「ウ……ウソやろ。こ……こんなことが。こ……こんなことが許されていいのか。」
バトル・ロワイアルの会場で驚きの声を上げる関西弁のツインテールの美少女。
宮美二鳥は自分が巻き込まれた蛮行に声を震わせていた。
もちろんニ鳥の今までの人生で、目の前で子供が爆殺されるような光景を見たことなどない。
図太いようで繊細な面もある彼女は何分か何も考えられずにいたが、タフという言葉はニ鳥のためにある。持ち前のへこたれない心で気を取り戻すとランドセルを調べた。
宮美二鳥は自分が巻き込まれた蛮行に声を震わせていた。
もちろんニ鳥の今までの人生で、目の前で子供が爆殺されるような光景を見たことなどない。
図太いようで繊細な面もある彼女は何分か何も考えられずにいたが、タフという言葉はニ鳥のためにある。持ち前のへこたれない心で気を取り戻すとランドセルを調べた。
「と、とりあえずランドセル見よ。なんか使えるもんとか入っといてな。」
「えーっと、双眼鏡と、ブーメランと、ブーメラン?」
「えーっと、双眼鏡と、ブーメランと、ブーメラン?」
ニ鳥は、双眼鏡@バトル・ロワイアル(映画版)を手に入れた!
ニ鳥は、ブーメラン@バトル・ロワイアル(漫画版)を手に入れた!
ニ鳥は、双眼鏡@バトル・ロワイアル(原作版)を手に入れた!
ニ鳥は、ブーメラン@バトル・ロワイアル(漫画版)を手に入れた!
ニ鳥は、双眼鏡@バトル・ロワイアル(原作版)を手に入れた!
「ちょっと待ってこんな武器ええん!?」
思わず関西のノリでツッコんでしまうが、目の前の状況は変わらない。これで殺し合えということだろう。その事実に目の前が真っ暗になる。
双眼鏡は、まだいい。武器ではないが、人を探したいニ鳥にはありがたいアイテムだ。
ニ鳥は四つ子だ。産まれてすぐに施設に預けられそれぞれ里子になったりと離れ離れになっていたが、中学生になるのを機に国の事業で一軒家で四人で暮らすことになった。つまりあと三人同じように拉致されている可能性がある。一刻も早く見つけ出したい。
が、現実は非情である。武器になりそうなものはブーメランのみ。他にはとランドセルを漁ったが武器っぽいものは無かった。これでどう戦えというのだ。2つあるからってなんなのだ。
双眼鏡は、まだいい。武器ではないが、人を探したいニ鳥にはありがたいアイテムだ。
ニ鳥は四つ子だ。産まれてすぐに施設に預けられそれぞれ里子になったりと離れ離れになっていたが、中学生になるのを機に国の事業で一軒家で四人で暮らすことになった。つまりあと三人同じように拉致されている可能性がある。一刻も早く見つけ出したい。
が、現実は非情である。武器になりそうなものはブーメランのみ。他にはとランドセルを漁ったが武器っぽいものは無かった。これでどう戦えというのだ。2つあるからってなんなのだ。
「なんでブーメランなんや? ウ、ウチ、なんか悪いことしたかな……?」
「アカンどないしよ! すっごい怖わなってきたわ。まあでも誰だって殺し合いたいわけないもんな。とりあえず、誰かと会いたいな。みんなも巻き込まれてるかもしれんし。おっしゃ探そ!」
「アカンどないしよ! すっごい怖わなってきたわ。まあでも誰だって殺し合いたいわけないもんな。とりあえず、誰かと会いたいな。みんなも巻き込まれてるかもしれんし。おっしゃ探そ!」
真夏は努めて元気に言うとダブルブーメランスタイルで立ち上がった。
へこたれへん、関西女の心意気で駆け出す。
が、その足はすぐに止まった。街角から現れたのは、年下らしき少女。そしてその手には銃。そして、少女の視線と銃口はニ鳥へと向いていた。
へこたれへん、関西女の心意気で駆け出す。
が、その足はすぐに止まった。街角から現れたのは、年下らしき少女。そしてその手には銃。そして、少女の視線と銃口はニ鳥へと向いていた。
「あ、あの、こ、こんちは……」
「……」
「……」
これは死んだ。
言葉が出ない。
なんとか絞り出した音声に少女が答えることはなく、変わらず銃口と視線が突き刺さる。
言葉が出ない。
なんとか絞り出した音声に少女が答えることはなく、変わらず銃口と視線が突き刺さる。
そして10秒経った。
そして20秒経った。
そして30秒経った。
そして40秒経った。
