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潜水艦全般2 - (2011/11/20 (日) 22:25:46) のソース

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**ロシアや北極での運用を想定したシーウルフ級などは潜舵が艦首部分に他の潜水艦は大体セイルにありますが、
>艦首部分につけるメリットは氷海面での行動以外にありますか?
>極海以外での運用を考えた場合、潜舵の位置はどちらがいいのでしょうか?
ケース・バイ・ケースと言えるのではないでしょうか。
英海軍の潜水艦は一貫して潜舵を船体に取り付けていますが、海自の潜水艦は
「うずしお」級以降セイル・プレーンを採用しています。
潜舵を艦首に持ってくると、運動性が良くなります。ただし、艦首区画はソナーや
魚雷発射管がありますので舵機が艦首区画の容積を圧迫したり、潜舵が騒音の
元になってソナーの邪魔をする可能性があります。
一方セイル・プレーンはソナーから離した位置に潜舵を置けることや、船体の容積を
節約できることが利点です。ただし舵の効きは劣るでしょう。

各国それぞれ運用方法や元にした設計などの違いがあるためそのような違いが
出たのですが、どちらが正解と言うような性格の物ではないようです。
#right(){(52:454)}

**潜水艦って 潜航中に飛行機に向けてミサイルとか撃てるんですか
ロシアの潜水艦は潜望鏡深度で発射可能な対空ミサイルを搭載している
(元は歩兵携行用ミサイル)を搭載しているものもあるようだが。
潜水艦は敵機の接近に気づいたら、なるべく速やかに深く潜行して静かにしてるのが基本。
#right(){(52:915)}
潜水に魚雷発射管からハープーン撃ったりできるわけですから、SAMも技術的には
発射できます。問題は標的を補足する必要がある点で、センサーを水上に
出す必要があります。発射後ロックオンということも可能ではありますが、
ミサイルから潜水艦へのデータリンクが必要であり、アンテナを水上に出さないと
有効なデータ交換ができないでしょう。他のプラットホームから誘導してもらい
潜水艦は発射だけ、なら可能性は十分ありそうです。
#right(){(52:919)}

**潜水艦ってあんまり速度を出すと、「水音」でソナーが使えなくなるこうですが
>潜水艦よりもさらに高速なホーミング魚雷はなぜソナーで誘導していくことができるのでしょうか?
一口に「ホーミング魚雷」といっても、さまざまな誘導方法があります。
・ウエーキ・ホーミング→目標の航跡を感知し、航跡を左右に横切りながら追尾する方式
・アクティブ・ホーミング→魚雷自体が音波を出して追尾する方式
・セミアクティブ・ホーミング→潜水艦が音波を発信し、反射音波を魚雷が受信して追尾する方式
・パッシブ・ホーミング→目標の発する音を魚雷自身が探知して追尾する方式

上に挙げた方法がありますが、実際はこれに有線誘導を組み合わせて魚雷を誘導するのが
一般的です。したがって、目標の近くまで有線で誘導してやって至近距離で
魚雷本体のセンサーで探知して命中させるといった運用ができます。

パッシブ・ホーミング以外は自身の発する音は関係ないですね。またパッシブでも、
上記のように有線で確実に自分のセンサーで捕らえられる距離まで誘導が可能です。
#right(){(55:名無し軍曹)}

**潜水艦のINS(慣性航法装置)の精度ってどの程度なんですか? 
INSの精度は航行距離によって変わってきますが、数千キロ航行して 
2~3Kmといったレベルです。 

船速に関しては、別に測程儀を使用して計測します。 
一般的には、フレミングの電磁誘導の法則を応用した電磁ログを使用します。 
これは測定桿を海中に入れた時に流れる海水によって生じる誘導起電力を測定し、 
これをもとにして速力を計算して記録していきます。 

電磁ログによって求められる速度は対水速力です。したがってもちろん海流による 
誤差が生じます。 
必要が生じればドップラーソナーを使用して対地速力を求めることが可能ですが、 
基本的にはINS任せです。 
#right(){(154:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}
**水上艦の艦長やってた人が、潜水艦の艦長になったりすることはあるんですか? 
無いです。 
潜水艦で勤務するには、潜水学校を卒業後一定の実地経験を積んで 
潜水艦資格章(ドルフィンマーク)を得る必要があります。 
さらに潜水艦の艦長になるには、実務を積んだ後に各種講習を受けて 
試験にパスしなければなりません。 
そのうえ米海軍の場合では、潜水艦の士官には原子力機関に対する広範囲の 
知識の収得が要求されます。 
言うまでもなく通常の水上艦の乗員には要求されない知識です。 

一例として、米海軍の潜水艦の艦長への道のりを記します。 

・士官に任官、潜水艦を志願 
        │ 
・原子力学校(NPS)および原子炉プロトタイプ学校:一年間 
        │                          
・潜水艦士官基本コース(SOBC):三ヶ月  
        │ 潜水艦に配属されて各部署で勤務(2~3年)     
        ├→艦の一等技師長の技術試験(必須)  
・潜水艦士官上級コース(SOAC):六ヶ月 
        │各部署の長として経験を積む(3~4年) 
・副長予備コース(PXO):三ヶ月 
        │艦長資格を取得、副長経験を積む(約2年) 
・艦長予備コース(PCO):六ヶ月 

