Second Battle/少年少女たちの流儀(後編)◆WAWBD2hzCI
「あっ……」
呆然とトルタはその光景を凝視した。
切り裂かれた恭介は地面に、まるでゴミのように捨てられる。
そのままピクリとも彼は動かなくて。
ああ、死んでしまったんだな、ということを頭の中で憎らしいほど冷静な自分が告げていた。
切り裂かれた恭介は地面に、まるでゴミのように捨てられる。
そのままピクリとも彼は動かなくて。
ああ、死んでしまったんだな、ということを頭の中で憎らしいほど冷静な自分が告げていた。
その事実を事実として飲み込んだ瞬間。
結局、自分が選んだ解答が恭介を殺してしまったことを自覚して。
結局、自分が選んだ解答が恭介を殺してしまったことを自覚して。
「あっ……あああ……ぁぁああぁぁあぁああああああああああッ!!!!!」
どうしようもなく。
どうしようもなく。
どうしようもなく、目の前の侍を心の底から憎悪した。
どうしようもなく。
どうしようもなく、目の前の侍を心の底から憎悪した。
「うぁああああッ!!!!」
「愚かだったな、トルティニタ・フィーネよ。くだらん情に絆されなければ、拙者を殺すこともできただろうに」
「愚かだったな、トルティニタ・フィーネよ。くだらん情に絆されなければ、拙者を殺すこともできただろうに」
「くそぉおおおおおおおおっ!!!!」
如月双七もまた、恭介が敗れたときに転がった銃を乱射する。
弾丸の装填数は十五発、既に装填が完了されているところからも、恭介は計算していたのかも知れない。
二方向からの射撃をティトゥスは右腕に螺旋刀、左腕にクサナギを持って対処する。
そう、あと一歩が足りないのだ。
どうしようもなく、あと一方向……ティトゥスを銃撃してくれる味方が必要だった。
弾丸の装填数は十五発、既に装填が完了されているところからも、恭介は計算していたのかも知れない。
二方向からの射撃をティトゥスは右腕に螺旋刀、左腕にクサナギを持って対処する。
そう、あと一歩が足りないのだ。
どうしようもなく、あと一方向……ティトゥスを銃撃してくれる味方が必要だった。
乱射、全て打ち落とされる。
連射、全て切り裂かれる。
全射、その悉くを叩き落される。
連射、全て切り裂かれる。
全射、その悉くを叩き落される。
(無駄だ)
ティトゥスは思う。弾丸が尽きたときが彼らの最期だと。
双七は十五発、トルタは六発に補充を加えて合計は二十四……時間にすれば恐らく、数分と掛からず決着がつく。
もう、彼らには冷静さがない。無駄と分かりつつも引き金を引く。
勝敗は決した。リーダーである棗恭介が倒れたことによって、もはや勝負は――――
双七は十五発、トルタは六発に補充を加えて合計は二十四……時間にすれば恐らく、数分と掛からず決着がつく。
もう、彼らには冷静さがない。無駄と分かりつつも引き金を引く。
勝敗は決した。リーダーである棗恭介が倒れたことによって、もはや勝負は――――
ダァンッ!!!
「…………な、に……?」
奇襲、三方向目からの一発の弾丸。
それは侍の背後から飛来し、彼の背中に直撃する。
獰猛な一撃はスパイラル回転しながらそのまま貫通することとなる。
ティトゥスの口元からは、呑み込み損ねた血液が零れた。
それは侍の背後から飛来し、彼の背中に直撃する。
獰猛な一撃はスパイラル回転しながらそのまま貫通することとなる。
ティトゥスの口元からは、呑み込み損ねた血液が零れた。
ゆっくり、と。緩慢な動きで背後を振り向く。
そこにいたのは少女だった。闘争とは関わり合いの持たない、何の変哲もない少女だった。
トルタと同じく銃を撃つ機会を失い、そしてようやく人を殺す覚悟を決めた清浦刹那の姿がそこにあった。
そこにいたのは少女だった。闘争とは関わり合いの持たない、何の変哲もない少女だった。
トルタと同じく銃を撃つ機会を失い、そしてようやく人を殺す覚悟を決めた清浦刹那の姿がそこにあった。
「小娘、貴様」
「………………」
「………………」
刹那は無言を貫いたまま、そこに立っている。
不意打ちによる罪悪感はない。
ただ、理不尽な怒りがあった。今の今まで、命惜しさに震えることしかできなかった自分に怒っていた。
その結果として、一人の青年の命が潰えたというのに。
不意打ちによる罪悪感はない。
ただ、理不尽な怒りがあった。今の今まで、命惜しさに震えることしかできなかった自分に怒っていた。
その結果として、一人の青年の命が潰えたというのに。
ティトゥスは刹那のほうへと向き直ろうとする。
刹那はトンプソンコンテンダーの弾丸を改めて装填、爆発しそうな心臓を抑えてもう一度構えた。
だが、そうする必要はなかったらしい。
直接身体に穿たれた一撃により、ティトゥスの身体が大きく揺らいだかと思うと、そのまま地面に沈んだ。
刹那はトンプソンコンテンダーの弾丸を改めて装填、爆発しそうな心臓を抑えてもう一度構えた。
だが、そうする必要はなかったらしい。
直接身体に穿たれた一撃により、ティトゥスの身体が大きく揺らいだかと思うと、そのまま地面に沈んだ。
「……やっ……た……?」
「やった……の?」
「やった……の?」
刹那とトルタ、二人の少女が呆然と呟いた。
さっきまでの激戦を思えば、呆気ない幕引きだったような気がする。
だが、決してそんなことはない。
誰もが死力を尽くし、勇気を振り絞って戦いに望んだ。その結果、強大な敵を倒すことに成功したのだ。
さっきまでの激戦を思えば、呆気ない幕引きだったような気がする。
だが、決してそんなことはない。
誰もが死力を尽くし、勇気を振り絞って戦いに望んだ。その結果、強大な敵を倒すことに成功したのだ。
「……あっ」
脱力しそうになる刹那の肩を、双七が支えようと手を伸ばした。
とにかく、終わったのだ。犠牲者を出してしまったことは悔いるべきだが、今は生存を喜ぶべきなのだと。
支えた肩、刹那は双七に弱々しい笑みを浮かべながらピースサイン。
それが恐怖に対する精一杯の強がりであることを受け止め、双七はピースを返そうとして、気づく。
とにかく、終わったのだ。犠牲者を出してしまったことは悔いるべきだが、今は生存を喜ぶべきなのだと。
支えた肩、刹那は双七に弱々しい笑みを浮かべながらピースサイン。
それが恐怖に対する精一杯の強がりであることを受け止め、双七はピースを返そうとして、気づく。
地面を這うようにして、倒れた青年の姿を追い求めるトルタの姿に。
熱に浮かされたように、彼女は倒れた恭介の下へと。
熱に浮かされたように、彼女は倒れた恭介の下へと。
「恭介……恭介、恭介……!」
僅かな望みを掛けてトルタは這う。
まだ息があるかも知れないし、実は気絶しているだけで大したことはないのだと信じて。
そんな都合の良いことはない、という結論を導き出しているにも関わらず。
まだ息があるかも知れないし、実は気絶しているだけで大したことはないのだと信じて。
そんな都合の良いことはない、という結論を導き出しているにも関わらず。
その希望が、想像を上回る形で絶望へと反転する。
「えっ―――――?」
ひゅん、と。
サイレンサーの音と共に銃弾が突如として飛来した。
今度は刹那ではない。もちろん、トルタでも双七でもなかった。
ようやく与えられた出番を祝福するかのように、弾丸を放った者の異名は怪人。名は支倉曜子だった者。
サイレンサーの音と共に銃弾が突如として飛来した。
今度は刹那ではない。もちろん、トルタでも双七でもなかった。
ようやく与えられた出番を祝福するかのように、弾丸を放った者の異名は怪人。名は支倉曜子だった者。
放たれた弾丸は絶望的なまでの正確さで、清浦刹那の胸を貫いた。
「かふっ……!」
「なっ……!?」
「なっ……!?」
目の前の少女が吐いた血液が、双七の頬にまで飛び散った。
がくり、と倒れ伏し、双七の手から零れていく。
双七は助け出した少女と、その名のとおり刹那の時間だけ笑い合い……そして、別れを告げられた。
絶望の足音、絶叫が世界を支配した。
がくり、と倒れ伏し、双七の手から零れていく。
双七は助け出した少女と、その名のとおり刹那の時間だけ笑い合い……そして、別れを告げられた。
絶望の足音、絶叫が世界を支配した。
(――――――ッ!?)
