逆理のヒロト

「私の目的はハッピーエンドです。誰もが得をする結末にしなくてはね」

それは聴衆の選択肢を一切封ずる、世界逸脱の演説と交渉の才を持つ。
それは一瞥のみで心を理解し、敵の欲し恐れる全てを知ることができる。
それは知られざる国家を生み、人の文明すら追い越す発展を成し遂げている。
異世界の理によって、旧き理の全てを捻じ曲げる文化侵略者である。


登場話

第一部

第二部

  • 「黄都 その3」
  • 「黄都 その14」
  • 「新大陸 その1」
  • 「第八試合 その1」
  • 「第八試合 その4」

第三部

  • 「楽園の証明 その1」
  • 「願い その1」

略歴

  • 読み:ぎゃくりのヒロト
  • 種族:人間(ミニア)
  • クラス:政治家(ステイツマン)

CV - 緒方恵美
顔立ちこそ十代の前半であるように見えるが、白髪交じりの灰髪が老成した印象を与える少年。
その正体は、彼方からの“客人”であり、少なくとも四十二年前*1には異修羅世界に降り立ち、十三年前には同じく“客人”である黒い音色のカヅキと顔を合わせていた模様。

初登場は「音斬りシャルク その1・2」。
この時点では名は明らかになっておらず、オカフ自由都市攻略に乗り出したカヅキに対する支援のみを行い、再会を約して去った。

その後、「逆理のヒロト その1・2」にて本格的に活動を開始。
オカフ自由都市に乗り込み、哨のモリオに対して交渉を開始するや否や、拡声器一つでオカフの兵からの支持を獲得し、なし崩しに同盟を締結。

その際、四十二年*1を掛けて海の果てに小鬼(ゴブリン)の帝国を築き上げ、マスケット銃の量産すら成し遂げるほどの高度な文明を形成していたことが判明。
…「魔法のツー」に登場した千一匹目のジギタ・ゾギの背後に居たのは彼であった。

しかる後にジギタ・ゾギおよび移り気なオゾネズマによって黄都軍と睨みあうギルネス軍を壊滅させる。
その結果をもって黄都軍を指揮する荒野の轍のダントを脅迫…もとい交渉の結果、オカフ自由都市との講和に加えて友好的にジギタ・ゾギとオゾネズマの二名を六合上覧の参加者としてねじ込むことに成功する。
なにこのピタゴラスイッチ。

(なお、ここで旧王国主義軍が敗北したことによりギルネス将軍が捕縛され、ロスクレイ編の冒頭に繋がる。
 よって時系列としては、「音斬りシャルク」⇒「逆理のヒロト」⇒「絶対なるロスクレイ」の順に話が展開している)

+ さらに――(書籍版動向、ネタバレ有り)
【書籍版動向】
書籍版Ⅱよりその行動が描かれ、正体不明の客人“灰髪の子供”として複数のエピソードで登場。
書籍版Ⅰのリチア新公国関連の争乱、書籍版Ⅱの微塵嵐に関する動乱に秘かに関与。裏から間接的に糸を引いていたらしきことが判明している。
修羅を闘争の場に引き合わせ、六合上覧開催への障害となる者達を排除し、この一世一代の上覧試合を開催させようと黄都の外側から暗躍していた。

さらには客人、黄昏潜りユキハルに依頼して本物の魔王に関する重要な情報を確保。この情報を決定打としてオカフとの同盟に繋がることはWeb版*2でも語られた通りである。

(さらに余談だが、書籍版の時系列としてはおおよそ「書籍版Ⅰ」⇒「書籍版Ⅱ 前半(微塵嵐関係)」⇒「書籍版Ⅲ 前半」⇒「書籍版Ⅱ 後半」⇒「書籍版Ⅲ 後半(六合上覧開催)」の順に展開している。)


