なんで陸上自衛隊が居るの?日本に敵が上陸するってことは制海権と航空優勢取られてるってことだからとっくに負けが決まってるでしょ?
陸上戦力の存在は絶対的な抑止力になるから。陸上自衛隊がいない場合は在日米軍を抑えられるだけの最低限の歩兵を上陸させるだけで良くなり、輸送船や補給艦がほとんど必要無くなる。さらに米軍の援軍が到着する前に早期に決着を付けられる可能性も大きくなる。
しかし、大量の戦車や砲を所有する陸上自衛隊が居る場合それを制圧できる大兵力の上陸が必要になり、負担が大きく増え
戦闘も長期化し、米軍の援軍が到着するまでに決着を付けるのは難しくなる。おまけに上陸しようとしたところを地上から対艦ミサイルで迎え打ったりすることが可能で上陸自体困難になる。強力な抑止力になるのは明らかだろう。
また、敵軍が上陸するのが制海権と航空優勢を取られた後とは限らない。
日本の隣には海上自衛隊を遥かに上回る物量を持つ海軍が存在し、一点突破を狙われれば完全に迎撃仕切るのは難しく、上陸されてしまう可能性も充分ある。その際上陸した敵を即座に殲滅するには強力な陸上戦力が必須となっている。
なんで戦車って必要なの? 俺ら島国じゃない。攻め込まないんでしょ?
戦わなくてもあるだけで敵にとっては厄介だから。
戦車が出てこないなら敵はかさばる戦車用の兵器を持ってこなくても良いし、上陸後の戦闘で厄介な戦車が出てこない分、いっそ戦車などの機甲車両を輸送せず攻め上がって良いのだからそれだけ手間が減る。それに戦車の燃料消費量は装甲車の数倍、待ち構える側には大した負担ではないが、海を渡って攻める側には重い負担で、物資輸送のために補助艦などで艦隊が肥大して発見しやすくなる。
これの強要ができるというのはとても重要。
もちろん戦車も万能ではないので他にも色々必要。
戦車って飛んでるやつ撃ち落とせるの?
空中で止まってるヘリ(対戦車ミサイル発射のためとか)なら出来る。 もちろんそんな状況は基本的に発生しないが。
一応、射撃管制が航空機対応になってはいて、直線移動や低速移動状態なら対応可能。90式はシミュレーターで対ヘリをやる。
また当然ヘリ側も戦車の能力を知っていて、戦車の射程内でレーザー測距儀の照射を受けたら攻撃中止して逃げる。
基本的にヘリのほうが有利と思って良い。
そもそも戦車って何よ。 地上の兵器って戦車なんじゃないの?
違います。陸上にも色々とあります。
車両限定だと
- 戦車
- 自走砲
- 装甲車
- ミサイル運搬発射車両
- 指揮車
- 補助系(給弾とか破損した戦車回収用とか雪上車とか色々)
だいたいこんな感じです。ただ軍艦と違ってここからさらに細かく別れる。
なんで戦車は英語でTankなの?
戦艦がBattleshipなんだから、戦車はBattlecarとかWarcarとかになりそうなものだが、英語圏だとTankである。
戦車って起源は例によってイギリスです。ドイツっぽい印象があると思うがイギリスなのです。
しかも海軍発祥というあたり英国面なんだが、これだけで長いの書けてしまうのでここではおいておく。
とりあえず、海軍発祥ということで、これ陸上軍艦という扱いで生まれたんです。この時点ではLandshipである。
で、まともな形になるまで試行錯誤した末にひし形の戦車が出来まして、これが傍聴考慮によって水運搬車ということで「Water Carrier」と呼ばれてた。
それで、日本でもちょいちょいやってるけど英語の頭文字だけで呼ぶってあるじゃないですか。それでこれ呼ぶとWCでトイレになっちゃうわけで。
戦車開発委員会がトイレ委員会とかどうなのよと。
傍聴で水運搬車なんだからTankにしようってなって、そのまま定着した。
ちなみにキャリアーの方なんだが、自走砲がガンキャリアーという名前でイギリスでは使われた。
チャーチルガンキャリアーとか言う不思議なものもあるんだが、英国面とはそういうものである。
で、その割には英語圏では「Self Propelled」なんだが。上のは特定自走砲の固有名詞になった。
せっかくなのでドイツにも軽く触れるが、ドイツ語だとパンツァーである。panzerと書く。
ガールズアンドパンツァーというアニメがあったが、それはこれ。
戦車って公道走れるの?
法的には問題ない。
ただ50tもあるのが履帯で走ったら騒音や振動がヤバイのよ……アスファルトにもダメージあります。
ついでに渡れる橋も限られる。
でも千歳だと走ってるところを見るそうです。
そこはアスファルトじゃなくてRC舗装という……まぁ戦車通っても問題ないようになってるんだそうな。
ちなみに海外のは普通に走ってたり。道路の硬さが違う。
だから日本のマラソン選手は海外の道路で足を痛めることもあったり。
ただし、コレとは別に車検とかいろいろあるので注意。
戦時中の戦車はだいたい問題ない……ウィンカーとかつければだが。
今のはコレに加えて特殊車両通行許可申請を国土交通省道路局に行い、事前に走行する道路を決めるよう。
公道を戦車で走るのに必要な免許は?
最低は、大型特殊免許(大特車はカタピラ車に限る)という限定免許。もちろん通常の大型特殊でも行ける。
でかくてキャタピラなのはだいたい大特と思っておけば合ってる。
ちなみにこの限定免許は自衛隊員だけが取れる。この限定は戦車乗りの証とも言える。
あと隊内免許で機甲MOSというのが必要、初級とか上級とかある。というか機甲以外にも偵察とかいろいろMOSはある。
で、操縦に必要なのは中級以上。
ちなみに筆者の知ってる最低階級の操縦手は士長。
戦車に乗るのに必要なのは?
機甲科行って大特(カタピラ限定)と機甲MOSの中級以上とあとはできるだけ出世。
民間人のまま乗りたいのであれば、自衛隊のは中古は出回らないし三菱重工に掛け合っても売ってくれないので海外の中古戦車買ってください。こっちは売ってくれます。
8億円ぐらいなので宝くじ当てれば買えないこともない。もちろん外貨なので変動。
あと兵装全部使えなくしてウィンカーとか付けて車検通して、あと走る度に国交省に申請。
砲身も切断するようです。
燃料代も、仮に埼玉とか神奈川とかから東京まで通勤で使うとして一日あたり少なくとも5万は飛ぶと思ってよい。
つまり、民間人でも戦車に乗って運転できないことはない。
ないが、戦車らしからぬ状態にせざるをえないので宝くじ当ててもオススメはしない。
なお、こち亀で両さんが130巻辺りでM551シェリダンを自家用車みたいに乗り回してるけどアレは両さんだからなので当てにしないように。
戦車って最高時速どのくらい?
90式だったら時速70km出る。
戦車の砲弾はどのくらい当たるの?
90式だったら2km離れた相手に時速30kmで走りながら当てられる。
戦車で流鏑馬出来る国はだいぶ限られてて、日本はその出来る数少ない国の一つ。
ちなみに大戦時の戦車は走りながら撃つことを想定してない。
スラロームって何?
簡単に言うとジグザグ走行。というか蛇行。
これは軍事に限らずスキーとかでも使う用語。
で、日本の10式戦車はこれしながら命中させる。
90式だと行進間射撃は出来るがこれは厳しい。ちなみに行進間射撃というのは直進しながら撃つこと。
やってることはFCSと同じというかそのもので、自分の動きと相手の動きみて未来位置に向かって射撃してる。
ちなみに他国だと角速度の測定は手動なところがまだある。
自身を基準に水平軸の角度と垂直軸の角度を安定させています。
これだと実は厳密には安定無理。
例えば、砲を車体前方や上に向けた時、車体が左右に傾くと砲は水平方向に傾く。
でも自身を基準に見れば砲はブレいないので、傾きを戻そうとしません。
90式と10式では未来位置の予測方法が異なるのではないかという識者のコメントがあったりして。
目標の未来の位置を狙ってるのが90式で、10式は砲を向けるべき基準を角度ではなく、着弾点に変えたのではないかと。
まぁ識者のコメントで実際のところは不明なのだが。
まぁ揺れててジグザグ走行でも撃って当たると思えば良いと思う。しかも自動で次弾装填しながら。
次弾装填の自動化は意見が割れてるんだけどね。人力の方が良いという意見もあるので。
なおこれは世界的にもまだ出来る戦車は限られていて、にもかかわらず44tに納めてしまったのが10式。
避弾経始って何?