そうして、崩れ行く刹那は視界の端にとある光景を捉えて、瞳を見開いた。
絶叫する双七は気づいていない。
彼は刹那を撃った怨敵を探るのに必死で、迫りくる脅威にはまだ気づけていないのだ。
絶叫する双七は気づいていない。
彼は刹那を撃った怨敵を探るのに必死で、迫りくる脅威にはまだ気づけていないのだ。
(…………にっ……)
逃げて、と言いたかった。
だが、もうそれすら赦されなかった。
崩れ落ちた身体はもはや言うことを聞かず、穿たれた穴はヒューヒューと虚しい音を奏でるのみ。
そうして、刹那が地面に赤い大輪を咲かせるのと同時に。
だが、もうそれすら赦されなかった。
崩れ落ちた身体はもはや言うことを聞かず、穿たれた穴はヒューヒューと虚しい音を奏でるのみ。
そうして、刹那が地面に赤い大輪を咲かせるのと同時に。
黒衣を朱に染めた怪物が、再び大地を踏みしめた。
「問おう……お主、飛ぶ斬撃というものを、見たことはあるか――――?」
「は……?」
「は……?」
直後に放たれた剣圧による衝撃波が、如月双七を切り裂いた。
刹那は地面に倒れたまま、悔しさで歯噛みする。
刹那は地面に倒れたまま、悔しさで歯噛みする。
「……化け物」
トルタが唖然、呆然としたまま呟くのも無理はない。
トンプソンコンテンダーの一撃をもろに受けたはずの侍が立っている。
あの弾丸を受けてなお、黒き侍は立ち上がり、そしてそれほどの奥義を行使して見せたのだ。
双身螺旋刀とクサナギを大きく振るったことによる、衝撃波はまさしく飛来する斬撃だったといえるだろう。
トンプソンコンテンダーの一撃をもろに受けたはずの侍が立っている。
あの弾丸を受けてなお、黒き侍は立ち上がり、そしてそれほどの奥義を行使して見せたのだ。
双身螺旋刀とクサナギを大きく振るったことによる、衝撃波はまさしく飛来する斬撃だったといえるだろう。
(どこを、間違えたのかな……?)
刹那には、もう思い返すこともできない。
結局、誰も助けることができないという絶望に心を痛めた。
その瞳から光が失われ、暗い暗い死の闇に囚われたまま、清浦刹那は大地を赤く染め上げた。
結局、誰も助けることができないという絶望に心を痛めた。
その瞳から光が失われ、暗い暗い死の闇に囚われたまま、清浦刹那は大地を赤く染め上げた。
◇ ◇ ◇ ◇
全て計画通り。
棗恭介、清浦刹那は倒れた。
如月双七、トルティニタ・フィーネは負傷した。
そして一番の難問だった黒き侍、ティトゥスも致命的な傷を負った。
いかに平気そうに装っていたとしても、ティトゥスの身体ももはや死に体であることなど、客観的に鑑みれば明らかだ。
棗恭介、清浦刹那は倒れた。
如月双七、トルティニタ・フィーネは負傷した。
そして一番の難問だった黒き侍、ティトゥスも致命的な傷を負った。
いかに平気そうに装っていたとしても、ティトゥスの身体ももはや死に体であることなど、客観的に鑑みれば明らかだ。
後は支倉曜子だった怪人が殺すのみ。
立ち向かおうが殺す、逃げ出そうとしても殺す。その場にいる全員を太一のために殺す。
そこには何の感慨も抱かない。たった今、この手で殺した少女を見ても何の罪悪感も抱かなかった。
立ち向かおうが殺す、逃げ出そうとしても殺す。その場にいる全員を太一のために殺す。
そこには何の感慨も抱かない。たった今、この手で殺した少女を見ても何の罪悪感も抱かなかった。
「…………」
チェックメイト、必至。
もはやここからの逆転劇など有り得ない。
先ほどの銃弾の軌跡から、自分の居場所がバレたとしても問題にはならない。
ただ殺すから。向かってくるなら殺すだけなのだから。
もはやここからの逆転劇など有り得ない。
先ほどの銃弾の軌跡から、自分の居場所がバレたとしても問題にはならない。
ただ殺すから。向かってくるなら殺すだけなのだから。
「……っ……」
眼前、かつて殺し合った青年が切り裂かれ、そして撃ち殺した少女の死に咆哮した。
助けたいと願った存在が、また掌から零れていく絶望を感じ取った。
助けたいと願った存在が、また掌から零れていく絶望を感じ取った。
感慨はない。
罪悪感はない。
タイチノミカタは揺るがない。
もはや誰一人として生かして帰さない、と絶対の意思が死刑宣告を下した。
罪悪感はない。
タイチノミカタは揺るがない。
もはや誰一人として生かして帰さない、と絶対の意思が死刑宣告を下した。
◇ ◇ ◇ ◇
「―――――――」
衝撃波で切り裂かれた左肩が熱い。
熱で浮かされた頭が熱い。
怒りで爆発しそうになる身体が、脳が、思考が、如月双七の全てが熱い。
熱で浮かされた頭が熱い。
怒りで爆発しそうになる身体が、脳が、思考が、如月双七の全てが熱い。
狙撃してきた存在への敵意。
目の前で死に逝く小さな仲間の最期を見届け、目に見えないところでさらに多くの人が死んだことも理解した。
それでも助けることができた、一人の少女がいたはずなのに。
狙撃してきた者は、そんな唯一の救いさえも、双七から奪ってしまった。
目の前で死に逝く小さな仲間の最期を見届け、目に見えないところでさらに多くの人が死んだことも理解した。
それでも助けることができた、一人の少女がいたはずなのに。
狙撃してきた者は、そんな唯一の救いさえも、双七から奪ってしまった。
「……いい加減に、しろ」
人妖能力、展開。
平伏すのは金属と双七を繋ぐ赤い糸。
この場にある全ての金属を従え、如月双七は見極める。そうだ、どんな金属でも逃すことはない。
平伏すのは金属と双七を繋ぐ赤い糸。
この場にある全ての金属を従え、如月双七は見極める。そうだ、どんな金属でも逃すことはない。
それがたとえ、狙撃に使われた銃であろうとも、双七は見逃さない。
「いい加減にしろよ……」
彼女には彼女の日常と、当たり前の生活があったはずなのに。
それを奪う権利などは、絶対にない。
どんな理由も、どんな大儀も、どれほどの言葉を尽くしても――――罪もない少女の命を奪う理由にはなりえない。
それを奪う権利などは、絶対にない。
どんな理由も、どんな大儀も、どれほどの言葉を尽くしても――――罪もない少女の命を奪う理由にはなりえない。
「……ねえ、如月。狙撃犯のほう、頼める?」
問いかけたのはトルティニタ・フィーネ。
絶望に浸っていたはずの彼女の瞳も、双七同様に強い決意と覚悟の元に揺れていた。
即ち、黒き侍の存在を許さない、と。
恭介が命を掛けて撃破しようとしたティトゥスは、彼女が倒さなければならない、と言わんばかりに。
絶望に浸っていたはずの彼女の瞳も、双七同様に強い決意と覚悟の元に揺れていた。
即ち、黒き侍の存在を許さない、と。
恭介が命を掛けて撃破しようとしたティトゥスは、彼女が倒さなければならない、と言わんばかりに。
「ああ、任せてくれ」
「そっか。それじゃ、お願いね」
「そっか。それじゃ、お願いね」
怒りと戦意に身を任せたまま、二人は短い作戦会議を終えた。
トルタが何を考えているか、双七には分からない。
ただ、眼前で命を奪い去った怪人の必殺に全力を傾けるため、テンションに身を任せることにした。
トルタが何を考えているか、双七には分からない。
ただ、眼前で命を奪い去った怪人の必殺に全力を傾けるため、テンションに身を任せることにした。
そうして一時、数秒にも満たない時間の停止。
周りを見渡した双七は、理性の怪人が埋伏した地点を特定する。
周りを見渡した双七は、理性の怪人が埋伏した地点を特定する。
「見つけたぞッ!」
金属に繋がる赤い糸たちの羅列の中。
ただひとつだけ、この周囲ではなく遠い場所へと続く糸がある。
可憐な花畑の中に、怪人の悪意を感じ取った。
そこからの行動はもはや迅速にしない理由がない。
ただひとつだけ、この周囲ではなく遠い場所へと続く糸がある。
可憐な花畑の中に、怪人の悪意を感じ取った。
そこからの行動はもはや迅速にしない理由がない。
花畑へと向かって突き進む。
地面を蹴る、踏みしめた地面が爆発しそうなほどに強く、強く踏みしめた。
もう、許さない、と。
この手に残った最後の希望さえ奪い去った怪人を、決して許すつもりはないという意思と共に疾駆する。
地面を蹴る、踏みしめた地面が爆発しそうなほどに強く、強く踏みしめた。
