の毒素も含む)兵器です。 1972年のBiological WeaponCongressで生物・毒素兵器として、ともにBiological Weapon、 つまり生物兵器に括られています。 余談 極論すると、生物由来の綿を硝化して作ったニトロセルロースも 生物兵器か、ということになりますが、毒素ではない、 少なくとも毒素として使用するのではないので違うようです。 #right(){(115:system)} **生物兵器ていうか、毒性の強いインフルエンザウイルスを開発して、鳥とかに仕込んで敵国にバラまくのは可能ですか? >自国民と自軍兵士にワクチンうっておけば、味方は被害を被らないわけですし。 インフルエンザウイルスは世代交代の早さ・感染力の高さでよく知られており、まともに制御できると考えている科学者はまずいない。 生物兵器は(というかあらゆる兵器は)制御できなければ何の意味もない。 そんなめんどくさいことをするくらいなら炭疽菌を志願者に感染させ、人口密集地に送り込んだほうが テロとしては成功の可能性が高い #right{(533:141,146)} **第一次大戦を終結させた「スペイン風邪」は連合国側の生物兵器ですか? >全世界で4000万人に感染して、[[イギリス]]に派遣された戦艦「アリゾナ」ではほとんど士官が死亡したとか? >偶然のパンデミックじゃないですよね? 別にスペイン風邪が戦争終結の原因じゃない 連合国側の生物兵器という説もあるけどはっきりしてない。 スペイン風邪のルーツ自体が今でも良く分かってないから。 インド方面から来たというところまでは分かってるけど、そこから先が辿れてない。 で、1917年にドイツの秘密工作員として破壊・妨害活動をした疑いでオットー男爵という人物が逮捕されてるが、 この人物は細菌をばら撒いて連合軍の軍馬を多数殺すという任務を負っていた。 #right(){(551:549)} **細菌戦って実際には行われていないのでしょうか? >WW2後、細菌兵器が使用された疑いが濃い事例とかないのでしょうか?ググっても731部隊関係しか出てきません 化学兵器と違い、戦術的な運用ができない。例の731部隊が中国大陸でペスト菌などの媒介実験は 行ったといわれる(戦後に行われた米軍との取引による実験結果の譲渡は公文書に記録あり)が、 軍事作戦としてはどこの国でも行われた記録が無い。 アメリカは日本の風船爆弾による生物兵器の使用を警戒したが、実際は焼夷弾しか使わなかった上、 アメリカ側が被害(山火事とか)を隠蔽したので、[[日本側]]が効果無しと判断し作戦は中止された。 ノモンハン戦で日本軍が炭疽菌をばらまいたので 国境地帯で羊が大量死したと悪魔の飽食にはあったな 強いて言えば、井戸や水源、城塞都市に汚物や腐乱死体を放り込んだり、ベトコンがブービートラップの 竹槍や釘に糞尿を塗布して破傷風を狙ったのも、広義の細菌兵器と言えるかも。 #right(){(564:461-464)} **「リシン」は生物兵器ですかそれとも化学兵器ですか? ヒマの実から抽出する毒素なので、生物兵器。 リシンは植物毒素系。生成は生物学的に行われるので生物兵器扱いになる 事が多いが、使用方法は化学兵器に近い。 分類は生物(細菌、ウイルスの他生物由来の毒素も含む)兵器です。 1972年のBiological Weapon Congressで生物・毒素兵器として、ともにBiological Weapon、 つまり生物兵器に括られています。 余談。極論すると、生物由来の綿を硝化して作ったニトロセルロースも 生物兵器か、ということになりますが、毒素ではない、少なくとも 毒素として使用するのではないので違うようです。 #right(){(115:540-541)} 生物兵器の定義は「生物及び生物由来の毒素を兵器として使用するもの」。 毒素自体は化学物質だが、生物由来なのでボツリヌス菌毒素等と同様、生物兵器に分類されます。 #right(){(115:system)} **インフルエンザウイルスって生物兵器に使えるんですか? >スペイン風邪の大流行ぶりを見ると使えそうな気がするんですが。 ダメです。 生物兵器として大事なのは、 短期間で大流行すること・安全に持ち運びできること・簡単に後始末できること インフルエンザは簡単に突然変異してワクチンが効かないので、安全に持ち運びができるとは言いがたいし 鎮圧までえらい時間がかかるので、使用後の後始末が難しいです。 そんなウイルスに汚染された危険なエリアに兵隊さんを置いとくわけにはいかんでしょ? #right(){(249:鷂 ◆Kr61cmWkkQ)} 実際スペイン風邪は前線でも大流行したために、連合軍もドイツ軍も新たな攻勢をかけられない状況になった。 #right(){(249:587)} 十分可能だと考えられます。 ただ、生物兵器は効果的で適切な散布を行うのが難しいため、実際には 神経ガスなどの化学兵器のほうが使用しやすいと言われています。 #right(){(61:868)} **生物兵器テロはオウム真理教の亀戸事件が最初か?  以下のケースが史上初と思われます.  1984年,アメリカ,オレゴン州で,カルト教団がレストランの サラダ・バーに,自家製のサルモネラ菌をしかけるという事件が発生している.  地元の選挙結果に影響を及ぼすのが目的だった.  750人が感染し,45人が入院. (吉田一彦〔第2次大戦情報戦史家〕 from 「疫病最終戦争」, ビジネス社,2001/12/20,p.71)  なお,化学兵器テロにつきましては,同書によれば1993/2/27のWTCテロに おいて,爆弾の中にシアン化物が含まれていましたので,効果の有無を 考えないなら,これが最初と思われます.  なお,本テロにおいては,シアン化物は気化せずに燃焼してしまったため, これによる実害はなかった,とのこと. #right(){(159:消印所沢 ◆z3kTlzXTZk)} ----
