「
バリカンの旧友が尋ねてきた」は「チャージマン研!」第61話(DVDでは第63話)である。
主な登場人物
あらすじ
「さて、地球の火山活動が次第に静まると、海の微生物が進化し、やがて陸の上に生活する者も現れて来ました」
授業中、生物の進化に関する大雑把な解説を聴きながら、ジュラルカラーの恐竜が映るテレビ黒板に見入る研のクラスの生徒達。
その時、「あっ、あれは?」と生徒の一人が窓の方を振り向く。研達も振り向くと、
「らん、ららら~ら~ららら~♪」と歌いながら空中遊泳をする奇妙な姿のロボットが学校の方へ向かって来た。
窓の外を眺める生徒達に向かって「ベロベロベロベロ。ベー!ベー!」とおどけるロボット。
なぎさ先生が教室に入って来た時には、既に生徒達は授業を忘れて大笑いをしている最中だった。
「あなたはどこから来たの?今は授業中なんですよ!」しかし怒るなぎさ先生に向かってロボットは更に
「ベー!ベー!」と挑発する。なぎさ先生がご立腹の中、更に笑い転げる生徒達。
その後、下校途中の研の前に再び例のロボットが現れる。
「君は泉研君だろう?」と研の名前を呼ぶロボット。聞くとロボットはバリカンの古い友達らしい。
「逢わせてあげるよ。おいで!」あっさり旧友の言葉を信頼して自宅に招き入れる研。
しかし当のバリカンは、「あたしゃ知りませんよ」と首を横に振る始末。にも関わらず、
研「良く思い出してごらんよ、バリカン」
キャロン「(旧友と逢ったのは)ずっと昔かも知れないわよ」
ママ「まあ、いいじゃないの。折角こうしてバリカンを訪ねて来てくれたんですもの。2、3日ゆっくり遊んでらっしゃいな。ね、パパ?」
パパ「う、うん…」
旧友に対してバリカン同様戸惑い気味なパパを除く歓迎ムードの泉一家は全く聞く耳を持たない状態。
「さーすが!研君のパパとママだ。話が分かる!」厚かましい態度の旧友に対して苦虫を噛み潰す思いのバリカン。
その後、旧友をいつも遊びに行っている物騒なツノが生えた遊具がある公園へ連れて来た研とキャロン。
「鬼さんこちら♪手の鳴る方へ♪」三人は公園内で昭和の子供さながらな遊びである「目隠し鬼」をして遊んでいる。
一方、同行したものの放ったらかしにされたバリカンは「全く、何てジュージューしい奴なんだ。チクショウ」とふて腐れる。
その時、草陰に隠れていた見るからに怪しいトレンチコートの二人組の男の会話が聞こえてくる。
どうやら二人組は研達の事を監視している様子である。
男A
「爆発は今夜7時だな?」
男B
「ああ。研の家族は木端微塵さ。何も知らないで」
男A
「まさかあのロボットに時限爆弾が仕掛けてあるとは夢にも思うまい」
バリカン
「エエーッ!!」
男A・B
「「聞いたなコイツ!!」」
「は、離せったらよー!離せったらよー!」いきなり二人組に拉致されたバリカンは、彼等の瞬間移動により謎の空間に連行される。
その後、バリカンをガラス張りの檻に閉じ込めた二人組は
一人につき三匹に分裂したジュラル星人の姿に戻る。
そう、バリカンが連れて来られたのは
ジュラルの円盤であり、旧友はジュラル星人の用意した爆弾だったのだ!