もう、許さない、と。
この手に残った最後の希望さえ奪い去った怪人を、決して許すつもりはないという意思と共に疾駆する。
「…………!」
「うぉぉおおおおおおおッ!!!!」
「うぉぉおおおおおおおッ!!!!」
曜子にも僅かな動揺はあった。
狙撃の角度から居場所を算出されたとは思えなかったが、少なくとも潜伏先を特定されたことは理解した。
それでも彼女に焦りはない。太一のために『支倉曜子』という個さえ捨てた彼女に揺らぎはない。
距離にして百メートルほど。
近づいてくることによって徐々に標的が大きくなってくるのなら、たとえ視力が低下していても仕留められる。
狙撃の角度から居場所を算出されたとは思えなかったが、少なくとも潜伏先を特定されたことは理解した。
それでも彼女に焦りはない。太一のために『支倉曜子』という個さえ捨てた彼女に揺らぎはない。
距離にして百メートルほど。
近づいてくることによって徐々に標的が大きくなってくるのなら、たとえ視力が低下していても仕留められる。
――――100m
弾丸が放たれる。
双七とてそれは想定済み。新たに現れた赤い糸を疾走しながら、手で引っ張る。
弾丸は逸れて、双七の右側を擦り抜けていく。
このまま人妖能力を行使していれば、致命的な傷は負わないはずだった。
双七とてそれは想定済み。新たに現れた赤い糸を疾走しながら、手で引っ張る。
弾丸は逸れて、双七の右側を擦り抜けていく。
このまま人妖能力を行使していれば、致命的な傷は負わないはずだった。
だが。
「痛っ……!」
頭痛が酷くなってきた。
人妖能力を長く行使し続けたことによる反動だ。
ティトゥスとの戦いから、ほぼずっと行使し続けていることになる。
本来なら使ったところでそれほどの頭痛には襲われなかったのだが、僅かに掛けられた制限が彼を縛った。
人妖能力を長く行使し続けたことによる反動だ。
ティトゥスとの戦いから、ほぼずっと行使し続けていることになる。
本来なら使ったところでそれほどの頭痛には襲われなかったのだが、僅かに掛けられた制限が彼を縛った。
(こんなときにっ……!)
――――90m
次の弾丸が飛来する。
激痛に顔を顰めながら、双七は弾丸を逸らし続ける。
ダメだ、距離が開きすぎている。
このままでは弾丸を逸らしきれずに、いずれ致命的な傷を負ってしまうことは自明の理だった。
激痛に顔を顰めながら、双七は弾丸を逸らし続ける。
ダメだ、距離が開きすぎている。
このままでは弾丸を逸らしきれずに、いずれ致命的な傷を負ってしまうことは自明の理だった。
何か手はないか。
相手の銃を奪う――――やっている。
だが、怪人は力の限りで銃を死守し、とても疲労した身では奪えない。
距離を詰めたい。もっと早く走りたい。そんな願いにしか希望を持てなくなった頃。
相手の銃を奪う――――やっている。
だが、怪人は力の限りで銃を死守し、とても疲労した身では奪えない。
距離を詰めたい。もっと早く走りたい。そんな願いにしか希望を持てなくなった頃。
双七の隣に併走して駆ける何者かの姿があった。
「スター、ブライト……?」
白い毛並み、誇らしげなほどに美しい疾走。
誰に命令されたわけでもなく、誰に強要されたわけでもなく。
如月双七の仲間は、目の前の怪人が危険であることを承知で……ただ、その瞳は『乗れ』と告げていた。
誰に命令されたわけでもなく、誰に強要されたわけでもなく。
如月双七の仲間は、目の前の怪人が危険であることを承知で……ただ、その瞳は『乗れ』と告げていた。
「……すまない……いや、ありがとう!」
ボタンの二の舞になってほしくない。
そんな双七の想いのため、スターブライトには待機してもらっていた。
最悪の場合、彼に刹那とトルタを託して逃げてもらうつもりでもあったが、もはやそれは叶わない。
だが、今ならば彼の脚力を存分に行使できる。
そんな双七の想いのため、スターブライトには待機してもらっていた。
最悪の場合、彼に刹那とトルタを託して逃げてもらうつもりでもあったが、もはやそれは叶わない。
だが、今ならば彼の脚力を存分に行使できる。
――――50m
「…………っ」
スターブライトに騎乗。駆ける必要がなくなったため、双七は弾丸を逸らすことに全力を傾けられる。
曜子は作戦を変えた。将を射止めたければまず馬から、その通りに狙いをスターブライトへと変更した。
賢明な白馬は己に向けられた殺意に気がついたのだろう。
白い鬣は逆立つのを感じ、双七は力の限りに指示を送り続ける。
曜子は作戦を変えた。将を射止めたければまず馬から、その通りに狙いをスターブライトへと変更した。
賢明な白馬は己に向けられた殺意に気がついたのだろう。
白い鬣は逆立つのを感じ、双七は力の限りに指示を送り続ける。
「右に進めッ!!」
言うとおりにスターブライトが右へと進めば、弾丸は左へと逸れる。
次は左、右、右、左。
距離は詰められていく。どんどん、どんどん詰めていくことができる。
次は左、右、右、左。
距離は詰められていく。どんどん、どんどん詰めていくことができる。
――――10m
「よしっ、ここまでだ、スターブライト!」
双七はそう言うと、白馬の背中を蹴って宙へと。
そのまま怪人の姿を把握する。高いところから、下にいる殺人鬼の姿を見た。
そいつは初めて見たときとは違っていた。
ボロボロの身体と包帯、充血した右目と短く切り取られた髪は、かつて双七が見た少女とは掛け離れていた。
そのまま怪人の姿を把握する。高いところから、下にいる殺人鬼の姿を見た。
そいつは初めて見たときとは違っていた。
ボロボロの身体と包帯、充血した右目と短く切り取られた髪は、かつて双七が見た少女とは掛け離れていた。
「――――お前か」
「………………」
「………………」
それなのに、一発でその正体を看破した。
数時間前、師である九鬼曜鋼と共に戦った二人組の男女の片割れ。
そして、双七の小さな仲間だったボタンの仇。
彼女は自分からボタンを奪っただけでは飽き足らず、助けられた少女をも殺した。
数時間前、師である九鬼曜鋼と共に戦った二人組の男女の片割れ。
そして、双七の小さな仲間だったボタンの仇。
彼女は自分からボタンを奪っただけでは飽き足らず、助けられた少女をも殺した。
―――――殺す覚悟は整えた。
(手は綺麗に)
曜子は無表情、無感情のまま銃を構えた。
空中では弾丸は避けられない。
放たれようとしている弾丸は、間違いなく狙い通りに双七の心臓を貫くのだろう。
空中では弾丸は避けられない。
放たれようとしている弾丸は、間違いなく狙い通りに双七の心臓を貫くのだろう。
「舐めるなぁあああっ!!」
「…………っ!?」
「…………っ!?」
人妖能力、発動。
対象は曜子の持っている銃でも、放たれる弾丸でもない。
彼女の背後にあるデイパック、口を開いた中身から零れる斧もまた鉄であり、金属。
曜子は背後から奇襲を仕掛けてきた己の武器の所業に驚き、回避に時間を費やしてしまう。
対象は曜子の持っている銃でも、放たれる弾丸でもない。
彼女の背後にあるデイパック、口を開いた中身から零れる斧もまた鉄であり、金属。
曜子は背後から奇襲を仕掛けてきた己の武器の所業に驚き、回避に時間を費やしてしまう。
――――3m
(心は熱く)
着地と同時に、などと生易しいことは言わない。
掌で円を作り、捻る仕草で準備運動。
九鬼流の動きは円と球を基本とする。円を十重二重に繰り返せば、それは螺旋に通じる。
円転自在にして、球転自在。
どちらでも放てるが、位置的には右腕。よって右腕を螺子りながら引いていく。
掌で円を作り、捻る仕草で準備運動。
九鬼流の動きは円と球を基本とする。円を十重二重に繰り返せば、それは螺旋に通じる。
円転自在にして、球転自在。
どちらでも放てるが、位置的には右腕。よって右腕を螺子りながら引いていく。
対して曜子は一瞬だけ遅れた対処を後悔する。理性の怪人であるからこそ、それは失策だと理解する。
既に彼は戦闘体勢に入っており、曜子にはそれを回避する機会が失われたからだ。
既に彼は戦闘体勢に入っており、曜子にはそれを回避する機会が失われたからだ。
どうすればいい?
