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贄【わたしのはじめて】

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「───Saying I surrender all my love to you───」

グレーテルは歌を口ずさみながら、ブティックの衣装へと手をかけている。
あれがいいかな、これがいいかな、と見比べるその様子は、年相応の可憐な女の子と遜色ないだろう。
ただ、その血に濡れた黒衣は、文化的なこの店にはあまりにも不釣り合いではあるが。


「その歌はなに?讃美歌かなにか?」
「さあ?ただ、テレビで観ただけだから」
「そう...好きなのね、ソレ」
「ええ。大好きよ。クロは嫌いかしら」
「別に。ただ、綺麗すぎてイヤになるだけ」

クロエは店内に設置された椅子に腰を据えて待っていた。

試着。
どうせ着替えるならイイのを選びたい、というグレーテルの申し出にクロエはしぶしぶ付き合っていた。

「ごめんなさい。クロがいる間は控えるわね」
「いいわよ気を遣わなくて」
「ダメよ。せっかく気持ちよくなるなら、ムードは大切にするべきじゃない」

グレーテルがここまで服の選定に時間をかけているのは理由がある。
水銀燈たちとの戦闘後、クロエがグレーテルに強請ったキス。
それは魔力供給のためだけではない。
クロエはグレーテルを求めている。
殺して生きることを受け入れるために。
真っ当な人間としては壊れても、明日を掴むことを肯定する為に。

グレーテルは、言葉に出されずともそんな彼女を理解っていた。
クロエはリングをまわせた。
でも、まだ最後の勇気が足りていない。
だから、ソレを自分を通して求めているのだと。

グレーテルは決してクロエを道連れにしてやろうだとか、貶めてやろうだとかは一切考えていない。
ヘンゼルにしてもグレーテルにしても、打算抜きに自分たちに優しくしてくれる人は好きだ。
求められることも好きだ。
だからこれは、彼女なりの親切心にすぎない。
勇気が欲しいなら教えてあげる。私を求めてくれるなら応えてあげたい。
そんな、悪意の欠片も無い彼ら【ヘンゼルとグレーテル】なりの善意にすぎない。

「ねえねえ、クロはどっちがいい?」

ようやく選び終えたグレーテルが両手に持っているのは、一つは黒のドレス。今まで着ていたのと同じようなモノだ。
もう一つは純白のシルクで象られた、聖画で見られる天使のような衣装だ。
素材にも拘っているようで、高級そうな羽根まで付属しており、コスプレを通り越して純粋に美しさすら感じられる。

「いやよく置いてあったわねこんなの」
「こっちにたくさんあったわよ。ほら、こっちこっち」

グレーテルに手を引かれ、店の奥の方にまで足を伸ばせば、ズラリと並べられた衣類の数々。
スリットの入ったチャイナ服に軍人が着るような武骨な軍服。
背中に巨大な丸の中に魔の文字が記された胴着や、巨漢用の学ランに民族衣装のような着物...
とにかく種類は様々で、見ているだけでもキリがないほどに衣服が溢れていた。

「まるでコスプレ展覧会じゃない...むしろよくその二つに絞れたもんだわ」
「うふふっ、もっと褒めてくれてもいいのよ?こうみえても身だしなみは気にするタイプなんだから!で、私的にはこのどっちかがいいかと思ったのだけれど...クロはどちらが好み?」

グレーテルの問いかけにクロエは顎に手をやりつつ考える。
黒のドレスは今まで見てきたものと遜色はなく、普通に似合っていると思う。
しかし、白のドレスというのも存外似合っているようにも思う。
グレーテルは内面さえ知らなければまさにお人形のような美少女だ。
そんな彼女がコレを着ればまさに天使そのものに見えるだろう。

「ていうか、私が決めていいの?」
「言ったじゃない。気持ちいいことはムードが大切だって。私の姿を見るのはクロ。クロがイヤなものを着るなんて、そんなの私の自己満足になっちゃうでしょう?」
「...ほんと、あんたってズルイわ」

グレーテルは壊れている。
その認識は変わらないのに、人の心を持っていた時の片鱗は見せつけてくれる。
だから逃れられない。縋ってもいいと思ってしまう。
ただただ綺麗な純白よりも、淀みの中に光る星にこそ目を離せなくなってしまう。

