Destiny Panic! ◆WAWBD2hzCI
「がたんごとんー、がたんごとんー」
「…………」
「ふや~……誰もいない貸切状態だね」
「…………」
「ふや~……誰もいない貸切状態だね」
南へと向かう電車の中、羽藤桂はのんびりとくつろいでいた。
危機感など欠片もない。そんな彼女の能天気さにアルは溜息をひとつ。
桂のマギウススタイルに従ってミニサイズになっている彼女のそんな姿は、素直に可愛いものだと桂は思う。
危機感など欠片もない。そんな彼女の能天気さにアルは溜息をひとつ。
桂のマギウススタイルに従ってミニサイズになっている彼女のそんな姿は、素直に可愛いものだと桂は思う。
「汝……もう少し危機感を持たんか」
「え? だって貸切だよ、他には誰もいないよ? ほらほらー、アルちゃんもご飯食べようよー」
「ええい、離さぬか! 太平楽さ加減もたいがいにせい!」
「え? だって貸切だよ、他には誰もいないよ? ほらほらー、アルちゃんもご飯食べようよー」
「ええい、離さぬか! 太平楽さ加減もたいがいにせい!」
がたんごとん、とたった二人の乗客を連れて列車は走行する。
さすがに電車の中は安全だろう、と桂は素人らしい慢心のまま、自分の支給品であるパンを頬張っている。
その様子は無垢なハムスターのようだった。
『古河パン』と銘打たれたそれは、近所のパン屋さんよりも美味しくて個人的には大満足な桂だった。
胸元に抱き上げようとする桂に、アルはふるふると身体全体を振って脱出する。
さすがに電車の中は安全だろう、と桂は素人らしい慢心のまま、自分の支給品であるパンを頬張っている。
その様子は無垢なハムスターのようだった。
『古河パン』と銘打たれたそれは、近所のパン屋さんよりも美味しくて個人的には大満足な桂だった。
胸元に抱き上げようとする桂に、アルはふるふると身体全体を振って脱出する。
「ええい、そこに直れ! よいか、汝は緩すぎる! この先、それで生き残れると思うてか!」
「だ、だって……ほら、電車から降りたら大変で危ないだろうし、楽するのは今のうちかな、なんて……」
「甘い、甘すぎるぞ! 妾たちがいる町にいたら、ブラックロッジにあっという間に連れて行かれて叩き売られること請け合いじゃ!」
「あ、アルちゃんのいる街って一体……」
「だ、だって……ほら、電車から降りたら大変で危ないだろうし、楽するのは今のうちかな、なんて……」
「甘い、甘すぎるぞ! 妾たちがいる町にいたら、ブラックロッジにあっという間に連れて行かれて叩き売られること請け合いじゃ!」
「あ、アルちゃんのいる街って一体……」
電車の中なのに床に正座させられる桂。
小姑のようにガミガミとアルは桂の頭の上に乗って説教中。
小姑のようにガミガミとアルは桂の頭の上に乗って説教中。
「良いか、マスター! 例えばロケットランチャーが支給されていたらどうする! この電車など木っ端微塵よ!」
「えっ、ええ?」
「何処かの建物から電車に向けて狙撃してくるやも知れんな。くれぐれも窓に近づくでないぞ」
「えええーー!?」
「ああ、簡単な話として線路を壊してしまう手がある。それだけで電車など軽く引っ繰り返って、暢気にパンなど食べてる小娘はお終いだな」
「…………ううう……」
「えっ、ええ?」
「何処かの建物から電車に向けて狙撃してくるやも知れんな。くれぐれも窓に近づくでないぞ」
「えええーー!?」
「ああ、簡単な話として線路を壊してしまう手がある。それだけで電車など軽く引っ繰り返って、暢気にパンなど食べてる小娘はお終いだな」
「…………ううう……」
さぁぁーーーっと桂の顔色が青に染まってしまう。
アルのいた街、アーカムシティではそのようなことは日常茶飯事だった。だからこそ危険予測には自信がある。
電車はおろか、建物でもロボのひとつが現れたら安全ではない。安全な場所などない。
桂とて命を狙われる対象ではあったが、アルのいた場所ではもっとシビアな現実を生きてきたのだ。
アルのいた街、アーカムシティではそのようなことは日常茶飯事だった。だからこそ危険予測には自信がある。
電車はおろか、建物でもロボのひとつが現れたら安全ではない。安全な場所などない。
桂とて命を狙われる対象ではあったが、アルのいた場所ではもっとシビアな現実を生きてきたのだ。
「じゃ、じゃあ、アルちゃん……ひょっとして電車って……」
「うむ。まあ、鉄の……いや、金の棺桶に相応しいと思わぬか?」
「えええーーーーーっ!!?」
「うむ。まあ、鉄の……いや、金の棺桶に相応しいと思わぬか?」
「えええーーーーーっ!!?」
がたんごとん、がたんごとん。
金色のカラクリ電車は何が起ころうと決まった線路を走り続ける。
金色のカラクリ電車は何が起ころうと決まった線路を走り続ける。
「ど、どうしよう、どうしよう……アルちゃん、どうしよう!?」
「落ち着かぬか、我が主よ。妾はそれを承知で乗っておるのだぞ」
「あっ、そっか……じゃあアルちゃんには、何か作戦があるんだね?」
「うむ」
「落ち着かぬか、我が主よ。妾はそれを承知で乗っておるのだぞ」
「あっ、そっか……じゃあアルちゃんには、何か作戦があるんだね?」
「うむ」
そう、何が起ころうと走り続ける。
たとえこの島で殺し合いが起ころうと、たとえ搭乗者が二人だけでも。
がたんごとん、がたんごとん。
たとえこの島で殺し合いが起ころうと、たとえ搭乗者が二人だけでも。
がたんごとん、がたんごとん。
「爆撃を受けたら、即座に窓を破って飛び出せ、マギウススタイルならなんとかなるだろう」
「ええええーーーーーっ!!?」
「ええええーーーーーっ!!?」
線路が続く限り、電車は動き続ける。スケジュール通り、予定通り、命じられた通りに。
その道が途切れない限り、電車は鉄の意志と共に進んでいく。
たとえ自身と同じ存在と擦れ違おうと、行き違おうと……金色に彩られた鉄の棺桶は無言のまま、自分を貫いていく。
その道が途切れない限り、電車は鉄の意志と共に進んでいく。
たとえ自身と同じ存在と擦れ違おうと、行き違おうと……金色に彩られた鉄の棺桶は無言のまま、自分を貫いていく。
がたんごとん、がたんごとん。
かたたん、かたたん、かたたん。
かたたん、かたたん、かたたん。
両者は交差する。
◇ ◇ ◇ ◇
「かたたん、かたたん、かたたん……って、いつまで続くんだよ、おい」
「さあ……いつまででしょうか」
「さあ……いつまででしょうか」
北上する電車の中で大十字九郎は何度目かの溜息をついた。
最低限の確認をしておこう。
九郎は殺し合いをぶっ潰してやろうと決意した全裸の男だ。
そのために知り合いを見つけ、仲間を募ろうと考えている素敵な素っ裸の男だ。
申し訳なさそうに巻かれている手拭を奪われたら、生まれたままの姿になってしまう恥ずかしい格好だ。
最低限の確認をしておこう。
九郎は殺し合いをぶっ潰してやろうと決意した全裸の男だ。
そのために知り合いを見つけ、仲間を募ろうと考えている素敵な素っ裸の男だ。
申し訳なさそうに巻かれている手拭を奪われたら、生まれたままの姿になってしまう恥ずかしい格好だ。
「…………俺、この状態で何も知らない奴に見つかったら、撃ち殺されるかもな……」
「えっと、奏さん。俺たちが捜している人、憶えているか?」
「あ、ええ。憶えていますよ。一応、メモには残しているのですけど」
「あ、ええ。憶えていますよ。一応、メモには残しているのですけど」
かたたん、かたたん、かたたん。
揺れる黄金の電車の中で、奏はメモ帳を取り出し、一人一人名前を挙げていく。
揺れる黄金の電車の中で、奏はメモ帳を取り出し、一人一人名前を挙げていく。
こくり、とひとつ肯定。
そろそろ奏も九郎の裸を見慣れてきた頃だろうか。
良く鍛えられた腹筋、広い背中、高い身長、引き締まった筋肉……男の人の、裸。
そろそろ奏も九郎の裸を見慣れてきた頃だろうか。
良く鍛えられた腹筋、広い背中、高い身長、引き締まった筋肉……男の人の、裸。
「………………」
視線を九郎から窓の外へと移してしまう。
決して彼が悪いわけではなく、男の裸を見慣れていない自分が悪いのだ、と奏は内心で言い訳をひとつ。