バリカン
「ちちちチクショウ…ここから出せよー!」
ジュラル
「ああ、出してやるとも。あと30分経ったらな!うん?」
「チッチッチッチッチ…」バリカンが見上げると、
ボルガ博士の頭の中の爆弾と同じ音がする壁の時計は既に
6時30分を指していた。
刻一刻とタイムリミットが迫る中、バリカンは
「研坊…研坊…早く、あのロボットを…研坊…」と
捕われのヒロインさながらに決死の思いで研に
テレパシーを送り込む。
一方、食卓に
肉しか盛られていない御馳走と
「KUZU」・「HiRO」という謎の飲み物を用意して旧友を取り囲む泉一家は、
ママ
「まぁ、バリカンったら何処へ行っちゃったのかしらねぇ?」
キャロン
「きっとまたスネてるのよ」
旧友
「気にしないで先に食べようよNE!」
と、この場に居ないバリカンを差し置いて宴の準備に取り掛かろうとしていた。その時、
研
「もう少し待とうよ。ねぇパパ、いいでしょ?」
パパ
「うん…」
旧友
「ぐぅぅ~…」
何時になくバリカンを気遣う研に対し、何故か悔しそうな唸り声を上げる旧友。その時、研が急に頭を抱える。
「何だか…頭が…」家族が心配する中、研の脳裏にバリカンの
キチテレパシーが受信され続ける。
そして時計が7時に差し掛かろうとした時、研は険しい表情で旧友を睨みつけた。
「あっ…ああ…!」全てを察し怯える旧友。
悪あがきをする旧友を脇に抱えながら、研は片手で海に向かって
スカイロッドを操縦する。
旧友
「くそーっ!一体どうしようってんだ!オレはバリカンの友達だぞ!」
研
「嘘を付け!お前はジュラル星人の仲間DA!!」
潔く断定した後、得意技である
ボルガ式解決法海上投棄により、間一髪で旧友を処分する研。
一方、
頭のプロペラで空を飛べるにも拘らず海中に向かって頭上から真っ逆さまに落下した
可哀想な旧友は、
予告通りの7時に火柱を挙げて爆発し、海の藻屑と化する。
「来たなジュラル星人。よーし、行くぞ!!」旧友の最期を見届けた後、空中に浮かぶジュラルの円盤目掛けて突進する研。
円盤からの光線を率なくかわし、スカイロッドから勢い良く飛び出した研は、円盤に飛び乗って
アルファガンで窓を破壊する。
「お!チャ、アーーー」円盤に侵入後、
チャージマン研と言い切らない内に速攻でジュラル星人を抹殺する研。
そしてバリカンが捕われている場所に
難なく辿り着いた研は、檻のガラスをアルファガンで溶かし、
難なく救出に成功する。
「バリカン…!」「研坊…!」安堵する研に
捕われのヒロインさながらにすがりつくバリカン。
この直後に
「にゃぁ~!」と不意打ち攻撃を仕掛けてくるも、間髪入れずに研に倒されてしまう生き残りのジュラル星人。
円盤内のジュラル星人全滅後、いつの間にか置き去りにされていたスカイロッドに戻り帰路に就く途中の研とバリカンは、
遠方で主を失った円盤が爆発するのを見て「やったぁ!」と喜び合うのであった。
概要
チャー研にしては珍しく
尺余りが殆どなく、ストーリー展開・セリフも含めて全体的にテンポの良い回である。
冒頭の旧友登場シーンに少々時間を取られ過ぎた感があるが
君達の中にもジュラル星人達の公園内での
コント会話や断末魔に腹筋崩壊した人もいるだろう?
そして
残念な事になぎさ先生が登場する最後の回でもある。ちなみに冒頭の生物の進化の解説は明らかになぎさ先生の声なのだが、
なぎさ先生自身は後から教室に入ってきている。これはあらかじめ録音しておいた物をクラスで流していたのか、
第6話の時のように複数のクラスに対応する為に別室で説明していたからなのか。
更に
絵コンテでは解説の声の主はなぎさ先生とは明記されておらず、(同じ声優が演じた)別人である事が示唆されている。
仮にそうだとしたら、声優不足とはいえもう少し何とかならなかったのだろうか?
また、何故パパは旧友を前にして煮え切らない対応を取ったのか?何故研がロボットであるバリカンの
テレパシーを受信できたのか?
何故空を飛べる筈の旧友が海へ真っ逆さまに落ちたのか?等、話のテンポが良い反面、謎の残る部分も目立つ。
専門的な事はともかく、5分強という決して長くない尺の中に色々と詰め込み過ぎている回でもある事が分かるだろう?
サブタイトルについて
この話のサブタイトルの中の「尋ねて」について、二通りの捉え方がある。
- 前述の通り研の学校や自宅に来ているのだから、「尋ねて」は間違いで、「訪ねて」の方が正しい。
- 研に道端で「君は泉研君だろう?」「君ん所にバリカンってロボットがいるだろう」と聞いているので、「尋ねて」で間違いない。
影響を与えた主な作品リスト
超人機メタルダー
かりあげクン
~
最終更新:2017年07月18日 23:41