メインシナリオにあたる「The Dreamer's Juvenile」は探索者が霊像能力と世界の真実を追い求める基盤シナリオです。
日本の架空都市にある四葉町で繰り広げられる学園青春物語です(年齢職業に制限はありませんが推奨は四葉学園高等部3年生)。
メインシナリオ1章の開始時代が2016年で、それを基準に世界観の描写を行います。
まず国際情勢や科学技術において一般の現代社会から特に逸脱している訳でもありませんし、霊像能力や神話生物の存在も通常と同じく社会から一般的に認知されていません。
とはいえ概要で述べた通り、一部の組織や個人はそのことについて知っているでしょうし、その辺りは通常の歴史やクトゥルフ神話TRPGと変わりありません。
霊像能力が認知されたのが1999年12月から2000年というのも、霊像能力者間(※以後霊像社会と呼称)の共通認識として扱われています。
霊像の社会的認知度ですが、能力者が増加傾向にある中で意外かもしれませんが社会は明確に霊像能力を公式に認知していません。
カレイド教団の本拠地である四葉町も例外ではなく、教団に関わりがない人間、政治的上位の関係者や現場で関与する人間等を除いては存在を知りません。
あくまでも霊像能力に関しては、カレイド教団が実証を以て政財界や各省庁と現場で接触するだろう一部の関係者にのみ根回ししている状況です。
ただ、カレイド教団はその影響力を四葉町だけに留めており、各国政府や犯罪組織、神話的組織がどの程度霊像を認知しているかは別です。
多くの各国政府や組織は、この未知の能力を解き明かす為に手段を選ばない実験を繰り返している可能性も高いでしょう。
ただ大抵の組織は持ちうる技術と資金を投じても、霊像能力という未知に指を掛けることも困難な状態です。
邪神が擁する魔術結社などはある程度解き明かす事に成功しているようですが、あくまで性質程度の触りであり、何かしらの儀式に利用できる程ではありません。 特筆すべき点として霊像能力という異常現象に対し、数いる邪神の中でも人類に積極的に干渉する"這い寄る混沌"は、静観をしている点です。
霊像能力者や非能力者関係なく神話的事象に巻き込む事は行うようですが、霊像能力を主体として大がかりな計画を企む、という事は一切ありません。
云わば能力者と非能力者を同じ括りの人間として、事件に巻き込み加害者や被害者にするというだけです。
霊像能力を主体とした大がかりな計画とは、霊像能力を用いて世界を破滅させるとか、霊像能力の真相を社会に流すとか、そういうものです。
霊像能力はその性質上、強い意思や強い欲求を抑えていた人物に発現し易い傾向にあります。
その為、抑圧された環境に居る人物やハングリー精神を持つ人物が発現し易く、そういった人物は多かれ少なかれ能力を利用した犯罪に走る傾向が強いです。
満たされた環境に居る人物が霊像能力を自発的に発現させるケースは少ないですが、仮に発現したとしてもそれを公表することは人柄によりますが少ないでしょう。
霊像は便利ですが、その能力は知られていないからこそ絶対的な武器となり、また非能力者とは違う特権なのです。
それを誇示するように使う人物は余程"凶悪かつ凶暴"か"抑圧され怨みを持つ"ような人たちでしょう。
仮に著名人が自ら霊像能力者であることを告白すれば、認知されていない為にジョーク、あるいは妄想家とも狂人とも扱われるでしょう。
もしそれを証明する為に能力を行使すれば、超能力者として持て囃されることが多いですが、同時に畏れられ迫害されることも多いです。
何より能力者であると明かした為に、カレイド教団を除く多くの組織にその身柄を狙われる事が発生するかもしれません。
つまり能力者であると明かし証明すれば、極めて人間社会に見られる迫害や擁護、利用が発生します。
神話生物に関してですが、一般的なクトゥルフ神話TRPGと同じく、世間一般の人々はその存在を知りません。
その存在を知り得ているのは、変わらず魔術師や狂信者、一部政府機関や探索者達などでしょう。
因みにカレイド教団はその境遇と方針上、それら神話的存在を認知しているようです。
どこまで知り得ているかは探索者自身が探る必要があるでしょうが、カレイド教団の戦闘能力者は魔術的防護や専門の装備をしています。
まあそれに関しては公式クトゥルフ神話TRPGにも抗神組織などが存在し、そういった技術を有する為不思議ではないでしょう。