ベルタリアとは国家的にも民族的のも関係の濃い国家で、ベルタリアを兄とするならこちらは弟のような関係だ。一時期敵対するもののすぐに同盟を結び、現在に至る。
女王を中心とした立憲君主制で、工業・経済的にも中立でいたい為に最近はベルタリアとは距離を置いているが、完全に独立する気運はなさげなようだ。
この国の首都ワラキアは、ベルタリア人の親戚的民族のワルク人がガルマニア帝国時代より前から崇拝していたハラーヴ教(機械に神が宿るとする宗教、エンジニアは聖職)の聖地でもあり、ワルク人の宗教的学問「ワルク教」の生誕地でもあり、両民族・両宗教の信者や学者が国外から頻繁に訪れている。
首都のワラキアはかつてほど繁栄はしていないが、現在でも交易の要所として活気に満ちている。
首都:ワラキア市
公用語:ワルク語・インペリアル語
通貨:リア
国土の南側はキラス砂漠に面している他、アルゴーイ山脈を隔ててルイザ首長国と隣接している。大体中緯度に国土があり、遥か昔からワラキアが北と南の交易の要所として発展してきた。
古来からの交易路の交差点であるワラキアと言う都市国家が独自に発展し、その後周囲の都市を含んで大きく成長した。この一帯に居住するワルク人はベルタリア人と遺伝的に近い民族で、遥か昔に分岐した一団が由来だ。
現文明での古代においてワラキアは有名な都市で、商業が発達していた他、有名な哲学者を輩出する学問の都市でもあった。ガルマニア帝国併合後は「辺境領土」と言う扱いを受け、高い税制の他、税とは別に皇帝に対する献上品を納めなければならなかった。その為、かなり衰退する事になる(*当時の帝都より活気にあふれ、非常ににぎやかだったのを時の皇帝が妬み暴力的な搾取を命じた為とされる)
その後のベルタリアのガリナス・ダスデゥリオ主導の反乱作戦に同調し、KC303年ワラキア市中央にあった植民地総督府を陥落させた。その勢いのまま多数の有志が帝都襲撃作戦に義勇兵として参加し、その義勇兵団を束ねていたのが、かねてからのガリナスの重臣でありのちのワラキア女王になるマリーア・クルハである。
紆余曲折の後、彼女はガリナスと仲違いをし、戦争で荒廃した故郷であるワラキアの再建の為に尽力。内政をまとめ上げ、現在に続くワルカリア王国の初代女王として戴冠した。
建国後しばらくはベルタリアと対立をしていたが、すぐに周辺に潜在的なライバルになりえる諸国が乱立し、国力的に軍事力が乏しかったこと、ベルタリアの目を見張る工業化の速さを考慮し、ベルタリアに将来の可能性をかけ、抱いていた敵愾心を捨てて同盟を結ぶことにした。
同盟締結後は、大国ベルタリアの軍事力の傘の下に入り、自国の経済成長に集中する事ができた。
ベルタリアのワージャル侵攻時は中立を宣言していたが、ベルタリアの圧力によってワージャル陥落数十分前に宣戦布告をしたが具体的な軍事行動は行っていませんでした。
現在のベルタリアによる拡大戦争は事実上の黙認をしているが軍事演習等には参加している他、国土がロトリア方面に近い他、かつてからの交易路にそってベルタリアの補給船が前線基地とを往来している為結構な重要地点である。
ワラキア人が信仰している「ワルク教」が特筆する。宗教のような形態をとっているがリベラル気質の強いワラキアらしく、そこで教えられているのは宗教団体への帰依と盲信ではなく、論理的なモノの見方を中心とした哲学思想であり、一種の学問である。古来より哲学に対する探究心が市民の精神の基礎をなしている。また、哲学だけでなく天文学も非常に発達しており、天測により何の目標もない砂漠や森林地帯を正確に突破する能力に秀でている為、ベルタリア帝国陣営から留学しにやってくる人もおおい。余談だがベルタリア軍の一部士官ではワルカリア王国への留学が昇進に必要な部門がある。
また、カラルの蒼い衛星「ゼフィールス」の動きを基にした「シャグマ-ゼフィル歴」を正式に採用しているが、計算がややこしいため、政府も公文書にはベルタリア歴を併記している。