#contents ---- *全般 **生物化学兵器に関して国際条約で取り締まる動きはないのでしょうか? 化学兵器禁止条約や生物兵器禁止条約があります、ちなみに[[北朝鮮]]は 生物兵器禁止条約に批准しています、化学兵器禁止条約はまだ。 #right(){(71:639)} **NBC防護車だか汚染除去車とかいう対ガス兵器の車両は、どういう事をやって除去するの? ああいうNBC兵器関連の機材ってのは基本的には 生物(ウィルス・細菌)兵器には殺菌 化学兵器には中和剤を散布し、 洗浄水で汚染された地域の地面を洗い流し汚染物質を薄める #right(){(540:82)} **生物化学兵器によるテロの恐れというのを良く聞きますが、列国の軍医ってのはそういうものへの特別訓練を受けるのでしょうか? 少なくとも先進国の陸軍では化学戦部隊を編成している。 まあこれらの部隊の主任務は化学兵器の探知や除去活動なんだけどね。 #right(){(287:852)} **細菌などに対する防毒マスクは通常のマスクなのですか? 細菌に対しては「防塵」マスクを使います。フィルターは単に細塵を透過しない 微細な構造を持っているだけのものと、電気的な力によって細塵を吸着するもの とがあります。 まあ、大なり小なり電気力は使うんでしょうが。 防毒マスクは化学物質に対する防護に用いますが、もちろん、ただのマスクでは ありません。防塵処理がされており、対応する化学物質によって異なるフィルタを 用いることができるようにアタッチメントが装備されているのが普通です。 どちらも、国家規格が存在しており、適切な選択を行うことが肝要です。また、ある種の 化学物質は粘膜を激しく冒す性質があるため、目を保護するためのゴーグルがついている のが普通です。 神経ガスや糜爛性ガスなどについては、マスクでは防ぎきれない(皮膚から浸透する) ため、全身防護が必要になります。 #right(){(109:127)} **生物化学兵器の研究をするにはどの大学に行ってどこに就職すればよいでしょうか? 生物化学兵器を研究するには、国立の研究所か、欧米か、テロリストか、ヤバげな発展途上国に行くしか道は無いです。 マトモなルートへ行く場合、国立大学の化学系の学科へ行って、大学院まで出ないと無理でしょうね。 そうでないルートへいく場合、国としては、[[アフリカ]]諸国、ミャンマー、北、でしょうかね?  テロ組織は世界中に散らばっていますが、横のつながりはあるので、一つとコンタクトを取れれば、 研究者が必要な組織を紹介してくれるでしょう。 薬学の道に進んで、クスリの開発するとかならもう少し楽でしょうが(もちろんこれも難しいけど……) あと、そういったものは趣味でやるのが良いと思います。 マジメに有機化学の勉強すれば、インペリットやらリシンやら麻薬とかの合成・抽出ぐらいでしたらできますよ。 ネット上には英文ですが実験テキストも転がっています。 細菌もしかり。生物兵器クラスはムリですが(菌が手にはいらない、入れば可能)、入手可でかなーりやばい物までは キッチンラボで取り扱い可。 とりあえず、趣味で扱うなら一般毒物劇物取扱責任者の資格を取ることを目標に頑張ってみると言うのはどうだろ? 目標としてわかりやすいし、そういった知識を蓄えることが出来ますよ。参考書も市販されていますしね。 P4実験施設でメジャーなところと言えば 米CDC、米フォートデトリック、米陸軍微生物病研究所、米NIC、 英国のポートンダウン、仏のリヨンの6箇所。 ロシアにも何箇所か有るけど、バイオハザード事故の前科の有る所が複数だし 旧ソ連の純軍事施設だったんで今も継続してるかワカンネ。 これらの施設に勤務するポスドクにでもなれば、もしかしたら現場を見る機会は あるかもな。もっとも、外国人には手出しできない様に成ってるだろうが。 つか実験やるだけならその辺のキッチンラボでも出来るだろうが、六畳一間の 爆弾製造と同じで危険極まりない。つーか、自分が死ぬだけならともかく 周りが巻き添えになるんで   激 し く 止 め と け !!!いやマジでホントに駄目。 #right(){(143:93-95)} *化学兵器 **毒ガスの歴史について教えて 紀元前5世紀 ギリシャでスパルタ軍が亜硫酸ガスを使用? WW1前 発煙筒が坑道戦で敵兵を燻し出すのに使用される。 1899年 ハーグ陸戦協定で毒を用いた兵器の使用が禁止される。      付属宣言で窒息性ガス使用についても禁止を謳う。 1914年 フランス軍が催涙ガスを充填した小銃擲弾を実戦使用。[[ドイツ軍]]も同時期にガス砲弾を使用。 1915年 第二次イープル戦でドイツ軍が塩素ガスのボンベ散布を本格実施し、一定の成果。       その後、ドイツ軍及びフランス軍双方がホスゲンガスを実戦投入。 1917年 ドイツ軍がイープル近郊でマスタードガス(イペリット、黄十字とも)を使用。 1918年 ドイツ軍がカイザー戦でジフェニール砒化塩素を使用。       第一次世界大戦中、英仏独墺が毒ガスを本格使用した。露土も若干を用いた。 1919年 ヴェルサイユ条約でドイツの毒ガス保有禁止。 1921年 ソ連が農民反乱鎮圧のために毒ガスを使用。 1922年 スペインがモロッコ植民地のリーフ戦争でマスタードガスを使用。 1925年 ジュネーブ議定書により窒息性ガス等・生物兵器の使用を禁止。 1930年代 ドイツで神経ガスが開発される。 