
なんとぉーっ!!
機動戦士ガンダムF91の主役機。サナリィがフォーミュラ計画に基づき開発した試作型小型モビルスーツである。バイオ・コンピュータやヴェスバーなどと言った最新技術が惜しみなく搭載されており、機体性能を完全に発揮できるのはニュータイプのみと言われている。
スペック
正式名称 | フォーミュラ・ナインティンワン(F91) |
愛称 | ガンダムF91 |
分類 | 攻撃用モビルスーツ |
生産形態 | 試作機 |
型式番号 | F91 |
全高 | 15.2m |
本体重量 | 7.8t |
全備重量 | 19.9t |
動力 | 熱核融合炉 |
ジェネレーター出力 | 4,250kW |
スラスター推力 | 15,530kg×4、4,380kg×6 |
スラスター総推力 | 88,400kg |
アポジモーター数 | 51(8) |
装甲材質 | ガンダリウム合金セラミック複合材 |
開発 | サナリィ |
所属 | 地球連邦軍 |
主なパイロット | シーブック・アノー |
初登場作品 | 機動戦士ガンダムF91(1991年3月16日公開) |
パイロットプロフィール
- シーブック・アノー
スペースコロニー・フロンティアIVの総合高校の工業科に通う17歳の少年で、同作の主人公。父レズリー、妹リィズとの3人暮らし。地球連邦軍とクロスボーン・バンガードの戦争に巻き込まれ、友人たちと共にコロニーを脱出しようとしたが、目の前で幼馴染のセシリー・フェアチャイルドをドレル・ロナに連れ去られ、自らは連邦軍の練習艦「スペース・アーク」に収容される。その後、艦の人員不足を補うため、新型MS・ガンダムF91のパイロットとなる。初戦で敵機を2機撃墜するなど、戦いの中でニュータイプの素質を開化させていった。別居状態の母・モニカがF91の開発に関わっており、母の開発したバイオ・コンピュータに高い適合性を見せる。
生年月日 宇宙世紀106年
CV:辻谷耕史
生年月日 宇宙世紀106年
CV:辻谷耕史
武装
- 頭部バルカン砲
頭部に設置されているバルカン砲。
- メガマシンキャノン
胸部に2門設置された大型機関砲。頭部バルカン砲以上の威力を持つ。
- ビームライフル
ビームを発射するライフル。
- ビームサーベル
ビームの刀身を形成するサーベル。
- ビームシールド
ビームを面状に形成し、防御に用いたもの。
- ヴェスバー
Variable Speed Beam Rifleの略。低速で高威力のビームや、高速で貫通力の高いビームを撃ち分ける事ができる。
技
- ビームサーベル二刀流
両手にビームサーベルを持ち、手首を回転させて攻防に用いた技。バグの大群を撃墜した。
- 最大稼働
リミッターを解除し、素早い速度で移動する。対ラフレシア戦で行った動きの事。質量を持った残像が見える。
ドラゴニュートの人形劇では…
たまに登場する。家にある人形大体登場ムービーではガンダムAGE-FXと共にビームライフルを撃っていた。撮影にはHGUCのガンプラを使用していたのだが、映画第1作の撮影中に壊れた為、しばらく再登場できない状態となっている(映画第1作での出番は代わりにトルネードガンダムが担当する事となった)。
名台詞
- 「F91ガンダムは、シーブック・アノーでいきます!」
初出撃時の台詞。どこか死に急いでいるようなサムを押しのけ、自分が出撃することを強調している。
- 「だってよ……アーサーなんだぜ……?」
クロスボーン・バンガードの襲撃に応戦していた友人アーサーが爆発で吹き飛ばされて死亡。彼の死を受け入れられず、必死に亡骸をゆするシーブックがもう一人の友人であるアズマに「やめなよ、もう楽にしてやんなきゃ…」と言われた際の台詞。かけがえのない友人として大事にされていたことが分かる。
- 「大人の都合だけで殺されてたまるか!」
コロニーから脱出する際に叫んだ一言。
- 「子供を盾にするだと……本当か!?」
ガンタンクR44で仲間と脱出しようとするのを邪魔した上、「子供を盾にすれば敵は攻撃しない」とのたまう連邦軍人への怒りが込められている。F91の時代における地球連邦軍の弱体化と腐敗が感じられるシーン。
- 「逃げまわりゃ、死にはしない!」
初出撃時につぶやいた台詞。ゲームでは回避時の台詞に採用されている。
- 「この……ジジイが!!」
レジスタンスのリーダーであるコズモ・エーゲス元大佐の傲慢すぎる態度に毒づいた台詞。
- 「いいんだよ……セシリーはここにいてもいいんだ……」
クロスボーン・バンガードを裏切りスペースアークにやってきたセシリーを迎えた時の台詞。
