コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

追い付けない キミはいつでも

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
「嘘でしょ……悟飯君、生きてるの……? シュライバーを相手にして……創造まで使ったのに?」

乃亜の放送を聞き終え、ルサルカは唖然とした。
あのガキ染みた挑発も14人死んだことも、割戦隊なるプロの殺し屋5人が纏めて葬られただの、そんなことはどうでもよかった。
ただ驚愕するのは、あの狂乱の白騎士と相対し、創造まで引き出させ、遊びすら消えたあの化け物にを相手に、あの悟飯が生き残った事だ。
この事実、乃亜がハンデとやらを課したことでシュライバーが弱体化した可能性もあるが、それでも創造を使ったシュライバーに生身の肉体で生き延びる等不可能だ。

「ふ、フフフ……あの子、使えるじゃない……そう言えば、言っていたわね。
 同じくらい強い連中が何人も身近に居たって……孫悟空、ベジータ、トランクス、ピッコロ……そしてヤムチャ……だったかしら
 悟飯君と同じレベルの強者がこれだけの数いれば……私が彼らを掌握すれば、聖槍十三騎士団も滅ぼせるんじゃ……」

男の心を握るなど、数百年生きたルサルカには容易いことだ。
悟飯のような少年なら尚更、自分なら一時間もあれば惚れされる自信がある。
悟飯さえ手に入れれば、その父親の悟空達からもある程度は信頼を築け、いずれは全員を虜に出来る筈だ。

(悟飯の言ってたことが本当なら、この殺し合いの制限がなければ、一人で惑星を簡単に消し飛ばせるのよね。しかもそんな奴らが数人も……)

道理でエイヴィヒカイトを身に着けた魔人である自分達を、こんな殺し合いへと放り込んだわけだと納得する。
他にも、居るのだろう。あの悟飯やシュライバーに、引けを取らぬ者達が。故に殺し合いを開いたのだ。
ヒントはあった。ユーイン、悟飯の語る社会はルサルカの知るそれと大きく異なっていたし、スネ夫、美柑とも一定の文化は同じだが、ルサルカの認識の時代とズレがあった。
つまるところ、パラレルワールドが関係している可能性が非常に高いと、ルサルカは大胆に推理する。
それならば、むしろ全ての説明が付く。あのシュライバーを相手に、生身で拮抗するなど、異界の法則でしかありえない。

(これは、千載一遇のチャンスなのかも……)

異界の存在、あの水銀ですらこれは完全な想定外であり、今ルサルカは永い時の中で初めて、その掌の上から完全に外れているのかもしれない。
であれば、この尽き掛けの僅かな寿命の延命方法も、完全な不老不死も手にすることが出来るかもしれない。
既に、ドラゴンボールという情報は掴んである。実際に、悟飯は不老不死を叶えた存在を、知っていたとも知っていた。
肉体面だけならば、ルサルカも魔道の道を生きた者、いくらでも若さを維持し続けることが可能で、疑似的な不老不死ともいえる。
しかし、その内面、魂に限ってはそうはいかない。

自壊衝動と呼ばれる、彼女の世界に於ける法則の一つ。魂が寿命を迎えてしまう現象を、どうあっても避けられない。

結果的にそれは本人は死を望まぬ筈なのに、本来とは異なる、軽率な行動に出てしまうといった形で発現する。
それどころか、かつて恋焦がれた永遠の刹那を忘却し、本当に追い付きたかった人を忘れながら、ただ生き汚く醜く有様を晒しながら、生だけに執着してしまう。

ルサルカには既に、その兆候が発症し始めていた。

「で、貴方は誰かお仲間が……あぁ、呼ばれたみたいね」

ルカルカは嘲るように、その相対者に呟いた。
顔にガムテープを貼り付けた狂人、輝村照。ガムテとも呼ばれる幼き殺人者に対し、ルサルカは終始余裕を崩さないでいた。
この二人が出会って、即殺し合わなかったの理由は簡単にして単純だ。放送が流れたから。どちらかが言い出したのではなく、お互いに先ずは優先して新たな情報の入手を優先しただけのこと。



「当てましょうか? 貴方の僅かな反応からして……お友達は割戦隊の五人よね? 乃亜君の煽りから考えても、プロの殺し屋なら貴方と接点があってもおかしくはないわ」

「……」

「なっさけなーい。五人掛かりで、その辺の子供相手に負けちゃうなんてぇ」

あの少年、出会った当初は無駄にハイテンションで狂人を演じていた。だが、本性は冷静(クール)だ。
あくまであれは狂おうとしているだけの、仮面の姿に過ぎない。
何かしら、凄惨な過程はあったのだろうが、むしろ大分理性は保っている方だ。