1935年 イタリアが第二次エチオピア戦争でマスタードガスを使用。 1939年 日本が[[日中戦争]]でマスタードガスを使用。 1962年 エジプト軍がイエメンに侵攻した際にマスタードガスを使用。 1987年 イランイラク戦争中のイラクが、国内クルド人勢力に対して毒ガスを使用。 1993年 化学兵器禁止条約。  同年 オウム真理教がサリンによる池田大作殺害未遂。信者が重症。 1994年 松本サリン事件。ホスゲン殺害未遂事件。翌年にかけVXガス殺人・同未遂事件数件。 1995年 地下鉄サリン事件。新宿駅青酸ガス事件。 #right{(生物・化学戦総合スレ:12,13)} **FAEは、化学兵器に分類されないのですか? FAEは化学兵器ではないのですが、実は少し微妙なところもあります。 燃料自体に毒性があること。もちろん、燃料の毒性で死ぬほど爆発点に 近ければ、その前に爆死しますが、例えば不発に終わった場合、これは 化学兵器として作用したことになります。まあ、ガソリンだって多量に蒸気を 吸えば有害ですし、爆薬だって中毒するものもありますから、キリないけど。 また、これはアジ目的ですが、使用された側がFAEやThermobarotic弾頭を 化学兵器、と呼ぶことがあります。チェチェンがそうでしたし、たしかイラクも。 #right(){(12:system)} **大戦末期、なんで旧軍─特に関東軍は毒ガスを実戦で使わなかったのでしょうか? 効果的に使用できるほどの在庫がなかったのが理由です。 #right(){(22:400)} >撤退する都市にペスト菌を撒く→占領した赤軍大混乱、てな構想もなかったのですか? ありません。 細菌兵器を使いたがっていたのは石井軍医中将だけで、 本当の威力や使用方法を把握していた人はいませんでした。 「赤軍」というところからしてソ連侵攻直後の使用を想像したのでしょうが、 細菌兵器とは突然使用できるものではありません。 施設を破壊して撤退するのが精一杯で、使用など及びもつかなかったでしょう。 #right(){(22:413)} **生物兵器や化学兵器は、弾道ミサイルに積んだ場合あまり効果を発揮できないと聞きました。 生物兵器や化学兵器は、ただ目標に到達すればいいわけじゃなくて ちゃんと目標近辺で散布されないと効果ががた落ちになるのは、分かるよね? 見当ハズレなとこにフマキラーぶっかけてもゴキブリは死なないわけで。 で、「[[弾道ミサイル]]」なんてのは、そうした散布の方式としては確実性に欠ける。 高速で落下するミサイル、当然弾体は高熱になっているわけで それでは中身が変質してしまったり、それでなくても散布がうまくいかない可能性は充分にある。 BC兵器は現代戦に用いるには、効果が不確実すぎてあまり役に立つものではない。 核と同じく、これもどちらかといえば外交カードとして使うべき兵器やね。 #right(){(36:697)} **なぜ現在はガス兵器が使用可能なのでしょうか? 今は穴やトーチカにこもる敵には黄リン・白リン[[手榴弾]]を使うことが多い。 高温ガスで穴の中を焼き払う。 ガス兵器は致死性のものは今も国際条約で禁止。条約に加盟していない 国では毒ガスを使うこともままあるが、犯罪行為と見なされ、国際的に非難を浴びる。 それでも使う国はあるが。 催涙ガスはデモ・暴動鎮圧、犯罪者の抵抗力をそぐ、などの用途に広く使われている。 だが、催涙ガスとはいえ子供や老人に使用すると氏ぬことがある。 #right(){(40:187)} **「催眠ガス」を使ったら・・・寝るの? 飲むと眠くなるような薬とはだいぶ違うと思う。 中枢神経に作用させていたのでは、時間がかかりすぎる。 もっと、即効性の行動力を失わせるようなガス。下手すりゃお陀仏みたいなガスだと思うよ。 #right(){(47:453)} **NBC兵器と生物兵器と化学兵器ってなんですか? NBC兵器=核、生物、化学兵器 生物兵器=細菌など 化学兵器=毒ガスなど #right(){(56:188)} Nuclear 核 Bio 生物 Chemical 化学 分かり易く言えば、生物兵器=炭疽菌、化学兵器=サリン 聞いた事あるでしょ? #right(){(56:190)} **サリンまかれた時の症状ってどんなですか? 縮瞳、唾液の過多、鼻水、呼吸系での分泌物による呼吸困難、発汗、嘔吐、 下痢、痙攣などの症状を示す。もっとも危険な症状は、中枢神経系の呼吸中枢へ の作用による呼吸筋の麻痺であり、呼吸麻痺により死に至る。 蒸気に暴露した場合(発症:暴露後秒~分単位)    軽症:縮瞳、夜盲症、頭痛、鼻汁、唾液過多、呼吸困難(胸部圧迫感)    重症:上の症状の他に、下痢、強い呼吸困難、筋攣縮、麻痺、痙攣、       意識消失、膀胱直腸障害 液体が皮膚に付いた場合:    軽症~中程度(発症:暴露後10分~18時間):      暴露部位の筋攣縮、発汗、吐き気、嘔吐、気分不快    重症(発症:暴露後、分~時間単位):      上の症状の他に、下痢、強い呼吸困難、筋攣縮、麻痺、痙攣、      意識消失、膀胱直腸障害 国立医薬品食品衛生研究所 化学物質情報部 Webサイトから転載しました。 #right(){(64:307)} サリン吸引者に見られる症状で最も多いのは瞳孔の収縮(吸引者の99%に起きる)。 次いで、頭痛、視力低下、呼吸困難、痙攣、嘔吐等が多い。 初期症状としては、鼻水がでる、視界が暗く感じられます。 眼の関係を訴えることが多いそうです。 #right(){(64:308)} **自衛隊は防護服等の性能試験用に少量のサリンやVXを所持しているそうですが、何処から入手したのでしょうか? >自家製ですか?国際的に認知されているのですか? 