頭に怒り以外の理由で血が昇って、頬が熱い。
最初こそ出会いのインパクトが強すぎて感覚が麻痺していたが、実は相当特殊な状態なのではないだろうか。
決して彼が悪いわけではなく、男の裸を見慣れていない自分が悪いのだ、と奏は内心で言い訳をひとつ。
頭に怒り以外の理由で血が昇って、頬が熱い。
最初こそ出会いのインパクトが強すぎて感覚が麻痺していたが、実は相当特殊な状態なのではないだろうか。
「ところで、奏……」
「な、なんでしょう、九郎さん……?」
「あれは、なんだ?」
「……電車ですね」
「な、なんでしょう、九郎さん……?」
「あれは、なんだ?」
「……電車ですね」
かたたん、かたたん、かたたん。
前方を見る九郎の視線に気づき、奏も誘われるように前方を見る。
そこには金色の電車があった。同じ形態らしい。線路の数を数えれば六本もある。
そのうちのひとつと擦れ違うのも珍しくはないのだろう。
前方を見る九郎の視線に気づき、奏も誘われるように前方を見る。
そこには金色の電車があった。同じ形態らしい。線路の数を数えれば六本もある。
そのうちのひとつと擦れ違うのも珍しくはないのだろう。
かたたん、かたたん、かたたん。
がたんごとん、がたんごとん。
がたんごとん、がたんごとん。
「…………ん?」
「…………?」
「…………?」
問題は擦れ違う電車の中に乗客がいることだ。
誰かがいた、それは分かる。何故か床に正座している女の子の姿は見えた。
だが、残念ながら見えたのはほんの一瞬だけ。誰かを判別することはできなかった。
誰かがいた、それは分かる。何故か床に正座している女の子の姿は見えた。
だが、残念ながら見えたのはほんの一瞬だけ。誰かを判別することはできなかった。
「いま、誰か乗ってたな……」
「はい……書置きを残しておけば良かったですね」
「……そうだな」
「はい……書置きを残しておけば良かったですね」
「……そうだな」
ほんの少しだけ切ない思いをした。
がたんごとん、がたんごとんと音は瞬く間に小さくなり……やがて視界へと消えていく。
まあ、行き違いになってしまったものは仕方ない。どの道、電車から無理やり途中下車でもしなければ追いつけないのだ。
付け加えるなら、もうジェットコースターはごめんだった。
がたんごとん、がたんごとんと音は瞬く間に小さくなり……やがて視界へと消えていく。
まあ、行き違いになってしまったものは仕方ない。どの道、電車から無理やり途中下車でもしなければ追いつけないのだ。
付け加えるなら、もうジェットコースターはごめんだった。
かたたん、かたたん。
やがて列車は終点へとたどり着く。島の北、空港行きの最終便へと。
やがて列車は終点へとたどり着く。島の北、空港行きの最終便へと。
「到着したか……」
「はい……」
「はい……」
当然、九郎たちは安全を確認するために駅を探索することになる。
そうなると、もちろんこれが見つかってしまうわけで。
そうなると、もちろんこれが見つかってしまうわけで。
『1.千羽烏月、浅間サクヤ、若杉葛、ユメイ、大十字九郎、ウィンフィールドは信頼出来る。
2.ティトゥスは殺し合いに乗っている可能性が極めて高い。
3.ドクター・ウェストは天才だが大莫迦。信頼出来るかはグレーゾーン。
4.空港に軍用の戦闘機が放置してある。
5.この紙の筆者である羽藤桂とアル・アジフは殺し合いに乗っていない。今から電車に乗って、別の場所へ向かう予定』
2.ティトゥスは殺し合いに乗っている可能性が極めて高い。
3.ドクター・ウェストは天才だが大莫迦。信頼出来るかはグレーゾーン。
4.空港に軍用の戦闘機が放置してある。
5.この紙の筆者である羽藤桂とアル・アジフは殺し合いに乗っていない。今から電車に乗って、別の場所へ向かう予定』
「………………」
「…………あ、あの……九郎さん……?」
「…………あ、あの……九郎さん……?」
事態を理解した奏が、気まずそうに九郎のほうへ振り返る。
彼は紙をしっかりと見つめると、ガタガタと肩を震わせた。その直後、駅の構内に絶叫が響き渡る。
彼は紙をしっかりと見つめると、ガタガタと肩を震わせた。その直後、駅の構内に絶叫が響き渡る。
「しまったぁぁぁぁああああああああああっ!!!!!」
◇ ◇ ◇ ◇
「ふう……こんなところでしょうか」
執事、ウィンフィールドは黒い服についた埃をパンパンッと払って一息。
その背後にはシーツに白衣、髪の毛には白い液体のついた少女が追従する。
決して疚しいことは何一つないのだが、第三者から見れば誤解されかねない状態であることは間違いない。
少女も白衣とシーツの下に、乙女の柔肌を遮るものはなにひとつないのだから。
その背後にはシーツに白衣、髪の毛には白い液体のついた少女が追従する。
決して疚しいことは何一つないのだが、第三者から見れば誤解されかねない状態であることは間違いない。
少女も白衣とシーツの下に、乙女の柔肌を遮るものはなにひとつないのだから。
「清浦様、結論から申し上げます。この空港は安全と考えていいでしょう」
「……そうなの?」
「……そうなの?」
ウィンフィールドは一時間近く、この空港とツインタワーを散策した。
もちろん近くに捜し人である大十字九郎やアル・アジフたちがいないかどうか。
そして万が一にでも殺し合いに乗っている敵がいないかを確かめるためだ。結論として、この空港とツインタワーは安全だと断じた。
もちろん近くに捜し人である大十字九郎やアル・アジフたちがいないかどうか。
そして万が一にでも殺し合いに乗っている敵がいないかを確かめるためだ。結論として、この空港とツインタワーは安全だと断じた。
「私はこれより、周辺の散策へと参ります。清浦様はいかがなさいますか?」
「……服が、あるかも知れないから、探す」
「承知しました。では、もしものときは何かで合図をください。すぐに駆けつけます」
「……服が、あるかも知れないから、探す」
「承知しました。では、もしものときは何かで合図をください。すぐに駆けつけます」
頷いた。ウィンフィールドの思考は合理的で冷静、頼りになる。
基本的には彼の言うとおりにしておいたら間違いはないだろう。刹那はそれなりの信頼を彼にかけている。
実直な性格は素直に尊敬できる。おかげで彼女自身も笑顔を少し取り戻せた。
だから、いなくなられると不安になる。不安になるのだが、我慢しなければ。自分の身を最終的に守るのは自分なのだから。
基本的には彼の言うとおりにしておいたら間違いはないだろう。刹那はそれなりの信頼を彼にかけている。
実直な性格は素直に尊敬できる。おかげで彼女自身も笑顔を少し取り戻せた。
だから、いなくなられると不安になる。不安になるのだが、我慢しなければ。自分の身を最終的に守るのは自分なのだから。
「では」
「……うん」
「……うん」
ウィンフィールドは短く一言で許可を取ると、空港の外へと出て行ってしまった。
ぽつん、と残されてしまう刹那。
とりあえず、やることは決まっている。乙女がいつまでもシーツ一枚というのは良くない。貞操の意味でも、羞恥の意味でも。
ここは安全だ、とウィンフィールドは言ったのだから大丈夫のはずだ。
ぽつん、と残されてしまう刹那。
とりあえず、やることは決まっている。乙女がいつまでもシーツ一枚というのは良くない。貞操の意味でも、羞恥の意味でも。
ここは安全だ、とウィンフィールドは言ったのだから大丈夫のはずだ。
「とりあえずは……更衣室、かな」
スチュワーデスの制服でもあればいいのだけど。
ここでサイズの問題が出たら別の意味で泣く。ついでに自分の身体を恨むかも知れない。
じゃあまず、最初にすることは更衣室へ。
ここでサイズの問題が出たら別の意味で泣く。ついでに自分の身体を恨むかも知れない。
じゃあまず、最初にすることは更衣室へ。
「……の前に」
この頭についた牛乳の匂いやらを洗い流してしまおう。
シャワー室。都合よくあるとは思えない。少なくとも散策しているときは見つからなかった。
トイレの水、はさすがに気が引ける。確かに手を洗う水だから綺麗なのは当たり前なのだが……不思議なことだ。
シャワー室。都合よくあるとは思えない。少なくとも散策しているときは見つからなかった。
