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条約2 - (2011/07/20 (水) 18:54:06) のソース

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**救急車に固有の武装を付けることは国際法規上認められるのか
知らないかもしれないんで、一応お約束のジュネーブ第1条約を引っ張り出してみると、 
 
第二十二条〔保護をはく奪してはならない事実〕1項により自衛・もしくは負傷兵を守る 
防衛行為のための武装は認められています。 
ただし、それを逸脱した目的で使用された場合、第二十一条〔保護の消滅〕により 
衛生部隊として保護する権利を剥奪する事も可能です。 
>救急車の使用に何らかの制限はあるのか 
第三十五条〔保護及び捕獲〕により車両等の輸送手段は衛生部隊と同様に尊重し、且つ 
保護しなければならないと規定されています。 
使用の制限に関する記載は見つかりませんでした。
#right(){(103:913)}
**日本が戦争になったら貿易船や旅客機は撃墜されても文句言えないのでしょうか? 
場合によります。しかし、本来敵性商船は拿捕のみが許されており、無警告での 
撃沈は国際法的に見て問題があることは押さえておくべきでしょう。また、封鎖という 
手段がとられることもあり、第二次世界大戦あたりからは、海域を設定してそこに 
進入する船舶をすべて攻撃する戦争水域の宣言も行われるようになっています。 
#right(){(107:546)}
**高陞号事件は、現在の国際法ではどういう判定になりますか? 
日清戦争の開戦劈頭、英国所有の商船「高陞号」が清国兵、大砲、弾薬を輸送しているのを 
日本海軍が発見し、戦時国際法に従い、接収を宣言するも清国兵は乗組員を脅した為、やむ 
なく高陞号乗組員の退船を命じて後にこれを撃沈したというものですが…。 

まぁ、まず日清戦争の様な状況が違法状態とされるのではないかと思いますが。 

戦争当事国が第三国との傭船契約を締結し、その輸送中にもう一方の紛争当事国の臨検を受けた場合、 
当該船は速やかにこれに従わなければなりません。 
これを無視した場合は、威嚇射撃などを受ける可能性があります。 
でもって、戦争当事国の強制という状況で、警告を繰り返し、それでも臨検に応じなければ、最終的に撃沈 
に至っても問題はありません。 

但し、撃沈に際して、乗組員の保護と、敵国兵員の速やかなる救助が求められるでしょう。 
特に後者は、これを無視すれば、国際法上、甚だ難しい状況に陥ります。 
また、第三国の船主に対しては、その船舶の対価は賠償しないといけないのではないでしょうか。
#right(){(114:眠い人 ◆gQikaJHtf2)}
**ベトコンはハーグ条約違反ですか?
ハーグ陸戦条約を持ち出すのであれば、むしろ第二条に注目してください。 
「敵が接近するにつれて、未だ占領されていない地区において軍民が急遽抵抗軍を 
結成する場合において、1※を満たすことができないとき戦争の規則と慣習を尊重する 
範囲で、交戦団体として認められる」※武器の公然携帯や戦争法規を順守する等の条項 

つまり、すでに特定の勢力に支配された地域で結成された不正規兵の交戦は陸戦規定を 
満たしていない犯罪行為であると解釈できるわけです。 

これではいわゆるパルチザンは交戦者資格(捕虜資格)を充たすことが出来ないため、 
1949年のジュネーヴ第三条約では、捕虜の規定の中に、 
「紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員(組織的抵抗運動団体の構成員を含む。) 
で、その領域が占領されているかどうかを問わず、その領域の内外で行動するもの」 
(第四条〔捕虜〕A 第2項)という規定が追加されました。 

さらに、1977年のジュネーブ第一追加議定書43条1項では 
「 紛争当事国の軍隊は、部下の行動についてその国に対して責任を負う指揮の下にある、 
すべての組織された武装の兵力・集団及び団体から成る」 
同第44条3項では、 
「戦闘員は(略)敵対行為の正確のために武装紛争がそのように区別しえない状況が 
武装紛争中に存在することが認められるので、そのような状況においてその者が、 
次の場合に武器を公然と携行しているのならば、戦闘員としての地位を保持するものとする」 
と、明確な指揮下にあることと、武器の公然の携行が最低条件とされました。 
ただし、この追加議定書にはアメリカをはじめ批准していない国家もいまだ多数あります。 

当然ながら、当時米軍はベトコンには交戦者資格は無いとみなしていました。
#right(){(118:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}

**対物狙撃銃での対人狙撃は、国際条約違反じゃない?
それは自主規制のようなもので、軍事行動において歩兵火器に総被甲のみを使用するのと同様です 
アンチ・マテリアルライフルは飽くまで対物・対装甲用に限るという、人道に(一応)配慮した制限で 
明文化されたものでは無いですね。
#right(){(336:三等自営業 ◆LiXVy0DO8s)}
1907年制定のハーグ陸戦規定によると、 
「特別の協約により禁止された措置に加えて次のものが殊に禁止される。(中略) 
不必要な傷害を与える性格をもつ武器、発射物、素材を用いること(後略)」(第23条) 
またジュネーブ条約追加第一議定書には 
「その性質上過度の傷害又は無用の苦痛を与えられる兵器、投射及び物質並びに 
戦争の方法を用いることは、禁止する」(第35条第2項) 
という一文があり、これらを根拠として人体に対して過剰な破壊力を持つ 
大口径銃を狙撃に用いることを禁止していると解釈されています。 

