【あらすじ】
数多くの戦争が起こり、食糧難から人が人を喰らうまで進み、人類が滅亡しかけた宇宙世紀。それが終焉してから1000年以上の時が過ぎた。新たな世紀「リギルド・センチュリー(RC)」を迎えた人々は自ら技術進歩に制限をかけ、再び繁栄を始めていた。
前世紀からの遺物である地球と宇宙をつなぐ機動エレベータ「キャピタル・タワー」。地球上のエネルギー源となる「フォトン・バッテリー」を地球に搬入する唯一の経路として、人々は神聖視しキャピタル・タワーを維持、復元していた。
そのキャピタル・タワーを守護するために作られたキャピタル・ガード。その候補生
ベルリ・ゼナムは宇宙実習の最中に宇宙海賊の操る謎のモビルスーツ「
G-セルフ」の襲撃を受けるがそれを捕獲する。
ベルリは
G-セルフを操縦していた宇宙海賊のパイロット、アイーダ・レイハントンと
G-セルフに不思議な感じを抱き、さらに特定の人間にしか動かすことのできない
G-セルフをベルリは起動させることができた。
宇宙海賊とアイーダの目的、
G-セルフに選ばれたベルリの運命、そして明らかになるリギルド・センチュリー全体を揺るがす運命とは…?
Gのレコンギスタ第一話「謎のモビルスーツ」
見なければ、何もわからない!(本編次回予告より)
【作品解説】
ガンダムの生みの親、富野監督が手がけた
ガンダム作品。キャッチコピーは「君の目で確かめろ!」
TVシリーズでは初の深夜帯放送で2クールとシリーズ初の試みが行われている。(00は分割2クールの計4クール)
富野監督は本作を「ロードピクチャー(冒険譚)」と評しており、小学校高学年から中学生をターゲットにしているとしていた。
ただし、富野監督が「盛り込みたい内容が多く、色々と詰め込みすぎた」と言う通り複雑な内容で話についていけない視聴者が多く、ファンサイトやWikipediaなどで情報を集めたりしないと理解できないことがあるなどと作品としての賛否は大きく分かれていると言える。
作中人物が突っ込んではいるが「キャピタル・ガード」(軌道エレベーターであるキャピタル・タワーを守る自警団的組織)と「キャピタル・アーミィ」(他国家からの侵略を想定という名目でガードからの派生となる形設立された新設の軍事組織)と似たような名称が出てくるなど初見だとこんがらがってしまう名称もある。
同時期に「
ガンダムビルドファイターズトライ」も放送していたため、富野監督がターゲットにしていた対象が見にくい深夜帯になったのも不幸な点だったといえよう。おまけに、トライと異なりバンダイチャンネルなどでの誰でも一週間無料視聴できるサービスがなかったのもあるか。
とはいえ、バイタリティあふれる人物たちやこれまでとは毛色の違うモビルスーツたち、さらには聞いていると元気の出る曲(とくにED)、濃厚な富野節など一度見る価値はあるだろう。
後に5部作のSEEDや00のスペシャルエディションのような編集、新規カットが追加された劇場版が公開された。
監督も作り直す際に分かりにくいところが多いとおっしゃっていたため全体的にTV版よりも分かりやすくなっているほか、一度アニメを経ての新規アフレコになっているので同じシーンでも受ける印象が変わっているシーンもある。
作画も既存シーンのものも修正されている。
初めて見る人にはこちらの方が
キャラクターの心情などが掴みやすくおススメとなっている。特に劇場版Ⅱの追加シーンを見たかどうかでベルリに対する印象が大きく変わると言っていいほど。
新規作画もあり、特に劇場版Ⅳのクライマックスの激戦は非常に迫力のある出来栄えになっている。
24年8月現在劇場版がバンダイチャンネルやアマゾンプライムなどのサブスクリプションサービスでの見放題配信が終わり、視聴には別途料金が必要になってしまっている。
余談だが、放送直後に監督の口から「本作は
コレクト・センチュリーよりも後の時代を想定して作った」という衝撃的な事実が明らかになった。
バンダイ的には∀の方が後の時代にしたい節が見受けられるが
【VSシリーズ登場勢力】
海賊部隊(メガファウナ)
- フォトン・バッテリーを狙いキャピタル・テリトリィへ攻め込んできた謎の部隊。正体はアメリア軍の独立部隊で母艦であるメガファウナはアメリア軍が宇宙進出の為に建造した航宙艦で表向きには解体されたとあるが、実際には偽装して海賊部隊の母艦として運用されている。、当初はアメリア軍の指示通り動いていたが、次第にアイーダの意志の元で独自行動をとるようになり、やがて各組織の穏健派が集まり戦争終結を目的とした組織となる。ベルリ、アイーダ、ラライヤなどが所属。
