不言のウハク

「       」

それは生まれつき詞術(しじゅつ)の概念を理解しないままに、世界を認識している。
それは自らの見る現実を他者へと同じく突きつける、真なる解呪の力を持つ。
それは最強の人型生物として、厳然たる現実としての強さと大きさを持つ。
疎通なき沈黙のままに世界の前提を覆しゆく、公理否定の怪物である。

+ Web版
それは生まれつき詞術(しじゅつ)の概念を理解しないままに、世界を認識している。
それは自らの見る現実を他者へと同じく突きつける、真なる解呪の力を持つ。
それは厳然たる現実としての強さと大きさを持つ、ただの大鬼(オーガ)である。
疎通なき沈黙のままに世界の前提を覆しゆく、公理否定の怪物である。


登場話

第一部

  • 「不言のウハク その1」
  • 「不言のウハク その2」

第二部

  • 「黄都 その7」
  • 「第八試合 その1」
  • 「第八試合 その2」
  • 「第八試合 その3」
  • 「第八試合 その4」
  • 「その手に栄光を その4」

略歴

  • 読み:ふごんのウハク
  • 種族:大鬼(オーガ)
  • クラス:神官(オラクル)

CV - 稲田徹
アリモ列村の教団救貧院に務める神官・環座のクノーディによって保護された大鬼(オーガ)
誰もが生まれつき「詞」で意思疎通できる世界において、なぜか「詞」が通じない唯一の存在。
その名は、詞術の力に溺れず語らずして多くの争いを収めた伝説上の聖者不言のメルユグレにちなむ。
クラスは神官(オラクル)。神官は、呪いを解く者でなければならない。

反教団暴動によって壊滅したアリモより憂いの風のノーフェルトに連れだされ、最強の鬼札として六合上覧に参加することになるが、彼自身が何を思っているのかは誰にも明かされていない。

人物

詞術の恩恵を受けていないため言葉を話す事が出来ない(物音や音声は聞こえるが、言葉の意味は理解できない)が、文字は理解出来ており、それを使って意思の疎通を図る事は可能となっている。
大鬼(オーガ)は、鬼族に分類される中でも最も強く恐ろしい食人種族であるが、彼は例外的に大人しく、人や動物を慈しみ、豆と木の実のみを食べる。
会話が不可能な上表情が読み取れない為、彼が何を考えているのか誰も窺い知ることが出来ないが、明確な目的が示されたとき積極的な行動力を発揮する。
+ ...
人物評が人によって大きく変わる。
それ自体はよくある事だが、興味深いのは見立てた人物の鏡写しのような評価になっている。

外見

白く清潔な衣をまとった、灰色の、巨大な(・・・)大鬼(オーガ)
白い瞳は何かを見ているようでもあり、見ていないようでもある。

能力

詞術消去

「詞」が通じないだけではなく、周囲の「詞」を通じなくする。それにより詞術の発動を打ち消すことができる。
というと能力バトルにつきものの「能力無効化能力」を彷彿とさせるが、詞術は世界法則と密接に結びついているためそれ以上の意味を持つ能力である。

通常の物理法則や生物学を逸脱した巨人(ギガント)(ドラゴン)粘獣(ウーズ)、魔族といったファンタジー存在の実存をささえているのは、実は詞術と同種の現象であるため、それを否定することそのものが特効攻撃、または限定的な即死攻撃たりうる。
作中では巨人(ギガント)裂震のベルカの肉体を自重崩壊させ、名も無き骸魔(スケルトン)をただの白骨に戻し、天使も近づかないといった描写がなされている。
また、明らかに詞術に由来しない古代の魔具による超常を含め、ありとあらゆる異常を無効化する、との記述もある。
物理法則以外のあらゆる超常を否定する究極の異能、とも。
+ ジギタ・ゾギによる特功性の推測(ネタバレ有り)
ジギタ・ゾギによる特功性の推測
六合上覧に参加する候補者のうち、詞術的法則を前提に存在している――
――は、ウハクの能力を受けた場合、即死。
そしてさらに――
――が、使用不可。

