今(今は2020年4月)から10年以上前、玄人志向から玄箱という自分で作るNAS組み立てキットが非常に流行った。似たような製品がBuffaloからLink Stationとして売られていた。
当時このページが一番詳しくよく参照した。まだ残っているではないか。
http://www.yamasita.jp/linkstation/index.html
http://www.yamasita.jp/linkstation/index.html
一時期NASとして活用していたが、遊び飽きたのと容量不足や安定動作が欲しくて、べつのページに書いた、1TBx2のRAIDにできるLink Stationを買ったので、その後玄箱は放置されていた。
手元のメモを見ると2017年に一度引っ張り出して初期状態にしているようである。
Windows10から玄箱にアクセスできない
まずイーサネットに接続し、電源スイッチを押して起動した。Windows10のネットワークには表示されるが、なぜかダブルクリックすると、「ネットワーク資格情報の入力」というウインドウが現れアクセスできない。色々調べたところ、マイクロソフトアカウントでサインインしているとこうなるらしい。ただ、もう1つの別のNASには入れているのでよくわからない。根本的な解決ではないが、マイクロソフトアカウントでサインインせずローカルアカウントでサインインするように変えれば、アクセスできるようになった。どうもマイクロソフトアカウントへのサインインのせいで何かとWindowsが遅いような気がしたのでいい機会だったのかもしれない。↓を参考にした。
Windows10からNASへのアクセスで一番最初に困るのはSMB1.0へのアクセスがデフォルトで無効化されている点だが、これはかなりWebに情報が出回っており、解決も面倒だが簡単である。
玄箱の基本的な使い方
ブラウザのアドレス欄に、
http://kuro-box
とすればWebの設定画面になる。初期値ではユーザ名はroot、パスワードはなし。telnetでも入れるがこの時ユーザ名はroot、パスワードはkuro。この玄箱は初代だが2代目の玄箱HGのパスワードはkuroadminらしく、Web上の情報が錯綜しており混乱する。
どうも250GBのHDDが入っているようで何やら昔のメディアサーバとして使っていた時のファイルが見受けられたが、もういらないのでWebの画面でフォーマットしてみた。その後telnetでloginしてみる。
KURO-BOX login: root Password: [[Linux]] (none) 2.4.17_kuro-box #4 2004? 4月 16日 金曜日 11:45:05 JST ppc unknown root@KURO-BOX:~# df Filesystem 1k-blocks Used Available Use% Mounted on /dev/hda1 2063504 265192 1693492 14% / /dev/hda3 238046172 32836 238013336 1% /mnt root@KURO-BOX:~# free total used free shared buffers cached Mem: 62800 36076 26724 0 2952 21040 -/+ buffers/cache: 12084 50716 Swap: 257032 0 257032
250GBのHDDのうち、/dev/hda1に2GBが割り振られ265MBが使用されている。残りが/dev/hda3になっている。Swapも確保されているんだろうきっと。メモリは64MBある。スワップは257MBか。今となってみればずいぶん少ないメモリだがNASとして使う分にはこれで十分なのか。CPUは200MHzのPowerPCだった、と思う。OSはLinuxでディストリビューションはMonta Vistaというものらしいが、あまり聞いたことがない。産業用なのか。
玄箱の初期化
電源が入った状態で背面の赤いリセットボタンを3秒間以上押し続けると初期化される筈、だが、単に再起動しただけに見える。再起動後何も変わったように見えない。新しいHDDに入れ替えたりしないと、初期化ってのはないんだろうか。よくわからない。
手元にあるIDEのHDDは120GBのものが一つある。ただ、ずいぶん昔に買ったIDEをUSBに変換するケーブルの調子が悪く、Windows10上で認識したりしなかったりと極めて不安定なので、正常なのか壊れているのかよくわからない。たまたま認識したときにNTFSでフォーマットした。
玄箱をバラバラにばらし、裸状態でもと内蔵されていた250GBのHDDを外して手元の120GBのものと入れ替えた。そして、再起動すると、、どうやらEMモードと呼ばれる初期設定モード(言い方は正しくないが)で起動した。IPアドレスはHDDを入れ替える前と同じだったがtelnetでloginするとこのEMモードであることが確認できた。
この状態でWindowsPCから玄箱のCD-ROMにある"KuroBoxSetup.exe"を実行すると、自動的に玄箱を探し、セットアップを開始した。容量はちゃんと120GBと認識し、フォーマットを始めた。しばらくするとフォーマットが終わりファームウェアがインストールされ、普通のNASとして動作するようになった。しかし昔のHDDって矢鱈喧しい。こんなに大きな音立ててたんだっけって思うくらい。
CD-ROMのセットアッププログラムで再起動されたファームウェアのバージョンは1.01であるが、最新版は1.02である。このファームウェアにアップデートするには、"KuroBoxUpdate.exe"を実行すればよい。アップデートプログラムは今でも手に入る。日付は2004年4月20日なので、今からちょうど16年前。
https://www.kuroutoshikou.com/product/old_series/old_case/old_case_kurobako/old_case_kurobako_select/kuro-box/
https://www.kuroutoshikou.com/product/old_series/old_case/old_case_kurobako/old_case_kurobako_select/kuro-box/
ちなみに先ほど外した250GBのHDDに差し替えて起動すると状態は保存されており、つまり、例えば本体のFlash等が変わっているわけではない。つまりHDDを取り換えれば前の状態に戻せることが確認できた。普通のPCと同じってこと。
SATAのHDDへの交換(挫折)
玄箱を引っ張り出してきたモチベーションの一つは、先日壊れたNASに使っていた1TBのSATAのHDDが浮いているのでなんか活用できないか、と思ったのが一つ、もう一つは2.5インチのHDDを使って軽量化ができないか、と思ったのがもう一つである。AmazonでSATAをIDEに変換する基板(580円)と、3.5インチのベイに2.5インチのHDDを取り付ける部品(398円)を買った。いずれも価格は税抜き。
で、さっそく試してみると、まず3.5インチHDDは変換基板を噛ませると当然だが奥行きが長くなってしまい、玄箱に入らない。次に2.5インチのHDDも、取り付け方を工夫してもどうにも入らないことが分かった。潔く諦めることにした。978円(税抜き)損した。今更IDEが必要なシチュエーションがあるとは思えない。2.5インチを3.5インチにする金具はHPのデスクトップPCの死んだDVDドライブのベイにHDDを増設するのに使えるかもしれないが、まあいらんか。
→玄箱(2)に続く