どうすれば、太一のためになるのだろうか?
どうすれば、太一のためになるのだろうか?
この場で無理をしてでも双七を殺すことか。
それとも退却するべきか。
もちろん、一度退いた後で再び殺す意思は変わらない。
考えを巡らせている間に、如月双七との距離は……当初、あったはずの大きなアドバンテージは消滅していた。
それとも退却するべきか。
もちろん、一度退いた後で再び殺す意思は変わらない。
考えを巡らせている間に、如月双七との距離は……当初、あったはずの大きなアドバンテージは消滅していた。
――――1m
(頭は冷静に)
激突の瞬間は間近に迫っているのに、怪人は答えを出せない。
ぐらぐらと揺らぐ天秤の様子は、未だ怪人に成りきれていない『人間』としての曜子の姿を暗示させる。
満足な答えも出ないまま、とりあえずの行動で双七の攻撃を受け止めることに決めた。
回避もできない、となればこその消去法によって導き出された答えだが、それが正しい対応かどうかは曜子も分からない。
ぐらぐらと揺らぐ天秤の様子は、未だ怪人に成りきれていない『人間』としての曜子の姿を暗示させる。
満足な答えも出ないまま、とりあえずの行動で双七の攻撃を受け止めることに決めた。
回避もできない、となればこその消去法によって導き出された答えだが、それが正しい対応かどうかは曜子も分からない。
対して双七はもはや迷わない。
相手を打ち倒す覚悟も、殺す覚悟も、全てを整えて双七は拳を繰り出すのだから。
相手を打ち倒す覚悟も、殺す覚悟も、全てを整えて双七は拳を繰り出すのだから。
―――九鬼流絶招 肆式名山 内の壱―――
己の必殺に全てを賭けきった者と、とりあえずの行動を理性で選択した者。
彼我の優劣など、わざわざ語るまでもない。
彼我の優劣など、わざわざ語るまでもない。
「焔螺子ッ!!!」
螺旋の一撃は曜子の持つ銃、H&K_MARK23を完全に破壊。
その衝撃の余波が曜子の身体全体に響き、悲鳴を上げることなく何メートルも吹っ飛ばされた。
その衝撃の余波が曜子の身体全体に響き、悲鳴を上げることなく何メートルも吹っ飛ばされた。
「痛っ……ぐっ」
だが、取り逃がした。
初めから決定されていたことなのだろう。銃を盾に使われ、衝撃が殺される。
それでも吹き飛ばされたようだが、その結果として距離を取られ……その隙に怪人は逃亡を選択した。
タイチノミカタは死なない。太一の敵を全て屠るまで死ねない。
初めから決定されていたことなのだろう。銃を盾に使われ、衝撃が殺される。
それでも吹き飛ばされたようだが、その結果として距離を取られ……その隙に怪人は逃亡を選択した。
タイチノミカタは死なない。太一の敵を全て屠るまで死ねない。
「くそっ……待て……」
がくり、と双七の膝が折れる。
疲労の限界らしい。もしも曜子がその光景を見たなら、斧を持って襲い掛かってきただろう。
それでも彼女の選択は逃亡、まずは体勢を整えること。
脇目も振らずに逃げ出した彼女は、双七の異変に気づくことはなかった。
疲労の限界らしい。もしも曜子がその光景を見たなら、斧を持って襲い掛かってきただろう。
それでも彼女の選択は逃亡、まずは体勢を整えること。
脇目も振らずに逃げ出した彼女は、双七の異変に気づくことはなかった。
(くっ……今度逢ったなら、必ず……)
名前は知らない女だが、その姿はどんな状態になっても忘れないだろう。
薄れ行く意識の中、スターブライトに何とか騎乗した。
そのままトルタたちの下へ向かってほしいと双七は告げる。まだ、もう一人の怪物がそこにいる。
白馬は彼が乗ったことを確認すると、トルタたちの下に走り出した。
薄れ行く意識の中、スターブライトに何とか騎乗した。
そのままトルタたちの下へ向かってほしいと双七は告げる。まだ、もう一人の怪物がそこにいる。
白馬は彼が乗ったことを確認すると、トルタたちの下に走り出した。
もう既に、決着が付いていることは知らずに。
【F-3 花畑、マップ下方/1日目 午前】
【支倉曜子@CROSS†CHANNEL ~to all people~】
【装備】:斧、全身に包帯、トレンチコート(男物)、バカップル反対腕章@CROSS†CHANNEL
【所持品】:なし
【状態】:肉体疲労(大)、右半身大火傷(処置済み)、胸部に激痛(処置済み)、右目が充血(視力低下)、髪を切りました
【思考・行動】
基本方針:太一の為に、太一以外を皆殺し。
0:一時撤退。
1:新しい武装を確保し、改めて皆殺しを敢行する。
2:ゲームの参加者を見つけたら殺す。
3:人間でなくとも生きているなら殺す。
4:動いたら殺す。動かなくとも殺す。
5:話しかけてきても殺す。無言でも殺すし、叫んでも殺す。
6:泣いても殺す。怒っても殺す。笑っても殺す。
7:銃で殺す。なくなったら斧で殺す。殺したら相手の武器を奪ってそれでまた他の人間を殺す。
8:殺す。
10:(…………………………………………太一)
【装備】:斧、全身に包帯、トレンチコート(男物)、バカップル反対腕章@CROSS†CHANNEL
【所持品】:なし
【状態】:肉体疲労(大)、右半身大火傷(処置済み)、胸部に激痛(処置済み)、右目が充血(視力低下)、髪を切りました
【思考・行動】
基本方針:太一の為に、太一以外を皆殺し。
0:一時撤退。
1:新しい武装を確保し、改めて皆殺しを敢行する。
2:ゲームの参加者を見つけたら殺す。
3:人間でなくとも生きているなら殺す。
4:動いたら殺す。動かなくとも殺す。
5:話しかけてきても殺す。無言でも殺すし、叫んでも殺す。
6:泣いても殺す。怒っても殺す。笑っても殺す。
7:銃で殺す。なくなったら斧で殺す。殺したら相手の武器を奪ってそれでまた他の人間を殺す。
8:殺す。
10:(…………………………………………太一)
【備考】
※登場時期は、いつかの週末。固定状態ではありません。
※佐倉霧、山辺美希のいずれかが自分の噂を広めていると確信。