トイレの水、はさすがに気が引ける。確かに手を洗う水だから綺麗なのは当たり前なのだが……不思議なことだ。
「…………んー、自動販売機を銃で壊して、ミネラルウォーターで髪を洗うとか」
良い考えだと、自分で自画自賛。
そしてやっぱり廃棄。銃の音でウィンフィールドが飛んできたら申し訳ない。
諦めて刹那はトイレを選択することにした。
ウィンフィールドにやられた首の痛みはそろそろ取れ始めた頃。安全を保障されただけに気分は良かった。
そしてやっぱり廃棄。銃の音でウィンフィールドが飛んできたら申し訳ない。
諦めて刹那はトイレを選択することにした。
ウィンフィールドにやられた首の痛みはそろそろ取れ始めた頃。安全を保障されただけに気分は良かった。
結論から言えば、それが彼女の致命的なまでの間違いだったのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
しばらく地面に両手をついて落ち込んでいた九郎だが、それも一瞬のこと。
すぐに追いつこうと電車に乗り込もうとするが、動き出す様子はない。どうやら乗客を乗せるために一時停止をするらしい。
それは自明の理なのだが、そうしている間にアルたちが遠くに行ってしまうとなると居た堪れない。
とはいえ、待っていても仕方がないので付近を探索することにした。
すぐに追いつこうと電車に乗り込もうとするが、動き出す様子はない。どうやら乗客を乗せるために一時停止をするらしい。
それは自明の理なのだが、そうしている間にアルたちが遠くに行ってしまうとなると居た堪れない。
とはいえ、待っていても仕方がないので付近を探索することにした。
探索に向かうのは九郎一人だ。
もしも空港に敵がいれば、奏を守って戦わなければならない。
逃げ足に定評のある自分なら、即座に退却して戻ってこれるはずだ。奏にはその間、身を隠してもらうことにした。
とりあえず、奏の支給品に日本刀があったのでそれを持っていくことになった。
もしも空港に敵がいれば、奏を守って戦わなければならない。
逃げ足に定評のある自分なら、即座に退却して戻ってこれるはずだ。奏にはその間、身を隠してもらうことにした。
とりあえず、奏の支給品に日本刀があったのでそれを持っていくことになった。
「…………大丈夫かしら?」
九郎を送り出した奏ではあるが、正直言って不安だった。
確認するが大十字九郎は全裸のいい男である。
社会に出て人に出会えば確実に警察のお世話になるだろうスタイルのまま、空港のほうへ向かっていってしまったが。
送り出してよかったのだろうか。やっぱり自分も行くべきではなかったのだろうか。一抹の不安が過ぎった。
確認するが大十字九郎は全裸のいい男である。
社会に出て人に出会えば確実に警察のお世話になるだろうスタイルのまま、空港のほうへ向かっていってしまったが。
送り出してよかったのだろうか。やっぱり自分も行くべきではなかったのだろうか。一抹の不安が過ぎった。
だが、その直後。
神宮司奏はその思考を棄却しなければならなくなる。
神宮司奏はその思考を棄却しなければならなくなる。
(…………!)
人の気配、などというものは分からない。
だから訪れた人物がいつ、どうして、どうやって自分の目の前に現れたのか理解できなかった。
まるで幽鬼のようにふらり、と目の前に現れた人物の影は漆黒。
命を狙われている状況を加味すれば、それは奏の心臓を握りつぶしてしまうほどの恐怖だった。
だから訪れた人物がいつ、どうして、どうやって自分の目の前に現れたのか理解できなかった。
まるで幽鬼のようにふらり、と目の前に現れた人物の影は漆黒。
命を狙われている状況を加味すれば、それは奏の心臓を握りつぶしてしまうほどの恐怖だった。
咄嗟に奏は武器を構えていた。
自身の支給品。本来ならこっちも九郎に渡したかったが、自分の身を守るために使えと言われた人殺しの道具。
SPAS12ゲージ。
人の命を奪うために生み出された凶器のひとつ、ショットガン。
それを構えることで自身の安全と、そして精神的な余裕を生み出そうと考えたのだろう。
自身の支給品。本来ならこっちも九郎に渡したかったが、自分の身を守るために使えと言われた人殺しの道具。
SPAS12ゲージ。
人の命を奪うために生み出された凶器のひとつ、ショットガン。
それを構えることで自身の安全と、そして精神的な余裕を生み出そうと考えたのだろう。
「…………」
「敵意はございませんので、武器を下ろしてはいただけないでしょうか」
「敵意はございませんので、武器を下ろしてはいただけないでしょうか」
両手をあげて害意がないことを示しているらしい。
実のところウィンフィールドにとって両手をあげたところで戦力放棄にはなっていないのだが、彼女の安心を獲得させることを優先させた。
落ち着きを取り戻した奏は、ゆっくりとショットガンを下ろす。
それを信用の証と受け取ったのか、ウィンフィールドは生真面目な表情は崩さずに尋ねる。
実のところウィンフィールドにとって両手をあげたところで戦力放棄にはなっていないのだが、彼女の安心を獲得させることを優先させた。
落ち着きを取り戻した奏は、ゆっくりとショットガンを下ろす。
それを信用の証と受け取ったのか、ウィンフィールドは生真面目な表情は崩さずに尋ねる。
「お名前をお聞きしても宜しいですか?」
「……奏。神宮司、奏と申します」
「では神宮司様、お聞きしたいことがございます。私には捜しているお方がおられるのですが、大―――」
「……奏。神宮司、奏と申します」
「では神宮司様、お聞きしたいことがございます。私には捜しているお方がおられるのですが、大―――」
ウィンフィールドが名前を告げようとした、そのときだった。
空港のほうから銃声。それなりに遠いところではあるが、ウィンフィールドの五感は鋭くそれを感知した。
空港のほうから銃声。それなりに遠いところではあるが、ウィンフィールドの五感は鋭くそれを感知した。
「銃声……! 空港……?」
「えっ……?」
「えっ……?」
銃声が聞こえなかった奏は首をかしげるなか、ウィンフィールドは考える。
確かに可能なかぎり刹那を守るとは言ったが、この場合は該当するだろうか。見捨てる必要のほどはあるだろうか。
答えは否だ。まだ見捨てなければならない状況ではない。
目の前の女性との情報交換を優先することはない。まずは刹那の安全の確保、ここから空港まで最速でも―――五分あれば。
確かに可能なかぎり刹那を守るとは言ったが、この場合は該当するだろうか。見捨てる必要のほどはあるだろうか。
答えは否だ。まだ見捨てなければならない状況ではない。
目の前の女性との情報交換を優先することはない。まずは刹那の安全の確保、ここから空港まで最速でも―――五分あれば。
「申し訳ありません、知り合いが危ない可能性もございますので失礼します。神宮司様はどうなされますか?」
「あっ……私は、連れがここで待っているように、と」
「ではいずれまたお会いしましょう。ご無事で」
「あっ……私は、連れがここで待っているように、と」
「ではいずれまたお会いしましょう。ご無事で」
そう言い残すとウィンフィールドは踵を返して疾走する。
早い、ものの十秒ほどでもう背中が見えなくなってしまった。
そういえば、と奏は思い返す。恐怖とあまりの急展開に我を忘れてしまったけれど。
早い、ものの十秒ほどでもう背中が見えなくなってしまった。
そういえば、と奏は思い返す。恐怖とあまりの急展開に我を忘れてしまったけれど。
「……あの方の名前、聞き忘れてしまいました」
ぽつり、と呟いて改めて思う。
確か眼鏡に執事服の男性……ウィンフィールドという人物がそれに該当しているのではないか、と。
少し自分が嫌になった。ひょっとしたら、彼は九郎の捜している味方だったのではないか。
確か眼鏡に執事服の男性……ウィンフィールドという人物がそれに該当しているのではないか、と。
少し自分が嫌になった。ひょっとしたら、彼は九郎の捜している味方だったのではないか。
(確か、九郎さんは空港に向かったはずだから……そちらで逢える、はずですよね?)