ただ、上記の通りこれはあくまでも解釈論であり、大口径銃の対人使用禁止を明確に 
謳ったものではありません。 
ダムダム弾のように禁止が明文化されているわけではないのです。 
使用者(米軍)が「これはあくまでも対物狙撃銃であり、緊急かつやむをえない使用である」 
と抗弁すればそこまででしょう。 

1980年に採択された特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)に関する会合の中でも、 
「小口径兵器及び弾薬への取り組み」は引き続き非公式会合を行うとされているのみです。
#right(){(121:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}
**中立国が交戦国に軍需物資を提供するのは国際法違反だそうですが、食料などはどうですか?
一般的な戦時禁制品については、1909年のロンドン宣言で規定されています。
この条約自体は未発効ですが、慣習法として認められていたことを成文化した物なので、
通常はこの規定が準用されています。
さらに、ロンドン宣言のリストにないものでも、ロンドン宣言で「自由品」と
規定されている物を除き、交戦国が自由に「禁制品」のリストに追加してもかまわないことになっています。
ただし交戦国は、このリストを広く公表しなければなりません。

なお食料は、ロンドン宣言では、軍隊や政府機関向けの場合は禁制品になります
#right(){(271:218)}
**大戦中輸送船?が連合軍から安全を保障されていたが、米軍潜水艦に撃沈させられた事件について教えてください。 
病院船の場合は、使用10日前までに、船名、総トン数、全長、Mast、煙突の数など細目を 
敵国に通告しなければなりません。 
しかも、軍事目的に使用しないこと、外部を白色に塗り、国旗と共に赤十字旗を掲げること、 
と言った細目があり、戦場の至近では行動しないことが規定されています。 
勿論、疑わしい場合は、敵国の臨検を受ける場合もあります。 

で、これら病院船が明確に攻撃されたのは、ぶえのすあいれす丸(1943.11.26)で、B-24に 
Rabaul~Palau間で爆撃を受け、70名爆死など、患者154名が戦死、行方不明、船員、衛生班 
293名のうち、4名(うち2名が看護婦)で、漂流中には銃撃を受けています。 

有名なのは、阿波丸事件で、これは、東南アジア方面の日本軍に捕らえられていた165,000名 
の連合国軍捕虜、抑留民間人に救援物資を輸送することで連合国の「安導券」を得ていました。 
これは、往路、復路とも攻撃、臨検、停戦命令を受けない、と言うもので、緑地に白い十字標識を 
戦隊の九箇所に書き、夜間はイルミネーション、航行灯を灯して航行しているものです。 

日本政府は米国政府に対し、往路、復路の寄港地、正午位置の通報を細かく行い、日程変更の 
場合も至急報で伝えています。 

ところが、米国潜水艦Queenfishが、この米国政府が絶対安全を保証していた船を駆逐艦と見誤った 
(故意に近い過失とされる)として撃沈してしまいました。 
詳しいことは、「阿波丸事件」でググると色々出てくると思います。 
#right(){(129:眠い人 ◆gQikaJHtf2)}
**国連安保理の拒否権について質問です。 
>国連憲章第27条【表決手続】で、紛争当事国は、投票を棄権しなければならない
>ということですが、常任理事国が紛争当事国であった場合、その常任理事国の投票は
>必ず棄権である=常任理事国の同意投票が得られない=否決となるのですか?
安全保障理事会の採決における棄権に関しては、憲章上明文では規定さ 
れてませんが、一般的には拒否権の行使ではないと見なされています(現 
在では、欠席に関しても同様とする)。 
(『現代国際法講義(第2版)』(有斐閣 平成7年)271頁および445頁) 
#right(){(248:805)}
**国連軍の白い装甲車やジープってのはよくテレビなどで見ますが、白い戦闘機とかってのもあるのでしょうか?
国連平和維持部隊のあの「白塗装の車両と青いヘルメット」はあくまで武力行使を
伴わない「平和維持活動」のものなので、戦闘機を動員するような本格的な
「武力行使」が行われる場合にはあの塗装は成されない。

実際にコソボには戦闘機や戦車を伴う「国際平和維持部隊」が展開した事があった
けれど、白塗装も青いヘルメットもしていない(KFORは「国連軍」とはちょっと
異なる組織だが)。
#right(){(244:144)}
1960年代のCongo動乱では、国連の要請で、SwedenのJ29が出動していますが、
塗装的には、本国で行っていたような銀塗装ではなく、迷彩塗装です。
#right(){(244:眠い人 ◆gQikaJHtf2)}
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