※支倉曜子であることをやめました。
※H&K_MARK23は破壊されました。
※登場時期は、いつかの週末。固定状態ではありません。
※佐倉霧、山辺美希のいずれかが自分の噂を広めていると確信。
※支倉曜子であることをやめました。
※H&K_MARK23は破壊されました。
◇ ◇ ◇ ◇
「………………」
「………………」
「………………」
双七たちから離れて百メートルほどの場所での沈黙。
トルティニタ・フィーネとティトゥスの両者の距離はほとんどない。
双七を送り出した理由はふたつ。もちろん狙撃した相手を何とかしたいこともあるが、更には邪魔をされないように。
ティトゥスは残された二本の腕で、双身螺旋刀とクサナギを持ったまま、トルタへと接近していた。
トルティニタ・フィーネとティトゥスの両者の距離はほとんどない。
双七を送り出した理由はふたつ。もちろん狙撃した相手を何とかしたいこともあるが、更には邪魔をされないように。
ティトゥスは残された二本の腕で、双身螺旋刀とクサナギを持ったまま、トルタへと接近していた。
それが何のために、など今更聞くまでもないだろう。
ただ唯一、残っているトルタの命を奪うために決まっている。
ただ唯一、残っているトルタの命を奪うために決まっている。
「…………ぐっ……」
満身創痍の己の身体を見て、ティトゥスは口元を歪めるだけに留めた。
第三の腕は切り落とされ、左腕には銃弾を叩き込まれ、そして背中からは大口径の銃による弾丸の一撃。
それでも生きていられるのは、偏にティトゥス自身が超人の域にあるからと言って過言ない。
第三の腕は切り落とされ、左腕には銃弾を叩き込まれ、そして背中からは大口径の銃による弾丸の一撃。
それでも生きていられるのは、偏にティトゥス自身が超人の域にあるからと言って過言ない。
先ほどの戦いを思い出す。
楽しくなかった、と言えば嘘になる。己よりも明らかな弱者たちが、知恵を振り絞って向かってきた。
先ほどの刹那の不意打ちにしても、愚かなのは自分だったと独白する。
彼女とて牙を持った者だったというのに、それを見逃して油断し、慢心した己の未熟さの結果だと思っている。
楽しくなかった、と言えば嘘になる。己よりも明らかな弱者たちが、知恵を振り絞って向かってきた。
先ほどの刹那の不意打ちにしても、愚かなのは自分だったと独白する。
彼女とて牙を持った者だったというのに、それを見逃して油断し、慢心した己の未熟さの結果だと思っている。
もちろん、最上の戦いは一対一による殺し合い。
もっとも、それはもはや叶わないのであるから、少なくともティトゥスは己の役目だけは果たすことに決めた。
この闘争、己を勝者で締めくくるべく。
最後に残ったトルタの命を奪うことで、この闘争に決着をつけようと考えたのだ。
もっとも、それはもはや叶わないのであるから、少なくともティトゥスは己の役目だけは果たすことに決めた。
この闘争、己を勝者で締めくくるべく。
最後に残ったトルタの命を奪うことで、この闘争に決着をつけようと考えたのだ。
(殺され、るんだ……)
もはや、諦観にも近い溜息を吐いた。
彼我戦力差は明らかだ。
たとえティトゥスが満身創痍であったとしても、あの衝撃波が繰り出せる以上、まだ余力があるのだろう。
化け物だ、と素直に思う。二度も戦ってしまった不幸を呪うしかない。
彼我戦力差は明らかだ。
たとえティトゥスが満身創痍であったとしても、あの衝撃波が繰り出せる以上、まだ余力があるのだろう。
化け物だ、と素直に思う。二度も戦ってしまった不幸を呪うしかない。
「……覚悟は、良いか?」
「いいわけ、ないじゃない」
「いいわけ、ないじゃない」
せめて苦しまずに殺してやろう、とでも言うのだろうか。
馬鹿馬鹿しいとトルタは思う。
何故ならまだトルタの手には銃と、そして使い損ねた弾丸が残っている。
抵抗できる手段がまだ手の中に残っているのだから、諦める要素などないのだ。
馬鹿馬鹿しいとトルタは思う。
何故ならまだトルタの手には銃と、そして使い損ねた弾丸が残っている。
抵抗できる手段がまだ手の中に残っているのだから、諦める要素などないのだ。
「……本気か? 今更、そんなもので拙者が倒せる、と?」
「倒せる、倒せないじゃないの……倒すのよ」
「愚かな。小娘、貴様はやはり愚か者よ。感情に流され、勝機を失ったことをもう忘れたのか」
「倒せる、倒せないじゃないの……倒すのよ」
「愚かな。小娘、貴様はやはり愚か者よ。感情に流され、勝機を失ったことをもう忘れたのか」
忘れたはずがない。
迷わなければ恭介の死は無駄にはならなかったのだろう。
目の前に立つのは黒衣の死神だ。
死を運ぶ狂戦士を前にして、トルタはもはや一切怯むことなく、銃を構えた。
迷わなければ恭介の死は無駄にはならなかったのだろう。
目の前に立つのは黒衣の死神だ。
死を運ぶ狂戦士を前にして、トルタはもはや一切怯むことなく、銃を構えた。
「だからといって、ここで死ぬことが最良なはずがないんだから……!」
誰のために、何もしていないのに。
クリスのためにも、恭介のためにも、何一つ役に立っていないのに。
そんな情けない結果の末に死ぬなんて嫌だった。
せめて目の前の侍を止めなければ、もはや自分の生に意味はないとまで己を追い詰めて。
クリスのためにも、恭介のためにも、何一つ役に立っていないのに。
そんな情けない結果の末に死ぬなんて嫌だった。
せめて目の前の侍を止めなければ、もはや自分の生に意味はないとまで己を追い詰めて。
「負けない……負けてやらない、絶対に……!」
実のところ、意識は朦朧とし始めていた。
両足の傷が酷いのだろう。せめて、全てが終わった後に応急処置はしないといけない気がする。
だけど、そんな瑣末事は全て意識の外に追いやった。
両足の傷が酷いのだろう。せめて、全てが終わった後に応急処置はしないといけない気がする。
だけど、そんな瑣末事は全て意識の外に追いやった。
(力を……力を貸して……クリス……恭介……!)