- 「なんとぉーっ!」
ラフレシアの攻撃を回避しきれず、 F91の左腕を破壊されてしまった際に言ったセリフ。
余談
- この機体の特徴として、フィンがむき出しになった胸部中央ブロックを持っている点がある。映画公開時に模型雑誌『ホビージャパン』誌上での設定資料公開の際、デザイナーの大河原は「デザインモチーフはバイクのラジエーター」「『(大河原自身が)元祖ガンダムのデザイナー』だから、やらせてもらえた冒険」と発言している。全身に放熱板がある点も含め、バイオ・コンピュータのために放熱対策が必要という設定から連想したのかもしれない。
- ∀ガンダムのデザインを担当したシド・ミード氏が参考資料として目を通した歴代ガンダムのデザインで最も好感だったのがこのF91だったと言われる。本職が工業デザイナーである氏にとって工業デザインを参考にしたF91は目に留まる部分があったのだろう。
- 一部の書籍(フィルムコミック)にて、試験型ミノフスキードライブを装備していたとするものもあるが、後に登場した「F99 レコードブレイカー」の設定との辻褄が合わないため詳細は不明である。一部では「ミノフスキーフライト」の誤記ではないかとも言われている。
- 第2次オールズモビル戦役を扱った『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』の後半では、ゲームシステムとゲームバランスの都合上百機近いクロスボーン・バンガードのモビルスーツをF91一機で倒す必要がある(F91を使わずにF90に乗り換えて戦い続けることは可能)。このため一部のファンの間では「クリア後~建国戦争にかけてのC.V.は大量の戦力を失って相当弱体化していたのではないか」と拡大解釈される事もある。
- また、この時のF91が未完成だったため当時のパイロットであったベルフ・スクレットのフロンティアⅠへ搬入させる際の台詞「これで本当に完成したら一体どんな化け物になっちまうんだ?」という台詞も有名。
- 機体の開発自体はかなり早期に行われており、機体そのものは宇宙世紀0116年に出来上がっている。しかしバイオコンピュータの開発と調整に難航、その後『機動戦士ガンダム フォーミュラー戦記0122』を経過し『機動戦士ガンダムF91』本編である宇宙世紀0123年にやっと完成するという、実に7年と完成までに非常に時間が掛かったMSという設定もある。
- ちなみにF90も、宇宙世紀0111年に出来上がったはずなのに『機動戦士ガンダムF90』で9年後の宇宙世紀0120年にまるでロールアウト直後の様な試験運用を行っている。これはF90は当初0120年に建造・完成した設定だったがその後変更されたという事情の為らしい。
- ラフレシアの最終局面にてフェイスオープン時の口に当たる部分で廃熱をしているのだが、この際黄色いエフェクトが飛び出ていたので、F91が口からビームを放っていると勘違いしてしまう視聴者が多数いた。しかし後年のガンダムシリーズには実際に口からビームを出すガンダムも登場している。また、これを逆手にとって、『ガンダムビルドファイターズ』では本当に口からビームを発射できるガンダムF91イマジンという機体が登場した。
- 2019年〜21年にかけて開催の「富野由悠季の世界」展において、物販の目玉としてマスターグレードモデルのガンプラ「MG 1/100 ガンダムF91 Ver.2.0 ORIGINAL PLAN Ver.」が用意された。最終稿直前まで検討されていたオリジナル(初期)デザインプランという触れ込みで、胸部やV.S.B.R先端も白く、足のつま先が青いという違いがある。デザインの変遷という史料価値だけでなく、全体的により白が際立ち下端が青い見た目は決定稿を見慣れていると一風変わった新鮮さがあるだろう。
- 化粧箱に寄稿した富野監督は「カッコイイよね!!」「この時代の究極かと思えたF91!!」と評価を述べると共に「この物語で化けさせきれなかった無念さがある」という悔恨の思いも打ち明けている。
- 前日譚を描いた漫画『機動戦士ガンダムF91プリクエル』は「富野由悠季の世界」展を記念して連載が開始された。同作ではこの白いF91が1号機、そして足のつま先が赤の機体が2号機として登場する。更にパイロットが確保できなかったので再起動が後回しにされた3号機も登場し、これがベルフやシーブックが載ったF91である。
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