陸自化学学校で合成しています。 国際的にも認知されていて、毎年国連の査察を受けています。 #right(){(85:剣恒光 ◆YR1Hskt.M.)} **どうして雷酸水銀を始めに作った人は水銀に硝酸を反応させてアルコールを入れようなんて思ったんでしょうか? 錬金術のノリで何でもかんでもまず混ぜてみるというのが初期の化学です。 物質の組み合わせはいくらでも考えられますが9割以上の無駄な実験の中から 有用な反応が発見されました。 #right(){(92:334)} **第二次大戦中、各国で毒ガスが実際に使われたことはあるのですか? イタリア軍が槍と小銃だけのエチオピアに対して毒ガスを使った。 ちなみに戦車や飛行機まで使ってやっと勝った。 #right(){(97:399)} 第二次大戦中も第一次大戦中もあります。 #right(){(97:400)} つーか、ナチのユダヤ人に対する強制収容所で 鬼のように毒ガスは使われたわけだが。 #right(){(97:404)} **湯川新太郎の「毒瓦斯及試験法」という本は実在するのでしょうか? 実在します。 以前は複数の軍事サイトで紹介されていたのですが プロバイダーの自主規制などでほとんどみかけなくなってしまいました。 現存数は極めて少ないですが古書店で根気よく探せば見つかるとおもいます。 #right(){(107:255)} **マスタード(イペリット)で数時間で症状が出ると聞きましたがマスタード以外の遅効性の毒ガスでは他にどのようなものがあるでしょうか? イペリット瓦斯=蒸留マスタード=精製マスタード(HD) 初期症状4~6時間後から長くて数日。 窒素マスタード(HN-1) 初期症状12時間以上後から フェニルジクロロアルシン(PD) 眼球えの症状は急速に現れるが 皮膚への効果は30分以上後から #right(){(120:剣恒光 ◆yl213OWCWU)} **ケミカルメスは催涙スプレーのようなものだと思うのですが、グーグルなどで調べてもはっきりしません。 資料が発見できないので確証がありませんが CS瓦斯を使った催涙スプレーの商品名のはずです。 転じて催涙スプレー全般も指す。 #right(){(123:剣恒光 ◆yl213OWCWU)} **日中戦争で旧日本軍が残した燃焼神経性毒ガス弾「燃焼神経性毒ガス」とは一体何なのでしょうか。 要するに「燃焼しながら神経ガスを撒き散らす」毒ガス弾ではないかと見当を つけました。 んで、旧日本軍の毒ガスの種類を調べてみると、 http://www.jsdi.or.jp/~y_ide/030424gas.pdf 「有毒発煙筒」としてあか筒、みどり筒の二種類が出てきます。 他にも中国で有毒発煙筒を処分したとの記事があり、おそらくこれではないでしょうか。 #right(){(123:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}※一部リンク消滅 **第二次大戦中、日本軍は中国戦線では毒ガス兵器をどのくらい使用したのが真実に近いんでしょうか。 使用条件が難しいことから使用は限定され、むしろ抑止力として大量所有。 通例どおり弾薬が欠乏し、発煙筒を投げつけたところ毒ガスと間違えて敵が動揺し、 『日本軍は毒ガスを使用している、防毒装備がないのでこれ以上の追撃は無理』 (軍閥の将軍だから戦意ははなはだ低い)と通信しているのを傍受した、という話なら 記録されている。 #right(){(128:380)} 赤一号などはそこそこ使っていたようですが、あまり一度に大量に使用は使用しませんでした。 また、[[中国側]]には国民党、八路軍共に化学戦能力など殆どなかったため少数でもかなりの成果を上げたようです。 ちなみに現在の人民解放軍は相当これに懲りたようで化学戦には力を入れているらしいです。 #right(){(128:402)} 日本軍による毒ガス作戦は、1930年の台湾に於ける所謂、霧社事件で使用されたのが最初です。 当初は、現地作成で、台湾総督府中央研究所に於いて飛行機からの投下用に、青酸ガスと催涙ガスを発生させる甲三弾を試作し、 少なくとも3発を投下していますが、効果の程は不明でした。 次いで、日本本土より、山砲用催涙弾(緑弾(甲一弾))100発が台湾に送られ、11月18日の総攻撃で使用されました。 ちなみに、緑弾は、催涙性の塩化アセトフェノンが用いられていました。 宇垣陸相はこの山砲弾を催涙ガスであると国会で答弁していますが、国際連盟の問い合わせでは、幣原外相は、これを「催涙ガス も毒ガスに含まれる」と回答しています。 また鎮圧に当った台湾軍参謀の服部兵次郎大佐も、自らその講演で、毒ガス弾の使用とか関係ありませんが、ダムダム弾の使用を 認めています。 で、1937年7月27日に華北へ、「第一野戦化学実験部」が派遣され、日中戦争に於いて、毒ガス戦がスタートします。 この毒ガス使用が停止されるのは、1943年6月に米国大統領からの警告(毒ガスを使用し続けるのなら、米軍は日本軍に対しても同じ 方法で報復する)があってからです。 1937~38年までは、実験期、1939~43年までは、本格使用期です。 前半期に使用されたのは、催涙性の「みどり」(塩化アセトフェノン)、嘔吐剤の「あか」(ジフェニール・シアンアルシン)が主に使用されて います。 使用状況は、1938年に発行された教育総監部「事変の教訓」第5号、第7号(化学戦の部)に詳しいです。 なお、「きい」と言われた糜爛性のイペリット、ルイサイトですが、これらが用いられるようになったのは後半期で、1942年の陸軍習志野 学校編「支那事変ニ於ケル化学戦例証集」に使用例が収められています。 