「……もしかして、自分みたいな子供の味方をする。なんて、救世主(ヒーロー)の真似でもしてるわけ? だとしたら、貴方誰も救ってないし救われてないわね。
 地獄行きの誘導(てつだい)をしてる自覚、ある?」

何も言い返しては来ないが、間違いなく自分の見立ては当たっていると、ルサルカは確信(ビンゴ)を信じていた。

だから、こうして楽しませてもらうとする。

ルサルカとて、ここまでストレスは溜まっていたのだ。少しくらいの発散は、罰が当たらないだろう。

このガムテの少年、顔をガムテープで貼り付けているが、その実かなりの美形だ。
狂人の仮面を、快楽で歪ませたとき、彼はどんな表情をするのだろうか。
恵まれない子供の希望になろうとしている狂気を、耐えられぬ快楽で染め上げ恥辱と絶頂を味合わせ、そして屈服させる。
それを見世物(ショー)にして、ガムテを慕う子供達に更なる甘美な絶望を与えるのも一興だ。

(少しくらい、摘まみ食いしたって良いわよね)

ルサルカは目の前の玩具を前に、既にうずうずしながら、その破壊(あそび)方を考えていた。
たかが、殺しに長けた程度の子供、その手にある木の枝なぞ避けるまでもない。絶対に自分は、あんな程度の枝では傷付かない。

「……お前さぁ」

ルサルカの眼前、息が触れ合い、伸ばせば容易に手が届く程の近距離で、ガムテは心底、退屈(あき)れた顔で呟いた。
腹部に違和感がある、それは痛み、異物が侵入する痛み。刺されたのか、自分が? ルサルカがそう判断し、だが血が出ない事に違和感を持つ。
そして次の瞬間、体中に斑点が浮かび凄まじい苦痛が体中を蝕む。
完全にルサルカは、危機感が麻痺していた。最初に遭遇したのが悟飯とシュライバーであったが故に、自分を殺せる領域の参加者はあの二人の規模であると油断した。
だが忘れてはならない。ここは既に法則の違う、完全な異界であることを。あの水銀の掌から抜け出した、完全な未知の世界であることを。

「慢心(ナメ)過ぎ」

そして相手は、自らに決して引けを取らぬ天才にして超人の一人。
破壊の八極道が一人、殺人の王子様(プリンス・オブ・マーダー)の名を持つ、最凶の割れた子供達(グラス・チルドレン)。
エイヴィヒカイトの鎧による恩恵は完全に消え去った上、ルサルカの使役する使い魔は影を媒介とする。現在の時刻は深夜過ぎ、使い魔達を操るには光源も足りない。
戦闘に於いて、彼女は圧倒的不利である。そんな状況で、あのガムテを相手に嘲笑い、あろうことか遊びを挟むなど、完全なる自殺行為でしかない。

「こ、れ……ど……く、……? この、程度、なら……す、ぐ……」
「いんや、肝臓ズラして末期の肝臓癌と同じにしたから、毒に耐性あっても意味ないよん☆」

極道技巧 疒(ヤマイダレ)。
相手の腹を刺し、肝臓の一部を切り特定の形にズラす。そうすることで、末期の肝臓癌や肝不全を引き起こすガムテの技巧。


「なっ……?」

例え、常人以上の速度で毒を分解をする聖遺物の使徒であろうと、この症状は技によって引き起こされた現象だ。
つまり、一度刺されて臓器を弄られば、それを元に戻せる高い医療技術がなければ、死に至る。毒性の分解では防げる代物ではない。

「っていうか……なんで回避(さけ)なかった理由(ワケ)?」

この呆気ない、勝負にもなっていなかった先の一戦を振り返り、ガムテは首を傾げながら疑問を投げかける。
実際のところ、この女はかなり面倒な手練れだとガムテは認識していた。相当な警戒もしていた。

ガムテは正しく、相手の脅威を認識していたのだ。
聖槍十三騎士団だの、聖遺物だのは知らない。
ただ、純粋にルサルカという魔性の存在に対し正当な評価を下し、真っ当に自身の中で警鐘を鳴らし確実な勝ち筋を模索していた。
初撃に放った疒も避けられる一撃だろうと考えており、数手先まで出方を想定し、対処法を脳裏に展開していたほどだ。
しかし、結果は予想に反して、怖い程簡単に殺(ヤ)らせてくれた。
慢心にしても、ここまで馬鹿(ナメプ)かます愚者(バカ)は、ガムテの人生の中でも初めての経験だった。