「...じゃあ、こっちで」

結局、クロエが選んだのは黒色のドレス。
別に他意はないが、ただ、グレーテルという少女が映えるのはこちらの方だと思っただけだ。


鼻歌交じりに試着室に入って数分後、着替え終えたグレーテルはクロエに顔を近づけ囁く。

「おまたせ。それじゃあ、さっきの続き...始めましょうか」

今にも触れ合いそうな距離感。甘い声。吐息。仕草。
その全てがクロエの『欲』を誘い、鼓動を波打たせ、頬が熱を帯びていくのを自覚する。

(な、なるほど...伊達に経験豊富を自称してるだけあるわね)

思わずゴクリと喉が鳴る。
自分もそれなりに技術面では優れていると思っていた。
イリヤの同級生たちは骨抜きに出来たし、あの美遊でさえ腰をくだけさせたものだ。
それが子供のママゴトに思えるほどに、グレーテルの醸し出す色気に気圧されている。
これが経験の差というものか。

「―――勘違いしないでよね」

クイ、とクロエはグレーテルの顎を指で持ち上げる。

「私があんたからするの。あんたから貰うのは、私!」

まるで強がるように。
意地を張るようにクロエはグレーテルの唇に近づいていく。

「―――ええ、いいわよ。クロの全てを私にぶつけてみて?」
「~~~~~ッ!!」

ちゅっ

勢いのまま、クロエはグレーテルの唇に己のものを重ねる。

―――誘い受け。

煽られているのはわかっていた。ここまでが彼女の術中にあることも。
だが、止められなかった。
一度火が点いた情熱は理性を凌駕する。

ちゅっ ちゅっ ちゅるるる

唇道士が擦れあう度に唾液同士が音楽を奏で、吐息から伝わる淫靡な香りを引き立たせる。
クロエの舌が差し込まれ、グレーテルの舌に触れると、にゅるにゅると絡みつく。
舌。歯。上あご。
必死に自分の口内を蹂躙しようとせわしなく動くクロエの舌に、グレーテルは微笑ましい気持ちになる。

なるほど。
確かに未経験ではなく、才能もあるのかちゃんと気持ちいい。耐性のない乙女相手ならこれだけで骨抜きに出来るだろう。
しかしだ。
それは所詮、綺麗なモノしか味わっていないお上品な環境で培われた経験値に過ぎない。

(そろそろいいころ合いかしら)

グレーテルの舌が蠢き始める。
クロエの技術が天然産ならば、グレーテルの技術は叩き上げの百戦錬磨。
誰がどうすれば気持ちいいかを見抜くのは容易いことだ。

(約束通り教えてあげるわね。キスだけでもすっごく気持ちよくなれる方法)

グレーテルの手が肩に添えられた瞬間、クロエの背筋にぞわぞわと寒気が走った。
ただしそれは恐怖ではなく、むしろ期待していたものの襲来を喜ぶ歓喜の味で。

グレーテルの攻めの気配が濃くなった瞬間、クロエは反射的に目を瞑った。


―――クス クス クス

唐突な笑い声。
クロエでもグレーテルでもない、完全な第三者のものだ。
瞬間、キスを交わしていた二人の唇は即座に離れ、唾液の糸を垂らしながら、お互いに武器を構える。

―――クス クス クス

彼女たちの向かい側のディスプレイハンガーからの笑い声に、ゆらりと影がゆらめき立つ。
現れたのは長い金髪の少女。
何処ぞで戦闘でもしたのか、ボロボロの衣装を身に纏っており、肌にもところどころ傷跡が残っているというのに、外部に曝け出す肌を気にも留めず、クロエ達を見て笑っている。

(痴女だ)
(痴女ね)

現れた変態の金髪少女に、二人の見解は見事に一致する。
しかし、そんな彼女相手にも二人は警戒心を解かない。
むしろ、一層高まっているくらいだ。

(こいつ...いつの間に店の中に?)