そして50秒経った。
そして20秒経った。
そして30秒経った。
そして40秒経った。
そして50秒経った。
(ど、どうしたんや……なんで固まっとんねん。うちも固まってるけど……)
ニ鳥と少女の間で見つめ合いが続く。
少女の考えが読めずにいるニ鳥だったが、恐る恐る顔を見て気づいた。
血の気のない、青い顔だった。
唇は紫になって、かすかに震えている。
それを見てようやく思い出した。「誰だって殺し合いたいわけない」という自分の言葉を。
ニ鳥はゆっくりと手に持ったブーメランを置いて話しかけた。
少女の考えが読めずにいるニ鳥だったが、恐る恐る顔を見て気づいた。
血の気のない、青い顔だった。
唇は紫になって、かすかに震えている。
それを見てようやく思い出した。「誰だって殺し合いたいわけない」という自分の言葉を。
ニ鳥はゆっくりと手に持ったブーメランを置いて話しかけた。
「うち、宮美二鳥っていうねん。あったりまえやけど、あんなヤツの言うことなんか聞く気ない。アンタもそうやろ?」
問いかける声に、少女の目がかすかに揺れる。
そして一瞬目を伏せて。
そして一瞬目を伏せて。
「……」
「……なんでや、なんで、そっちを選ぶねん!」
「……しかたがないから。」
「……なんでや、なんで、そっちを選ぶねん!」
「……しかたがないから。」
少女は銃口をニ鳥の心臓へと向け直した。
「だってさ、しかたがないじゃん。わたしたち、殺し合うしかないんでしょ。」
「それは……! け、警察とかがなんとか……」
「無理だって。そうでしょ?」
「それは……! け、警察とかがなんとか……」
「無理だって。そうでしょ?」
何も言い返せない。
ニ鳥だってわかっている。こんなことができる相手に警察ができることなんてない。
いや、もっと簡単なことだ。
宮美二鳥の人生において、警察が辛いことをなんとかしてくれたことがあったか?
ニ鳥だってわかっている。こんなことができる相手に警察ができることなんてない。
いや、もっと簡単なことだ。
宮美二鳥の人生において、警察が辛いことをなんとかしてくれたことがあったか?
「でも、でも、これって犯罪やし。せやから、その……」
「……なら、わたしは悪くないよね。」
「……なら、わたしは悪くないよね。」
ニ鳥に少女を止める言葉は無い。
他ならぬニ鳥だってわかっている。
もし自分の姉妹が殺されそうになったら、ニ鳥はその殺そうとしている誰かを殺す。
自分が殺されそうになっても、誰かを殺す。
そして殺し合えと言われているなら、殺させるかもしれないから、誰かを殺す。
でも。
他ならぬニ鳥だってわかっている。
もし自分の姉妹が殺されそうになったら、ニ鳥はその殺そうとしている誰かを殺す。
自分が殺されそうになっても、誰かを殺す。
そして殺し合えと言われているなら、殺させるかもしれないから、誰かを殺す。
でも。
「でも……それって、めっちゃ辛いやん。」
「……」
「……」
ニ鳥の言葉に、少女の顔が今までになく歪んだ。
「辛いことでも、やらなくちゃいけないことがあるよ。」
「それは、そうや。でも、アンタそれに耐えられるんかっ! ウチは、ウチは無理や!」
「わたしは……あなたとは違う。」
「それは、そうや。でも、アンタそれに耐えられるんかっ! ウチは、ウチは無理や!」
「わたしは……あなたとは違う。」
銃口が一際大きく震える。荒い息の音が二鳥にも聞こえるほど、激しく呼吸しながら言う。
「わたしは、ガマンできるから。」
「できてへんやんけっ! めちゃくちゃ息荒いやん!」
「うるさいうるさいうるさいっ!!」
「できてへんやんけっ! めちゃくちゃ息荒いやん!」
「うるさいうるさいうるさいっ!!」
ズカズカと歩み寄る。
二鳥の額に背伸びして銃口を突きつけると、グリグリと押して跪かせようとする。
二鳥の額に背伸びして銃口を突きつけると、グリグリと押して跪かせようとする。
「ここでは、これが普通なんだよ。だからっ。」
「普通ってなんやねんボケェ! は~……あほくさ! やめたらこんなこと、ほんまアホらしい……」
「だって、しかたないから……」
「それしか言えんのかこのサルゥ!」
「普通ってなんやねんボケェ! は~……あほくさ! やめたらこんなこと、ほんまアホらしい……」