「刀(ポン)か、短刀(ドス)のが良かったけどなぁ~」

立つことも叶わず、藻掻き苦しんでるルサルカを他所に、ガムテは彼女のランドセルを回収し中を漁っていた。
あったのは、表裏揃った独特の紋様、妖刀村正。
かつて、西の高校生探偵の手に渡り、ある殺人者と死闘を繰り広げた紛れもない名刀である。
短刀と違い、使い勝手は違うが木の枝よりはマシだろうか。
しかし、極道技巧に支障が出る場合もある。ある程度は使用感は、確認しておかねばならない。

「キャハッ☆試し切りしなくっちゃ☆」

当たり前だよなと、ガムテは満面の笑みを浮かべた。

「――――形成(Yetzirah)」

村正の刃がルサルカに触れる寸前、その喉奥から絞り出した声と共に手には一冊の本が握られていた。

「あ?」

ガムテは刀を止め、一気に後方へ飛び退いた。
血だ。溢れんばかりの、血の匂いが鼻腔を刺激する。何かは分からないが、実体ある死が今、姿を現そうとしている。そう強い確信がある。

血の伯爵夫人(エリザベート・バートリー)、名の通りエリザベート・バートリーが獄中で書き記した日記、それが聖遺物へと昇華したもの。

その異能は、日記に記された拷問器具を現界させ、使用するというもの。

「なんか~遊園地みた~い☆」

暢気なことを呟きながら、飛んできた車輪を上体を逸らして避ける。
更にいくつかの激しい金属音と共に、ガムテは迫りくる拷問器具を両断する。
なるほど、確かに血生臭い拷問器具を召喚し操るのは厄介な力だが、反面相当脆いなとガムテは分析する。
それを数でカバーしているのだろう。
あとは、この手の村正が年月を重ね、神秘を宿した名刀であったのも幸いした。この程度の拷問器具程度ならば、使い手が一流であれば難なく切り裂く事が出来る。
現にガムテは既に数十以上の拷問器具を、破壊し斬り伏せている。
神秘などの理屈まではガムテも知りえないものの、この名刀を手に出来た事は幸運であった事も自覚していた。

「……はぁ……はぁ……ぐっ……!」

「嘘(マジ)? 治療(なお)ってんの!!?」

拷問器具を相手にしている間、ルサルカは立ち上がっていた。その顔色を見て、ガムテは彼女の容態が回復に向かっている事に気づく。


(この、豆……助かった……)

ルサルカの手元に握られていたのは二粒の豆、仙豆と呼ばれる特殊な豆だ。一粒食べれば、病などを除けば、如何な傷も治し、満腹にする優れた栄養食である。
疒はあくまで内臓をズラし病状を再現する技であり、毒や病気を引き起こしている訳ではない。傷や怪我に分類されるのなら、仙豆で治療可能だ。
彼女に支給されたのは三粒。それをランドセルではなく自分のポケットに忍ばせ、先ほど一粒食べて回復したのだ。

(勉強になったぞ~。ここじゃ、疒が決まっても、勝ち確じゃないってコトか)

もっとも、口調程驚いてはいない。むしろ納得すらしていた。
うずまきナルトの放った忍術、分身を始め、あの特異なエネルギーを、螺旋状に圧縮させ叩き付ける大技。明らかにガムテの知る忍者はおろか、極道の技巧でもない。
完全に、自分達の理の外にある特殊能力(バグ)だ。どういう方法や手段かは知らないが、忍者でもなくヤク決めた極道でもない、第三者(チート)が存在すると考えていい。
己が絶対の信用を置く、疒がこうして破られる。
常識など捨て去ったつもりだったが、更にもっと根っこにある常識も捨てねば軽く足元を掬われかねない。
ガムテの初撃を侮り、あっさり死にかけたルサルカが良い手本と言える。

(こんなに暗いと、こっちは創造も使えない……)

ルサルカの創造は影を利用する。故に影がなければ、その効果を発揮できない。
人の気配がある街中なら、灯りは幾らでもある。影など珍しくないが、この島には80人前後しか存在しない。
深夜では、光源があまりにも足りない。

(あんな木の枝で、私にダメージを通して……血の伯爵夫人の拷問器具も、あんな物理攻撃で破壊されてる……これがハンデってこと? 接近戦なんてごめんだわ)

拷問器具を全てガムテの足止めに使いながら、ルサルカは躊躇わず逃げ出した。
使える手駒は幾らでもある。孫悟飯だって、いくらでも言い包めて、シュライバーとも潰し合わせればいい。
もしそれで生き残ったら、それこそ自分の思い通りに利用し、黒円卓の連中を潰すのに使える。
あのガムテも光源を確保し、創造まで使えれば制限を加味しても自分の相手じゃない。