独立後は各国同様工業化に力を入れるため、化学技術の研究と開発に力を入れているため、国家資金の多くをこの分野に投資している。そのため、ワルカリアの製造所で造られた反重力タービンは非常に高精度・高性能でベルタリア同盟の中でも喜ばれて使用されている。
経済と内政、文化
国家の中心となるワラキア特別市は公益拠点として発展しており、ベルタリア陣営諸国との経済的結びつきは強固。重要な工業地帯として、ベルタリア陣営に多くの民生品や一部軍需品を生産している。一方、畑や放牧地を潰し、産業廃棄物処理場としたりした為慢性的な畜農産物が不足し貿易に大部分を頼っている。また、工業資源や発掘品も多くない結果、機械品を多く輸出する割に貿易赤字である。
ワラキア・リアが中心だが、ベルタリアのインペリアルヴェンも多く流通してる。
通商が盛んなため、ベルタリアより差別はひどくなく一定レベルでの信仰・言論の自由が保たれている。ワルク教が国の中心を占めているため、王国政府によって現在もワルク教は保護されている。ゆえに、非信者は税制が変わったり、住居の移転が制限される等のペナルティが課せられている。事実上の国政である。ベルタリア帝国陣営の各地にワルク教の教会(地球でいう所の「大学」のようなところで、ワルカリア哲学を学ぶ場)が点在し、これらの運営には税金がとうじられており実質王国政府の公営機関である。最近はベルタリア帝国の首都カヤリアに張り巡らされた地下スラム街にも進出し何やら低所得層の啓蒙にいそしんでいる様子。そこで優秀だが正規な学校に行く経済力のない者をヘッドハンティングしてきたりしている。盟主国では貧民として持て余されていた人的資源の確保だ。低所得者層を採用して利用するのは廃棄場でも頻繁に行っており、慣れたものである。
国鳥として黒軍鶏が存在する。この地の草原に生息していたため王家の紋章として採用され、ワルカリア国民にも広く親しまれている。卵・肉の食用利用のほか、愛玩動物として、また番犬のような扱いとして(地球の鳥と違って鋭い爪が生えている)一般家庭に良く飼われているのである。比較的頑丈な動物なので、草原が廃棄場として潰された現在でも汚染の少ない地域ではいまだに野生で生息している。都市国家ではこの黒軍鶏を使ったコクログと呼ばれる闘鶏が人気である。コクログに参加する鳥はまだ若い食肉用鳥に限られるが、毎年行われる大会で勝ち抜いた歴戦のシャモは食肉にされるのを免れ王家シャモの血筋に交わることが許されるという。
王家の持つ黒軍鶏は黒一色ではなくオレンジのカラーラインが入っている希少種なのが特徴だ。この特徴ではワルカリア国旗の黒軍鶏にも見て取れる(国旗は未実装)
代々女王が治める女系の立憲君主制で、初代女王マリーヤは強権政治をしようとしていたが彼女のバックにいたワラキア商人達の強い反対を受け大人しくなった。
諸国乱立時にリベラルなワラキアらしく市民から民主化を求める活動が活発となり革命寸前までいったがマリーヤは自身の権限も大幅に制限する憲法の制定を国民投票により採択し、「王室」「市民憲法制定会(=国会)」、「国家裁判所」の三権分立を現代のカラルで唯一制定させ、現在も続いている。
国土自体はそこそこ広いが、ワルカリア自体が交易路を経て発展してきた貿易国家なので政府の支配は点(都市)とそれを結んだ線(交易道路)が中心である。点となる都市はワラキア以外にも1ダースほど存在し、デルバレス側の脅威に晒されるリスクのある北側は城塞都市のようになっている。各都市は中流以上の階級の市民が生活し、様々な規模の工業地帯と住宅地、小規模の農地(主にジャガイモのような主食を育てる)からなる。各都市はある程度の自治がなされており、各都市議会の議長は首都ワラキアに駐在する(ある意味各都市が散らばらないようにするための調整役だ)。名実ともにワルカリア経済の核となる場所だ。都市同士は古代から続くよく整備された道路でしっかりと繋がっているほか、特に大規模な都市同士には長距離鉄道が敷設されている。
