【あらすじ】
宇宙世紀0083年。
一年戦争終結から3年後、連邦軍は再編制の一環としてアナハイム社との共同で「ガンダム開発計画」を実施。
オーストラリア大陸のトリントン基地にて最終テストを行っていたが、ジオン軍残党組織「デラーズ・フリート」のパイロット、かつて「ソロモンの悪夢」と呼ばれたエース「
アナベル・ガトー」が核弾頭を搭載した
ガンダム試作2号機を強奪。
脱出を図る2号機だったが、その前に連邦軍新米テストパイロットのコウ・ウラキの乗り込む
ガンダム試作1号機が立ちはだかる。しかし、ガンダム2号機は追撃を振り切り朝靄の彼方に消え去ってしまう。
今再び、ジオンが動き出す…。
【作品解説】
「
機動戦士ガンダム」と「
機動戦士Zガンダム」の間の空白を埋める物語。
この作品における戦いが「Z」に登場する勢力の一つ、ティターンズ発足のきっかけとなっている。
近年の作品(平成ガンダムシリーズ以降)では当たり前の光景となっているが、当時としては斬新な「ガンダム対ガンダム」を描いている(これまでは精々「Z」における
ガンダムMk-II同士の僅かな戦闘程度しか無かった)。
企画当初のこの作品のテーマは「ガンダム対ガンダム」、「三角関係」、「コロニー落とし」であった。
「機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダム」シリーズの遠いご先祖といえるかもしれない。
作品内容は「ガンダム」に続いて「主人公の所属する組織=正義の味方」という当時にありがちな描写からは程遠く、主人公
コウ・ウラキが所属する地球連邦軍の腐敗振りが細かく描写されている。対して敵勢力に当たるデラーズ・フリートはアナベル・ガトーを初めとしてスペースノイド独立という信念のために生き、戦い、そして散っていくという武士道の様なものを感じさせる。そのため、「悪の地球連邦軍VS.正義のデラーズ・フリート」等と言われることも。また、上述のようにティターンズが発足されることを予感させ、コウやエイパー・シナプス(未登場)は軍事裁判にかけられている(コウは懲役1年で後に釈放、シナプスは紛争の全責任を押し付けられ死刑に)など、ハッピーエンドとは言いがたい内容となっている。なお、ニュータイプに関しては一切登場しない(台詞にすら出ない)。
メカニックは全体的に「機動戦士ガンダム」に登場した機体のリメイクが中心。ありあわせで作ったとされる機体も登場している。
また「ガンダム開発計画」に関わる機体群は全体的にオーパーツと呼べる程の(製作スタッフもそう述べている)とんでもない性能を持っており、後の時代との齟齬を生み出している。
特にフルバーニアンはカタログ上、第二世代の量産機(
ジムIIなど)はおろか
ガンダムMk-IIどころではなく、第三世代の
Zガンダムをも超えるスペックを持っている。
またデンドロビウムなど明らかに遥か未来でも絶対的存在として君臨出来るだろう機体もある(この為デンドロビウムは「機体だけで見ればガンダム史上最強の機体」と言われている)。
後の時代との齟齬を解消する為か、(Zガンダムがガンダム開発計画の機体群より低スペックなのは)ガンダム開発計画の凍結及び破棄により技術が殆ど失われているという設定が存在するが、これにも矛盾点が存在したりする。
2019年現在、ガンダムエースで本作の今西監督がアドバイザーを務めている本作の漫画「REBELLION」が連載中。
前半は一号機がジムのようなバイザーを被った姿で出て着たり、「08MS」のサンダースのような他作品からゲスト出演したりと言った程度でほぼアニメ版に沿った展開が続いていたが、1号機と2号機の最終決戦前後からアニメ版とは流れこそ近いものの、全く別の展開になっている。
【VS.シリーズ登場勢力】
地球連邦軍
地球連邦政府の軍隊。
この頃の地球連邦軍は一年戦争勝利後に各地に潜伏しているジオン残党に備えており、接収したジオンの技術や兵器を合わせて軍備の再編中だった。
「不死身の第四小隊」は
サウス・バニング隊長が率いた4人組の部隊であり、一年戦争で激戦の各戦地を1人の犠牲者も出すことなく生き延びた部隊である。あくまで非公式の名前であり本来は「第二連合艦隊第4MS小隊」が正式名称である。
デラーズ・フリート
ジオン公国軍の残党組織。ジオン公国の総帥
ギレン・ザビの親衛隊隊長であったエギーユ・デラーズを総大将に、ギレンの思想に殉じたアナベル・ガトーが中心の元親衛隊を中核とした部隊。
シーマ・ガラハウを艦長に組織されたシーマ艦隊も合流しているが、行動理論に思想的理由は無く己の利益のために裏で暗躍する。
【VS.シリーズ使用BGM】
THE WINNER
- 前期OP、歌手は松原みき。
- 松原氏は2004年にガンで亡くなっているが、令和になり動画サイトの影響でシティポップが世界的なブームになると松原氏が再び注目を浴びる事に…何があるか分からない世の中であるが、尚更若くして亡くなられてしまったのが悔やまれる限りである。
MEN OF DESTINY
- 後期OP。歌唱アーティストはMIO(現名義はMIQ)、作曲は前期のOPを歌った松原みき氏である。
- サビの「メンオブデスティニー」が「メロンデスティニー」と聞こえてよくネタにされている。
【VS.シリーズ関連ステージ】
フォン・ブラウン
- 月面都市のひとつ。アナハイム・エレクトニクス社のフォン・ブラウン工場もある。
- 劇中では、大破したガンダム試作1号機を修理・換装。CCAでは、νガンダムの開発が工場内で行われた。余談だが、∀ガンダムでは「フォン・シティ」の名前で登場している。
- NEXT内におけるステージ。オフィス街をイメージしたためか地形が複雑となっている。また、ビルにアナハイム社のロゴが描いてある。
アイランド・イーズ
- デラーズ・フリートがコロニー落としに用いられた、コロニー再建計画で移送中のコロニーの一つ。もう一つのコロニー「アイランド・ブレイド」を衝突させイーズをフォン・ブラウン市へ落下させようとした。
- しかしそれはあくまで見せかけであって、本当の目的は地球へのコロニー落としだった。連邦はジャブローへの落下と予想していたが、ガトー曰く「北米大陸の穀倉地帯を破壊し、地球の自給自足体制を損なわせ、消費する食料の供給をスペースコロニーに仰がざるをえない状況を作り出し、スペースノイドの連邦政府に対する発言権を強化する」との事。
- シーマの密約で事前に情報を知ったジャミトフ・ハイマンら連邦軍はソーラ・システムIIで、アルビオン部隊は試作3号機でコロニー破壊を試みるが、阻止限界点を突破し失敗、コロニーは原形を留めたまま北米大陸穀倉地帯に落下。連邦政府は後に「コロニー移送中の事故」と発表して真相を隠蔽した。
トリントン演習場
- オーストラリア東部に存在するトリントン基地の演習場。コロニー落としの影響で無人地帯の廃墟と荒野が広がっている。また、コロニーの破片がいくつか存在している。
- 劇中ではパワードジムを始めとする新型MSの演習所として使われていた。
- GVSでの登場ステージ、背景にアルビオンがいる。
月面
- フォン・ブラウン市の外部に位置する月面。劇中では試作1号機フルバーニアンの起動テストや、モビルアーマーのヴァル・ヴァロがフルバーニアンと交戦した。
- GVSでの登場ステージ、背景にアルビオンがいる。
【VS.シリーズ関連Gクロスオーバー】
デンドロビウム
- ガンダム試作3号機 デンドロビウムが通過するGクロスオーバー。
- 通過系のGCOだが先にビームとミサイルが出てその後デンドロビウムが突入するので、ただの通過系のGCOと比べると若干優秀。
【ガンダムVS.ガンダムにおけるステージタイトルとの関連】
- ソロモンの悪夢(ノーマルコースBルートSTAGE1)…第9話サブタイトル。アナベル・ガトーの異名でもある
- ジオンの残光(ノーマルコースDルートSTAGE7EX)…劇場版サブタイトル
- ウラキ吶喊(ハードコースAルートSTAGE4)…劇中のウラキのセリフより
- 鎧袖一触(ハードコースBルートSTAGE4)…劇中のガトーのセリフより
最終更新:2025年04月14日 21:15