プロローグ
これは、神が与えた天罰なのだろうか?
確かに我が国は、自己の権益の為にキレイゴトを名目にして、他国にかなり横暴な
行動をとってきたが、全ては、国民の為だった。その行為が、いけなかったのかもし
れない。
行動をとってきたが、全ては、国民の為だった。その行為が、いけなかったのかもし
れない。
しかし、私は、国を背負う人間として、その行動を容認している。私は、悪党かも
しれない。だが、国の行く末を決定する者としては、国民に辛酸を舐めさせる様な事
は、できない。
しれない。だが、国の行く末を決定する者としては、国民に辛酸を舐めさせる様な事
は、できない。
これから、私は、自分の人生どころか、国の存亡に関る重大な決断をしなければな
らない。究極の二者択一だ。第三の選択肢が、あればいいのだが。そんなものは、な
い。私は、決断する。本物の国民の幸せを得るための決断だ。願わくば、その道が
誤っていないでほしい。そして、犠牲が少ないように。
らない。究極の二者択一だ。第三の選択肢が、あればいいのだが。そんなものは、な
い。私は、決断する。本物の国民の幸せを得るための決断だ。願わくば、その道が
誤っていないでほしい。そして、犠牲が少ないように。
コンコンというノック音と共に、執務室のドアが開けられ、秘書が入ってくる。
「会議に出席する者が、全員揃いました。」
それだけ言うと、秘書は下がっていった。
さあ、行かなければならない。今から行く場所で、何を言い、何を決断するかは既
に決めた。
に決めた。
そこまで考えると合衆国大統領は、立ち上がり、歩き出した。果たしてその道が
どうなるかは、神のみぞ知るだ。
どうなるかは、神のみぞ知るだ。
会議室には、陸、海、空の各長官とその副官に各部門の最高責任者が、集まっていた。
大統領が、入って来ると全員起立した。
大統領が、入って来ると全員起立した。
「諸君、座ってくれ。」
全員が座ったのを見て大統領は、言葉を続ける。
「今までに分かっている事をもう一度説明してくれ。」
その言葉にまず空軍長官が、答える。
「各国との連絡がとれなくなってから、幾度となく偵察機を飛ばしましたが、我々の知っている国は、
一切発見できませんでした。」
一切発見できませんでした。」
そう言いながら、正面のモニターに幾つかの写真をうつす。その写真には、煉瓦づくりの家々が写っている。
「ご覧の通り、この様な一昔前の建造物の街しか発見できませんでした。」
次に陸軍長官が口を開く。
「空軍の報告を元にして、偵察部隊を送りました。報告の内容は、目に入る全ての物が、中世の物の様だと言う事です。
一部では、鎧を着た騎士の様な一団を見たとの事です。住民とは、接触しませんでした。」
一部では、鎧を着た騎士の様な一団を見たとの事です。住民とは、接触しませんでした。」
「近海を哨戒していた艦からは、遠方に帆船を見た等の報告があります。」
海軍長官も発言する。
「地理は、どうなっている?」
「我が国の北、南、西は、海に囲まれており、唯一東は、陸続きで、先に人家を発見し、偵察隊を派遣したのもここです。
なお、アラスカと連絡がとれなく、付近に見当たらない事から、各国と同様に消滅したと考えます。」
なお、アラスカと連絡がとれなく、付近に見当たらない事から、各国と同様に消滅したと考えます。」
大統領の言葉にすぐに陸軍長官が答える。
「君達は、以上の事からどう判断する。」
その言葉に代表で、陸軍長官が、答える。
「各国が消滅したか、我が国が元の世界から消滅したとしか考えられません。私達は、後者だと思います。
この世界の人々は、おそらく中世の時代を生きていると考えられます。ただ、我々のいた世界には、無い物が、
あります。」
この世界の人々は、おそらく中世の時代を生きていると考えられます。ただ、我々のいた世界には、無い物が、
あります。」
そこで、言葉を切ると一枚の写真を取り出す。そこには、キリンのミニチュアの様な赤い皮膚をした生き物が、
写っている。
写っている。
「偵察隊の撮った物です。おそらくドラゴンだと思います。」
そこまで聞くと大統領は、軽く笑った
「一夜にして他の世界へ放り出されてしかもその世界は、中世でドラゴンがいるとはな普通は、出来の悪い
エイプリールのジョークだと思うだろう。しかし、之は、現実だ。これから、どうすれば良いと思うかね?」
エイプリールのジョークだと思うだろう。しかし、之は、現実だ。これから、どうすれば良いと思うかね?」
そこまで言った所で、秘書が大統領に一枚の紙を差し出す。その紙を読んでいく内に大統領の眉根が、つりあがっていく。
「諸君、問題発生だ。」