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初めての食事風景

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「14人……14人も…」

 コナンは、俄かには信じられない事実に打ちのめされていた。
 危惧していた、少年探偵団の面々の名こそ呼ばれなかったものの、たった一時間で14人が死んだという事実は、大きく、重く、コナンに伸し掛かる。

 一時間で14人ともなると、相当数の者が殺し合いに乗った。若しくは一度に大勢を殺戮する手段を持つ者が複数居る。この何方かである。
 そしてコナンは、乃亜の言葉から、後者であると推測した。

 ──── 特に、割戦隊の五人が大きかったけど、悪くないペースで殺し合っていてくれるね。
 それにしても、仮にも殺しのプロが五人も居て纏めて殺されるなんて、些か肩透かしだなぁ……。
 フフ……所詮、社会のレールにも乗れなかった、負け犬共の傷の舐め合いだったということかな。

 “仮にも殺しのプロが五人も居て纏めて殺されるなんて”

 子供ばかりを集めておいて、殺しのプロも何も有ったものでは無いと、普通ならば思うだろうが、生憎とコナン自身が、変なクスリで子供の姿になった高校生である。
 年齢詐称の、見た目は子供な連中が跋扈していてもおかしくは無い。
 それに、この世には子供兵士チャイルドソルジャー)という存在が在る。別段に子供ばかりを集めたとしても、その中に暴力や殺人に長じた、果ては慣れ親しんだ者が居ても、何らおかしくは無い。
 問題なのは、その殺しに長じた者が5人も纏めて殺されている事だ。
 五人が誰かに襲われて殺されたのか、誰かを襲って返り討ちにあったかは不明だが、それだけの戦力を持った者が、此の地を徘徊している事は明らかだった。

 (キック力増強シューズをオレに持たせた訳だ)

 急に頼りなく感じられ出したシューズを見下ろし、コナンは短く息を吐く。
 このシューズさえ有れば、少なくとも殺し合いに乗った者に襲われても、最悪でも身を護るくらいは出来ると思っていたが、考えを改めるべきだろう。

 (それにしても、どうやって死亡者数を確認している?)

 コナンは声に出さずに思考する。迂闊に声に出して、乃亜に盗聴されては意味が無いからだ。重要な事柄は、声に出さずに思考するべきだった。

 矢張り首輪か?首輪で生体反応をチェックしているのだろうか。
 超小型高性能ドローン等も考えられるが、可能性としては首輪の機能というのが一番妥当だろう。首輪の検証をしない限りは何とも言えないが。そして首輪の検証をする為には首輪を入手する事と、専門知識を持った者が必須だが。
 そしてコナンに、首輪のサンプルを獲得する手段は無いに等しい。
 首輪のサンプルを獲得する為には、誰かを殺した上で頭部を切り離すか、頸部が千切れるのを当然とした上で、無理矢理首輪をもぎ取るかしなければならないのだから。

 「そんな事が出来るかよ…バーロー」

 そしてその様な行為は、江戸川コナンの探偵としての在り方に反する。

  兎に角。今は、仲間を集める事だ。情報を得る事、首輪を外す事、乃亜を捕まえる事も大切だが、最も重要なのは集団の形成による数の威圧だ。
 多人数で行動することにより、殺し合いに乗った者達が無闇と手を出せないようにするのだ。

 「まるで回遊魚みたいだけどな」

 集団で泳ぐ事で襲われる事を避ける小魚を連想して、コナンは顔を顰めた。

 ────クジラに襲われれば群ごと一呑みだけどな。

 頭を振って、嫌過ぎるイメージを振り払うと、コナンは改めてタブレットを操作して、島全体の地理と、現在位置と、付近の施設を確認する。

「一番近いのは図書館…次が衛宮邸と教会… …」
 近隣に複数の施設が有るが、何処を目指すべきかというと、いまいち判然としない。
 手っ取り早く誰かと会うのならば、怪我をした者が目指しそうな病院。それに何らかの手掛かりが有りそうな海馬コーポレーションだろうか。
 病院ならば、怪我をした者や、誰かを助けようとする者が集まって来るだろう。
 海馬コーポレーションならば、海馬乃亜に関する情報を求める者達。海馬乃亜に反旗を翻す事を決意した『対主催』が集まって来ることだろう。
 反面。集まってくる者達を狙ってやって来る『マーダー』もいると考えられる。
 この場合。多人数を纏めて殺しにやって来るのだから、割戦隊の五人を纏めて仕留めた様な連中の様に、上位に入る実力なり殺戮手段なりを持つ者がやって来ることだろう。
 そんな連中に襲われた時のことを考えて、コナンは気が滅入った。
 尤も、今いる場所から目指すには、山を越えるなり迂回するなりしなければならない。当然、出遅れる。現時点で病院や海馬コーポレーションの近くにいる者との邂逅は、望めないだろう。
 最悪、集まった者達が、強力なマーダーに殺され尽くした後、という事も考えられる。そうなったら只の徒労だ。この二つは後回しにして、人のいそうな場所を目指すべきだろう。