キスに夢中で気配に気づかなかった、なんて間抜けな話はない。
いくらグレーテルが魅力的だったからといって、戸を開ける音に気付かないほど没頭していたつもりはない。
それはグレーテルも同じことだ。クロエよりも余裕があった分、彼女以上に周囲を警戒していたつもりだった。

だが、この痴女は店に入るだけでなく、こんな目と鼻の先にまで接近を果たしていた。
見るからにふざけた格好をしているが、この気配の殺し方からして間違いなく、ただの変態ではない。

「生と死、生物の本能が快楽を求めるのは自然の摂理...そう、つまりあなた達のように、命尽きる前にえっちぃのに没頭するのは正しいこと...」
「なにわけわかんないこと言ってんのあんた」
「なのに、彼女たちはなにもわかっていない!快楽に蕩け思考を放棄してしまえば、恐れることなんてなにもないのに!」
(これ話し合いは無理ね)

クロエとグレーテルは、これ以上の会話は無駄だと判断し、弓矢と銃を放ち、一斉に躍りかからせる。
常人ならば容易く粉砕できる殺意の塊。
それを、彼女は、『金色の闇』は髪の毛を刃に変身(トランス)させ、その全てを弾き落とす。

「ウソッ!」

その予想外の防御にクロエは目を見開くのとは対照的に、グレーテルは銃が効かないと見るや、即座に右足を振り上げ、走刃脚(ブレードランナー)で飛ぶ刃を放つ。

銃弾よりよほど威力のある斬撃。しかし、それも闇の変身(トランス)能力には敵わず。
盾に変化させた右手によってあっさりと弾き飛ばされる。

「あらら」
「...抵抗しなければ迅速に済ませてあげますが、そうでなくてもそれはそれで...」

さしものキョトンとした表情を浮かべるグレーテルとは対照的に、闇は頬を染めつつにたにたと笑みを浮かべている。

―――激闘の後、目を覚ました闇が真っ先に考えたのは、美柑との対面時のことだ。

なぜあの時、自分は彼女を殺すどころかえっちぃ目に遭わせられなかったのか。
美柑は望んで身を差し出した。自分も望んで色んな参加者をハレンチな目に遭わせてきた。
なのになぜ、実行できなかったのか。なぜ、躊躇ったのか。なぜ―――

その答えをずっと考えた。
考えに考え抜き、ようやく結論を出せた。
"それは自分に成功体験が無かったからだ"と。

キウルとディオを辱めていた時はお触り程度で。
小恋やのび太、イリヤ達は絶頂にまでは至れたけれど、結局、殺すことはできなかった。

『絶頂の快楽の最中に命果てる』。これは自分の中で素晴らしいものだと信じている。
しかし、まだ実績がない。本当に絶頂の最中に殺した時に幸福を得られるのかが、確定していない。
だから、いざ美柑が身を差し出した時に躊躇ったのだ。

闇はリトのことが大好きだが、同じくらい親友の美柑のことも大好きだ。
だからこそ、死という人生の終着点においては、とりわけ彼女には苦しまずに逝って欲しい。

そう。少なくとも。

このブティックに辿り着くまでに見つけた。

血の臭いを辿り見つけた、苦悶と絶望の表情に彩られた少年の生首のような死に様だけは、大好きな人にあんな目にだけは会ってほしくない。

「抵抗も、拒絶も、全てを呑み尽くすほどの快楽に染め上げて―――至福の刻の中で殺してあげますからぁ!」

己の胸で高鳴る鼓動に従うように、闇の髪の毛が爆発するように踊り狂い、あどけない少女二人へと一斉に襲い掛かった。


【F-7/ブティック/一日目/昼】

【金色の闇@TOLOVEる ダークネス】
[状態]:ダメージ(中)、疲労(大)、興奮、ダークネス状態
[装備]:帝具ブラックマリン@アカメが斬る!
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品×0~2(小恋の分)
[思考・状況]
基本方針:殺し合いから帰還したら結城リトをたっぷり愛して殺す
0:まずは絶頂殺の実績を積む。
1:えっちぃことを愉しむ。脱出の為には殺しも辞さない。もちろん優勝も。
2:えっちぃのをもっと突き詰める。色んな種類があるんだね...素敵?
3:さっきの二人(ディオ、キウル)は見つけたらまた楽しんじゃおうかな♪
4:あの女の子(リル)は許せない。次に会ったら殺す。
5:また美柑と会えたらえっちぃことたくさんしてあげてから殺す。これで良い…はず。
6:イリヤもえっちぃことをたくさんして殺す。
7:のび太は絶対殺す。
[備考]
※参戦時期はTOLOVEるダークネス40話~45話までの間
※ワームホールは制限で近い場所にしか作れません。