「だって、しかたないから……」
「それしか言えんのかこのサルゥ!」
だが、ニ鳥は跪かない。
額に銃口が突き刺さるのも上等、押し返すと銃ごと少女の手を少女の胸まで押し返し、さらに頭突きするかのようになおも押していく。
額に銃口が突き刺さるのも上等、押し返すと銃ごと少女の手を少女の胸まで押し返し、さらに頭突きするかのようになおも押していく。
「ガマンできるからって泣きながら嫌なことするってそんなん悲しすぎるやろがっ! アンタ見てるとなぁ! 昔の嫌な自分思い出すねん! 死ねっ! いや死ぬなっ!」
「どっちだよ……」
「なに素に戻ってツッコんどんねん!」
「どっちだよ……」
「なに素に戻ってツッコんどんねん!」
困惑の表情になる少女に向かってなおもニ鳥は無茶苦茶なことを言っていく。
それは少女の目から流れ続けていた泪が止まるまで続いた。
それは少女の目から流れ続けていた泪が止まるまで続いた。
ニ鳥は、自分が普通の家庭に育っていると思っていた。
たとえ血の繋がりがないと聞かされたところで、それでも自分は普通に両親から愛されていると思った。
たとえ里親に実子が産まれても、たとえ里親の親族が実子だけを可愛がっても、たとえ里親から邪険に扱われようとも。それが里子だから少しは仕方がないと、普通だと思っていた。
普通でいたかった。普通の幸せな女の子でいたかった。親から愛されている、普通の子供でいたかった。
たとえ血の繋がりがないと聞かされたところで、それでも自分は普通に両親から愛されていると思った。
たとえ里親に実子が産まれても、たとえ里親の親族が実子だけを可愛がっても、たとえ里親から邪険に扱われようとも。それが里子だから少しは仕方がないと、普通だと思っていた。
普通でいたかった。普通の幸せな女の子でいたかった。親から愛されている、普通の子供でいたかった。
少女は、日奈は自分が普通の家庭に育っていると思っていた。
たとえ母親から殴られても、それは自分が悪い子だからだと思っていた。
たとえ父親が連れてきたオジサンにエッチなことをさせられても、それが子供の役目だと思っていた。
たとえ自分が虐待されても、たとえ自分が強姦されても、たとえそれが異常だとわかっていても、普通だと信じたかった。
普通でいたかった。普通の幸せな女の子でいたかった。親から愛されている、普通の子供でいたかった。
たとえ母親から殴られても、それは自分が悪い子だからだと思っていた。
たとえ父親が連れてきたオジサンにエッチなことをさせられても、それが子供の役目だと思っていた。
たとえ自分が虐待されても、たとえ自分が強姦されても、たとえそれが異常だとわかっていても、普通だと信じたかった。
普通でいたかった。普通の幸せな女の子でいたかった。親から愛されている、普通の子供でいたかった。
でもだめだった。
ニ鳥が本当は愛されていると思いたかった里親は、既にニ鳥への愛情を失っていて。
日奈が本当は愛されていると思いたかった実親は、彼女を異常性愛者へと売った。
理解せざるを得ない。認めたくない現実を。とっくの昔から普通じゃなかったという、異常者の自覚を。
ニ鳥が本当は愛されていると思いたかった里親は、既にニ鳥への愛情を失っていて。
日奈が本当は愛されていると思いたかった実親は、彼女を異常性愛者へと売った。
理解せざるを得ない。認めたくない現実を。とっくの昔から普通じゃなかったという、異常者の自覚を。
ニ鳥には、それを共に受け止められる姉妹がいた。
日奈には、それを共に受け止められる飼い主がいた。
日奈には、それを共に受け止められる飼い主がいた。
2人の違いは、それだけ。
「なあ日奈。ウチら、これからどないしたらええんやろ。」
ポツリと木に寄りかかって足を地面に投げ出してニ鳥は言った。
「ニ鳥が言ったんでしょ。殺し合いなんかやめようって。」
その横で同じように木に寄りかかって足を地面に投げ出して日奈は言った。
「せやけど、日奈。ぶっちゃけウチやって殺し合いに乗る勇気あるなら乗っとるわ。殺し合わなアカンくて、勝ったらなんでも願いが叶うんやろ? まあ、やりたいって思う気持ちもわからんくもないわ。」
「でも、やらないんでしょ?」
