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生物化学兵器 - (2010/04/21 (水) 19:36:07) の1つ前との変更点

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#contents ---- *化学兵器 **毒ガスの歴史について教えて 紀元前5世紀 ギリシャでスパルタ軍が亜硫酸ガスを使用? WW1前 発煙筒が坑道戦で敵兵を燻し出すのに使用される。 1899年 ハーグ陸戦協定で毒を用いた兵器の使用が禁止される。      付属宣言で窒息性ガス使用についても禁止を謳う。 1914年 フランス軍が催涙ガスを充填した小銃擲弾を実戦使用。ドイツ軍も同時期にガス砲弾を使用。 1915年 第二次イープル戦でドイツ軍が塩素ガスのボンベ散布を本格実施し、一定の成果。       その後、ドイツ軍及びフランス軍双方がホスゲンガスを実戦投入。 1917年 ドイツ軍がイープル近郊でマスタードガス(イペリット、黄十字とも)を使用。 1918年 ドイツ軍がカイザー戦でジフェニール砒化塩素を使用。       第一次世界大戦中、英仏独墺が毒ガスを本格使用した。露土も若干を用いた。 1919年 ヴェルサイユ条約でドイツの毒ガス保有禁止。 1921年 ソ連が農民反乱鎮圧のために毒ガスを使用。 1922年 スペインがモロッコ植民地のリーフ戦争でマスタードガスを使用。 1925年 ジュネーブ議定書により窒息性ガス等・生物兵器の使用を禁止。 1930年代 ドイツで神経ガスが開発される。 1935年 イタリアが第二次エチオピア戦争でマスタードガスを使用。 1939年 日本が日中戦争でマスタードガスを使用。 1962年 エジプト軍がイエメンに侵攻した際にマスタードガスを使用。 1987年 イランイラク戦争中のイラクが、国内クルド人勢力に対して毒ガスを使用。 1993年 化学兵器禁止条約。  同年 オウム真理教がサリンによる池田大作殺害未遂。信者が重症。 1994年 松本サリン事件。ホスゲン殺害未遂事件。翌年にかけVXガス殺人・同未遂事件数件。 1995年 地下鉄サリン事件。新宿駅青酸ガス事件。 #right{(生物・化学戦総合スレ:12,13)} **FAEは、化学兵器に分類されないのですか? FAEは化学兵器ではないのですが、実は少し微妙なところもあります。 燃料自体に毒性があること。もちろん、燃料の毒性で死ぬほど爆発点に 近ければ、その前に爆死しますが、例えば不発に終わった場合、これは 化学兵器として作用したことになります。まあ、ガソリンだって多量に蒸気を 吸えば有害ですし、爆薬だって中毒するものもありますから、キリないけど。 また、これはアジ目的ですが、使用された側がFAEやThermobarotic弾頭を 化学兵器、と呼ぶことがあります。チェチェンがそうでしたし、たしかイラクも。 #right(){(12:system)} **大戦末期、なんで旧軍─特に関東軍は毒ガスを実戦で使わなかったのでしょうか? 効果的に使用できるほどの在庫がなかったのが理由です。 #right(){(22:400)} >撤退する都市にペスト菌を撒く→占領した赤軍大混乱、てな構想もなかったのですか? ありません。 細菌兵器を使いたがっていたのは石井軍医中将だけで、 本当の威力や使用方法を把握していた人はいませんでした。 「赤軍」というところからしてソ連侵攻直後の使用を想像したのでしょうが、 細菌兵器とは突然使用できるものではありません。 施設を破壊して撤退するのが精一杯で、使用など及びもつかなかったでしょう。 #right(){(22:413)} **生物兵器や化学兵器は、弾道ミサイルに積んだ場合あまり効果を発揮できないと聞きました。 生物兵器や化学兵器は、ただ目標に到達すればいいわけじゃなくて ちゃんと目標近辺で散布されないと効果ががた落ちになるのは、分かるよね? 見当ハズレなとこにフマキラーぶっかけてもゴキブリは死なないわけで。 で、「弾道ミサイル」なんてのは、そうした散布の方式としては確実性に欠ける。 高速で落下するミサイル、当然弾体は高熱になっているわけで それでは中身が変質してしまったり、それでなくても散布がうまくいかない可能性は充分にある。 BC兵器は現代戦に用いるには、効果が不確実すぎてあまり役に立つものではない。 核と同じく、これもどちらかといえば外交カードとして使うべき兵器やね。 #right(){(36:697)} **マスタードガスってその名の通りマスタードの匂いがする訳ですが、匂いがしたらもう死亡確実なんですかね? 死亡確実じゃない。 そもそもいわゆるマスタードガス、つまりイペリットは致死性がそこまで高くない。 