絶対なるロスクレイ

「何者からも、私が黄都を守ります」


登場話

第一部

  • 「絶対なるロスクレイ その1」
  • 「絶対なるロスクレイ その2」
  • 「間章 その2」
  • 「序章」

第二部

  • 「黄都 その10」
  • 「第四試合 その1」
  • 「第四試合 その2」
  • 「第四試合 その3」
  • 「第四試合 その4」
  • 「その手に栄光を その2」
  • 「その手に栄光を その3」

第三部

  • 「穢れなき白銀の剣 その3」
  • 「穢れなき白銀の剣 その5」
  • 「穢れなき白銀の剣 その6」
  • 「穢れなき白銀の剣 その7」

略歴

  • 読み:ぜったいなるロスクレイ
  • 種族:人間(ミニア)
  • クラス:騎士(ナイト)

CV - 小野賢章
黄都二十九官の第二将にして、黄都最強の騎士。
数多の最強が蔓延るこの世界において、誰が一番強いのかと言う問いに対して誰もが一番先に彼の名を上げるほど、黄都の民たちから高い信頼を得ている。

正当に極めた剣術と全種の詞術を自在に操り、最前列で黄都の守りを担っている。
+ 人間にして唯一、「単独」での竜殺しを達成した英雄。(第三部ネタバレ)
かつての中央王国の外縁警備部隊所属の警備兵。
アンテルとは同期に当たる。
当時の二十九幕僚第二将、不撓のオスローに託され、拉ぎのティアエルを「単独」で討伐した。
人間としては最高峰とされる武力に加え、何があろうと黄都とそこに住まう全ての民たちを必ず守ると言うその気高く優しき精神を持つことから、黄都中の人間の憧れと信奉をほしいままに勝ち取っている。
いかなる相手であろうと確実に勝利し、”絶対”的な力を振るうその姿は、正に人族最大国家が誇る英雄の中の英雄である。



絶対なるロスクレイ。正々堂々たる英雄。
如何なる敵が現れようと、その白銀の鎧に汚れ一つ付けることはない。

+ ―――何もかもが違った。(ネタバレ有り)
「さあ、正々堂々―――正しき技で、勝負しましょう。」

―――この卑劣こそが黄都二十九官の実態、民の信奉する英雄の正体だというのか。

それは個人として、正当にして純粋の剣術を極めた最高峰の高みにある。
それは調略と工作によって、戦闘の以前に決着を導き出す知謀の力を持つ。
それは国家を味方とした、勝利を必然と化すあらゆる支援を授けられている。
地上最強の社会動物が持ち得る全種の力を託された、人工英雄である。

+ web版
それは個人として、正当にして純粋の剣術を極めた最高峰の剣士である。
それは調略と工作によって、戦闘の以前に決着を導き出す知謀の力を持つ。
それは国家を味方とした、勝利を必然と化すあらゆる支援を授けられている。
地上最強の社会動物が持ち得る全種の力を託された、人工英雄である。
+ アニメ版
それは個人として、正当な純粋の剣術を極めた最高峰の高みにある。
それは調略と工作によって、戦闘以前に決着を導き出す知謀の力を持つ。
それは国家を味方とした、勝利を必然と化すあらゆる支援を授けられている。
地上最強の社会動物が持ち得る全種の力を託された、人工英雄である――。

絶対なるロスクレイ。彼は黄都の民たちが信奉するような、絶対的な英雄……などではなかった(・・・・・・・・)
単独で竜を討伐できる武力も無ければ、全種の詞術を自在並列に操る万能性も持ち合わせていない。
彼にあるのは前述の剣術に加え、あらゆる調略と工作を構築する頭脳と、それを実現せしめる黄都二十九官を始めとした、黄都軍による国家規模の戦術支援のみ。
彼は複数の詞術士による熱術・力術・工術・生術の各種サポートを以て擬似的に作り出された、「人工英雄」であった。
不正と嘘の積み重ねの上で成りたっている偽物の英雄。それが絶対なるロスクレイの正体である。
なお、詞術サポート無しでもゼーエフ群の師範になら勝てるぐらいの強さはあるらしい。
黄都の政界では最大派閥の領袖に近いポジションである。