思えば、それが彼女の致命的な間違いではあったのかも知れない。
◇ ◇ ◇ ◇
「……誰か、いるな」
絶賛素っ裸、裸の王様を地でいく漢、大十字九郎は空港のロビーに身を隠していた。
途中、遠方から狙撃される可能性を考慮して軍用機などの影に隠れながら、この空港に接近していたのだ。
今は潜入成功、そして誰かの足音が確かに聞こえる。
無用心だ。恐らく戦いとは無縁の人間なのだろう。恐らく、殺し合いには乗っていないはずだ。
途中、遠方から狙撃される可能性を考慮して軍用機などの影に隠れながら、この空港に接近していたのだ。
今は潜入成功、そして誰かの足音が確かに聞こえる。
無用心だ。恐らく戦いとは無縁の人間なのだろう。恐らく、殺し合いには乗っていないはずだ。
「この部屋の中か……?」
確かに中から物音がする。間違いなく、ここに人がいるだろう。
とりあえず渡された日本刀を念のために握っておく。異様に刀身の長い刀ではあるのだが。
ここは何の部屋なんだろう、と上を見上げて見ると……更衣室、と銘打たれていた。
とりあえず渡された日本刀を念のために握っておく。異様に刀身の長い刀ではあるのだが。
ここは何の部屋なんだろう、と上を見上げて見ると……更衣室、と銘打たれていた。
「おお……」
不覚にも感動で涙がこぼれるかと思った。
この殺し合いの舞台に立たされてはや三時間ほど。電車の上に飛ばされ、しかも服を一切合財奪われた九郎の苦労話。
だが、それも終焉を迎えた。もう服に困ることはない、グッバイ裸の王様、こんにちは常識人な自分。
常務員の服ぐらいあるものだろう、と半ばトリップ状態で扉を開けて――――
この殺し合いの舞台に立たされてはや三時間ほど。電車の上に飛ばされ、しかも服を一切合財奪われた九郎の苦労話。
だが、それも終焉を迎えた。もう服に困ることはない、グッバイ裸の王様、こんにちは常識人な自分。
常務員の服ぐらいあるものだろう、と半ばトリップ状態で扉を開けて――――
「……えっ……?」
「…………あっ?」
「…………あっ?」
そこに、何かこう、文章で表現してはいけない清浦刹那の姿があった。
「……あっ……あう……」
当初、刹那の体をかろうじて視線から守っていたシーツは床に捨てられている。
それと言うのも更衣室には可愛いスチュワーデスの制服があったからだ。刹那の体にもぴったり合うサイズで歓喜していた。
すっかり上機嫌のまま、白衣も脱ぎ捨てて制服を手に取ろうとしていたのだ。
下着はどうしよう、と思わないでもなかったが、少なくとも白衣にシーツよりは遥かにマシだったのだから。
それと言うのも更衣室には可愛いスチュワーデスの制服があったからだ。刹那の体にもぴったり合うサイズで歓喜していた。
すっかり上機嫌のまま、白衣も脱ぎ捨てて制服を手に取ろうとしていたのだ。
下着はどうしよう、と思わないでもなかったが、少なくとも白衣にシーツよりは遥かにマシだったのだから。
そうして、彼女は警戒を怠った。
九郎とて抜き足差し足で近づいてきたのだから気づくはずがない。ただ、突然の事態に覚悟もできていなかった。
九郎とて抜き足差し足で近づいてきたのだから気づくはずがない。ただ、突然の事態に覚悟もできていなかった。
「あっ、と、その、えーとだな……!」
一方の九郎の格好。
生まれたままの姿の彼女と唯一違う点は、腰に巻かれた手ぬぐいのみ。
だが、第三者から見ればアダムとイヴの邂逅にしか見えないシチュエーション。不幸すぎる最悪のタイミング。
九郎は心の底から取りとめのないことを思った。
生まれたままの姿の彼女と唯一違う点は、腰に巻かれた手ぬぐいのみ。
だが、第三者から見ればアダムとイヴの邂逅にしか見えないシチュエーション。不幸すぎる最悪のタイミング。
九郎は心の底から取りとめのないことを思った。
(ゴッド。俺、何か悪いことしましたか?)
運命の神様とやらに文句をひとつ。
イエス、と何故か頭の中で黒髪にナイスバディの眼鏡のお姉さんがウインクと共に肯定した。
イエス、と何故か頭の中で黒髪にナイスバディの眼鏡のお姉さんがウインクと共に肯定した。
「あっ……あっ……あう……!」
「いや、待て! これは……そう、誤解! 誤解なんだ!」
「いや、待て! これは……そう、誤解! 誤解なんだ!」
現実逃避している場合ではなかった。
刹那は恐怖と羞恥とその他諸々の感情が爆発していた。ただ、頭の中に思ったのはいくつかの単語。
刹那は恐怖と羞恥とその他諸々の感情が爆発していた。ただ、頭の中に思ったのはいくつかの単語。
(男、見られた、裸、敵、怖い、あっちも裸、やだ、変態、恥ずかしい、助けて)
命の危機と貞操の危機。
それを自覚した瞬間、全身から嫌な汗が流れるのを刹那は感じた。ついでに身体がすごく熱くて火傷しそうだ。
とにかく、あれは敵。
とにかく、あれは敵。
とにかく、あれは敵――――!