 「となると魔法魔術学校か」

 魔法だの魔術だのといったオカルトに関わる手がかりを求めて、やって来る者がいるかも知れない。先ずは、此処を目指すべきだろう。

 「回り道になるが、衛宮邸と桜田ジュンの家、ついでに映画館に寄っておくか」

 明確に個人と関係が有る施設である、きっと此処に集められた者達の中に、関わる者が居るのだろう。
 名簿が解禁された時に、『衛宮』、『桜田』の名があるかどうかを確認しておくべきだろう。
 もしも、この名の持ち主が殺し合いに乗っているならば、衛宮邸と桜田ジュンの家での探索が、役に立つかも知れないのだから。
 映画館は完全についでだ。態々こんな時に映画館なんぞに立ち入るとは思えないが、集められたのは子供ばかりである。コナンには思いもよらない理由で、映画館を目指すかも知れなかった。

 「というかI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)ってなんだよ……」

 どういうセンスの持ち主なんだ。海馬乃亜は。あの歳でこんなふざけた真似をするわ、I・R・T(アイドル・レイプ・タワーなんてトチ狂ったセンスの施設を用意するわ。
 いや、実は何か意味が有って、I・R・T(アイドル・レイプ・タワー)なる怪施設を配している可能性も有る。
 おそらくは関係者が此処に居るであろう、衛宮邸と桜田ジュンの家の様に。
 という事はつまり…。

 「マジか……」

 小中学生のアイドルなんて、数こそ少ないが、珍しいものでは無い。コナンは自身の想像に吐きそうになった。

 「何が有ったら、あの歳でこうまで歪むんだ…」

 海馬瀬人を知る者ならば、「まぁ海馬だし」で済ませるのだろうが、生憎とコナンは海馬の家の者達とは今日が初対面である。必然として思考は錯綜する。

 「っと、こんなこと考えてる場合じゃねぇ」

 コナンは先刻確認した支給品を取り出した。
 どうにも気に入らない名前と効能のアイテムだが、この場所に放り出されて、歩き回る事一時間。誰とも接触できず、無為に一時間を過ごし、その間に14人も死んだとあっては、好き嫌いを云々していられない。
 効果の程を試していないのが気になるが、これは仕方がない。説明書通りならば、使い所を冷静に見極めなければならなかった。
 その使い途が有るとすれば、それは“現在”だろう。
 説明書を読んだ限りでは、気に入らない名前と効能のアイテムだが、此処では有用だ。

 「オレにこんなモン渡すとは、つくづくコケにしてねーか?」

 コナンが取り出したのは、『真実の鏡』。遠く離れた場所のみならず、過去ですら映し出すという魔法の品だ。

 「こんなもん在ったら、探偵なんて不要だっつーの」

 いかなる難事件もコレさえ在れば念じるだけで、全ては白日の元に晒される。
 探偵としての矜持を虚仮にされている様で、コナンは不快だった。

 「これ迄の人生を全否定されてる様でムカつくんだが」

 それでも、数多の難事件を解き明かしてきた知性が、この道具の有用性を理解させる。
 過去を映すことは制限によって出来ず、映し出せるのは現在居るエリア内のみ。使用できる時間はたったの三分。そして一度使えば一時間の使用不能期間がある。
 早々に14人もが死んでしまったこの事態。近場に生きている人間が居るならば、そして危険人物で無いのならば、 この道具を使って居場所を探り当て、さっさと出逢うべきだろう。
 衛宮邸に行くとしても、この鏡で得た結果次第では、後回しになる。