ガチガチ、と震える指を強引に押さえ込んで。
ガタガタ、と震えそうな身体に喝を入れて。
そうして、トルタはティトゥスの瞳が大きく見開かれるのを見た。
ガタガタ、と震えそうな身体に喝を入れて。
そうして、トルタはティトゥスの瞳が大きく見開かれるのを見た。
「……え?」
驚愕、それがティトゥスが現している全ての感情だった。
ティトゥスはトルタを見ていない。完全に自分は意識の外に置かれていて、すごく無防備な姿を晒していた。
どうして、などと首をかしげた。
黒き侍の視線を追った。彼の隙を突くよりも、彼をそこまで驚愕させた存在のほうが気になってしまった。
ティトゥスはトルタを見ていない。完全に自分は意識の外に置かれていて、すごく無防備な姿を晒していた。
どうして、などと首をかしげた。
黒き侍の視線を追った。彼の隙を突くよりも、彼をそこまで驚愕させた存在のほうが気になってしまった。
そうして、ティトゥスと同じ光景を視野に入れて。
彼女は見た。
心の内に秘められた感情が溢れてしまうかと思った。
もちろん、ティトゥスと同じような驚愕が彼女を支配した。
だが、それ以上の歓喜がトルタの心の中を完全に埋め尽くしていた。
心の内に秘められた感情が溢れてしまうかと思った。
もちろん、ティトゥスと同じような驚愕が彼女を支配した。
だが、それ以上の歓喜がトルタの心の中を完全に埋め尽くしていた。
「――――――棗、恭介」
呆然と、ティトゥスが呟いたのと時を同じくして。
脇腹を左腕で押さえながらも立ち上がり、不敵に口元を歪ませた恭介が言う。
トルタにも、ティトゥスにも彼が何を言っているのか、分からなかった。
それでも恭介は鉄の凶器を携える。彼の意思を直接伝えるために握られた銃の名前は、トンプソンコンテンダー。
脇腹を左腕で押さえながらも立ち上がり、不敵に口元を歪ませた恭介が言う。
トルタにも、ティトゥスにも彼が何を言っているのか、分からなかった。
それでも恭介は鉄の凶器を携える。彼の意思を直接伝えるために握られた銃の名前は、トンプソンコンテンダー。
チャンスはたった一度のみ。
一発しか撃てない弾丸に思いを込めて、棗恭介は黒き侍を迎え入れた。
一発しか撃てない弾丸に思いを込めて、棗恭介は黒き侍を迎え入れた。
◇ ◇ ◇ ◇
生きている、まずはそれを実感した。
九死に一生とはまさにこのことだろう、と恭介は地面に横たわったまま思った。
あの螺旋刀は、貫き抉ることで真価を発揮する武装だった。斬ることには特化していなかったのだ。
ティトゥスを抑え付けるために接近していた恭介は、貫かれることなく薙ぎ払われた。
九死に一生とはまさにこのことだろう、と恭介は地面に横たわったまま思った。
あの螺旋刀は、貫き抉ることで真価を発揮する武装だった。斬ることには特化していなかったのだ。
ティトゥスを抑え付けるために接近していた恭介は、貫かれることなく薙ぎ払われた。
だが、そんな細かい理由などに興味はない。
脇腹を深く切り裂かれる激痛に顔をしかめる恭介の目で飛び込んできた光景。
倒れたまま動かない清浦刹那と、この場にはいない双七。
そして刀を突きつけられたトルタと、今にも彼女を殺そうとするティトゥスの姿だった。
倒れたまま動かない清浦刹那と、この場にはいない双七。
そして刀を突きつけられたトルタと、今にも彼女を殺そうとするティトゥスの姿だった。
「人の仲間に……」
それさえ分かれば十分すぎる。
足に力を入れる理由も。
手を握って戦う意志を示す意味も。
拾った銃を構え、そしてもう一度戦うことを誓うには十分すぎる。
足に力を入れる理由も。
手を握って戦う意志を示す意味も。
拾った銃を構え、そしてもう一度戦うことを誓うには十分すぎる。
「手を出すんじゃねぇよ、戦闘狂(バーサーカー)」
ミッションはまだ終わっていない。
この作戦は必ず成功させなければならない。
ならば棗恭介が再起する理由は確かにある。こうして、絶対の意志と共に立ち上がる理由がある。
この作戦は必ず成功させなければならない。
ならば棗恭介が再起する理由は確かにある。こうして、絶対の意志と共に立ち上がる理由がある。
さあ、九回裏、二死満塁だ。
投手(お前)が俺を殺すのが先か。
打者(俺)がお前を撃ち砕くのが先か。
お望みどおりの殺し合い、乗らない理由はないだろう―――――?
投手(お前)が俺を殺すのが先か。
打者(俺)がお前を撃ち砕くのが先か。
お望みどおりの殺し合い、乗らない理由はないだろう―――――?
◇ ◇ ◇ ◇
「クッ―――――」
それは笑いだった。この瞬間、トルタとティトゥスの二人の感情が一致した。
一人は仲間の無事を喜ぶ歓喜。
一人は戦士の再起を喜ぶ歓喜。
棗恭介は告げている。殺し合いをしようと絶対の自信と共に告げている。
一人は仲間の無事を喜ぶ歓喜。
一人は戦士の再起を喜ぶ歓喜。
棗恭介は告げている。殺し合いをしようと絶対の自信と共に告げている。
「貴様が、拙者の渇きを癒すかぁああッ!」
剣圧による衝撃波など無粋だ。
ティトゥスの勝ちとは彼の弾丸を撃ち落とし、一気にその身体を切り裂くこと。
恭介の勝ちとは接近される前に、その銃でティトゥスの身体を撃ち貫くことだ。
ティトゥスの勝ちとは彼の弾丸を撃ち落とし、一気にその身体を切り裂くこと。
恭介の勝ちとは接近される前に、その銃でティトゥスの身体を撃ち貫くことだ。
恭介のチャンスはたった一度だけ。
たった一発の弾丸に全てを賭けなければ勝利は有り得ない。
たった一発の弾丸に全てを賭けなければ勝利は有り得ない。
「――――――」
「――――――」
「――――――」
スローモーションの世界。
一秒すら永遠になりそうな刹那の時間をティトゥスと恭介は感じていた。
勝敗の差はひとつだけ。
ティトゥスが信じるのは己のみ。
恭介が信じたのは己ではなく、地獄に落とされてからずっと一緒だった相棒だ。
一秒すら永遠になりそうな刹那の時間をティトゥスと恭介は感じていた。
勝敗の差はひとつだけ。
ティトゥスが信じるのは己のみ。
恭介が信じたのは己ではなく、地獄に落とされてからずっと一緒だった相棒だ。
空気が破裂した音が『何度も』ティトゥスの耳に届いた。
その音は前方の恭介ではなく『背後』から聞こえてきた。聞き間違えるはずもない、銃声だ。
その音は前方の恭介ではなく『背後』から聞こえてきた。聞き間違えるはずもない、銃声だ。
(…………!?)
何度も、何度もティトゥスはこの予想外の方向からの奇襲を受けた。
そのことを頭に入れていたため、トルタの奇襲には簡単に対応できた。
あまりにも遅い、その程度でティトゥスの反応を抑えようなど温すぎる。
神聖な戦いの邪魔はするな、とティトゥスは二刀を振るって弾丸を撃ち落とそうとして、凍り付いた。
そのことを頭に入れていたため、トルタの奇襲には簡単に対応できた。
あまりにも遅い、その程度でティトゥスの反応を抑えようなど温すぎる。
神聖な戦いの邪魔はするな、とティトゥスは二刀を振るって弾丸を撃ち落とそうとして、凍り付いた。
(身体が、動かん……だと……?)
何度目かの驚愕にティトゥスの表情が歪んだ。
ここに来てティトゥスは己の身体に裏切られた。極大な疲労と出血が侍から技量を奪った。
銃弾を切り捨てることなく、空を切る刀。
ここに来てティトゥスは己の身体に裏切られた。極大な疲労と出血が侍から技量を奪った。
銃弾を切り捨てることなく、空を切る刀。
溜まりに溜まった肉体へのダメージが、蛇のように絡み付いていた。
トルタの弾丸をティトゥスは撃ち落とせない。
もはや身体で守備を固めるしかなく、結果としてクサナギを持っていた第四の腕は蜂の巣となった。
トルタの弾丸をティトゥスは撃ち落とせない。
もはや身体で守備を固めるしかなく、結果としてクサナギを持っていた第四の腕は蜂の巣となった。
「ぐぁぁぁあああああッ!! おのれぇぇええええっ!!」
何が原因か。
刹那だ、あの小娘の不意打ちによる銃撃だ。
今になってあの一撃が己を蝕む猛毒のように、この肉体を蝕み始めた。
この意味は大きい。弾丸を撃ち落とすことすらできなくなったのは、あまりにも致命的だった。
刹那だ、あの小娘の不意打ちによる銃撃だ。
今になってあの一撃が己を蝕む猛毒のように、この肉体を蝕み始めた。
この意味は大きい。弾丸を撃ち落とすことすらできなくなったのは、あまりにも致命的だった。
もはや、恭介が引き金を引く前に恭介を斬り殺さなくてはならない。
あの指が引き金を引くよりも、早く、速く、疾く――――!
あの指が引き金を引くよりも、早く、速く、疾く――――!