道路から離れた僻地は広大な草原やサヘルのような場所が広がっていて、昔は大放牧地だったが現在は工業地帯の産業廃棄物や地底拡張の土砂を廃棄する廃棄場となって荒廃している模様。スラム街も形成されており、現地の有力者や不良商隊ネットワーク、都市を追いだされたヤクザなどが支配を固めるアウトローな世界が広がっている。一部の商隊はデルバレス陣営とすら経済的パイプを持っており、公式には否定しているが、中央政府も北側との独自の外交ルートを保有するために彼らの自治を黙認し、あまつさえ支援しているきらいがある。
また、ワラキア地下には小規模ながら地下空間がある。おそらく古代の地下街であろうこの洞窟内は、教会という名の広大な研究機関(後述)や農場がある。もちろん日光は届かず人工の光のみなので、農場と言ってもキノコのような菌類や家畜類、地下湖に網を張って食用洞窟魚の養殖などが主体。全体的に農業の低調なワルカリアの重要な自給手段である。これら中央政府の支配する都市と道路と地下、そして半独立的に動く組織が支配する低所得層の廃棄地帯がワルカリアの国土だ。
工業化の為軍事力をベルタリアに丸投げしていた時期があったが、現在はベルタリア帝国軍を規範とした戦力を保有しており、満足に自衛ができる程度の戦力を保有している。……もとい、遠征時にはベルタリアの露払い的ないち分遣隊にすぎない。
艦隊戦力は国境警備用の軽艦艇がメインだったが、南北の戦乱本格化以降は戦艦を建造している。だが、人口・経済規模共に工業国の中では小さい方な為、現在の経済力では大型戦艦一隻の建造でいっぱいいっぱいな模様。艦種には独自の命名基準がある(カッコ内はベルタリア軍が当てはめている″一般的な"艦種区分)。
ワルカリア空中機動軍
総旗艦(戦艦)1隻 ``ラル・ヅァール・マリーヤ‘‘ 事実上の航空戦艦だが、艦載機は航空打撃要員ではなく、あくまで対空砲の延長として使うらしい。
大型対空艦 (1隻、建造計画のみ)
戦闘巡空警備艦(艦隊型駆逐艦) 14隻
防空巡空警備艦(護衛駆逐艦) 8隻
小型対空艦(コルベット) 40隻
攻撃型輸送艦(揚陸艦) 6隻
輸送艇・補給船舶 若干数
その他航空機 多数
艦艇は主に戦艦マリーヤと駆逐艦からなる2個主艦隊と、フリゲートや航空機からなる警備隊からなる。主艦隊は小分けされ都市の防衛を担当し、フリゲートや航空機は都市直衛のほか哨戒も行う。もしも廃棄場の権力者が独立運動などを始めた場合、それを制圧するための攻撃型輸送艦も保有している。
航空機は航続距離の短い局地戦闘機のような物がおおく、これは「自国領域の防衛」がドクトリンなワルカリア故にである。高い火力と機動力が特徴である。また、これらの発展形である軽爆や中距離輸送機、こそこから発展した装甲爆撃機と早期警戒機からなる。夜間哨戒機には日中洞窟内で勤務している夜目の効く兵士がキャビンに乗り、周囲360度を監視している。
陸軍はベルタリア譲りの装備と練度を持つ独立組織で、兵器はベルタリアのライセンス生産品や旧式輸入品が多いが、戦車分野では独自開発がなされたバランスのとれた快速戦車シャルロット自走突撃砲と、ずば抜けた火力を誇るパイファー自走臼砲を多数運用している。そのほか、鉄道網を防衛する装甲列車を保有していたり、道路網が整備されていることから兵士を輸送するジープやトラック類も非常に充実している(輸送艦を多数整備させるほどの国力がないのが本音)。とはいえ空中船を戦力の主体としてみていることに変わりはなく、APCやIFVのような近代的な地上兵器や電撃戦といったドクトリンが生まれるのはまだまだ先のことだろう。
一般歩兵はベルタリア軍には旧式装備のあまりぱっとしない田舎軍隊と思われているが、一方特殊部隊の能力には評価している。一人でも天測で平原を正確に踏破し、夜目の効く訓練を積んだワルカリアの王国親衛捜索隊は事実高い能力を保持している。捜索隊の名の通り建前は廃棄場の特に政情不安地域に墜落した空中兵士の強行救出隊となっているが、北半球諸国に諜報員を送っているだけでなく……有事の際には宗主国の地下スラムに張り巡らされた教会の支援の元これを制圧して宗主国の体制を揺るがしかねない、とベルタリア当局は警戒している。
また、ベルタリア帝国軍の分遣隊も駐屯している。デルバレス側の攻撃には共同作戦でこの地を守っている。