実際にはこの合間に各種学校への入校や陸上での勤務経験が重なり、 
攻撃型原潜の艦長(中佐)になるには17~8年かかることになります。 
戦略ミサイル原潜の艦長(大佐)になるにはさらに年月がかかります。 
#right(){(158:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}
**米軍の場合は最も艦齢が高い現役潜水艦はどんな艦なのでしょうか?
1968年就役の実験潜水艦「ドルフィン」AGSS-555が最長老の潜水艦です。 
深深度での機器の実験や海洋調査を目的として運用されている小型潜水艦で、 
米海軍が保有する唯一の通常動力型潜水艦です。 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3_%28AGSS-555%29
原潜では、原子力海洋調査潜水艦「NR-1」(1969年就役)がもっとも古く、 
これを除く戦闘艦では「ロサンゼルス」SSN-688(1976年就役)が最古参の原潜です。 
#right(){(160:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}
**世界で最高齢の潜水艦はどの国のどんな艦なのでしょうか?
世界で最も艦齢の高い現役潜水艦は、台湾の保有する元米海軍のガピーⅡ型 
「海獅」(艦番号791)です。 
当艦はテンチ級潜水艦SS-478”Cutlass”として1945年3月に就役し、戦後にガピーⅡ改装を 
施された後に退役しました。 
その後、台湾海軍に元SS-426"Tusk"(「海豹」艦番号792)と共に対潜訓練目標艦として 
1973年に引き渡されました。 
当時は訓練用として魚雷発射管は使用出来ないようになっていましたが、 
台湾で改修を受けて実戦に使用できるように再武装されています。 

台湾は1980年代にオランダから新造潜水艦「海龍」級を購入しましたが、 
当初4隻取得の予定が中国の圧力により2隻しか取得出来ず、やむなく「海獅」「海豹」の 
両艦の使用を継続しました。 
しかし、艦の傷みがひどく、訓練用として潜航深度を限定して使用せざるをえなくなりました。 

台湾ではもっかアメリカより潜水艦8隻の取得計画がありますが、実際にはまったく 
目処が立っておらず、本艦は老骨に鞭打ってさらに使用されるようです。 
#right(){(160:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}
**単殻式構造と複殻式構造のメリットとデメリットは?
複殻式構造のメリットは、耐圧殻と外殻の間のスペースをタンクに使えるため、 
予備浮力が多く取れることです。 
さらに旧ソ連のSSBNなどは、外殻を一種のスペースド・アーマーとして活用し、 
魚雷による被害を最小限に抑えようとしていたといわれています。 
一方複殻式構造のデメリットとして、構造が複雑になり、なおかつ艦の構造が 
大きくなってしまうことが上げられます。 

一方単殻式構造は、構造をシンプルにすることが出来、艦をコンパクトに 
まとめることが出来ます。 
しかし、フレームが耐圧殻内に露出しており、なおかつタンク類の多くを艦内に 
設けなければいけないため、内部スペースに余裕が乏しくなります。 

また、近年はフランク・アレイ・ソナーを艦の側面に取り付ける艦が増えています。 
その際は強度が高くゆがみが起きにくい耐圧殻に直接装備したほうが効率が 
良いので、海上自衛隊の潜水艦も「おやしお」型以降これまでの複殻式から 
船体中央部の耐圧殻が露出した部分複殻構造に切り替えています。
#right(){(172:名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)}
**なんでスターリング機関が注目されたのは遅かったんでしょうか? 
>AIP潜水艦の発想は古く、ドイツではワルター機関、ソ連ではクロースドサイクルディーゼルを戦前、戦中から研究していたそうですね? 
スターリング機関はポッと出の機関ではなく、1937年から発電用エンジンとして、オランダのPhilipsが 
ずっと開発してきました。 

スターリング機関はヘリウムや水素を容器中に密封し、そのガスを外からあぶったり冷やしたりして 
体積を変えてピストンを作動させます。 

このため、爆発音、排気音は低く抑えられるわけですが、反面、ガスを冷やしても直ぐに出力が低下 
するわけではないので、出力の制御にはガスを別の容器に移したり戻したりをしないといけない訳で、 
これが技術的に至難の業となり、燃費が余り良くなく、容積は通常のディーゼルエンジンよりも大きく 
なり、しかも、ラジエータの容積は、ディーゼルエンジンの2.5倍の容量が必要で、これら補機部分の 
騒音が大きく、リジェネレータとクーラーの生産コストと生産性は、現在の内燃機関より劣る。 

と言うわけで、なかなか発展しなかった訳です。 
#right(){(190:眠い人 ◆gQikaJHtf2)}
**艦船は航行中に乗組員の死者が出た場合は水葬に処したりするそうですが、潜水艦で死者が出た場合はどうするんでしょうか? 
冷凍庫に入れて冷凍保存する。 
今の潜水艦には食料品保存用の冷凍庫がありますので。 
病気の場合はお亡くなりになる前に、近くの同盟国の病院に運んで 
そこから飛行機等で本国へご帰還が普通 
作戦中で他に手段がなければご遺体は冷凍保存して 
祖国に一緒に帰りそこできちんと葬儀をするのが基本 
遺体を水葬しちゃうと検死ができないので、疑惑をもたれてしまいますし 
#right(){(705:30)}
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