帰り道
本日の更新はお休みとなります。
代わりに、こちらから
薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
ネア
「今日は一日しっかりとお仕事でしたね」
「ご主人様…」
「このカワセミと謎小瓶生物は、たまたま足元をちょろちょろしていたのですよ」
「その瓶は、足止めの精霊だから置いて帰ろうか。帰れなくなると困るだろう?」
「なぬ。今夜はローストビーフなのでこやつはこうです!」
「投げた…」
グレアム
「シルハーン、この本もお渡ししておきます」
「本はいいかな…」
「そろそろ、あなたからも一冊贈ってみては?ネアが喜びますよ」
「…そうなのかな」
「ええ。時にはそのような贈り物も良いかと」
「では、そうしてみるよ」
「ええ。ではこの精霊は、俺が帰り道で処分しておきましょう」
グラフィーツ
「やれやれだな。帰り道でどれだけ砂糖を食わせるつもりだ」
「リ、リズム感は生きています!」
「最低でも、七杯は必要だぞ」
「その素敵なスプーンで、ですか?」
「保管用の入れ物の七杯分だ」
「ぎゃ!ほぼ水筒一杯ではないですか!」
「リズムを完全に殺したのはお前だろう…」
ドリー
「
エーダリア、帰りにウィームの空を一回りしてもいいか?」
「構わないが、どうかしたのだろうか?」
「
ヴェンツェルが、弟の住む街を見ておきたいらしい」
「ドリー!」
「すぐに照れるが、エーダリアが幸せに暮らしているウィームを見るのが気に入っているんだ」
「兄上…」
「ドリー…」
ウィリアム
「ネア、少しだけ待っていてくれるか?」
「お仕事ですか?」
「余計なものがいるから、排除しておくな」
「余計なもの…」
「そうだな、離れると危ないから俺の背中に顔を埋めていてくれるか?」
「む、むぐ!」
「ああ、そうしていてくれ。すぐに壊すが、見えると不愉快だろうしな」
ノア
「ええと、そろそろ帰ろうか!」
「少しだけ待ってくれ。
ノアベルト、これは何だろう?」
「橋崩しかな。ありゃ、また何か見付けたぞ…」
「こ、これは?!」
「わーお。生きた魔術書だね。少し待ってくれるかい?僕が魔術洗浄しなきゃだね。…何だろう、何かこういうのも家族みたいでいいね」
ヒルド
「では、帰りましょうか」
「むむ…」
「お手をどうぞ。こちらの谷は私がお渡ししましょう」
「お、落ちません?私はとても軽い乙女ですが、狐さんよりは重いと言わざるを得ず…」
「おや、そのような心配はされずとも、あなたを落とすような事は決してありませんよ?」
「はい!」
「では」
ディノ
「ネア、こちら側の道を通って歩こうか。あの公園で、夕暮れの星の歌が始まるようだ」
「まぁ!野外劇場なのです?」
「うん。今日からの三日間、こちらで公演しているようだ。観ていくかい?」
「い、いいのですか?」
「うん。君の好きな揚げドーナツもあるよ」
「ふぁ!」
「可愛い…」
アルテア
「それは置いていけ」
「むぐる…」
「白いものは狩るな。それと、見た事のない生き物には触るな」
「これは、鳥さんです」
「真っ白で、鱗のある竜だな。おまけに祟りものだ」
「売ればおやつ代になるのです」
「障りがあるものだ。…ったく、帰りにザハに寄ってやる。それでいいな?」
本日はここまでとなります。
お付き合いいただき、有難うございました!
最終更新:2022年05月07日 12:13