【設定】
デラーズ・フリートに所属するシーマ艦隊が所有する試作型モビルスーツ。
武装は
ゲルググJを思わせる腕部機関砲にビーム・マシンガンと非常にシンプルだが、肩に配置されたフレキシブル・スラスターにより高い推力を発揮、運動性と機動性は非常に高い。
元はアナハイム・エレクトロニクス社のガンダム開発計画で作られた試作機群の内の4号機で、完成すれば「ガンダム試作4号機(GP04ガーベラ)」となる。
しかし、
ガンダム試作1号機と機体内容に重複する点が多い為プランから外され処分される予定……のはずだったが、シーマ・ガラハウとの裏取引により既に完成していた内装基本構造部分のみをそのままに外装パーツをジオン系に改装して供与される事となった。
名前は試作4号機のコードネームの「ガーベラ」と試作4号機の4を意味するギリシャ語接頭語の「テトラ」を組み合わせたものであり、ガーベラの花言葉は「神秘」。
派生機としてはメカデザイン担当の明貴美加が「シーマが乗るならこんなデザイン」というような形でトイ作品で発表されたガーベラ・テトラ改が存在する。
【武装】
110mm機関砲
両前腕部に2門ずつ装備。
連邦軍のモビルスーツが標準装備している60mmバルカン砲を凌駕する威力と優れた連射性を持ち、中・近距離で有効となる。
ビーム・サーベル
両大腿部に1基ずつ収納される。
独自の形状をしているが、デバイスは量産品を使用している。
ビーム・マシンガン
型式番号:X-04
パルス状のビームを連射する試作型のビーム兵器。
当時はメガ粒子を断続的に射出する技術は開発途上であった為、強力な冷却システムが採用されており、リミッターが作動すると強制的に放熱が行われ使用不可能となる。
【原作での活躍】
アナハイム・エレクトロニクス社との裏取引により、シーマ艦隊に譲り渡される。
デラーズ紛争終盤、シーマ・ガラハウがエギーユ・デラーズを裏切った際にグワデンから脱出する際に搭乗した。
本編では正直活躍したと言い難く、登場話も一話だけでありVSシリーズや別のゲームでの印象を持って見ていると肩透かしをくらうかもしれない。
【搭乗者】
シーマ・ガラハウ
CV:真柴 摩利
元ジオン公国軍海兵隊の部隊指揮官。
ザンジバル改級機動巡洋艦「リリー・マルレーン」を旗艦として他にも
ムサイ級や
ゲルググMを筆頭に多数の戦力を保有しており、通称「シーマ艦隊」とも呼ばれている。
指揮官としての腕前だけでなくMSパイロットとしても高い技術を持ち、実戦では自ら前線に出る辺り、典型的なジオン公国軍の部隊指揮官と言える。
一年戦争開戦直後のブリティッシュ作戦において、サイド2に毒ガスを流し込む任務を行ったため、終戦後はコロニー住民虐殺の汚名もありアクシズへの合流も拒否される。
挙句に故郷のコロニーはソーラ・レイとして改造されたため帰る所の無い彼女は生きるために宇宙海賊に身を落としていた。
アナベル・ガトーはシーマを「獅子身中の虫」と表現し、エギーユ・デラーズに危険なのではと異議を唱えるもデラーズはそれでもシーマ艦隊の戦力とシーマの能力を買っており、自身の大義と信念で導けると判断していた。
また、コロニー落とし後は彼女達もアクシズへ行けるよう手配をしていた様だ。
デラーズからの参加要請を了承した後も連邦軍と密かに接触、裏工作を行なっていたが、
アルビオンの邪魔により尽く失敗。
最終決戦では完全に裏切りデラーズを拘束するものの、激情に駆られて射殺してしまい失敗。
しかも味方のはずの
コウ・ウラキにより母艦や部下を次々と失ってしまう。
最期は敵討ちのために
ガンダム試作3号機に挑むが、メガ・ビーム砲に機体腹部を貫かれ、そのまま零距離砲撃で機体を真っ二つにされ戦死した。
信義に生き、敗北上等の勝負をかけるガトーやデラーズに対して彼女は徹底的に「生きる事」に執着していたリアリストであった。
特に0083はジオンが綺麗に受け取られやすい描写の中で彼女のような被害者を生み出していた現実を突きつけており、「夢や信念だけで飯は食えない」という事を分かりやすく表現した。
彼女がかつて信じた「ジオンの大義」に裏切られ、自身が裏切ったデラーズが彼女達を使い捨てることなく、星の屑終了後はシーマ艦隊が当初希望していたアクシズに行けるように手配していたことを考えるとなんとも皮肉な結果である。
劇中では裏切りに裏切りを重ね続けガンダム三大悪女の候補にもなるが、彼女ら海兵隊をそうさせたのは、散々汚れ仕事をさせておきながら戦後はあっさりと見捨てたジオン軍上層部であり、彼女の行動は帰る場所も無い部下達を守るために必死に生き延びようとした結果と言える。
その悲劇的な境遇もあり彼女のファンからは、劇中での部下からの呼び名である「シーマ様」と呼ばれる事も多い。
漫画「機動戦士ガンダム0083 星屑の英雄 OPERATION STARDUST」ではデラーズ確保に失敗するとバスク・オムに用済みと判断され、連邦軍の集中砲火を受け戦死する。
2021年までガンダムエースで連載されていた今西監督監修の漫画「機動戦士ガンダム0083 REBLLION」では途中までアニメ通りだったが、
サウス・バニングを倒した相手がシーマではないためガトー相手にコウ&ケリィと共闘を行う場面も。
最終的には生存し、名前を変えてシーマ艦隊と木星に旅立った。
恐らくは一番幸せな世界だろう。
余談だがシーマの身長は190cmあると言われている。ただこれはガトーの195cmを元に並んだ姿からみた推測であり実際は不明である。更に言えばガトーの195cmも推測の数字であり二人とも公式で身長の数字が書かれたことはないのであくまで非公式のネタとして楽しむべきだろう。ちなみにおそらく日本で一番有名な女子バレー選手の大林素子で184cmなので本当に190cmあったのならバレーかバスケをやっていれば幸せになれていたかもしれない。
【原作名台詞】
- 「少佐、これからは楽をさせてあげよう。精々ガンダムでも磨いておくんだねぇ」
- 待機を命じられて連邦軍艦隊の迎撃に参加できないガトーに対して。自信と共に相手への侮辱も篭ったセリフ。その自信に違わず、相手を出し抜き、ガンダム試作1号機を大破させるのであった。
- 「なんのかんの言っても、世の中を渾沌とさせているのはお前のようなルナリアンなんだなあ」
- アナハイム・エレクトロニクス社の常務オサリバンとの会話。
後のシリーズを見るとAEはあらゆる勢力に兵器を提供しているのが散見されるので、AEの暗部を見抜いていた発言ともいえる。
- 「アタシはお節介な男は大嫌いさね!」
- 「落とし前はつけてもらうよ。命をかけてもね」
- 前者は部下が余計な発言の所為でヴァル・ヴァロの確保に失敗した事を見抜いた際に、後者はその部下をザクIIで放り出してヴァル・ヴァロと戦わせる形で粛清した際の台詞。
部下は当然太刀打ち出来るはずもなく撃墜。面倒見はいいが、失敗した者には容赦なしのスタンスのようだ。
- 「ふざけるんじゃないよ! あたしは今までこうして生きてきたのさ。本国でぬくぬくとうずくまる者たちの顎で扱われながら!」
- 「アタシは、故あれば寝返るのさ!」
- 理想主義者であるデラーズの発言に、その主義者達に反目されたのは自分と言い放ったのだが…
- 「ガイドビーコンなんか出すな!やられたいのか!」
- 被弾したゲルググMに、ガイドビーコンを出したリリー・マルレーンに対して。直後、コウのガンダム試作3号機からメガビーム砲が放たれ、直撃を食らったリリー・マルレーンは轟沈。
「いわんこっちゃない…!」と彼女を落胆させてしまうのだった。
- 「お前は一体、どっちの味方だっ!?」
- 既に連邦側についているにもかかわらず、母艦を攻撃してきたコウに対して言い放った台詞だが、このセリフはシーマ自身にも当てはまる皮肉な台詞でもあった。
【その他名台詞】
- 「嘘だ、こんなの…! アタシは知らなかったんだ! 知らなかったんだよっ!!」
- PS2のゲーム「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙」シーマ編第1話の戦闘開始直後の台詞。
混乱と自責の念で半狂乱状態になっており、彼女のトラウマになっていたのがうかがえる。
- 「じゃあ、命令があればアンタは軍人以外にも銃を向けるのかい?」
- ニンテンドーDSのゲーム「SDガンダムGジェネレーションDS」のライバルルートの一幕。軍人として盲目的に「アズラエルに従え」の命令を全うしようとするナタルに対して。その後、自身が過去に大量虐殺の片棒を担がされた事を告白し、同じ轍は踏むなと忠告する。経験者にして被害者であるシーマの言葉だけに非常に重い。
【ゲーム内での活躍】
EXVS.FB
7月上旬の全国大会に参戦。対抗馬は
クロスボーン・ガンダムX3。
勢力戦に敗北をするが、8/27にコスト2000の射撃寄り機として解禁された。
武装アシストに
ゲルググM。
武装のほぼ全てがマシンガンと言う特化機体。
劇中のビーム・マシンガン乱射を再現してか、やたらとメインがばらけ、近距離で無ければ命中が期待できない。
使い切りながら恐ろしい機動性を得る格闘CSや、素の状態でもそれなりの機動性、落下技や移動技を持っているので、うまく接近戦を仕掛けよう。
余談だが、設定が設定なだけに本機体の属性に「ガンダム」が設定されており、
刹那を始めとする他
キャラクターからガンダム扱いされている。
EXVS.MB
引き続き参戦。
レバー入れ特射で突撃するゲルググMが2機に増え、より強力になった。
EXVS.2
射撃CSに新規のサーベル投げが追加された。3段階チャージ可能で、Lv2以降は鈍足が付与される。
最大のLv3時には凄まじい弾速となり、鈍足効果が10秒持続する。チャージ時間も段階毎に1秒とかなり早いので新たに強力な攻め手を獲得した形となった、
格闘CSを使うとメイン、サブの弾数増加、最大連射数30発に増加するようになった。
また、覚醒技もゲルググM呼出から単体乱舞攻撃技に変更され、彼女の異名である「宇宙の蜻蛉」となった。
覚醒技発動時に格闘CSの弾数が回復する(一度使っていても再装填される)ようになり、この仕様と自身のコストが今作追加のL覚醒と絶妙に噛み合っていた。
職人気質なキャラではあるがポテンシャルは凄まじかったようで、PREMIUM DOGFIGHT 2019でベスト4に残る大健闘を見せた。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
通常時:機体選択画面と似たポーズを取る
格闘CS使用時:シュトゥルム・ブースターを装着した状態で上記のポーズを取る
覚醒技で勝利:両脇にゲルググMを従えている
格闘CS使用中に覚醒技で勝利:シュトゥルム・ブースターを装着してゲルググMを従える。カメラワークも変更される
敗北ポーズ
デンドロビウムの砲身に貫かれた時の姿勢で漂い、その後爆発。
【その他の活躍】
ガンダムビルドファイターズ
4話の第7回ガンプラバトル選手権第3ブロック日本代表予選3回戦でピンクに塗装された機体が登場。
使用者はガンプラアイドル・キララでイオリ・セイも認めるほどの完成度だったが、実はキララがファンに作らせたガンプラ(彼らは乗り気ではあった模様)だった。
ビルドストライクガンダム戦では事前にイオリ模型店の客を装ってセイに近付きビルドストライクに施した細工をきっかけに追い詰めたが、ビルドブースターのギミックでトドメを間一髪で回避され、逆にビームキャノンを避けられずに敗北した。
後日に再登場した際にはブレードアンテナ付きの同機自分で製作。フェリーニ曰く「荒削りだが丁寧に作られている」との事。フェリーニ駆る新型フェニーチェ・リナーシタに関節技を決めた。
最終決戦でも要塞外のモック相手に奮戦していた。
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キララ |
キララ
CV:悠木 碧
アキバ系ガンプラアイドル。
歌って踊れて、ガンプラを作ってバトルまでこなす。
しかし知名度は低く、トップアイドルとして売れる為にガンプラバトル選手権に出場する。
実は アラサーの崖っぷちアイドルで本当はガンダムやガンプラには興味がなかったものの、事務所社長の意向でガンプラアイドルとして売り出す事になった、いわゆる「 ヤラセアイドル」だった。
とはいえ努力を重ねた成果は確かで、ガチのガンダムオタクでもあるセイとガンダムトークをしてもボロを出す事はなかった。ちなみに好きな作品は『 ポケットの中の戦争』で同作に登場する ジム系MSが大好きとの事。 覚えやすいからだろうか?
1,2回戦は不戦勝で勝ち上がっており、セイ以外にも細工ありきで勝ち上がってきた可能性が高い。
ただ、(手段はともかく)生きるために勝ち上がる姿はシーマの如く本気であり、この点はレイジから評価されていた。
その後世界大会のリポーターとして採用されており、レセプションパーティーで知り合った フェリーニとは公私で仲良くなった模様。
最終話EDでは夢を叶えて武道館ライブを行っていた。
『ビルドファイターズトライ』ではハリウッド女優にまで登り詰めていた事が語られる。
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SDガンダムフォース
本機をモチーフにしたキャラとしてダークアクシズ最高幹部のプロフェッサーガーベラが登場。
モノを作り出す力を持たないダークアクシズにおいて唯一、モノを作る事が出来る。
そのアーマーの中にはガーベラ・テトラならではの正体が隠されていた。
機動戦士ガンダム ギレンの野望
連邦プレイ中イベントが進むとシーマが取引を持ちかけてくる。
資金を払えばシーマ艦隊が仲間になり、星の屑も阻止してくれるが戦後の扱いは不明。
ちなみにジオンではシーマ逮捕で裏切りも星の屑阻止も防げる
ガンダムバトルシリーズ
連邦でプレイしていると対応ミッションのブリーフィングで『シーマ艦隊の「退場」が決定したため、排除せよ』という内容の文が登場し、シーマを倒すのが目的になるミッションがある。
機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙
シーマ編EDでは無事受け入れられ新設されたティターンズに誘われたとしている。
しかし彼女はこの時点でティターンズの本質を見抜いており、再び毒ガス注入などの汚れ仕事をやらせられると感じ、拒否して姿を消している。
ファンとしては比較的幸せなEDであろう
SDガンダム GGENERATION
『SPIRITS』ではシーマが主人公となる「宇宙の蜉蝣」が再現されている。
『OVER WORLD』のオリジナルシナリオでは、なんとソーラ・システムIIを利用して
ジェネシス2基とメサイアを陥落させる活躍を見せた。
『DS』のライバルルートでは説得の末になんとシーマが
もう一度ジオンを信じて戦うという驚きの展開がある。
ティターンズ所属となった後も、アズラエルの暴挙を目の当たりにして苦悩するナタルを諭し、共に反旗を翻す見せ場がある他、条件を満たせば
ターンXのパイロットとなる事も可能。
また、このルートはジェリドとマウアーがNTに覚醒してカミーユと完全に分かり合うなど見所が多い。
なお、作中ではジョニーとフラグを建てまくっている。ちなみに通常ルートで連邦艦隊に襲撃されたシーマの救出を真っ先に志願したのもジョニーである。
EDではジョニー、マツナガと共に故郷マハルの復興に尽力する。
スーパーロボット大戦
一部の作品では量産されて、シーマ以外が搭乗する事がある。
作品によっては入手可能だが、シナリオ上でシーマは自軍に参入したことはなく、『CC』で一時共闘したぐらい。
『X-Ω』では期間限定イベントながら入手すればようやくプレイヤーでシーマを使う事ができ、入手していればキララとのダブルガーベラ・テトラも実現可能。しかしこちらは残念ながら現在はサ終している。
シーマも作品によってはデラーズを裏切るが、プレイヤーが基本的に連邦側であることもあってか連邦につくことは無い。
なんだかんだでジオン勢力に居続けたり、ジュピトリアンやギガノス帝国といった別の敵勢力に離反する。
ちなみに『A』では原作よりロールアウトが早まっており、本機を見たニナが正体に気付きガンダム試作4号機に言及する場面がある。
【余談】
近年では割と有名な試作4号機のガンダムとしての姿だが、当初は特に何も設定されておらず0083の最終話終了後にHJ誌のムック誌シリーズである「GUNDAM WEPONS」にて描きおろし掲載されたのが初出である。
シーマといえば谷和也氏の4コマギャグ漫画「ハイブリッド4コマ大戦線」では作者がシーマがお気に入りなのもあり、「それいけシーマ様」という単独シリーズが作られており出番が多い。コミックスでは「若き彗星の肖像」の北爪宏幸氏に16歳のシーマの描き下ろしを依頼していた。
また、シーマを基にしたパロディキャラも多く登場している。
代表的なのは2003年発売のアドベンチャーゲーム「インタールード」に登場したファストフード店チーフの「嶋さん」。
名前だけでなく店の名前も「アンナ・デラーズ」、見た目も髪色が赤い以外はそっくり、担当声優まで真柴摩利氏と高度なパロディが行われた。
最終更新:2024年07月31日 08:13