「棗、恭介ぇぇぇええええええええええええッ!!!!」
叫びながら地を縫うように距離を詰めた。
視界が揺らぐ、死神が哂う。
死への幻想を強い意志で打ち破りながら、ティトゥスは生きるために必要な血液を撒き散らしながら走る。
早く、速く、疾く。
流星のように、弾丸のようにティトゥスは地面を爆発させるようにして疾走する。
視界が揺らぐ、死神が哂う。
死への幻想を強い意志で打ち破りながら、ティトゥスは生きるために必要な血液を撒き散らしながら走る。
早く、速く、疾く。
流星のように、弾丸のようにティトゥスは地面を爆発させるようにして疾走する。
――――5m
――――3m
――――1m
「―――――コールドゲームだ」
空気の破裂した音が響く。
螺旋に回転した弾丸は標的を喰らい尽くすために飛翔した。
ティトゥスは刀を振るって叩き落そうとするが、やはり螺旋刀は空を切った。
螺旋に回転した弾丸は標的を喰らい尽くすために飛翔した。
ティトゥスは刀を振るって叩き落そうとするが、やはり螺旋刀は空を切った。
結果、螺旋を描いた弾丸は真っ直ぐに、ティトゥスの心臓を貫いた。
◇ ◇ ◇ ◇
「………………終わった、か」
戦いは終わった。
怪物は屠られ、怪人は退却した。
無傷の者は一人もいない。文字通りの死闘を生き残った三人はようやく一息を付くことができた。
怪物は屠られ、怪人は退却した。
無傷の者は一人もいない。文字通りの死闘を生き残った三人はようやく一息を付くことができた。
「恭介ッ……恭介ぇええ……」
「ただいまってな……無事で何よりだぜ、相棒」
「ただいまってな……無事で何よりだぜ、相棒」
その言葉を引き金にして、トルタの瞳からぽろぽろと涙がこぼれてくる。
足さえ動けば恭介に抱きつくぐらいはするのだろう。
恭介は少しばかり困り顔のまま、トルタを抱きしめてやる。もう、周囲に敵はいないのだから。
訪れた気配にハッとするが、足音の主を見て恭介の表情が緩む。
足さえ動けば恭介に抱きつくぐらいはするのだろう。
恭介は少しばかり困り顔のまま、トルタを抱きしめてやる。もう、周囲に敵はいないのだから。
訪れた気配にハッとするが、足音の主を見て恭介の表情が緩む。
「……生きてたのか」
「そちらこそ」
「そちらこそ」
お互いの無事を喜び合った恭介とトルタの前に、白馬に乗った双七が到着する。
トルタは恭介に抱きつきながら、言葉にならない嗚咽を漏らして無事を祝っていた。
おいおい、泣くなよ、と恭介も困り顔だったが。
トルタは恭介に抱きつきながら、言葉にならない嗚咽を漏らして無事を祝っていた。
おいおい、泣くなよ、と恭介も困り顔だったが。
「そっか……無事だったのか、そっか……良かった……」
「って、おい。何でお前まで泣くんだよ」
「いや、別に、何でもないんだ。一人でも無事だったのが、嬉しくて、それで……」
「って、おい。何でお前まで泣くんだよ」
「いや、別に、何でもないんだ。一人でも無事だったのが、嬉しくて、それで……」
犠牲があった。
助けられない命があった。
双七は瞳から光を失った刹那を抱き上げる。
彼女は何を考えて逝ったんだろう。双七は彼女のことは何も知らない。彼女の名前しか知らない。
どんな女の子だったのか、どんな性格だったのか、どんな風に笑うのか、どんな日常を送ってきたのか。
助けられない命があった。
双七は瞳から光を失った刹那を抱き上げる。
彼女は何を考えて逝ったんだろう。双七は彼女のことは何も知らない。彼女の名前しか知らない。
どんな女の子だったのか、どんな性格だったのか、どんな風に笑うのか、どんな日常を送ってきたのか。
「ごめん……」
仲間の無事を喜んだことで緩んだ涙腺から、更に涙が零れ落ちる。
泣いてはダメだ、と己を叱咤した。
悲しいときには泣いちゃダメなんだ、と自身に言い聞かせ続けた。それでも、悔しさで涙はこぼれ続けた。
泣いてはダメだ、と己を叱咤した。
悲しいときには泣いちゃダメなんだ、と自身に言い聞かせ続けた。それでも、悔しさで涙はこぼれ続けた。
「ごめんな……」
もう、迷わないから。
もう二度と誰も取りこぼしはしないから。
だからゆっくり眠ってほしい。双七は刹那の亡骸を前にして誓う。
必ずあの二人組に後悔させてやる。こんな地獄を作り出した主催者たちに償わせてやる。
もう二度と誰も取りこぼしはしないから。
だからゆっくり眠ってほしい。双七は刹那の亡骸を前にして誓う。
必ずあの二人組に後悔させてやる。こんな地獄を作り出した主催者たちに償わせてやる。
もはや、その行動に迷いはない。
それを如月双七の流儀とする、と――――誓った。
それを如月双七の流儀とする、と――――誓った。
「……とりあえず、治療と……それから、埋葬だな」
「ああ……分かった。医療品一式も手に入れたし、まずは処置と……それから情報交換も」
「あ、手当ては私が……」
「まずはトルタ、お前の足からだ」
「ああ……分かった。医療品一式も手に入れたし、まずは処置と……それから情報交換も」
「あ、手当ては私が……」
「まずはトルタ、お前の足からだ」
太陽の下で少年少女が誓い続ける。
この地獄を生き抜くために、大切な人や多くの人を生かして帰すために。
己を貫くことが正しい選択と信じて。
三人の戦士は次なる戦いに備えて傷を癒し、そして再び戦場へと赴く。
この地獄を生き抜くために、大切な人や多くの人を生かして帰すために。
己を貫くことが正しい選択と信じて。
三人の戦士は次なる戦いに備えて傷を癒し、そして再び戦場へと赴く。
それが、死んでいった者たちの分も生きることになると信じて。
【清浦刹那@School Days L×H 死亡】
【ティトゥス@機神咆哮デモンベイン 死亡】
【ティトゥス@機神咆哮デモンベイン 死亡】
【G-4 市街地/1日目 午前~昼】
【2人の共通方針】
1:電車の沿線を行動範囲に、線路近郊の施設を探索。
2:他の対主催のメンバーと接触。
3:そこから情報を得る。
4:自分に危害が出ないように、相手のプロファイリングを元に他の対主催の悪評、もしくは真実を伝える。
5:十分な情報を得たらそのメンバーと別れる。もし理樹、クリスがいるメンバーなら合流。その後隠れながら邪魔な対主催メンバーを排除。
6:もし中々合流できない場合、もっとも安全だと思われるチームに合流。(戦力の面で、信頼関係も含め)
7:序盤は積極的には人を殺さない。基本同士討ちを狙う。情報最優先。終盤は対主催の中心になりなるべくマーダー排除。のち疲労した対主催から狙う。
8:最悪クリス、理樹、鈴がどちらかが死亡した場合は片方のサポートに徹する。両方死亡した場合は互いに優勝を狙う。二人になった場合一騎打ち。
9:ただし完璧に脱出ができる状況になったらそのまま対主催に変更。
10:また、主催の動向や信憑性次第でも対主催に変更。
11:列車の沿線を行動範囲にしていることを信頼できる人間に託し、理樹、鈴、クリスに伝えてもらう。
12:脱出や首輪、主催者の目的についても真剣に考察する。
13:羽藤桂を見付けたら保護。但し残り人数が二桁を切った場合や、止むを得ない理由がある場合はその限りで無い。
1:電車の沿線を行動範囲に、線路近郊の施設を探索。
2:他の対主催のメンバーと接触。
3:そこから情報を得る。
4:自分に危害が出ないように、相手のプロファイリングを元に他の対主催の悪評、もしくは真実を伝える。
5:十分な情報を得たらそのメンバーと別れる。もし理樹、クリスがいるメンバーなら合流。その後隠れながら邪魔な対主催メンバーを排除。
6:もし中々合流できない場合、もっとも安全だと思われるチームに合流。(戦力の面で、信頼関係も含め)
7:序盤は積極的には人を殺さない。基本同士討ちを狙う。情報最優先。終盤は対主催の中心になりなるべくマーダー排除。のち疲労した対主催から狙う。
8:最悪クリス、理樹、鈴がどちらかが死亡した場合は片方のサポートに徹する。両方死亡した場合は互いに優勝を狙う。二人になった場合一騎打ち。
9:ただし完璧に脱出ができる状況になったらそのまま対主催に変更。
10:また、主催の動向や信憑性次第でも対主催に変更。
11:列車の沿線を行動範囲にしていることを信頼できる人間に託し、理樹、鈴、クリスに伝えてもらう。
12:脱出や首輪、主催者の目的についても真剣に考察する。
13:羽藤桂を見付けたら保護。但し残り人数が二桁を切った場合や、止むを得ない理由がある場合はその限りで無い。
【棗恭介@リトルバスターズ!】
【装備】トンプソンコンテンダー(弾数0/1)
【所持品】:支給品一式、SIG SAUER P226の予備弾15@現実、コンテンダーの弾45発、デジタルカメラ@リトルバスターズ!
【状態】:脇腹に深い切り傷(処置しなければ手遅れになります)、胸部に軽い打撲、肉体的疲労(極大)
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動し理樹、鈴を優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。
1:とにかく治療、埋葬、そして双七と情報交換
2:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。
3:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪についてトルタと考察する。
4:トルタの過去に興味。
5:『トルタの好意に気付いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。
6:トルタを見捨てない。
7:道中の地形を把握する。
【装備】トンプソンコンテンダー(弾数0/1)
【所持品】:支給品一式、SIG SAUER P226の予備弾15@現実、コンテンダーの弾45発、デジタルカメラ@リトルバスターズ!
【状態】:脇腹に深い切り傷(処置しなければ手遅れになります)、胸部に軽い打撲、肉体的疲労(極大)
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動し理樹、鈴を優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。
1:とにかく治療、埋葬、そして双七と情報交換
2:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。
3:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪についてトルタと考察する。
4:トルタの過去に興味。
5:『トルタの好意に気付いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。
6:トルタを見捨てない。
7:道中の地形を把握する。
【備考】
※トルタを信頼し、共感を抱いてます。
※トルタとの間に符丁をいくつか作りました。
『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。
(『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。
『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です)
※トルタとはぐれた場合の合言葉は『トルタの知り合い全員の名前』です。
※参戦時期は鈴ルートの謙吾との野球対決後、リフレイン以前です。
故に、リトルバスターズメンバー、特に謙吾に申し訳なさを感じています。
※羽藤桂、浅間サクヤ、神宮寺奏、プッチャンの細かい特徴を認識しています。
※黒幕がいると思ってます。
※参加者によっては連れてこられた時代が違うと思ってます。
※トルタを信頼し、共感を抱いてます。
※トルタとの間に符丁をいくつか作りました。
『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。
(『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。
『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です)
※トルタとはぐれた場合の合言葉は『トルタの知り合い全員の名前』です。
※参戦時期は鈴ルートの謙吾との野球対決後、リフレイン以前です。
故に、リトルバスターズメンバー、特に謙吾に申し訳なさを感じています。
※羽藤桂、浅間サクヤ、神宮寺奏、プッチャンの細かい特徴を認識しています。
※黒幕がいると思ってます。
※参加者によっては連れてこられた時代が違うと思ってます。
【トルティニタ=フィーネ@シンフォニック=レイン】
【装備】:Sturm Ruger GP100(6/6)@現実
【所持品】:支給品一式、Sturm Ruger GP100の予備弾4@現実
【状態】:肉体的疲労(大)、右脚に貫通射創、左脚に盲管射創
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動し、クリスを優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。
0:とにかく治療、埋葬、そして双七と情報交換
1:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。
2:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪について恭介と考察する。
3:恭介の過去に興味。
4:『恭介に好意を抱いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。
5:恭介を見捨てない。
6:道中の地形を把握する。
【装備】:Sturm Ruger GP100(6/6)@現実
【所持品】:支給品一式、Sturm Ruger GP100の予備弾4@現実
【状態】:肉体的疲労(大)、右脚に貫通射創、左脚に盲管射創
【思考・行動】
基本方針:共通方針の通りに行動し、クリスを優勝させる。ただし慎重に慎重を期す。
0:とにかく治療、埋葬、そして双七と情報交換
1:電車の沿線を徒歩で進み、他の参加者と交流する。近郊の施設を探索する。
2:道中、筆談などを用いて殺し合いや首輪について恭介と考察する。
3:恭介の過去に興味。
4:『恭介に好意を抱いている』フリをし、親密にしても怪しまれないようにする。
5:恭介を見捨てない。
6:道中の地形を把握する。
【備考】
※恭介を信頼し、共感してます。
※恭介との間に符丁をいくつか作りました。
『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。
(『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。
『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です)
※恭介とはぐれた場合の合言葉は『恭介の知り合い全員の名前』です。
※登場時期はアルルートのアルが復活した頃です。
※羽藤桂、浅間サクヤ、神宮寺奏、プッチャンの細かい特徴を認識しています。
※黒幕がいると思ってます。
※ラジコンヘリ@現実、岡崎最高ボタンは破壊されました。
※恭介を信頼し、共感してます。
※恭介との間に符丁をいくつか作りました。
『時間』と『動詞』の組み合わせで意思疎通を行います。
(『分』:名簿の番号の人間、『待つ』:怪しい など。
『秒』や『時間』、その他の動詞の意味については詳細不明です)
※恭介とはぐれた場合の合言葉は『恭介の知り合い全員の名前』です。
※登場時期はアルルートのアルが復活した頃です。
※羽藤桂、浅間サクヤ、神宮寺奏、プッチャンの細かい特徴を認識しています。
※黒幕がいると思ってます。
※ラジコンヘリ@現実、岡崎最高ボタンは破壊されました。
【如月双七@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【装備】:スターブライト@Strawberry Panic!
【所持品】:支給品一式×2(食料-1)、予備弾丸18、首輪(リセ)、医療品一式
【状態】:強い決意、肉体疲労(大)、精神疲労(中)、右膝と右肩に貫通射創、左肩裂傷
【思考・行動】
基本方針:仲間の確保と保護
0:もう、迷わない。
1:恭介たちと共に治療。その後に刹那たちを埋葬、そして情報交換
2:九鬼先生と合流する。
3:向かってくる敵は迎撃。必要なら手を血で汚すことにも迷いはない。
【装備】:スターブライト@Strawberry Panic!
【所持品】:支給品一式×2(食料-1)、予備弾丸18、首輪(リセ)、医療品一式
【状態】:強い決意、肉体疲労(大)、精神疲労(中)、右膝と右肩に貫通射創、左肩裂傷
【思考・行動】
基本方針:仲間の確保と保護
0:もう、迷わない。
1:恭介たちと共に治療。その後に刹那たちを埋葬、そして情報交換
2:九鬼先生と合流する。
3:向かってくる敵は迎撃。必要なら手を血で汚すことにも迷いはない。
【備考】
※双七の能力の制限は使い続けると頭痛がする程度です。
※首輪装着者の行動は主催者に監視されていると思っています。
※周囲に以下の物品が落ちています。
※SIG SAUER P226(3/15)@現実
※双身螺旋刀@あやかしびと -幻妖異聞録-、クサナギ@舞-HiME 運命の系統樹
※ティトゥスのデイパック(不明支給品・刀剣類ではない、アサシンの腕)
※刹那のデイパック(刹那の制服と下着、ファルの首飾り@シンフォニック=レイン、良月@アカイイト)
※双七の能力の制限は使い続けると頭痛がする程度です。
※首輪装着者の行動は主催者に監視されていると思っています。
※周囲に以下の物品が落ちています。
※SIG SAUER P226(3/15)@現実
※双身螺旋刀@あやかしびと -幻妖異聞録-、クサナギ@舞-HiME 運命の系統樹
※ティトゥスのデイパック(不明支給品・刀剣類ではない、アサシンの腕)
※刹那のデイパック(刹那の制服と下着、ファルの首飾り@シンフォニック=レイン、良月@アカイイト)
113:Second Battle/少年少女たちの流儀(前編) | 投下順 | 114:トーニャの不思議なダンジョン及びあやかし懺悔室 |
時系列順 | 097:コンプレックス・イマージュ | |
棗恭介 | 133:巡る季節にひとりきり(前編) | |
トルティニタ・フィーネ | ||
如月双七 | 133:巡る季節にひとりきり(後編) | |
ティトゥス | ||
清浦刹那 | ||
支倉曜子 | 125:オペラ座の怪人 |