「私は死なない……こんなところで、絶対に……!」





【G-3/1日目/深夜】

【ルサルカ・シュヴェーゲリン@Dies Irae】
[状態]:ダメージ(小)、シュライバーに対する恐怖
[装備]:血の伯爵夫人@Dies Irae
[道具]:基本支給品、仙豆×2@ドラゴンボールZ、ランダム支給品0
[思考・状況]基本方針:今は様子見。
1:シュライバーから逃げる。可能なら悟飯を利用し潰し合わせる。
2:ドラゴンボールに興味。悟飯の世界に居る、悟空やヤムチャといった強者は生還後も利用できるかも。
3:ガムテからも逃げる。
[備考]
※少なくともマリィルート以外からの参戦です。
※創造は一度の使用で、12時間使用不可。停止能力も一定以上の力で、ゴリ押されると突破されます。
 形成は連発可能ですが物理攻撃でも、拷問器具は破壊可能となっています。
※悟飯からセル編時点でのZ戦士の話を聞いています。


【仙豆@ドラゴンボールZ】
ドラゴンボール作中において、Z戦士の命綱ともいえるキーアイテム。
一粒食べるだけで、怪我であればそれを回復させる。実はこれ一個で10日は飢えを凌げるが、後にその描写は消えた。多分鳥山先生が忘れている。
ただし、乃亜による調整により、仙豆による回復を行っても一定のダメージは残るものとする。




「あの女ァ~無駄に逃げ足速過ぎんだろうがァ~、最初の舐めプはなんだっつーの」


ルサルカが使役した拷問器具の残骸、襲ってきた物を片した時には既に赤髪の女は居なかった。


追うか追わないか。
ただ厄介(めんどう)な女ではあるだろう。見た目こそ、さほど歳は変わらないが中身は狡猾で醜悪、加齢臭(にお)ってくる老婆(ババア)だ。
追いかけて、罠を仕掛けてれば対処は難しい。あの能力を見るに、そういった待ち伏せは得手そうだ。

だが、何にしてもあの赤髪の女はいずれ殺す。だが暫くは野放しでも良いだろう。
あの様子なら、勝手に参加者の数を減らしてもくれそうだ。
それに、やはりもっとこの場の異能力を知りたい。
見れば、東の方向には巨大な氷山が唐突に姿を現し、更に北の方ではナルトとの交戦後、空に向かって青い膨大なエネルギーの濁流が放出されているのをガムテは目撃していた。
ナルトの奇妙な忍術と良い、今まで通りにやれば次の放送で名を呼ばれるのは自分になる。

情報収集も、必要なのかもしれない。どうせ焦っても、一人二人死体が増えるだけだ。
もっと装備も整え、情報も入手し、万全な態勢で臨んでも事は遅くはない。



――――……もしかして、自分みたいな子供の味方をする。なんて、救世主(ヒーロー)の真似でもしてるわけ? だとしたら、貴方誰も救ってないし救われてないわね。

――――フフ……所詮、社会のレールにも乗れなかった、負け犬共の傷の舐め合いだったということかな。



「……」



――――地獄行きの誘導(てつだい)をしてる自覚、ある?


「知ってるよ……」




【G-3/1日目/深夜】


【輝村照(ガムテ)@忍者と極道
[状態]:全身にダメージ(中)、左腕粉砕骨折、治癒中
[装備]:地獄の回数券×5、妖刀村正@名探偵コナン、木の枝@現地調達
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:皆殺し
1:村正に慣れる。短刀(ドス)も探す。
2:ノリマキアナゴ(うずまきナルト)は最悪の病気にして殺す。
3:この島にある異能力について情報を集めたい。
[備考]
原作十二話以前より参戦です。
地獄の回数券は一回の服薬で三時間ほど効果があります。
悟空VSカオスのかめはめ波とアポロン、日番谷VSシュライバーの千年氷牢を遠目から目撃しました。


【妖刀村正@名探偵コナン(迷宮の十字路)】

    オレは元々弁慶より義経が好きやった!
      義経になりたかったんや!

服部平次が出展元の劇場版作品にて、犯人との決闘の際に使用した名刀。
名刀に相応しい耐久度を持ち、服部と犯人の激しい決闘にも耐えうる。
余談だが上記の台詞は、一部のみを抜粋しただけで、犯行動機は身勝手だが理解できるものである。


020:燃えよ失意の夢 投下順に読む 022:hemligheter får män att bli
019:進め卑怯者 時系列順に読む 023:レース開始ィィィ
001(候補作採用話):後悔 ルサルカ・シュヴェーゲリン 047:懐かし面影 探してる
032(候補作採用話):忍者と極道 輝村照(ガムテ) 066:明日なき暴走

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー