自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた@創作発表板・分家

082 外伝3

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tapper

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908 :外伝(またはパラレル):2007/10/19(金) 21:03:53 ID:zBt1bch20
手紙
やあポーリーン元気かい?
僕は元気でやっているよ。
相変わらず訓練漬けの毎日だけど、命が懸かってると思えば自然と身が入るよ。
特にいよいよ実戦デビューの日が迫ってきたとあってはね。
中隊の仲間達の間でもどんどん緊張が高まっていくのが肌で感じられる。
今日はそんな中で起きた、ある痛快な出来事の話をしよう。
僕がルーチンの地形慣熟飛行をしていたら、87中隊のムスタングが隣りに並んで来たんだ。
連中は先週本土から移動してきたばかりの一番のルーキーで、そのうえ乗っているのが
ピカピカの最新鋭機なもんだから、僕達の間でもちょっと噂になってたんだ。
やっこさん、僕のエアラコブラを見下してムスタングがどれだけ素晴しいかを
散々無線で吹聴するもんだから遂に言ってやったのさ。
「じゃあどっちが強いか勝負といこうじゃないか、負けた方は勝った方の基地を表敬
訪問してパイロット全員に一杯ずつ奢るんだ。」
案の定、むこうは見事に食いついてきたよ。
こちらの出した“一万フィートより上には上がらない”という条件を鵜呑みにしてね。
結果はどうなったかって?
もちろん勝ったさ。
一万フィート以下ならエアラコブラは、5セント硬貨の上でジルバを踊ることだって出来るんだ。
本土で訓練してたときは、モハーベ砂漠で海兵隊のコルセアをキリキリ舞いさせてやったもんさ。
腕もこっちが上だったしね。
自慢じゃないけど新しく派遣されてきた戦闘中隊で僕達より錬度の高い部隊は無いね。
なにしろ本土で僕達を訓練した教官は、みんな黒人がまともに飛行機を飛ばせるはずがないと
頭から信じ込んでいたもんだから、訓練コースを卒業するころには僕らは皆白人パイロットの三倍の
飛行時間を持っていたんだ。
哀れな負け犬の乗ったムスタングを連行して基地に帰り、飛行機を降りてゴーグルと
マスクを取ったときの、ムスタングのパイロットの驚いた顔といったら!
カメラを持っていなかったのが本当に残念だよ。
とまあ今回の話はここまで、じゃあまた。
貴方のエイブラハムより愛を込めて。
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