ちなみに、両者とも、「毒ガス戦関係資料」(不二出版:1989)に収められています。 例えば、武漢の例では、「堅固なる陣地に拠り頑強に抵抗せる敵を制圧し、軽微なる我損害を以て陣地奪取を可能ならしめ作戦の進捗 に資すること少なからず」という評価が下されています。 #right(){(128:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **日本陸軍の配備していた化学兵器、あか筒(嘔吐性・くしゃみ性)の毒性はどれほどのものだったのでしょうか? ジフェニル青化ヒ素くしゃみ剤(あか一号) 極めて低濃度でも粘膜に強烈な刺激を与える。せき、嘔吐、胸痛を催し、軽い皮膚びらん性がある。 また、高濃度になると肺などに障害が起こる。窒息性はあまりなく、中毒者は30分以内で回復する。 だ、そうです。 #right(){(130:87)} **マスタードガスってその名の通りマスタードの匂いがする訳ですが、匂いがしたらもう死亡確実なんですかね? 死亡確実じゃない。 そもそもいわゆるマスタードガス、つまりイペリットは致死性がそこまで高くない。 イペリットは「びらん剤」とよばれる系統のガスで、 相手を即死させるよりも、目や呼吸器、皮膚などに炎症を起こさせて戦闘力を奪うのが用途。 なので、神経ガスなんかと違って、少し匂いがするくらい吸っても死なない。 高性能の毒ガス検知器が普及するまでは、匂いが重要な毒ガス感知手段だった。 #right{(540:662)} **実際に使用された化学兵器、生物兵器で、効果が最も大きかったものを教えてください。 マスタードガスあるいはイペリット、黄十字などと呼ばれる系統のガス。 致死性は低いが、重質で滞留性能がよく気象の影響を受けにくく、 浸透性が高いため防御も困難で、苦痛が激しいびらん剤で精神的効果も大きい。 WW1中の第三次イープル戦でドイツ軍が使用開始し、両軍が多用した。 西部戦線における英軍の毒ガス損害のうち、9割近くはマスタードガス被害だという。 WW1後も実用性の高さから各国の主力化学兵器となり、 英国がロシア内戦で、スペインがモロッコ植民地で、イタリアが第二次エチオピア戦争で、 日本が日中戦争で、エジプトがイエメン侵攻で、イラクがイライラ戦争などでと実戦例も多い。 米国もWW2で使用を検討しており、イタリア戦線では搭載輸送船が爆撃されて大惨事となった。 #right(){(548:531)} **自衛隊には、毒ガスや細菌といった化学兵器が導入されないのはなぜですか? 細菌毒素兵器開発生産貯蔵禁止条約に批准してるから #right(){(自衛隊板初質スレ101:849)} **日本軍は中国戦線で毒ガス兵器を結構使ってたそうですが。 日本軍による毒ガス作戦は、1930年の台湾に於ける所謂、霧社事件で使用されたのが最初です。 当初は、現地作成で、台湾総督府中央研究所に於いて飛行機からの投下用に、青酸ガスと催涙ガスを発生させる甲三弾を試作し、 少なくとも3発を投下していますが、効果の程は不明でした。 次いで、日本本土より、山砲用催涙弾(緑弾(甲一弾))100発が台湾に送られ、11月18日の総攻撃で使用されました。 ちなみに、緑弾は、催涙性の塩化アセトフェノンが用いられていました。 宇垣陸相はこの山砲弾を催涙ガスであると国会で答弁していますが、国際連盟の問い合わせでは、幣原外相は、これを「催涙ガス も毒ガスに含まれる」と回答しています。 また鎮圧に当った台湾軍参謀の服部兵次郎大佐も、自らその講演で、毒ガス弾の使用とか関係ありませんが、ダムダム弾の使用を 認めています。 で、1937年7月27日に華北へ、「第一野戦化学実験部」が派遣され、日中戦争に於いて、毒ガス戦がスタートします。 この毒ガス使用が停止されるのは、1943年6月に米国大統領からの警告(毒ガスを使用し続けるのなら、米軍は日本軍に対しても同じ 方法で報復する)があってからです。 1937~38年までは、実験期、1939~43年までは、本格使用期です。 前半期に使用されたのは、催涙性の「みどり」(塩化アセトフェノン)、嘔吐剤の「あか」(ジフェニール・シアンアルシン)が主に使用されて います。 使用状況は、1938年に発行された教育総監部「事変の教訓」第5号、第7号(化学戦の部)に詳しいです。 なお、「きい」と言われた糜爛性のイペリット、ルイサイトですが、これらが用いられるようになったのは後半期で、1942年の陸軍習志野 学校編「支那事変ニ於ケル化学戦例証集」に使用例が収められています。 ちなみに、両者とも、「毒ガス戦関係資料」(不二出版:1989)に収められています。 例えば、武漢の例では、「堅固なる陣地に拠り頑強に抵抗せる敵を制圧し、軽微なる我損害を以て陣地奪取を可能ならしめ作戦の進捗 に資すること少なからず」という評価が下されています。 #right(){(128:眠い人 ◆gQikaJHtf2)} **霧社事件で日本軍は化学兵器を使用したそうですが、具体的にどのような形式の化学兵器が使用されたのでしょうか? 主力は「みどり」と称された催涙ガス。 成分はクロロアセトフェノン(CNガス)で、警察の暴徒鎮圧用などに今でも一般的なもの。 山砲用100発が現地に送られ、うち不明数が実戦投入されたが、まあ全部使っても大した量ではない。 また、青酸ガスを試験レベルで急造の航空爆弾に仕立てたらしいが、使用程度や効果不明。 その後の研究で青酸ガスがあんまり重視されてないあたり、完全に失敗と判定されたようだ。 ほかに、びらん剤を現地に送ってほしいという要望が出された記録が確認されてる。 これは実際に送られたか、使ったかは不明。 