 そしてコナンは鏡を用いて、今現在いるエリアを具に見ていき、そして一つの人影を見つけ出した。



 アーカードとの死闘を切り上げ、空を飛んで移動した魔神王は、岩山を越えたところで地へと降り立った。
 魔神王の知識の内にある吸血鬼や、高位の魔術師が転生した不死王(ノーライフキング)とは、まるで異なる吸血鬼。
 アレもまた、自分達の世界である魔界とは異なる物質界の住人なのだろうか。
 あの様な存在が他にもいた場合、戦闘で消耗した魔力を回復させなければ、同様の存在と戦うことになった時に面倒だ。
 それに、武器も欲しい。この剣は強力だが、それだけだ。化け物に対して有効とは言え、それであの吸血鬼をどうにかできるものでも無い。それは、至高神の権能で鍛えられた聖剣を以ってしても、傷の治りが鈍くなるだけでしかなかったこの身が証明している。
 この巨剣は魔神王自身にも有用だが、致命打を与えるには至らない。
 魔神王を滅ぼす為の剣である、魂砕き(ソウルクラッシュ)の様な、あの手の存在を滅ぼす為に造られた武器が欲しかった。
 此処で思い出されるのは海馬乃亜の言葉だ。

 【そうそう、殺し合いと言っても、ゲームは公平に行わなければならないからね。キミたちにはランダムにアイテムを支給するよ。
 圧倒的強者にはハンデも与えよう。ただ、殺すだけじゃなく戦略も必要になるわけさ】

 魔神以外にも巨人や竜を使役していた古代魔法王国(カストゥール)の者達は、使役していた存在が、制御できなくなった時の為に、必ずその対抗策を用意していた。
 魔神王にもその対抗手段は存在し、それが『魔神王の剣』と後の世の伝承(サーガ)に語られる魂砕き(ソウルクラッシュ)である。
 魔神王に対する魂砕き(ソウルクラッシュ)同様に、あの吸血鬼にもまた、何らかの対抗策が有り、そしてその対抗策はこの地に集められた者達の誰かに渡されているのだろう。
 それを入手する事が、あの吸血鬼を滅ぼす確実な方途だろう。
 並行して、魂砕き(ソウルクラッシュ)も探す必要が有った。あの剣さえ手中に収めていれば、魔神王は不滅と呼んでも過言では無いのだから。
 そんな思考を巡らせながら歩いていた魔神王は、地面に転がる死体を見つけて、足を止めた。

 何度も何度も殴打され、何らかの手段で胸を貫かれて死んだ中島弘の死体を、魔神王は無感情に見下ろし、無言で中島の頭を右手で掴んで、骸となった中島を持ち上げると、左手で中島の胸倉を掴んで体を固定し、右手を一捻り。
 それだけで、中島の頸部は捩じ切れ、胴から離れてしまった。正しく人外の、凄まじい、怪力だった。

 無言のまま、魔神王は中島の頭から首輪を外すと、自身のランドセルに入れた。
 魔神王の最終目的は、乃亜を含む皆殺しにある。その為にも、首輪の入手は必須だ。他の者たちは兎も角、乃亜に関しては、首輪を外さなければどうにもならない。
 この首輪は、古代魔法王国(カストゥール)の魔術師達が用いた制約(ギアス)の様なものだ。神代より生きる古竜(エンシェントドラゴン)ですらが、魔術師達に逆らう事ができなかった魔術による縛め。
 この縛を外さなければ、乃亜を殺すどころか、逆らう事すら出来はしない。首輪を入手し、調べ上げる必要が有った。

更に魔神王は、中島の死体からランドセルを外し、服を剥ぎ取るとこれもまたランドセルに入れる。
 全裸になった中島の胴を乱雑に打ち捨てると、右手に持ったままの中島の頭に空いた左手の五指を突き込み、指が頭蓋に完全に埋まったところで勢いよく手を引き抜く
 骨の割れる乾いた音と、皮膚の裂ける湿った音とが同時にし、中島の頭蓋は魔神王の掌サイズの骨と皮膚が剥ぎ取られ、内部に詰まった脳を晒した。
 柔らかい肉を食いちぎり、咀嚼する音。
 魔神王が中島の脳を食っている音だ。
 見る者がいれば、間違い無く恐慌に陥るだろう、悍ましい食事風景が終わるまで、数分の刻を要した。

 ────見られているな。

 中島の脳を喰らいながら、魔神王は自身が何者かに見られている事を感知していた。密かに『逆感知(カウンター・センス)』を用いてみたが、近くにいる事しか分からなかった。これも乃亜の施した制限なのだろう。この分では、次元の扉を開いて覗き見ている者のところへと転移することも叶わないだろう。

 「………………」

 僅かに覚えた苛立ちを込めて、覗き見ている何者かへと鮮血色の瞳を向けた直後、それまで感じられていた視線が消滅した。
 魔神王の視線を受けて、慌てて切ったというよりは、何らかの理由で術が解除された様な唐突さだった。