【クロエ・フォン・アインツベルン@Fate/kaleid liner プリズマ イリヤ ツヴァイ!】
[状態]:魔力消費(中)、自暴自棄(極大)、 グレーテルに対する嫌悪感と共感(大)、罪悪感(極大)、ローザミスティカと同化。
[装備]:賢者の石@鋼の錬金術師、ローザミスティカ×2(水銀燈、雪華綺晶)@ローゼンメイデン。
[道具]:基本支給品、透明マント@ハリーポッターシリーズ、ランダム支給品0~1、「迷」(二日目朝まで使用不可)@カードキャプターさくら、グレードアップえき(残り三回)@ドラえもん
[思考・状況]
基本方針:優勝して、これから先も生きていける身体を願う
0:目の前の痴女に対処する。
1:───美遊。
2:あの子(イリヤ)何時の間にあんな目をする様になったの……?
3:グレーテルと組む。できるだけ序盤は自分の負担を抑えられるようにしたい。
4:さよなら、リップ君。
5:ニケ君…何やってるんだろ。
6:コイツ(グレーテル)マジで狂ってる。
[備考]
※ツヴァイ第二巻「それは、つまり」終了直後より参戦です。
※魔力が枯渇すれば消滅します。
※ローザミスティカを体内に取り込んだ事で全ての能力が上昇しました。
※ローザミスティカの力により時間経過で魔力の自己生成が可能になりました。
※ただし、魔力が枯渇すると消滅する体質はそのままです。


【グレーテル@BLACK LAGOON】
[状態]:健康、腹部にダメージ(地獄の回数券により治癒中)
[装備]:江雪@アカメが斬る!、スパスパの実@ONE PIECE、ダンジョン・ワーム@遊戯王デュエルモンスターズ、煉獄招致ルビカンテ@アカメが斬る!、走刃脚@アンデットアンラック
[道具]:基本支給品×4、双眼鏡@現実、地獄の回数券×3@忍者と極道
ひらりマント@ドラえもん、ランダム支給品3~6(リップ、アーカード、魔神王、水銀燈の物も含む)、エボニー&アイボリー@Devil May Cry、アーカードの首輪。
ジュエリー・ボニーに子供にされた海兵の首輪、タイムテレビ@ドラえもん、クラスカード(キャスター)Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ、万里飛翔「マスティマ」@アカメが斬る、
戦雷の聖剣@Dies irae、次元方陣シャンバラ@アカメが斬る!、魔神顕現デモンズエキス(2/5)@アカメが斬る! 、
バスター・ブレイダー@遊戯王デュエルモンスターズ、真紅眼の黒龍@遊戯王デュエルモンスターズ、ヤクルト@現実、首輪×6(ベッキー、ロキシー、おじゃる、水銀燈、しんのすけ、右天)
[思考・状況]基本方針:皆殺し
0:目の前の痴女と遊ぶ。
1:兄様と合流したい
2:手に入った能力でイロイロと愉しみたい。生きている方が遊んでいて愉しい。
3;殺人競走(レース)に優勝する。孫悟飯とシャルティアは要注意ね
4:差し当たっては次の放送までに5人殺しておく。首輪は多いけれど、必要なのは殺害人数(キルスコア)
5:殺した証拠(トロフィー)として首輪を集めておく
6:適当な子を捕まえて遊びたい。やっと一人だけど、まだまだ遊びたいわ!
7:聖ルチーア学園に、誰かいれば良いけれど。
8:水に弱くなってる……?
[備考]
※海兵、おじゃる丸で遊びまくったので血塗れです。
※スパスパの実を食べました。
※ルビカンテの奥の手は二時間使用できません。
※リップ、美遊、ニンフの支給品を回収しました。


105:おくれてきた名探偵 投下順に読む 107:ADVENT CHILDREN
時系列順に読む
096:命も無いのに、殺しあう クロエ・フォン・アインツベルン 108:恋に堕ちて謎の中
グレーテル
078:聖少女領域 金色の闇

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