+ 竜殺しの真相(第三部・書籍版Ⅷネタバレ)
――絶対なる英雄にあこがれていた、いつかの一人の青年騎士。
「――名前がいる」
実際はオスローの戦略と戦闘力により大きくその能力を奪われた状態から、オノペラルアンテルの協力を得て、テミルルクの眠りの魔剣によってかろうじて(ティアエル)を殺害した*1、という状況である。
その戦闘の過程で部隊長オスローは死亡、部隊はロスクレイと上記二名を含む八名を残して全滅、その内二名も傷が深く、間もなく死亡、という悲惨な結果であった。
「――相応しい二つ目の名が必要だ」



人物

威風堂々、清廉潔白、正々堂々を地にいく、まるで絵本の中の英雄が物語世界から飛び出して来たかのような人物。
しかしそれは表向きの顔に過ぎず、その実態は勝利のために数々の謀略と講じる冷徹な策略家。
とはいえ英雄足らんとするその心は紛れもなく本物であり、この様な卑劣な手段でしか勝利を勝ち取ることができない今の自分をひどく嘆くこともある。

外見

金髪赤眼、見る者に安心感を与えるような、爽やかな美形。
細く引き締まった彫像の如く整った印象を与える身体に白銀の鎧を纏っている。

+ 「―――お見せする物があります」(ネタバレ有り)
鎧のマントの内側には複数のラヂオ鉱石が仕込まれており、その音声を介して詞術士による遠隔サポートを受けている。


能力

絶対的な戦闘力

兵学校の剣術の教練の基本の動きや技の鍛錬を堅実に繰り返した結果、その剣技は人族最高峰と称される程の領域に到達している。
さらに彼は、熱術、力術、工術、生術と言った全四系統の詞術を習得しており、自在に操る事はおろかそれらの異なる詞術を同時並行で展開する事ができる万能性を有しているなど、“絶対”の二つ名を冠するに相応しい実力を持つ。

正しき剣技で敵を打ち倒す、真なる正道の騎士である。

+ ―――この男の強さは......もっと得体の知れない、何かだ。(ネタバレ有り)
―――この男の強さは、得体の知れぬ異才ですらなかった。


政治的謀略

単体では一般的なエリート騎士団員であり、強いには強い。
一応黒曜の瞳の一員である塔のヒャクライを上回る程度の人族としては最高峰の剣の実力があり、さらに試合では各種遠隔詞術のサポートがある。
+ ――のだが、文字通りの一騎当千人外異能だらけの修羅達には全く及ばない。まともに試合をしたら命が危ない。(書籍版Ⅷネタバレ有り)
――のだが、文字通りの一騎当千人外異能だらけの修羅(チート)達には全く及ばない。まともに試合をしたら命が危ない。
――と読者には思われていたが、遠隔詞術彼方の兵器による狙撃による強力なサポートに加え、黄都防衛用魔剣『チャリジスヤの爆砕の魔剣』『ラズコートの罰の魔剣』、鬼札二枚、さらには新規採取した毒物の即時利用まで、あらゆる手段を投入して十重二十重に策を張り巡らせ対戦相手を追い詰めて見せた。


彼の本領は政治術であり、高い洞察力と徹底した事前調査・準備を基にした調略と工作によって盤面自体を操作し、実際の戦闘以前に決着をつける力である。
そもそも人工英雄になったのも政治上の必要からであり、英雄になることそのものを目的としている静寂なるハルゲントなどとは大きく性格が異なる。

また、彼の「民がそうであると信ずる英雄の勇姿」を演じる能力は極めて高く、どのような局面に至っても(たとえ死にかけていても*2、たとえ容易に死を与える修羅と単独で対面することになろうとも*3)その外面を取り繕って英雄然とした態度を貫き通す強靭な意志の力がある。