 ‘……………」

 構う事なく中島の脳を喰い尽くした魔神王は、中島の頭部を胴体目掛けて投げつけると、火球を放ち、中島の死体を骨も残さず焼き尽くす。

 「磯野カツオ…大空カオリ……やはり姿を変えられぬか」

 中島の脳を食った事で、中島の記憶と知識、それに技能を獲得した魔神王は、中島の記憶にある人物への変身を試みたが、全く姿が変わる事はなかった。

 「ふむ…ならばこの姿ならば」

 呟いた魔神王の姿が変化し、ついさっき魔神王の手により肺すら残さず燃え尽きた、中島弘の姿を取った。

 「脳を食った者にしか姿を変えられぬという訳か」

 確かに魔神王とその眷属の持つ変身能力は、脅威の一言に尽きる。魔神戦争に於いて、この変身能力を駆使する鏡像魔神(ドッペルゲンガー)達は、人と入れ替わる事で、ロードス中に不信と不和とを蒔いたものだ。
 賢者と呼ばれた大魔術師も、大地母神の愛娘と呼ばれた聖女も、鏡像魔神(ドッペルゲンガー)の変身を見破る事はできず。只々、鏡像魔神(ドッペルゲンガー)との疑惑を持たれた者を殺す事でしか、その正体を暴くことが出来なかったのだから。
 此処まで強力な能力は、当然の様に制限の対象となってもおかしくは無かった。
 この分では、対象を観察する事で、対象の記憶を読み取る能力も、制限の対象となっている事だろう。
 つくづく不快な話だった。 

 「この人間を殺したのは二人。一人は永沢」

 中島の記憶から得た情報を元に、中島に死を齎した者と、その手段を確認する。
 永沢と、後から現れた少女に呼ばれていた子供が使っていたのは『バット』という、子どもの遊びで用いられる木製の棍棒。
 殴打されて、気絶していた最中に現れ、結果として中島の命を奪った少女が用いたのは、先刻戦った吸血鬼が用いていたのと同類の道具。中島の記憶によると『銃』というらしい、飛び道具。
 男女ともに、二人の戦力を合わせたとしても、魔神王の敵では無い。
 出会えば簡単に殺せる程度の相手、何処に行ったのかも解らない相手を、探して殺し出すのは手間でしか無い。
 放置しておいても害になる事は無い以上、他の者を殺して手間を省いてくれる事を期待しよう。
 それよりも優先すべきは、先ほど覗き見ていた者だろう。中島弘の姿を散っている今現在の状態であれば、脳を貪り食っていた少女と同じ存在だとは気付かれまい。
 元の姿と、今の姿。二つの姿を使い分ければ、この地に集められた人間どもの間に、不和と不信を撒くことも容易い。
 その為にも、覗き見ていた者を殺して口を塞ぐ必要が有った。
 警戒されぬ様に、この姿で近づいて、速やかに殺す。
 当面の方針を決めた魔神王は、中島のランドセルを改める。あの吸血鬼を打倒できる武具か、或いは魂砕き(ソウルクラッシュ)が有る事を期待したのだが、結果は外れ。出て来たのは、透明な瓶に入った血液だけだった。
 付属していた説明書を読んで、魔神王は冷笑した。

 「結局この者は、此処で死ぬ定めだったか」

 瓶の中身を三口飲んだ魔神王は、ランドセルに仕舞った中島の服を取り出すと、慣れ親しんだ手付きで服を着はじめた。


【B-5/一日目/深夜】 

【魔神王@ロードス島伝説】
[状態]:健康 (魔力消費・中)
[装備]:ドラゴンころし@ベルセルク(現在はランドセルの中) 魔神顕現デモンズエキス×3@
アカメが斬る!
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2、魔神顕現デモンズエキス(5/2)@アカメが斬る!
[思考・状況]基本方針:乃亜込みで皆殺し
1:アーカードを滅ぼせる道具が欲しい。
2:魂砕き(ソウルクラッシュ)を手に入れたい
3;覗き見をしていた者を殺す
4:覗き見をしていた者を殺すまでは、中島弘として振る舞う。
[備考]
  • 自身の再生能力が落ちている事と、魔力消費が激しくなっている事に気付きました。
  • 中島弘の脳を食べた事により、中島弘の記憶と知識と技能を獲得。中島弘の姿になっている時に、中島弘の技能を使用できる様になりました。
中島ひの記憶により永沢君男及び城ヶ崎姫子の姿を把握しました。城ヶ崎姫子に関しては名前を知りません。
  • 変身能力は脳を食べた者にしか変身できません。記憶解析能力は完全に使用不能です。