…一方、六合上覧の参加枠を二枠も獲得した真意は未だ明らかになっていない。
読者の間でも目的はさまざまに予想されているが、果たして彼がどう動くかは謎に包まれている。

なお食は細く、ダントの老いた母よりも少ないらしい。

+ その目的(第二部ネタバレ)
「参りましたね。……有権者の前で、言わないように決めていることなんですが」
「何もありません」

彼本人に、六合上覧にかける目的は「無い」。
政治家とは究極的にただの利害調整者であり、人脈を融通する者であるとの哲学の元、その逸脱の能力を頼みとする「有権者」の目的を達成するためだけに行動している。そう称する。

現時点では、小鬼のゾギ一族と人族の融和政策の推進が第一のミッションであり、そのために取り込んだダントやモリオ、オゾネズマらへの見返り提供が付随する。

人物

見た目と同じ年相応の少年のような純朴で温厚な性格の持ち主だが、何十年も生き続けてきた客人なだけあって、紳士的な佇まいに加え腹の奥底は決して見せつけない老獪さも併せ持つ。
信頼と公約を何よりも重んじており、自分の味方や支持者達の望みを叶えるためならば例え敵対者であろうとも手を結ぶことが出来る心の広さも有している。
+ 書籍版Ⅷネタバレ
しかしそれは裏を返せば、信用に値せず自分たちの利益になり得ない者は容赦なく切り捨てる事を意味しており、彼の本質は自分の味方の望みを叶えるためならば味方ではない(・・・・・・)者を犠牲にして最大数の味方のみを守る合理的思考の持ち主である。

外見

十三・四歳ほどに見える、白髪交じりの灰髪の小柄で細身の少年。
大人の真似をしたような背広に身を包んでいるが、不思議と不釣り合いな装いには見えない。

能力

世界逸脱の政治術

+ 世界逸脱の政治家。(書籍版Ⅷ重大ネタバレ)
『政治家』という強固な制約に自身を嵌め込むことで、自身による世界の変革を抑制する枷としている。
その気になれば文字通り、世界の何もかもを思い通りに変貌させることが可能な、魔人である。

+ 他者の目的・真意を見抜く力を持ち、誤りのない状況理解に基づいた的確な交渉を行う。(書籍版Ⅷ重大ネタバレ)
味方である者達・支持者の願いを全力をもって全て叶えるが、味方ではない・味方にならない者達は徹底的に利用し、搾取し尽くして切り捨てる。
他者の目的・真意を見抜く力や、誤りのない状況理解に基づいた的確な交渉も、全ては味方・支持者の利を成す為に使用される。

話術に長け、盤外戦を戦うものであるが、彼自身はカリスマも戦術眼も、自分より得意な人間がいるならアウトソーシングしてしまうべきだと考えている。
事実、彼の派閥の作戦立案は千一匹目のジギタ・ゾギに任されており、彼自身も駒である。

書籍版において、そうした人脈を繋ぐ『出会い』を引き寄せる、適切な場所に居合わせる「運」が彼を逸脱の政治家たらしめている、と暗示されている。また、書籍版Ⅷでは的確な状況で相手に『出会わない』能力であるとも。
その才により、登場人物の中で最も広い人的な繋がりを形成しており、Web版最新話及び書籍版最新状況において、だいたいの勢力に何らかの形でコネクションを有している。

余談

ここまで剣技最強!魔法最強!ディスペル最強!と修羅がガンガン名乗りを上げる中、満を持して投入された15修羅目がまさかの社会戦技能全振りである。
というか盤外から茶々を入れてくる系のキャラはこれで3人目なんですが、このトーナメント本当にちゃんと開催されるんですか…?




「貴様......貴様はッ......逆理のヒロト!貴様は一体、何なんだ!?」


「それを決めるのは、あなたがたです」             



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最終更新:2025年04月25日 12:20

*1 書籍版では六十九年。

*2 Web版においてはジギタ・ゾギの調査によって情報を確保している。