アメリア軍
- かつて北米と言われた場所にある大陸国家アメリアの軍隊。ゴンドワンと大陸間戦争をしている。その一方でキャピタル・テリトリィがフォトン・バッテリー配給を独占しているのに不満を持ち海賊部隊や宇宙軍を編成した。
- ∀ガンダムにも同名の地名が出てくるが関連は不明である。クリム、ミックが所属し、メガファウナもここの所属。
キャピタル・アーミィ
- 大陸間戦争を続けるアメリア軍とゴンドワン軍からの攻撃を想定し、防衛という名目のもとキャピタル・ガードから派生する形で設立された軍隊。ガードから人員を引き抜いたり、タワーを軍事基地にして、スコード教のタブーを破る行為を行っているためタワー関係者やガードの人員からの印象は悪い。裏ではアメリアと交戦しているゴンドワンと取引している。マスク、バララ、マニィがアーミィに所属。
- キャピタル・ガードはフォトン・バッテリーの受け渡しを行うキャピタル・タワー防衛、保守、タワーを移動する「クラウン」の運行を維持するための組織。フォトン・バッテリーは地球のエネルギーの大半を担っているので最も重要な施設なので人員の練度と士気が非常に高い。ベルリ、ルイン(マスク)はここの候補生だった。
【VSシリーズ使用BGM】
BLAZING
- 第1クールOP、歌手は2人組ユニットのGARNiDELiA。作詞はボーカルのMARiA、作曲はキーボードのtokuが行っている。
- このユニットこの曲以外にも多くのアニソンを歌っているので興味のある方は是非調べて頂きたい。
- 劇場版Ⅰでも使用されているが、元々Ⅱの映像も含まれていたので映像が一部変わっている。
ふたりのまほう
- 第2クールOP、歌手はMay J.。作詞は富野監督ではないがMay J氏は監督に色々と話を伺ってから収録したとの事である。
- May J氏の歌唱力もあり名曲ではあるのだが、OP映像は制作がひっ迫してたのか本編映像の使いまわしという少し残念な事になっている。
- 劇場版Ⅳでもほとんどそのまま使用されたが、これまでのあらすじ紹介としてうまく機能している。
Gの閃光
- ED曲、歌手はシンガーソングライターのハセガワダイスケ氏。
- 作詞は富野監督が担当、一度聴いたら忘れないような強烈な歌詞は流石である。また静止画ではあるが敵味方入り混じったラインダンスのED映像も必見である。
- 劇場版Ⅰでも使用されているが、こちらも先のネタバレが含まれるため1部映像が変わっている。Ⅳでは本曲のリメイクと言える「カラーリング バイ G-レコ」が発表された。歌手は同じくハセガワダイスケ氏。
Gセルフの青い空
天気明朗なり
- 激伴。軽快な曲調で、クリムが動くときにかかることが多い。
【本シリーズ関連ステージ】
ビクエスト島
- 海賊部隊の基地があるカリブ海の島。アメリアの「カリブ海洋研究所」が置かれている。
- GVSで登場。海岸に段差があるものの全体的に開けた広いステージで背景にメガファウナの形をしたダミーバルーンがある。
キャピタル・テリトリィ
- 主人公ベルリ・ゼナムたちの住む国。エルライド大陸(南アメリカ大陸)の北部、カリブ海からアマゾン川流域に接する地域を国土とする。首相はビルギーズ・シバ。北方の大陸国家アメリアとは敵対しているが、東方にある大陸国家ゴンドワンとは協力関係にある。
- 中心部には宇宙からフォトン・バッテリーをもたらす軌道エレベータ「キャピタル・タワー」があり、スコード教によって神聖視されている。
ギアナ高地
- 南アメリカ北部にある高地で、本作における最終決戦の舞台。洞窟内にはズゴックなど1年戦争期のモビルスーツが化石のように眠っており、大昔である宇宙世紀時代のジャブロー跡地と思われる。
- なお、ギアナ高地はEXVS~MBONにてGガンダムのステージとして登場したが、EXVS2XBではGレコのステージとして登場。出典作品が異なりかつ同名のステージが登場するのは珍しいケースである。もちろん出展作品が異なるため、ステージギミックにデビルガンダムやガンダムヘッドの触手は出てこない。
- ステージは高低差や段差がほぼ無く、建造物やオブジェクトもないステージになっている。
【ガンダムVS.シリーズにおけるステージタイトルとの関連】
- G系統のMS(EXTREME FORCE)…「ヘルメスの薔薇の設計図」を元に建造されたMSの事で、G-セルフやG-アルケインがこれに該当する。
最終更新:2024年08月18日 11:41