イペリットは「びらん剤」とよばれる系統のガスで、 相手を即死させるよりも、目や呼吸器、皮膚などに炎症を起こさせて戦闘力を奪うのが用途。 なので、神経ガスなんかと違って、少し匂いがするくらい吸っても死なない。 高性能の毒ガス検知器が普及するまでは、匂いが重要な毒ガス感知手段だった。 #right{(540:662)} **実際に使用された化学兵器、生物兵器で、効果が最も大きかったものを教えてください。 マスタードガスあるいはイペリット、黄十字などと呼ばれる系統のガス。 致死性は低いが、重質で滞留性能がよく気象の影響を受けにくく、 浸透性が高いため防御も困難で、苦痛が激しいびらん剤で精神的効果も大きい。 WW1中の第三次イープル戦でドイツ軍が使用開始し、両軍が多用した。 西部戦線における英軍の毒ガス損害のうち、9割近くはマスタードガス被害だという。 WW1後も実用性の高さから各国の主力化学兵器となり、 英国がロシア内戦で、スペインがモロッコ植民地で、イタリアが第二次エチオピア戦争で、 日本が日中戦争で、エジプトがイエメン侵攻で、イラクがイライラ戦争などでと実戦例も多い。 米国もWW2で使用を検討しており、イタリア戦線では搭載輸送船が爆撃されて大惨事となった。 #right(){(548:531)} **自衛隊には、毒ガスや細菌といった化学兵器が導入されないのはなぜですか? 細菌毒素兵器開発生産貯蔵禁止条約に批准してるから #right(){(自衛隊板初質スレ101:849)} **霧社事件で日本軍は化学兵器を使用したそうですが、具体的にどのような形式の化学兵器が使用されたのでしょうか? 主力は「みどり」と称された催涙ガス。 成分はクロロアセトフェノン(CNガス)で、警察の暴徒鎮圧用などに今でも一般的なもの。 山砲用100発が現地に送られ、うち不明数が実戦投入されたが、まあ全部使っても大した量ではない。 また、青酸ガスを試験レベルで急造の航空爆弾に仕立てたらしいが、使用程度や効果不明。 その後の研究で青酸ガスがあんまり重視されてないあたり、完全に失敗と判定されたようだ。 ほかに、びらん剤を現地に送ってほしいという要望が出された記録が確認されてる。 これは実際に送られたか、使ったかは不明。 びらん剤というのはマスタードガス(日本軍風には「きい」)が典型で、皮膚などから浸透して殺傷する。 死亡率がそれほど高いわけではないが、致死性の化学兵器。 揮発しにくく、気体の比重も大きく効果が持続するため、通路にばらまいて敵兵の行動阻害にも使える。 #right(){(599:785)} **731部隊が人体実験していたというのは本当ですか? 毒ガスを中国で使ったというのは本当ですか? 中国での毒ガス使用に関しては、 1)致死性皆無の催涙ガス(旧軍呼称「みどり」)の使用と、 2)致死率は極めて低い嘔吐性ガス(くしゃみガスとも。旧軍呼称「あか」) の使用までは、確実。 論争があるのは、 1)嘔吐性ガスの類が「毒ガス」と呼ぶに値するかという言葉遊びと、 2)強力な致死性の毒ガスが使用されたかどうか。 問題の致死性の毒ガスに関しては、日本政府の公式見解では「現在調査中」。 日本のまっとうな研究者の間では、台湾での青酸ガス微量の実戦テスト(おそらく失敗)と、 山東半島でのマスタードガス(日本軍呼称「きい」)の実戦テストは、確実だと見られている。 これらは日本軍の公文書で記録が出てきた。 しかし、中国の研究者が主張する大量の死者を出すような実戦投入に関しては、 今のところ日本の史料では確認ができておらず、怪しい話レベル。 #right(){(606:922)} **軍事技術の民間への転用って良く聞きますが、生物兵器や化学兵器でそう言うのはありうるのでしょうか? 化学兵器の場合、毒ガスは殺虫剤や農薬の製造技術へと転用可能 後、第一次大戦で使用されたガス溜り除去装置が掃除機の原型だったりする。 生物兵器の場合は特定の害獣、害虫に対してのみ発病する病原菌をばら撒くってやり方で駆除するってのが一応それに値する。 オーストラリアでのウサギ駆除に致死率99%のミクソーマウイルスをばら撒いたのがその例の一つ。 #right{(506:529)} **中国で旧軍が遺棄した化学兵器砲弾が問題になってるようなのですが、化学兵器とは六十年放置しても使用可能なシロモノなのですか? マスタードガスや青酸ガスなどは比較的単純な構造ですから、容器が良く設計されており、 低温に保たれていれば化学物質は使用可能な状態という可能性は十分あります。 しかし兵器として使うには、信管から始まって散布するための炸薬などがきちんと作動する必要があり、 その意味では60年後にそのまま使える可能性はまずありません。 また、容器内壁をきちんと保護してあるかどうかも問題で、当時の技術では金属の露出、 それによる容器の腐食と漏出、化学物質の変質が起きそうです。 とはいえ、中国では化学兵器砲弾の内容物による人的被害が報告されているわけですが。 #right(){(315:292)} *生物兵器 **炭そ菌って細菌兵器としてはどれぐらいのレベルなのですか?炭そ菌より強力な細菌兵器はあるのでしょうか? 大したことありません。最低なのは二次感染しないこと。つまり菌を振りかけた人間には 発症するけど、そこで止まってしまう。それじゃ神経ガスの方がずっと確実、強力。 天然痘やエボラ出血熱、肺ペストなど、二次感染して致死性の高い細菌兵器はいくらでもあります。 炭疽菌は扱いが楽でバカにでも使える点だけが取り柄です。ダメっす。 #right(){(12:145)} 炭疽菌は常温で長期間保存が可能な点が生物兵器としてすぐれている反面、 人から人へ伝染しないという欠点もあります。 個人的には肺ペストのように空気感染する致死性の伝染病の方が生物兵器としては強力な気がします。 #right(){(12:147)} >つうか簡単に生物兵器について丁寧に答えてらっしゃるがヤヴァくないっすか?ヴァカな摸倣犯が質問してないとも限らないんでわ。。。 生物兵器はそう簡単に作れるもんじゃありません。作る基礎知識、技術を持った人なら、そもそもこんな質問はしません。 実技、職人芸的な部分も多いので、文章を少々読んだって役に立ちません。 核兵器より簡単で、比較する対象によっては化学兵器より簡単かも知れないけど、爆弾作るよりは桁違いに難しいです。 使える状態で保管し、感染させられる状態で使用するにも、知識、技術が必要です。 塩素ガス作って撒く方がずっと簡単。 #right(){(12:151)} **イスラエルや南アフリカ共和国が特定の人種・民族だけに効く生物兵器開発に手を染めていた >という話を聞いたことがあるのですが、実際にそういう兵器を作ることは可能ですか? 今のところ、特定の人種だけに効く薬、細菌はありません。多少の差がある、という レベルです。可能性としてはあり得る、という話です。 人種による発病率の差は、遺伝子の差よりも、居住環境や食生活の差による物が 大きく、人種を決定する遺伝子自体による違いは、確かにありはする物の、兵器として 特定人種にのみ有効と言うほどではないのです。 #right(){(14:system)} **生物兵器ていうか、毒性の強いインフルエンザウイルスを開発して、鳥とかに仕込んで敵国にバラまくのは可能ですか? >自国民と自軍兵士にワクチンうっておけば、味方は被害を被らないわけですし。 インフルエンザウイルスは世代交代の早さ・感染力の高さでよく知られており、まともに制御できると考えている科学者はまずいない。 生物兵器は(というかあらゆる兵器は)制御できなければ何の意味もない。 そんなめんどくさいことをするくらいなら炭疽菌を志願者に感染させ、人口密集地に送り込んだほうが テロとしては成功の可能性が高い #right{(533:141,146)} **第一次大戦を終結させた「スペイン風邪」は連合国側の生物兵器ですか? >全世界で4000万人に感染して、イギリスに派遣された戦艦「アリゾナ」ではほとんど士官が死亡したとか? >偶然のパンデミックじゃないですよね? 別にスペイン風邪が戦争終結の原因じゃない 連合国側の生物兵器という説もあるけどはっきりしてない。 スペイン風邪のルーツ自体が今でも良く分かってないから。 インド方面から来たというところまでは分かってるけど、そこから先が辿れてない。 で、1917年にドイツの秘密工作員として破壊・妨害活動をした疑いでオットー男爵という人物が逮捕されてるが、 この人物は細菌をばら撒いて連合軍の軍馬を多数殺すという任務を負っていた。 #right(){(551:549)} **細菌戦って実際には行われていないのでしょうか? >WW2後、細菌兵器が使用された疑いが濃い事例とかないのでしょうか?ググっても731部隊関係しか出てきません 化学兵器と違い、戦術的な運用ができない。例の731部隊が中国大陸でペスト菌などの媒介実験は 行ったといわれる(戦後に行われた米軍との取引による実験結果の譲渡は公文書に記録あり)が、 軍事作戦としてはどこの国でも行われた記録が無い。 アメリカは日本の風船爆弾による生物兵器の使用を警戒したが、実際は焼夷弾しか使わなかった上、 アメリカ側が被害(山火事とか)を隠蔽したので、日本側が効果無しと判断し作戦は中止された。 ノモンハン戦で日本軍が炭疽菌をばらまいたので 国境地帯で羊が大量死したと悪魔の飽食にはあったな 強いて言えば、井戸や水源、城塞都市に汚物や腐乱死体を放り込んだり、ベトコンがブービートラップの 竹槍や釘に糞尿を塗布して破傷風を狙ったのも、広義の細菌兵器と言えるかも。 #right(){(564:461-464)} ----

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