びらん剤というのはマスタードガス(日本軍風には「きい」)が典型で、皮膚などから浸透して殺傷する。 死亡率がそれほど高いわけではないが、致死性の化学兵器。 揮発しにくく、気体の比重も大きく効果が持続するため、通路にばらまいて敵兵の行動阻害にも使える。 #right(){(599:785)} **731部隊が人体実験していたというのは本当ですか? 毒ガスを中国で使ったというのは本当ですか? 中国での毒ガス使用に関しては、 1)致死性皆無の催涙ガス(旧軍呼称「みどり」)の使用と、 2)致死率は極めて低い嘔吐性ガス(くしゃみガスとも。旧軍呼称「あか」) の使用までは、確実。 論争があるのは、 1)嘔吐性ガスの類が「毒ガス」と呼ぶに値するかという言葉遊びと、 2)強力な致死性の毒ガスが使用されたかどうか。 問題の致死性の毒ガスに関しては、日本政府の公式見解では「現在調査中」。 日本のまっとうな研究者の間では、台湾での青酸ガス微量の実戦テスト(おそらく失敗)と、 山東半島でのマスタードガス(日本軍呼称「きい」)の実戦テストは、確実だと見られている。 これらは日本軍の公文書で記録が出てきた。 しかし、中国の研究者が主張する大量の死者を出すような実戦投入に関しては、 今のところ日本の史料では確認ができておらず、怪しい話レベル。 #right(){(606:922)} **軍事技術の民間への転用って良く聞きますが、生物兵器や化学兵器でそう言うのはありうるのでしょうか? 化学兵器の場合、毒ガスは殺虫剤や農薬の製造技術へと転用可能 後、第一次大戦で使用されたガス溜り除去装置が掃除機の原型だったりする。 生物兵器の場合は特定の害獣、害虫に対してのみ発病する病原菌をばら撒くってやり方で駆除するってのが一応それに値する。 オーストラリアでのウサギ駆除に致死率99%のミクソーマウイルスをばら撒いたのがその例の一つ。 #right{(506:529)} **中国で旧軍が遺棄した化学兵器砲弾が問題になってるようなのですが、化学兵器とは六十年放置しても使用可能なシロモノなのですか? マスタードガスや青酸ガスなどは比較的単純な構造ですから、容器が良く設計されており、 低温に保たれていれば化学物質は使用可能な状態という可能性は十分あります。 しかし兵器として使うには、信管から始まって散布するための炸薬などがきちんと作動する必要があり、 その意味では60年後にそのまま使える可能性はまずありません。 また、容器内壁をきちんと保護してあるかどうかも問題で、当時の技術では金属の露出、 それによる容器の腐食と漏出、化学物質の変質が起きそうです。 とはいえ、中国では化学兵器砲弾の内容物による人的被害が報告されているわけですが。 #right(){(315:292)} **現代でも新しい毒ガスの研究開発は行われてるんですか? 公開されている限りでは、いわゆる毒ガスでは新規開発は見当たらない。 既存の兵器の改良(主に安全性や保存性の改善)や対抗策の研究が行われている程度。 そもそも、米を含む多くの国が批准したChemical Weapons Convention (CWC)が1997年に発効し、 2012年5月までにすべての加盟国の化学兵器は処分されることになっている。 興味があれば、下記資料のページ CRS-16以下を参照。 http://www.fas.org/sgp/crs/nuke/RL30699.pdf 化学兵器は現代の周辺危害を最低限に抑える必要がある戦場では使いにくく、確実性に欠け、 しかも軍は対策しているため効果も期待できず、使用すれば国際的な大失点につながり、 相手が核保有国なら核による報復も否定できないため、ご自分で書かれているとおり、 新たに開発する予算を割く値打ちがない。非対称戦争、治安用の低致死性化学兵器は 開発が続けられている。 #right(){(663:system ◆systemVXQ2)} **現代では毒ガスはどうやって使うんでしょう? 気の利いた国の毒ガスは、安全性の高い二剤混合型の神経ガス(カップリング剤)が主流です。すでに書かれているとおり、 爆弾、ミサイル弾頭、砲弾などに搭載し、通常は目標地点の上空で起爆し、爆発熱でガスを分解しないように二剤を混合して ガスを生成し、散布します。書くのは簡単ですが、実際にはノウハウが必要で、下手すると効果が100倍ぐらい変わってきます。 正面戦争の場合、通常は敵の行動を(対化学戦装備の使用を強要することによって)遅らせ、混乱を招くことによって 戦場でのバランスをこちらに傾ける一手段として使用されます。奇襲の一要素でもあります。いずれにせよ、攻勢時の 最終目的はそれによって敵の前線を突破することにありますから、化学兵器は味方の侵攻の邪魔にならないよう、 短時間で分解されることが望ましく、水分によって分解しやすい薬剤を使用しますから、風向き、湿度などの天候も重要になります。 逆に、退却戦の場合は、数日間持続するような薬剤を使用することもあります。 一次大戦時の塩素ガスに比べれば、時間、空間的にコントロールが容易にはなりましたが、上記のように不安定要素が多く、 特に最近の周辺被害が問題となる情勢下では、実際上使えない兵器となっています。従って、先進国ではテロリストなどによる 使用に対する対策などは研究されているものの、攻勢用の研究、開発、装備のアップグレードなどは事実上ストップしています。 条約などによる化学兵器の制限、禁止も効いてはいますが、使えない兵器は要らない、という事情が主でしょう。 #right(){(686:system ◆systemVXQ2)} **ダイオキシンって毒性が強いそうだけど、化学兵器に利用しようとした試みってないんですか? ダイオキシンがやばいと言われてるのは、モルモットでの半数致死量が非常に少ないことが実験で 確かめられていることが根拠です。 