それを自覚した瞬間、全身から嫌な汗が流れるのを刹那は感じた。ついでに身体がすごく熱くて火傷しそうだ。
とにかく、あれは敵。
とにかく、あれは敵。
とにかく、あれは敵――――!
「やだあああぁぁああああああああっ!!!!」
トンプソンコンテンダーを握り締め、目の前の変態に向かって引き金を引く。
殺す覚悟もなかった。ただ、異常なまでの脳内麻薬が彼女を後押ししていた。
もちろん、瞳も瞑っていたし咄嗟に隠したいところを隠すために手を向けたために、狙いは外れてしまう。
だが、それは意外にも中々の射撃で九郎の耳を掠めないギリギリのところに弾丸が飛来した。
殺す覚悟もなかった。ただ、異常なまでの脳内麻薬が彼女を後押ししていた。
もちろん、瞳も瞑っていたし咄嗟に隠したいところを隠すために手を向けたために、狙いは外れてしまう。
だが、それは意外にも中々の射撃で九郎の耳を掠めないギリギリのところに弾丸が飛来した。
「うおぁああああああああっ!!?」
九郎は即座に逃走を選択。
さらば、我が求めし宝物。全て遠き理想郷よ、俺は必ずいつかお前を手にしてみせる、と心中で告げて。
更衣室は惜しい、そして新たな仲間を確保するという意味で少女のほうも惜しい。
だが、こんな弾丸で殺されたりしたら末代まで笑われる。というか、情けなさ過ぎて死んでも死に切れません。
さらば、我が求めし宝物。全て遠き理想郷よ、俺は必ずいつかお前を手にしてみせる、と心中で告げて。
更衣室は惜しい、そして新たな仲間を確保するという意味で少女のほうも惜しい。
だが、こんな弾丸で殺されたりしたら末代まで笑われる。というか、情けなさ過ぎて死んでも死に切れません。
いや、本当なら時間をかけて誤解を解きたいのが本音だ。
だけど時間がないのも確かだった。電車は自動で発車してしまう。アルと桂を追いかけなければならないのだ。
困っている人を見捨てる、というわけではないのだが、九郎は微妙な板ばさみにあいながらも走り続ける。
だけど時間がないのも確かだった。電車は自動で発車してしまう。アルと桂を追いかけなければならないのだ。
困っている人を見捨てる、というわけではないのだが、九郎は微妙な板ばさみにあいながらも走り続ける。
「くっそぉおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
◇ ◇ ◇ ◇
「はっ……はぁ、はあ……やっちゃった……」
刹那は軽く自己嫌悪に陥っていた。
いつもの賢明な彼女なら落ち着いて対処できたかも知れないのに、テンションに身を任せてしまうだなんて。
いや、それでも着替え中にいきなり裸の男が乱入してきたら悲鳴ぐらいあげてもいいと思う。
ぺたり、と何も身に着けない状態で数分間、呆然としていた刹那だが、すぐに首を振る。
いつもの賢明な彼女なら落ち着いて対処できたかも知れないのに、テンションに身を任せてしまうだなんて。
いや、それでも着替え中にいきなり裸の男が乱入してきたら悲鳴ぐらいあげてもいいと思う。
ぺたり、と何も身に着けない状態で数分間、呆然としていた刹那だが、すぐに首を振る。
「やってしまったことは仕方ない……反省」
ついでに服を着よう。藍色のスチュワーデスの服を袖に通す。
スカートは短くはないけど……下着を着けていない状態でスカートは勇気がいる。下着も何処かで調達しなければ。
あの男の人は何だったんだろう。裸で更衣室に入ってくるなんて普通じゃない。
何か言っていたような気がするが、まったく聴いていなかった。それほどまでに真っ赤な感情が自分を支配していたのだ。
スカートは短くはないけど……下着を着けていない状態でスカートは勇気がいる。下着も何処かで調達しなければ。
あの男の人は何だったんだろう。裸で更衣室に入ってくるなんて普通じゃない。
何か言っていたような気がするが、まったく聴いていなかった。それほどまでに真っ赤な感情が自分を支配していたのだ。
「……黒い髪に、半裸しか覚えてない……」
後は刀を持っていた。人殺しの道具だ。
特徴はそれだけしか憶えていなかった。着替え終わった刹那が更衣室から退室すると、真っ直ぐにこちらへと向かってくる人影がひとつ。
それがウィンフィールドのものだと分かったとき、刹那は心の底から安堵した。
特徴はそれだけしか憶えていなかった。着替え終わった刹那が更衣室から退室すると、真っ直ぐにこちらへと向かってくる人影がひとつ。
それがウィンフィールドのものだと分かったとき、刹那は心の底から安堵した。
「清浦様、ご無事ですか!?」
「……うん、大丈夫。男の人に襲われた……? だけ」
「……なんと。私の調査不足でございました、面目ありません。して、どのような外見でしたか?」
「……うん、大丈夫。男の人に襲われた……? だけ」
「……なんと。私の調査不足でございました、面目ありません。して、どのような外見でしたか?」
ウィンフィールドの質問に刹那は困った。
言うしかないのだろうか。いや、やっぱり言うしかないのだろう。
言うしかないのだろうか。いや、やっぱり言うしかないのだろう。
「黒い髪で……」
「黒髪で……ふむ」
「刀を持ってて……」
「刀……ふむ……?」
「あと、その……裸の人だった」
「黒髪で……ふむ」
「刀を持ってて……」
「刀……ふむ……?」
「あと、その……裸の人だった」
段々、ウィンフィールドの顔色が厳しいものになっていく。
黒髪に刀を持った男、そして裸――――いや、あの男の服装は半裸だったが。
その外見をウィンフィールドは知っている。あの男、四本の腕を持った魔人。ブラックロッジの幹部であるアンチクロスの一人。
黒髪に刀を持った男、そして裸――――いや、あの男の服装は半裸だったが。
その外見をウィンフィールドは知っている。あの男、四本の腕を持った魔人。ブラックロッジの幹部であるアンチクロスの一人。
(もしや……あの男が……?)
