魔殿の姫君世界を服従させるの巻(2)
ギボンさんの精神魔法講座1
よう、のろまな諸君。俺の名はギボン・ゴエティア。ん？何者かって？
おいおいエススの人間に素性を聞くなんて、お前の脳味噌はクリームで出来てんのか？
それとも何で出来てるか確認してほしいってことか？ いや、まあいい。それどころじゃないしな。
エススはただでさえ国教にしなくてもメリットが多いのに、俺の真髄は1回きりだ。
だから俺を「なりすまし」要員の捨て駒だとでも思ってんじゃないか？
でもな、俺は、
最も素早くLv3魔法を使える秘術ユニット
でもあるんだ。そいつを今から見せてやるよ。
さて、今回は精神3の服従って魔法を使うわけだが、そもそもどういう魔法かわかるか？
使うと近くの敵が仲間になる。まあそれだけの魔法だ。
弱点が色々あってな、まず近くに敵が複数いたらどれを引き抜くか選べない。引き抜いた敵はそのターンは移動も詠唱もできない。友好国の国籍秘匿ユニットは引き抜けない。無生物には効かない。魔法無効にも効かない。
なにより、
失敗したら精神3の昇進自体が消える
。大魔道まで育てた奴の貴重な昇進が失敗する度に消えてくわけだ。
こんな不便な魔法だが、唯一この国でなら使いこなせる。しかもどうしようもなく効果的に、だ。
今まで都市で何を作成してるか全く触れなかった事に気付いてるか？
あと魔殿の隣にあったゴブリン砦を無視してたことも。
都市では兵士を作らずに懇々と内政用の建築物を作ってた。錬兵の必要は無いからな。
ちょうどいい、コイツらで実演してみせよう。
何が起きたかわかるか？ 失敗して精神3の昇進が消えたのさ。操り人形のな。
もちろん俺自身の昇進はそのままだ。次に呼び出した操り人形はまた服従が使える。
この意味がわかるな？ よし、なら終わりだ。ヘッドハントに出かけようじゃないか。
北国からの亡命者
バルセラフの強烈な文化押しによって、自国領域は敵都市に隣接している。
ノクスのおかげで自国領域にいる限り攻撃されないので、安心して引き抜きに精が出せる。
その間、とりあえず大魔道→リッチ候補の4人の術使いを作成しておく。
キーリン「くすくす。誰もいなくなっちゃったわ。
ｽﾞｽﾞｰﾝ、ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ
パピー「今度は敵のスタックがやってきましたね。
斧兵だけ全員引き抜きました。
そんな事をしてる間に肉体のマナを展開。
ギボン「テッサの軍も来たが、こりゃ経験値に変えて大丈夫だろう。
キーリン「えー、そうなの？ 私エルフの奴隷の見世物小屋が見たいわ。
と言うわけで奴隷制に変更したものの、奴隷は捕まらず。
その間もギボンさんは北でスカウトを続けています。
ギボン「イリアンの固有ユニット、冬の司祭もいただいたぜ。
キーリン「いらっしゃい！ ねえあなたバナナは食べる？
ギボン「もう1人いただ………ん？あれ？お前の名前、どっかで…
アナガン「私は冬の神キーリン様に仕える者です。私は冬の神キーリン様に仕える者です。私は…
ギボン「…まあ、いいか。
魔殿の精肉処理場
キーリン「ところで私のお人形になってくれた人たち、その後はなにをしてるの？
パピー「お嬢様、ご心配召されませぬよう。彼らはお嬢様のために一致団結して魔殿の警護にあたっています。
パピー「そう、文字通り…
パピー「心身ともに一致団結しています。
キーリン「よかった！ケンカしてたらお仕置き穴を使わなきゃいけないところだったわ。
パピー「維持費もかかりませんし、お仕置き穴の出番はなさそうですね。
キーリン「ところで、このゴーレムの右下の昇進はなあに？
ギボン「そいつは幻影ですよ。俺の召喚したものは防御時以外は敵にトドメを刺しません。
キーリン「どうして？
ギボン「トドメを刺さないだけで瀕死に出来ますからね。敵が領内を1人でうろついてたらコイツが出てけば…
ギボン「弱い術使いでも敵を倒して成長できるってわけです。
キーリン「素敵！
ギボン「俺も早く後進に道を譲って隠居したいですからね。
キーリン「でも、ゴーレムより強い敵が出てきたらどうするの？
ギボン「ああ、そのためにちょいと兵士をお借りしてますよ。
ギボン「奇形人間は個体ごとに違う昇進を持って生まれますから、良い昇進を持った奴を移植させればゴーレムはどんどん強くなります。服従ともバルセラフと相性が良いってわけです。
キーリン「でも可愛いのが出来たらくっつけちゃだめよ。見世物小屋にして私に見せてね？
ギボン「軽量級で重量級な奴なんかでいいですかね？
ちなみに、肉のゴーレムを作った後に操り人形を出して、次のターンにまた肉のゴーレムを作る事で、ギボン1人で2体のゴーレムを持つ事が出来ます。
更に次のターンで操り人形を出すと操り人形が3体目の肉のゴーレムを作る事も出来ますが、『人形』の昇進によって能力が下がります。
今回は首都防御と領内警護の2体で充分だったので、2体だけ作成。
ノクスがなければ護衛用に3体目を作っても良いかもしれない。
パピー「戦争をしていれば、それだけ強いゴーレムと大魔道に近づくという事ですね。
ギボン「そういうこった。向こうさんが諦めるまでこの戦争を続けて…ん？ 何か南の方が…
パピー＆ギボン「！！！！
スコアNo1とNo2との戦争が長引く中、とうとう目的の一つであるハイボレムが現れた。
敵は全て無生物で、服従戦法の天敵とも言える存在。
果たしてキーリンは今度こそ彼をペットにする事が出来るのか？（できません）
戦争になった経緯にすら触れられないサンダルフォンの命運は？（もうすぐ尽きます）
次回、とうとう魔殿が動き出す！
その3に続く