ただしモルモットは一部の化学物質にきわめて敏感なことが知られております。 たとえばハムスターの場合、ダイオキシンの半数致死量はモルモットの8000倍(体重比)とされております。 人間の場合はそれ以上じゃないかとか考えられているようですね。確かめた人はいないと思いますが。 イタリアのセベソで起きた農薬工場の爆発事故で、キログラム単位のダイオキシンが周囲にばらまかれた、 という事例がありますが、ダイオキシン中毒でなくなった方「は」いないそうです。 無害というわけではないでしょうけど。 そういえば、ベトナム戦争で使用された枯葉剤にはダイオキシンが含まれていますね。 ただしこれは枯葉剤の製造工程の問題でついでに出来ちゃった副産物です。 東欧の首相か誰かがダイオキシン盛られて殺されかけた事件がありましたが。 復帰しちゃったとこ見ると人に対する即効性はもちろん、毒性もさほどとは思えません。 発ガン性はあるけど、確率的なものだし。 #right(){(280:579-583)} **日本陸軍の配備していた化学兵器、あか筒(嘔吐性・くしゃみ性)の毒性はどれほどのものだったのでしょうか? ジフェニル青化ヒ素くしゃみ剤(あか一号) 極めて低濃度でも粘膜に強烈な刺激を与える。せき、嘔吐、胸痛を催し、軽い皮膚びらん性 がある。また、高濃度になると肺などに障害が起こる。窒息性はあまりなく、中毒者は30分 以内で回復する。 だ、そうです。 #right(){(130:87)} *生物兵器 **炭そ菌って細菌兵器としてはどれぐらいのレベルなのですか?炭そ菌より強力な細菌兵器はあるのでしょうか? 大したことありません。最低なのは二次感染しないこと。つまり菌を振りかけた人間には 発症するけど、そこで止まってしまう。それじゃ神経ガスの方がずっと確実、強力。 天然痘やエボラ出血熱、肺ペストなど、二次感染して致死性の高い細菌兵器はいくらでもあります。 炭疽菌は扱いが楽でバカにでも使える点だけが取り柄です。ダメっす。 #right(){(12:145)} 炭疽菌は常温で長期間保存が可能な点が生物兵器としてすぐれている反面、 人から人へ伝染しないという欠点もあります。 個人的には肺ペストのように空気感染する致死性の伝染病の方が生物兵器としては強力な気がします。 #right(){(12:147)} >つうか簡単に生物兵器について丁寧に答えてらっしゃるがヤヴァくないっすか?ヴァカな摸倣犯が質問してないとも限らないんでわ。。。 生物兵器はそう簡単に作れるもんじゃありません。作る基礎知識、技術を持った人なら、そもそもこんな質問はしません。 実技、職人芸的な部分も多いので、文章を少々読んだって役に立ちません。 核兵器より簡単で、比較する対象によっては化学兵器より簡単かも知れないけど、爆弾作るよりは桁違いに難しいです。 使える状態で保管し、感染させられる状態で使用するにも、知識、技術が必要です。 塩素ガス作って撒く方がずっと簡単。 #right(){(12:151)} **イスラエルや南アフリカ共和国が特定の人種・民族だけに効く生物兵器開発に手を染めていた >という話を聞いたことがあるのですが、実際にそういう兵器を作ることは可能ですか? 今のところ、特定の人種だけに効く薬、細菌はありません。多少の差がある、という レベルです。可能性としてはあり得る、という話です。 人種による発病率の差は、遺伝子の差よりも、居住環境や食生活の差による物が 大きく、人種を決定する遺伝子自体による違いは、確かにありはする物の、兵器として 特定人種にのみ有効と言うほどではないのです。 #right(){(14:system)} **天然痘兵器で攻撃を受けてその被害地域にいた場合 僕が小さいとき天然痘の種痘を受けていてもやばいですか 免疫ができていれば大丈夫です。遺伝子操作で別種に、といいたいところですが それ自体高度なテクニックが要る上、操作後ちゃんと感染力を持ち、有効な 病原体に仕上げるのは大変です。変化はたいていマイナス方向に行ってしまい ますから。結局、オリジナルが使われることになるでしょうし免疫が有効です。 #right(){(48:67)} **炭疽菌テロがアルカイダの仕業であるというのなら、なんでイラクとか北朝鮮といった国をルーツにする菌を使わなかったのか? アメリカ国内の品のほうが入手しやすいからです。 テロや犯罪で現地の品、武器を使うのはよくあることです。 それ以前に、なぜアルカイダがイラクや北朝鮮の菌を使う必要が? #right(){(88:83)} ラディソがわざわざそれらの国に菌をもらいに行く理由は? 調べてみたらイラクからの菌であることが判明しますた、 なんてことになったらそれこそアメリカの思う壺。 #right(){(88:86)} **「リシン」は生物兵器ですかそれとも化学兵器ですか? ヒマの実から抽出する毒素なので、生物兵器。 #right(){(115:538)} 「毒素兵器」 リシンは植物毒素系。生成は生物学的に行われるので生物兵器扱いになる 事が多いが、使用方法は化学兵器に近い。 #right(){(115:541)} 基本的にはボツリヌス菌毒素とか、フグ毒とかと同じです。 541さんが書かれた通り。分類は生物(細菌、ウイルスの他生物由来の毒素も含む)兵器です。 1972年のBiological WeaponCongressで生物・毒素兵器として、ともにBiological Weapon、 つまり生物兵器に括られています。 余談 極論すると、生物由来の綿を硝化して作ったニトロセルロースも 生物兵器か、ということになりますが、毒素ではない、 少なくとも毒素として使用するのではないので違うようです。 #right(){(115:system)} **生物兵器ていうか、毒性の強いインフルエンザウイルスを開発して、鳥とかに仕込んで敵国にバラまくのは可能ですか? >自国民と自軍兵士にワクチンうっておけば、味方は被害を被らないわけですし。 インフルエンザウイルスは世代交代の早さ・感染力の高さでよく知られており、まともに制御できると考えている科学者はまずいない。 生物兵器は(というかあらゆる兵器は)制御できなければ何の意味もない。 そんなめんどくさいことをするくらいなら炭疽菌を志願者に感染させ、人口密集地に送り込んだほうが テロとしては成功の可能性が高い #right{(533:141,146)} **第一次大戦を終結させた「スペイン風邪」は連合国側の生物兵器ですか? >全世界で4000万人に感染して、[[イギリス]]に派遣された戦艦「アリゾナ」ではほとんど士官が死亡したとか? >偶然のパンデミックじゃないですよね? 別にスペイン風邪が戦争終結の原因じゃない 連合国側の生物兵器という説もあるけどはっきりしてない。 スペイン風邪のルーツ自体が今でも良く分かってないから。 インド方面から来たというところまでは分かってるけど、そこから先が辿れてない。 で、1917年にドイツの秘密工作員として破壊・妨害活動をした疑いでオットー男爵という人物が逮捕されてるが、 この人物は細菌をばら撒いて連合軍の軍馬を多数殺すという任務を負っていた。 #right(){(551:549)} **細菌戦って実際には行われていないのでしょうか? >WW2後、細菌兵器が使用された疑いが濃い事例とかないのでしょうか?ググっても731部隊関係しか出てきません 化学兵器と違い、戦術的な運用ができない。例の731部隊が中国大陸でペスト菌などの媒介実験は 行ったといわれる(戦後に行われた米軍との取引による実験結果の譲渡は公文書に記録あり)が、 軍事作戦としてはどこの国でも行われた記録が無い。 アメリカは日本の風船爆弾による生物兵器の使用を警戒したが、実際は焼夷弾しか使わなかった上、 アメリカ側が被害(山火事とか)を隠蔽したので、[[日本側]]が効果無しと判断し作戦は中止された。 ノモンハン戦で日本軍が炭疽菌をばらまいたので 国境地帯で羊が大量死したと悪魔の飽食にはあったな 強いて言えば、井戸や水源、城塞都市に汚物や腐乱死体を放り込んだり、ベトコンがブービートラップの 竹槍や釘に糞尿を塗布して破傷風を狙ったのも、広義の細菌兵器と言えるかも。 #right(){(564:461-464)} **「リシン」は生物兵器ですかそれとも化学兵器ですか? ヒマの実から抽出する毒素なので、生物兵器。 リシンは植物毒素系。生成は生物学的に行われるので生物兵器扱いになる 事が多いが、使用方法は化学兵器に近い。 分類は生物(細菌、ウイルスの他生物由来の毒素も含む)兵器です。 1972年のBiological Weapon Congressで生物・毒素兵器として、ともにBiological Weapon、 つまり生物兵器に括られています。 余談。極論すると、生物由来の綿を硝化して作ったニトロセルロースも 生物兵器か、ということになりますが、毒素ではない、少なくとも 毒素として使用するのではないので違うようです。 #right(){(115:540-541)} 生物兵器の定義は「生物及び生物由来の毒素を兵器として使用するもの」。 毒素自体は化学物質だが、生物由来なのでボツリヌス菌毒素等と同様、生物兵器に分類されます。 #right(){(115:system)} **インフルエンザウイルスって生物兵器に使えるんですか? >スペイン風邪の大流行ぶりを見ると使えそうな気がするんですが。 ダメです。 生物兵器として大事なのは、 短期間で大流行すること・安全に持ち運びできること・簡単に後始末できること インフルエンザは簡単に突然変異してワクチンが効かないので、安全に持ち運びができるとは言いがたいし 鎮圧までえらい時間がかかるので、使用後の後始末が難しいです。 そんなウイルスに汚染された危険なエリアに兵隊さんを置いとくわけにはいかんでしょ? #right(){(249:鷂 ◆Kr61cmWkkQ)} 実際スペイン風邪は前線でも大流行したために、連合軍もドイツ軍も新たな攻勢をかけられない状況になった。 #right(){(249:587)} 十分可能だと考えられます。 ただ、生物兵器は効果的で適切な散布を行うのが難しいため、実際には 神経ガスなどの化学兵器のほうが使用しやすいと言われています。 #right(){(61:868)} **生物兵器テロはオウム真理教の亀戸事件が最初か?  以下のケースが史上初と思われます.  1984年,アメリカ,オレゴン州で,カルト教団がレストランの サラダ・バーに,自家製のサルモネラ菌をしかけるという事件が発生している.  地元の選挙結果に影響を及ぼすのが目的だった.  750人が感染し,45人が入院. (吉田一彦〔第2次大戦情報戦史家〕 from 「疫病最終戦争」, ビジネス社,2001/12/20,p.71)  なお,化学兵器テロにつきましては,同書によれば1993/2/27のWTCテロに おいて,爆弾の中にシアン化物が含まれていましたので,効果の有無を 考えないなら,これが最初と思われます.  なお,本テロにおいては,シアン化物は気化せずに燃焼してしまったため, これによる実害はなかった,とのこと. #right(){(159:消印所沢 ◆z3kTlzXTZk)} ----

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