いや、早計だ。その考えはまだ早い。
だが、もしも奴が相手となれば逃げられない。少なくとも刹那を庇いながらでは不可。
腕にしてみても制限の名の元に奪われている可能性も否定できない――――聡明すぎるがゆえに、ウィンフィールドの思考は深みに嵌っていく。
もしも本当に、万が一にでもティトゥスだと言うのであれば……これは時間との勝負になる。
だが、もしも奴が相手となれば逃げられない。少なくとも刹那を庇いながらでは不可。
腕にしてみても制限の名の元に奪われている可能性も否定できない――――聡明すぎるがゆえに、ウィンフィールドの思考は深みに嵌っていく。
もしも本当に、万が一にでもティトゥスだと言うのであれば……これは時間との勝負になる。
そういえば駅に残した神宮司奏は――――いや、それこそ切り捨てるべきか。
連れがいると言っていたし、すぐに電車でその場を離れられるだろう。
今はとにかく、ティトゥスと出遭ってしまうという最悪のシナリオの回避に全力を尽くさねばならない。
連れがいると言っていたし、すぐに電車でその場を離れられるだろう。
今はとにかく、ティトゥスと出遭ってしまうという最悪のシナリオの回避に全力を尽くさねばならない。
「清浦様、火急の事態となりました故――――失礼します。この空港より脱出しましょう」
「えっ……?」
「私の考えが悪い方向に当たれば……その男は危険です。お話は追々」
「えっ……?」
「私の考えが悪い方向に当たれば……その男は危険です。お話は追々」
一刻も早くここから離れよう、と彼は言った。
刹那にしても依存はない。聡明であるウィンフィールドの言うことは理に適っていることばかりなのは百も承知。
だが、お姫様抱っこは本当に恥ずかしいのだ、ということを彼は知るべきだとも思った。
刹那にしても依存はない。聡明であるウィンフィールドの言うことは理に適っていることばかりなのは百も承知。
だが、お姫様抱っこは本当に恥ずかしいのだ、ということを彼は知るべきだとも思った。
こうして、致命的な誤解を抱えたまま彼らは空港を後にする。
運命の神はきっと笑い続ける。喜劇を現実に変貌させて――――偶然も、繰り返せぬのならば必然とばかりに。
運命の神はきっと笑い続ける。喜劇を現実に変貌させて――――偶然も、繰り返せぬのならば必然とばかりに。
【チーム『完璧執事と幼な妻』】
【B-7 空港/1日目 黎明】
【B-7 空港/1日目 黎明】
【清浦刹那@School Days L×H】
【装備:トンプソンコンテンダー(弾数1/1)】
【所持品:支給品一式、コンテンダーの弾48発、不明支給品×2(未確認)】
【状態:精神疲労(中)、スチュワーデスの制服着用、下着は着用せず】
【思考・行動】
基本:人は殺さない。
0:……見られたけど、反省
1:ウィンフィールドと行動を共にする
2:どうにかして、首輪を外す
3:下着が欲しい……出来ればきちんとシャワーも浴びたいかも…
【装備:トンプソンコンテンダー(弾数1/1)】
【所持品:支給品一式、コンテンダーの弾48発、不明支給品×2(未確認)】
【状態:精神疲労(中)、スチュワーデスの制服着用、下着は着用せず】
【思考・行動】
基本:人は殺さない。
0:……見られたけど、反省
1:ウィンフィールドと行動を共にする
2:どうにかして、首輪を外す
3:下着が欲しい……出来ればきちんとシャワーも浴びたいかも…
【備考】
※制服(牛乳まみれ)と下着(濡れている)はデイパックにしまいました。 制服(牛乳まみれ)と下着(濡れている)はデイパックにしまいました。
※黒髪に刀を持った裸の男(九郎)を変態だと思っています。
※制服(牛乳まみれ)と下着(濡れている)はデイパックにしまいました。 制服(牛乳まみれ)と下着(濡れている)はデイパックにしまいました。
※黒髪に刀を持った裸の男(九郎)を変態だと思っています。
【ウィンフィールド@機神咆哮デモンベイン】
【装備:なし 】
【所持品:支給品一式、ランダム支給品×1~3(確認済み)】
【状態】:健康、肉体疲労(小)
【思考・行動】
基本:大十字九郎と、アル・アジフの生還を最優先
0:とにかく空港から退避
1:可能な限りは刹那を守る
2:不可能ならば切り捨てる
3:ティトゥスを危険視
【装備:なし 】
【所持品:支給品一式、ランダム支給品×1~3(確認済み)】
【状態】:健康、肉体疲労(小)
【思考・行動】
基本:大十字九郎と、アル・アジフの生還を最優先
0:とにかく空港から退避
1:可能な限りは刹那を守る
2:不可能ならば切り捨てる
3:ティトゥスを危険視
【備考】
※黒髪に刀を持った裸の男(九郎)をティトゥスではと疑っています。
※二人の次の行き先は後続の書き手氏に一任します。
※黒髪に刀を持った裸の男(九郎)をティトゥスではと疑っています。
※二人の次の行き先は後続の書き手氏に一任します。
◇ ◇ ◇ ◇
「……どうしましょう」
もう時間がない。後二分で電車が出発してしまう。
奏は九郎を残して電車に乗るべきか、それとも電車は諦めて九郎を待つべきなのか。
九郎に何かあったのかも知れないし、あの執事と合流できたことで電車のほうを忘れているのかも知れない。
なら、自分も待つべきなのでは……そんな思考をぐるぐる回していたそのときだった。
奏は九郎を残して電車に乗るべきか、それとも電車は諦めて九郎を待つべきなのか。
九郎に何かあったのかも知れないし、あの執事と合流できたことで電車のほうを忘れているのかも知れない。
なら、自分も待つべきなのでは……そんな思考をぐるぐる回していたそのときだった。
「うぉぉおおおおおおおおおっ!!!」
「く、九郎さん?」
「く、九郎さん?」
空港の方向から突っ走る男が一人。もちろん奏が待っていた大十字九郎その人である。
だが、見た目は非常に冷や汗ものである。
気張っています、と言わんばかりの形相で右手に刀、左手は男として唯一の尊厳である手ぬぐいを抑えたまま全力疾走。
絶妙なチラリズムに奏も視線を微妙にそらせるしかない。
だが、見た目は非常に冷や汗ものである。
気張っています、と言わんばかりの形相で右手に刀、左手は男として唯一の尊厳である手ぬぐいを抑えたまま全力疾走。
絶妙なチラリズムに奏も視線を微妙にそらせるしかない。
「奏さぁぁあああんっ!! いいから電車に乗っとけーーーーーっ!!」
「えっ……ええ?」
「えっ……ええ?」
背後にあの執事の姿はない。
どうしよう、乗るべきだろうか。でももう時間がない。九郎が乗れと言っている以上、乗るべきだろう。
乗車する奏。そして九郎も飛び乗った途端、電車はゆっくりと動き出した。
間に合ったらしい……裸の王様はぜいぜいと息を切らしている。しばらく動きたくありません、と言いたげだ。
どうしよう、乗るべきだろうか。でももう時間がない。九郎が乗れと言っている以上、乗るべきだろう。
乗車する奏。そして九郎も飛び乗った途端、電車はゆっくりと動き出した。
間に合ったらしい……裸の王様はぜいぜいと息を切らしている。しばらく動きたくありません、と言いたげだ。
「……九郎さん、空港のほうはどうでしたか?」
「…………のー、こめんと……」
「…………のー、こめんと……」
今は放っといてほしかった。
だが、そういうわけにも行かないので奏は語る。彼女にとっての朗報、彼にとっての訃報を。
だが、そういうわけにも行かないので奏は語る。彼女にとっての朗報、彼にとっての訃報を。
「あの、ところで九郎さんが探索に向かっている間なのですが……」
「……うん?」
「……うん?」
奏はとつとつと出逢った人物について語り始める。
眼鏡に執事服、高い身長。理路整然とした話し方、ボクシングのようなスタイル、身体能力。
聴けば聴くほど、九郎の顔色が微妙に青ざめていく。
ええ、聴けば聴くほどウィンフィールドさんです、本当にありがとうございました。
眼鏡に執事服、高い身長。理路整然とした話し方、ボクシングのようなスタイル、身体能力。