「そらそうよ。うちの姉妹も巻き込まれてるかもしれへんし、あの子ら殺そう思うたら涙ダラダラ鼻水ベッショベッショや。日奈もそうやろ?」
「わたしは、ガーくんはオジサンだからここにはいなそうだし。」
「でも乗らんのやろ?」
「……ていうか、オジサンが婚約者ってとこにはツッコまないんだ。」
「露骨に話変えたな。まあ、うーん、それぞれ家庭の事情あるやろ。普通やないと思うけど、それをウチが言えるアレちゃうっていうか、あー! 普通ってなんやねん! 普通がそんな偉いんか! だったらみんな偏差値50になれ!」
「また無茶苦茶言ってるよ。」
「でも、やらないんでしょ?」
「そらそうよ。うちの姉妹も巻き込まれてるかもしれへんし、あの子ら殺そう思うたら涙ダラダラ鼻水ベッショベッショや。日奈もそうやろ?」
「わたしは、ガーくんはオジサンだからここにはいなそうだし。」
「でも乗らんのやろ?」
「……ていうか、オジサンが婚約者ってとこにはツッコまないんだ。」
「露骨に話変えたな。まあ、うーん、それぞれ家庭の事情あるやろ。普通やないと思うけど、それをウチが言えるアレちゃうっていうか、あー! 普通ってなんやねん! 普通がそんな偉いんか! だったらみんな偏差値50になれ!」
「また無茶苦茶言ってるよ。」
日奈は立ち上がるとスカートを払った。うーんと伸びをする。そのまま手を高く伸ばしてみた。
普通になりたかった。自分がそこの住人でないとわかったあとも、手の届かないものであるとわかったあとも、憧れが強くなった。
今の日奈は普通とは程遠い。子供同士で殺し合えと言われるなんて、大人とセックスしろというよりも普通じゃない。
だから、まあ、少しはマシな普通であるために、そんな犯される場所に戻るために、普通に殺し合いに乗らないし、普通に誰かと話してみることにした。
それはここでは異常なのかもしれないが、もともと異常なのだ、異常に普通を目指したっていいだろう。
今の日奈は普通とは程遠い。子供同士で殺し合えと言われるなんて、大人とセックスしろというよりも普通じゃない。
だから、まあ、少しはマシな普通であるために、そんな犯される場所に戻るために、普通に殺し合いに乗らないし、普通に誰かと話してみることにした。
それはここでは異常なのかもしれないが、もともと異常なのだ、異常に普通を目指したっていいだろう。
そういえばこんなふうに大人以外と話すの久々だな、日奈はそう思うと振り返ってニ鳥へと手を差し伸べた。
「ほら、行こう。」
【宮美二鳥@四つ子ぐらし】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、中川典子の支給品セット@オリジナル
[思考・状況]
基本方針:いきなりそんなもん立てれるかぁ!
1:うちら(他の四つ子)が巻き込まれてないか探すか~。
※中川典子の支給品セットがランダム支給品の全てだと思っています。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、中川典子の支給品セット@オリジナル
[思考・状況]
基本方針:いきなりそんなもん立てれるかぁ!
1:うちら(他の四つ子)が巻き込まれてないか探すか~。
※中川典子の支給品セットがランダム支給品の全てだと思っています。
【日奈@もったいない!!!虐め殺すんならオレにくれよ!!!!!!!!!】
[状態]:健康
[装備]:拳銃@現実?
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:方針? ないよ。
1:ニ鳥と一緒に普通っぽいことをする。
[状態]:健康
[装備]:拳銃@現実?
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:方針? ないよ。
1:ニ鳥と一緒に普通っぽいことをする。
【中川典子の支給品セット@オリジナル】
バトル・ロワイアルの各媒体で中川典子の支給品になっている物の詰め合わせ。
中身はブーメラン2つに双眼鏡で、これ3つで1枠。
バトル・ロワイアルの各媒体で中川典子の支給品になっている物の詰め合わせ。
中身はブーメラン2つに双眼鏡で、これ3つで1枠。