※現在中島弘の姿をしています。

支給品紹介
魔神顕現デモンズエキス@アカメが斬る!
中島弘の支給品。
超危険種の血液をそのまま使用した帝具。効果は血液の主と同じ『無から氷を生成する』という能力を獲得できるというもの。
 なお、この血液を飲んだ者は、血の持つ激烈凄惨な殺戮衝動に自我を破壊され、発狂してしまうが、超強固な自我を持つ者ならば耐えられる。
 ロワでは効果が制限されていて、血を飲んだ者の能力次第で効果は変動するが、誰が飲もうが大城塞や大河を凍結させる様な威力は出せない。
一口飲めば効果を発揮し、中島には五口分支給されていたが、魔神王が三口飲んでしまっている。

※中島弘に支給されたランドセルと、ぶちまけられた基本支給品が、B-5の何処かに転がっています。
※中島弘の死体は燃え尽きてなくなりました。



 江戸川コナンは探偵である。論理(ロジック)という刃で、謎(ミステリー)という縺れた糸を断ち切る存在。それが探偵である。
 その探偵である江戸川コナンは、現在何をしているかというと…。


 吐いていた。


 「何だ…アイツ……。人の脳を…………」

 思い出すたびに、腹の底から熱いものが込み上げてくる。
 無理もないと言えば無理もない。
 なにしろ死体をいくら見慣れていると言ったって、バラバラにされた死体を始めとして、惨殺死体にも慣れていると言ったって、人の姿をした者が、人の頭蓋を素手で破壊して、人の脳を喰っている。そんな情景など今まで見た事が無かったにだから。
 しかし、江戸川コナンはそれだけの事で、こうまでにはなりはしない。コナンの心神を打ちのめし、胃の内容物を吐き出させた決定打は、あの脳を喰っていた少女が、明確にこちらの存在に気付いていた事だった。
 あの少女の鮮血色の瞳は、確実にコナンが見ている事を気づいた上で、鏡越しにコナンへと向けられていたのだ。
 少女の底知れない、深淵の様な眼差しは、食人という光景に衝撃を受けていたコナンの精神を打ちのめす決定打となったのだ。
 あそこで制限時間が来なければ、あの少女は鏡を通じてコナンの居る場所へとやってくる。そんな迷信的な恐怖を、コナンはあの少女の眼差しから、受けたのだった。

 (アイツが────来る!!!)

 コナンは確信していた。あの少女は確実に自分を殺しに来ると。此処に留まっていては、自分もあの脳を喰われていた者と同じ運命を辿る事になると。

 (逃げ……ないと)

 コナンは立ち上がると、フラつきながら移動を開始した。
 殺されない為にも、立ち直る期間を確保する為にも、今は此処から離れる必要が有った。



【江戸川コナン@名探偵コナン】
[状態]:健康
[装備]:キック力増強シューズ@名探偵コナン
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~1(本人確認済み) 真実の鏡@ロードス島伝説
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止め、乃亜を捕まえる
1:仲間達を探す。
2:乃亜や、首輪の情報を集める。(首輪のベースはプラーミャの作成した爆弾だと推測)
3:乃亜の言う異能者に警戒。
4:人喰いの少女(魔神王)に恐怖(大)
5:衛宮邸と桜田ジュンの家を回って情報を集め、映画館に立ち寄った後ボグワーツ魔法魔術学校へと向かう
6:今は兎に角有働する
[備考]
ハロウィンの花嫁は経験済みです。
真実の鏡は一時間使用不能です。

支給品紹介
真実の鏡@ロードス島伝説
江戸川コナンに支給。ロードス島に伝わる『太守の秘宝』の一つ。
遠く離れた場所や、過去さえも望めば映しだす魔法の品
過去を映すことは制限によって出来ず、映し出せるのは現在居るエリア内のみ。使用できる時間はたったの三分。そして一度使えば一時間の使用不能期間がある。


012:カサブタだらけの情熱を忘れたくない 投下順に読む 014:この素晴らしき魔剣と契約を!
時系列順に読む
044(候補作採用話):immortal combat 魔神王 051:「藤木、友達を失くす」の巻
096(候補作採用話):探偵への挑戦状 江戸川コナン 050:Everyday Level Up!!

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