聴けば聴くほど、九郎の顔色が微妙に青ざめていく。
ええ、聴けば聴くほどウィンフィールドさんです、本当にありがとうございました。
「………………」
「……逢えなかった、ということでよろしいですか?」
「……………………ぎゃあああああああああっ!! 運命の神様のバカヤロぉぉおおおおおおっ!!!」
「……逢えなかった、ということでよろしいですか?」
「……………………ぎゃあああああああああっ!! 運命の神様のバカヤロぉぉおおおおおおっ!!!」
ダンボールを被りたい心境だった。
もはや電車に乗り込んでしまった。今からウィンフィールドを捜しに電車を途中下車しても、会えるかどうか。
がっくりと倒れ伏す九郎に奏は何も言えない。むしろ声をかけてあげたら、トドメを刺しそうな気がした。
もはや電車に乗り込んでしまった。今からウィンフィールドを捜しに電車を途中下車しても、会えるかどうか。
がっくりと倒れ伏す九郎に奏は何も言えない。むしろ声をかけてあげたら、トドメを刺しそうな気がした。
「……いや。いやいや、逆に考えろ。執事さんが向こうにいるってことは、あの女の子も安全だ……そうだよ、執事さんなら問題ないじゃないか」
少なくともマギウススタイルになれない、現在の大十字九郎よりも強い。
あの女の子もきっと保護してくれる。そっちは彼に任せて、自分はアルを追いかければいい。
ならばそれでいい。とにかく、ウィンフィールドが何の問題もないならいいではないか。問題はこれから追いかけるアル・アジフのほうなのだから。
あの女の子もきっと保護してくれる。そっちは彼に任せて、自分はアルを追いかければいい。
ならばそれでいい。とにかく、ウィンフィールドが何の問題もないならいいではないか。問題はこれから追いかけるアル・アジフのほうなのだから。
「よしっ、奏! 次の駅で降りるぞ! きっとアルのことだ、遊園地みたいな煌びやかなところに惹かれて降りるはずさ!」
「はい、分かりました」
「はい、分かりました」
結局のところ、その場でゆっくりしていたら出逢えていた、とかそんなことは考えない。
考えたくなかった、疲労的な意味で。
次の駅につくまでの間、大十字九郎は覚えのない神様に呪いの言葉でも投げかけることにした。
考えたくなかった、疲労的な意味で。
次の駅につくまでの間、大十字九郎は覚えのない神様に呪いの言葉でも投げかけることにした。
【チーム『裸の王様は行く』】
【C-7 上り列車内/1日目 黎明】
【C-7 上り列車内/1日目 黎明】
【神宮司奏@極上生徒会】
【装備】:SPAS12ゲージ(6/6)@あやかしびと -幻妖異聞録-
【所持品】:支給品一式。スラッグ弾30、不明支給品×1(確認済み)
【状態】:疲労(小)。爪にひび割れ。
【思考・行動】
0:まあまあ……
1:蘭堂りのを探す。
2:電車に乗って南下し、アルたちを捜索する。
3:大十字九郎に恩を返す。
【装備】:SPAS12ゲージ(6/6)@あやかしびと -幻妖異聞録-
【所持品】:支給品一式。スラッグ弾30、不明支給品×1(確認済み)
【状態】:疲労(小)。爪にひび割れ。
【思考・行動】
0:まあまあ……
1:蘭堂りのを探す。
2:電車に乗って南下し、アルたちを捜索する。
3:大十字九郎に恩を返す。
※浅間サクヤ・大十字九郎と情報を交換しました。
※第二回放送の頃に、この駅【F-7】に戻ってくる予定。
※ウィンフィールドの身体的特徴を把握しました。
※第二回放送の頃に、この駅【F-7】に戻ってくる予定。
※ウィンフィールドの身体的特徴を把握しました。
【大十字九郎@機神咆吼デモンベイン】
【装備】:物干し竿@Fate/stay night[Realta Nua]、手ぬぐい(腰巻き状態)。ガイドブック(140ページのB4サイズ)
【所持品】:支給品一式、不明支給品×1(本人確認済。不思議な力を感じるもの)
【状態】:疲労(大)。ほぼ全裸。右手の手のひらに火傷。
【思考・行動】
0:運命の神様、俺、なにか悪いことしましたか……?
1:電車に乗って南下し、アルと桂を捜索する。
2:蘭堂りのも捜索。
3:サクヤの作戦に乗り、可能な限り交流を広げる。
4:人としての威厳を取り戻すため、服の確保。
5:アル=アジフやウィンフィールドと合流する。
6:ドクターウエストに会ったら、問答無用で殴る。ぶん殴る。
【装備】:物干し竿@Fate/stay night[Realta Nua]、手ぬぐい(腰巻き状態)。ガイドブック(140ページのB4サイズ)
【所持品】:支給品一式、不明支給品×1(本人確認済。不思議な力を感じるもの)
【状態】:疲労(大)。ほぼ全裸。右手の手のひらに火傷。
【思考・行動】
0:運命の神様、俺、なにか悪いことしましたか……?
1:電車に乗って南下し、アルと桂を捜索する。
2:蘭堂りのも捜索。
3:サクヤの作戦に乗り、可能な限り交流を広げる。
4:人としての威厳を取り戻すため、服の確保。
5:アル=アジフやウィンフィールドと合流する。
6:ドクターウエストに会ったら、問答無用で殴る。ぶん殴る。
※神宮司奏・浅間サクヤと情報を交換しました。
※第二回放送の頃に、この駅【F-7】に戻ってくる予定。
※第二回放送の頃に、この駅【F-7】に戻ってくる予定。
◇ ◇ ◇ ◇
「ふや~~~」
「……マスターよ、お主、さっきの話を聞いてなお、その対応か」
「お腹が減ったら戦争もできないんだよ。アルちゃんも食べる? この七色のパンとか、何だか面白そうだよ」
「面白いと美味しいは違うわ!」
「……マスターよ、お主、さっきの話を聞いてなお、その対応か」
「お腹が減ったら戦争もできないんだよ。アルちゃんも食べる? この七色のパンとか、何だか面白そうだよ」
「面白いと美味しいは違うわ!」
アルの叫びに、桂は残念そうに七色のパンを黒いバッグに仕舞い込む。
結局、電車に乗るときの恐ろしさは理解したのだが、それなら次の駅までジタバタしていてもしょうがない。
そういうわけで羽藤家の太平楽さをふんだんに詰め込んだ、和やかな雰囲気で桂は言う。
結局、電車に乗るときの恐ろしさは理解したのだが、それなら次の駅までジタバタしていてもしょうがない。
そういうわけで羽藤家の太平楽さをふんだんに詰め込んだ、和やかな雰囲気で桂は言う。
「うう、でもね。白いご飯に、お魚にお醤油たらして……そういうのも食べたいなぁ」
「……マスター、妾には無縁のこと故、口出しもせんがな?」
「うん?」
「夜にそれだけ食べると、余計なところに肉がつくぞ」
「……マスター、妾には無縁のこと故、口出しもせんがな?」
「うん?」
「夜にそれだけ食べると、余計なところに肉がつくぞ」
沈黙。
がーん、などという擬音でもつきそうなほどの衝撃だったらしい。
やがて慌てふためくように桂は言う。
がーん、などという擬音でもつきそうなほどの衝撃だったらしい。
やがて慌てふためくように桂は言う。
「だ、大丈夫。まだ三個、まだ三個だけしか食べてないよ……」
「まあ、それはいいがな。本の精霊である妾は太らんし」
「ああー! アルちゃん、ずるいよ、不公平だよ!」
「まあ、それはいいがな。本の精霊である妾は太らんし」
「ああー! アルちゃん、ずるいよ、不公平だよ!」
がたんごとん、がたんごとん。
電車は揺れて、揺れて、やがてひとつの到達点へ。遊園地行きの駅へと停車する。
電車は揺れて、揺れて、やがてひとつの到達点へ。遊園地行きの駅へと停車する。
「アルちゃん、アルちゃん、遊園地だって」
「むう……遊園地か。妾としては興味深いところではある。……あるのだが……」
「……この殺し合いの舞台で、遊園地で遊ぶ人とか……いるかな?」
「むう……遊園地か。妾としては興味深いところではある。……あるのだが……」
「……この殺し合いの舞台で、遊園地で遊ぶ人とか……いるかな?」
結論、普通はいないでしょう。