これを、「観客席からウハクに目撃させるだけで、選択的に行使可能」という、
一方的な展開に持ち込むことができると推測している。もうこんなん反則やんけ……。

そして、血鬼(ヴァンパイア)病原体の感染をも無効化しており、範囲内では“天眼”も大きく弱体化させることができるという。
さらに「その手に栄光を その4」にてキア足に怪我を負っていた(・・・・・・・・・・)ことから推察するに、Web版においてはキアの権能も問題なく無効化した模様。
六合上覧参加者のウハク以外の十五人のうち、十三人に有効、
書籍版含めてウハク以外の十五修羅のうち、実に十三修羅に有効である。
+ さらに言えば…
構文持ちの準修羅相当のうち――
――は順当に考えれば即死である。
こいつやばい。


その原理、能力限界はいまだ不明。
作中の描写からは、自身に対しては意識せずとも超常存在の影響から防御されていること*1、外部に対しては対象と範囲を任意に消去*2できると推察される。

+ これ以上踏み込んではならないと思わせるような――(書籍Ⅵネタバレ)
そして書籍版Ⅵにおいて、その能力の底の知れなさを発揮。
メステルエクシルの工術で構築されたドローンを動作不能にした上に構築前の物質に戻し(・・・・・・・・・)ソウジロウの剣をその手に持ったただの棍棒で受け止めて(・・・・・・・・・・・)見せた。
対処不能さ加減では“本物の魔王”に匹敵するやばさである。これ誰が勝てるの?

純粋な暴力

能力を無効化されるだけでも非常に厄介だというのに、もう一つ厄介な点はそのあらゆる異能を封じられた状態で、人型生物最強とされる大鬼(オーガ)である彼に立ち向かわなければならないと言う事実である。
+ さらに加えるなら――(ネタバレ有り)
さらに加えるなら、有効な手段として軍事的集団での対処が考慮されるが、その際にも詞術によって作られた装備は分解されてしまうため使用できず対峙している間は発声言語による意思疎通ができない、という重大な懸念点が存在する。
実際彼は、前述の詞術の消去で無力化された歴戦の巨人の英雄を一方的に撲殺したり、伝染した恐怖によって暴徒と化したアリモ列村の村人達をたった一人で皆殺しにしたりと、その単純な身体的強さは計り知れない。

彼の前ではこの世の全ての者があらゆる神秘を失った心持たぬ獣と同様であり──そして彼自身は、ただ大きく、ただ強いだけの、ただの大鬼でした。


また、「対峙した相手の思い、苦悩、願いをそのまま反射している」ような描写が見られる。
具体的には――
菅座のクノーディ:詞術の通じないウハクにも心があって欲しいと願った。
『――ウハク。あなたには心があります。私達と何も変わらない、心が。』
憂いの風のノーフェルト:世界を恨み、何もかも台無しにしたいと願った。
『――あいつ本当は……全部憎んでるよ。この世の全部。』
通り禍のクゼ:苦悩のない平和な今を願った。何も考えず、幸せな今を望んだ。人を殺める辛さ、罪を信じたかった。
『――いや。あんたは、そういうこと考えたりはしないか。』
『――人を殺した時、辛かったか。』

それはあたかも、自分自身の心と対峙し、自問自答しているようにも感じられる。
これがウハクの能力であるのか、あるいは詞術が通じないという現象に付随する効果であるのかは不明である。

現状、彼のクラスは神官(オラクル)。神官は、呪いを解く者でなければならない…。



+ 彼はずっと観察していた。█への反応ではない……その逆――(第二部の重大ネタバレ有り、「第八試合その4」もしくは書籍版Ⅴ読了後の閲覧を推奨)
――聞こえていながらも、の奥底でまったく反応していない(・・・・・・・・・・・)者を。
███が、█████”のり食っていた。
分自したものを、らっている。
                               ――少しでも感じるならば、して不可なことを。

  • 相手のファンタジー設定を無効化しておいて、自分はファンタジー設定のフィジカルのままぶん殴ってくる作中一の理不尽野郎(笑) -- 名無しさん (2025-03-06 09:26:29)
  • アニメ公式サイトによれば、最高峰の身体能力、大鬼として限界に近い域に鍛え上げた身体能力らしいです。 -- 名無しさん (2025-04-03 01:46:53)
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  • 十六修羅
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  • 十六修羅(書籍)
最終更新:2025年04月26日 03:27

*1 有効範囲は不明であるが、異常現象による物理的な余波も防御しているものと思われる。

*2 アリモ列村ではベルカ襲撃までは何の問題もなく村人が会話可能であったこと、過去に長期間行動を共にしていた超常種族が存在したことなどから、極めて細かく効果範囲・対象を指定できると思われる。