ロスクレイの真のライバルは六合上覧に参加している他の戦士達というよりは、背後で糸を引く他の黄都二十九官達や逆理のヒロト哨のモリオ黒曜リナリス異相の冊のイリオルデなどの非出場者であり、彼一人が出場者として命を懸けて戦っている状況にある。






+ 何度見たところで、対戦組み合わせの事実は動かない。それはこの六合上覧が始まった時点で、既に決まっている。(第三部・書籍版Ⅶ重大ネタバレ)
「さ、最初から……」
「この組の中に……ロスクレイに勝てる(・・・・・・・・・)奴なんか、誰も入っていなかった!」

そう、最初から「絶対なるロスクレイは何の問題もなく決勝まで進む(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」というシナリオが組まれていた。
最大の対抗馬と目されていたハーディと最初から手を組んでいた(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
最も大きな誤算は第一回戦の対戦相手がキアに変わったことだが、辛くもそれを乗り切った。
あとはシナリオにその都度微修正をくわえながら、当初の目論見通りに彼は決勝まで進むことがほぼ確定した。

まともに試合をしたら命が危ないが、一切まともに試合をすることなく、それ見ている民衆に何の疑念も持たせないまま決勝に進むつもりだったわけである。
やはり彼もまた、間違いなく修羅の一人であったということか。
+ ロスクレイの属する組の顛末(「間章 その5」・書籍版Ⅶ時点、試合結果等重大ネタバレ有り)
ロスクレイの属する組の顛末(「間章 その5」・書籍版Ⅶ時点)
無尽無流のサイアノプ。第一・第九試合に勝利。擁立者死亡により脱落
おぞましきトロア。第一試合敗退により脱落。その後、アルスとの戦闘時に天劫糾殺の穴に落下。
星馳せアルス。第二試合敗退および魔王自称者討伐により死亡・脱落
冬のルクノカ。大規模軍事作戦および第九試合敗退により死亡・脱落
移り気なオゾネズマ。第三試合敗退により脱落
灰境ジヴラート。結果的に第四試合前に赤い紙箋のエレアによって謀殺されたが、本来買収による脱落が予定されていた。
世界詞のキア。第四試合敗退により脱落
柳の剣のソウジロウ。第十試合延期。擁立者離反により、脱落が確定…?

+ 二十九官内不穏分子の処理状況(「間章 その5」・書籍版Ⅶ時点、重大ネタバレ・書籍版のネタバレ有り)
二十九官内不穏分子の処理状況(「間章 その5」・書籍版Ⅶ時点)
第四卿、円卓のケイテ。“黒曜の瞳”の策略により失脚。現在軸のキヤズナと共に逃亡中。
元第五卿、異相の冊のイリオルデ弾火源のハーディにより殺害
第十将、蝋花のクウェル。ロスクレイに次ぐ個人戦力保持者であり、武を尊ぶと言えば聞こえはよいが暴力的・衝動的性格の持ち主。即時危険はないが不安視されたと思われ、事実上の見殺しに。星図のロムゾにより殺害
第十五将、淵藪のハイゼスタ。ケイテ失脚の混乱時に屍鬼に。荒野の轍のダントにより殺害
第十六将、憂いの風のノーフェルト通り禍のクゼにより殺害
第十七卿、赤い紙箋のエレア。第四試合後に速き墨ジェルキ率いる兵士の手によって殺害
第十八卿、片割月のクエワイ。弾火源のハーディにより殺害
第二十一将、紫紺の泡のツツリ。ハーディの裏切り、イリオルデ・クエワイ死亡により極めて悪い状況になっていると思われる。
第二十三将、警めのタレン。新魔王戦争で殺害
第二十七将、弾火源のハーディ。不穏分子に見せかけた協力者。


絶対なるロスクレイは、黄都の全ての敵を殺してきたのだ。



黄都が生まれてから、誰も勝ててはいない。


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  • 十六修羅
  • 十六修羅(書籍)
最終更新:2025年04月25日 12:17

*1 その際に眠りの魔剣は竜鱗との衝突によって砕け、失われている。

*2 第一回戦、第四試合

*3 書籍版Ⅵ