何より桂とアルの捜し人を考えると、あまり遊園地に縁がある人物とは思えない。
これで烏月がジェットコースターに乗って絶叫してたり、九郎がメリーゴーランドでお馬さんごっこをしていたり。
ユメイがお化け屋敷で悲鳴を上げていたり、ウィンフィールドがゲームセンターのパンチングマシーンで計測不能を叩き出していたりと思う。
何より桂とアルの捜し人を考えると、あまり遊園地に縁がある人物とは思えない。
これで烏月がジェットコースターに乗って絶叫してたり、九郎がメリーゴーランドでお馬さんごっこをしていたり。
ユメイがお化け屋敷で悲鳴を上げていたり、ウィンフィールドがゲームセンターのパンチングマシーンで計測不能を叩き出していたりと思う。
(………………なんか)
(………………楽しそう)
(………………楽しそう)
価値観が崩壊しそうだった。
二人して自分の世界に浸ってその光景を思い浮かべ続ける。
ちょっと楽しそうだった。
ついでに見てみたいと思ってしまって、ぶんぶんと二人して首を振る。
二人して自分の世界に浸ってその光景を思い浮かべ続ける。
ちょっと楽しそうだった。
ついでに見てみたいと思ってしまって、ぶんぶんと二人して首を振る。
「い、いかんぞマスター! 妾たちが遊んでいる間に、誰かが危険かも知れん!」
「う、うん、そうだね! さすがに遊んでいる場合じゃないよね!」
「う、うん、そうだね! さすがに遊んでいる場合じゃないよね!」
現実に変える。そう、今は殺し合いをしているのだ。
少しの油断が死に繋がるとさっき説教したり、されたばかりではないか。遊ぶ心は少なくとも捨てよ。
ここで降りてしまうと、ついふらふら~っと遊園地に行ってしまいそうだった。
未練を断つため、電車からは降りない。もっと中央部に行かなければならない。
少しの油断が死に繋がるとさっき説教したり、されたばかりではないか。遊ぶ心は少なくとも捨てよ。
ここで降りてしまうと、ついふらふら~っと遊園地に行ってしまいそうだった。
未練を断つため、電車からは降りない。もっと中央部に行かなければならない。
「マスター、次の駅で降りるぞ……」
「うん……」
「うん……」
やっぱり、多少なりとも切なかったりした。
仕方がないのでアルもパンを食べる。もちろん、七色に輝く凶器には手も触れない。
仕方がないのでアルもパンを食べる。もちろん、七色に輝く凶器には手も触れない。
「あ、そういえばね、アルちゃん。アルちゃんは本の精霊なんだよね?」
「いかにも」
「もしかして、これと関係あったりする?」
「いかにも」
「もしかして、これと関係あったりする?」
桂のもうひとつの支給品。電車が再び動き出した頃、桂がアルに渡すと歓喜の声が響いた。
「でかした、マスター! これは妾の断片ではないか!」
「えっ、えっ、えっ?」
「なんだ、分からんのか。仕方ない、妾がまた解説してやろうではないか」
「えっ、えっ、えっ?」
「なんだ、分からんのか。仕方ない、妾がまた解説してやろうではないか」
電車は走り続ける。
がたんごとん、がたんごとん。
次の駅までは時間があるだろう。魔道書の精霊が解説役の仕事をこなす時間はある。
金色の電車の中で、再びアル・アジフ先生の講義が始まった。
がたんごとん、がたんごとん。
次の駅までは時間があるだろう。魔道書の精霊が解説役の仕事をこなす時間はある。
金色の電車の中で、再びアル・アジフ先生の講義が始まった。
【チーム『天然契約コンビ』】
【F-7 電車内/一日目 黎明】
【F-7 電車内/一日目 黎明】
【羽藤桂@アカイイト】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、アル・アジフの断片(アトラック=ナチャ)
魔除けの呪符×6@アカイイト、古河パン詰め合わせ27個@CLANNAD
【状態】:健康、アル・アジフと契約
【思考・行動】
基本方針:島からの脱出、殺し合いを止める。殺し合いに乗る気は皆無
0:電車で次の駅に行きながら、アル先生の講義を聞く
1:アルと協力する
2:知り合いを探す
3:柚原このみが心配
4:ノゾミとミカゲの存在に疑問
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式、アル・アジフの断片(アトラック=ナチャ)
魔除けの呪符×6@アカイイト、古河パン詰め合わせ27個@CLANNAD
【状態】:健康、アル・アジフと契約
【思考・行動】
基本方針:島からの脱出、殺し合いを止める。殺し合いに乗る気は皆無
0:電車で次の駅に行きながら、アル先生の講義を聞く
1:アルと協力する
2:知り合いを探す
3:柚原このみが心配
4:ノゾミとミカゲの存在に疑問
【アル・アジフ@機神咆哮デモンベイン】
【装備】:サバイバルナイフ
【所持品】:支給品一式、ランダムアイテム×2
【状態】:魔力消費小、羽藤桂と契約
基本方針:大十字九郎と合流し主催を打倒する
0:次の駅につくまで、桂に断片について語る
1:桂と協力する
2:九郎と再契約する
3:戦闘時は桂をマギウススタイルにして戦わせ、自身は援護します
【装備】:サバイバルナイフ
【所持品】:支給品一式、ランダムアイテム×2
【状態】:魔力消費小、羽藤桂と契約
基本方針:大十字九郎と合流し主催を打倒する
0:次の駅につくまで、桂に断片について語る
1:桂と協力する
2:九郎と再契約する
3:戦闘時は桂をマギウススタイルにして戦わせ、自身は援護します
【備考】
※古河パン詰め合わせには様々な古河パンが入っています。もちろん、早苗さんのパンも混じってます。
※魔除けの護符は霊体に効果を発揮する札です。直接叩き付けて攻撃する事も可能ですし、四角形の形に配置して結界を張る事も出来ます。
但し普通の人間相手には全く効果がありません。人外キャラに効果があるのかどうか、また威力の程度は後続任せ。
※マギウススタイル時の桂は、黒いボディコンスーツに歪な翼という格好です。肌の変色等は見られません。
使用可能な魔術がどれだけあるのか、身体能力の向上度合いがどの程度かは、後続の書き手氏にお任せします。
※桂はノゾミEND、鳥月END以外のルートから参戦です。誰のENDを迎えたかは次の書き手に任せます
※B-7の駅改札に、桂達の書いたメモが残されています。
※古河パン詰め合わせには様々な古河パンが入っています。もちろん、早苗さんのパンも混じってます。
※魔除けの護符は霊体に効果を発揮する札です。直接叩き付けて攻撃する事も可能ですし、四角形の形に配置して結界を張る事も出来ます。
但し普通の人間相手には全く効果がありません。人外キャラに効果があるのかどうか、また威力の程度は後続任せ。
※マギウススタイル時の桂は、黒いボディコンスーツに歪な翼という格好です。肌の変色等は見られません。
使用可能な魔術がどれだけあるのか、身体能力の向上度合いがどの程度かは、後続の書き手氏にお任せします。
※桂はノゾミEND、鳥月END以外のルートから参戦です。誰のENDを迎えたかは次の書き手に任せます
※B-7の駅改札に、桂達の書いたメモが残されています。
052:鬼神楽 | 投下順 | :054:花がくれたおやすみ |
051:私の救世主さま | 時系列順 | 054:花がくれたおやすみ |
019:希望、あるいは絶望への最初の一歩 | 清浦刹那 | 058:Servantたちへ |
019:希望、あるいは絶望への最初の一歩 | ウィンフィールド | 058:Servantたちへ |
026:The Course Of Nature~秒速5メートル~ | 神宮司奏 | 062:楽園からの追放 |
026:The Course Of Nature~秒速5メートル~ | 大十字九郎 | 062:楽園からの追放 |
044:契約、そして | 羽藤桂 | 066:夜明け前 |
044:契約、そして | アル・アジフ | 066:夜明け前 |