装甲を地面に対し垂直ではなく、角度をつけて配置しているものを指します。
これを傾斜装甲と呼びます。
ものすごく簡単に言うと、車体や砲塔を長方形ではなく台形や半円形にする事。
だいたい60度傾けると、垂直時の倍の厚みになる。
何でこういうことするのかというと、硬くしたいけど重くはしたくないから。
同じ金属使用量で硬く出来るならそのほうが良いよね? 本来必要な量の半分で同じ防御力確保できるんだし。
軽量化が必要なところでよく使われてます。
さらに入射角も浅くなるから滑って貫通しづらくなるよ。
ただ、弾いたは良いけどそれにまた被弾するショットトラップなんていう悲惨な現象も起きる場合があるから設計はすごく注意が必要。
更に、装甲が厚いのは「水平方向のみ」っていうのも注意。
つまり斜め上からの打ち下ろしには垂直装甲のほうが強い。だから至近攻撃が予想できる市街地戦なんかだと装甲キットなんかによる強化が必要だったりする。
デメリットはまだある。
これやると内部空間が狭くなる。それもかなり。
良好な避弾経始を求めるとその分居住性や作業性が悪化するなんていう二律背反が……
だから各国は妥協点を探すのにとても苦労してます。
昔は土嚢を積んで防御力アップなんてやってた戦車もあった。両立とは一体なんなのか。
避弾経始って何にでも効果あったの?
大戦中の徹甲弾とか硬芯徹甲弾や高速徹甲弾なんかにはありました。
ただやっぱり避弾経始対策の弾丸が作られるもので。
被帽付徹甲弾とか仮帽付被帽付徹甲弾、装弾筒付徹甲弾なんかが登場してどんどん性能が向上、避弾経始は効果が薄くなっていくことに……
あと運動エネルギーでの貫通を目的としてない弾丸もあって、そういうのにも効果があるとはいえなかったりする。ほとんど火薬だけのやつとか。
最終的に、装弾筒付翼安定徹甲弾なんてのが現在戦車の主流な弾丸になったんですが、これで避弾経始の優位性はほぼなくなった。
跳弾しづらくなってるんです。
だから現代の戦車は避弾経始はほとんど考慮されてない。
複合装甲+追加装甲での防御が主流です。
でも装甲車には使われてるのよ。重いと困るので。
装甲の軽量化と防御力強化では目的が違うのです。
もちろんこっちも追加装甲キットがある。
何でこういうことになってるのかというと、装甲車は戦車との戦闘は意図してないから。
ちなみに自衛隊の装備に装甲キットはない。
96式装輪装甲車の海外派遣用に車体側面に装甲を追加したモデルはあるけどコレは例外中の例外。
これは戦闘地域には行かないという建前だから。この辺が限界。
もしフラット装甲なんてついてるのをミリタリーに詳しい左な方々が見たら何を言い出すかは火を見るより明らか。
召喚世界の自衛隊だと必要になって作る可能性は大いにある。
「銃」と「砲」ってどういう線引きなの?
特に明確な境界線はない。
国によっては「何㎜/何インチ以上は砲」とか定めてたり、形式ごとに決めてたりする。でも機関砲のことも「機銃」って言ったりするからややこしい。
目安としては「口径12.8㎜以下が銃、それ以外は砲」と思っていれば大体大丈夫だと思う。
WW2の戦車で現代の戦車は撃破できるの?
ほぼ絶対に無理。
まず第2世代でも重戦車を易々と貫く貫通力400mm以上の火力と機動性重視なだけあって身軽な機動性を持っている。
じゃあ装甲が薄いかというとそうでもなく重戦車クラスの装甲がある。
これにFCSなどの恩恵で命中率も桁違いと来てる。
90式と10式の項目を見れば分かるが第3世代以降はこんな物じゃない。
模擬戦では10式は遥かに多い数の74式戦車を損害0で全滅させている。
また耐久性も凄まじく湾岸戦争で自走できなくなったM1を破棄しようと別のM1が至近距離で装甲の薄い後面に主砲を撃ち込んで貫通したけど耐えて破壊を断念したって逸話がある。そしてM1と90式は同じ位の装甲である。
そして作中に出てくるグラ.バルカス帝国の最新の戦車は47mm砲を搭載したチハ擬きである。
どうあがいても撃破はできないだろう。
今話題の高速滑空弾ってどんな兵器なの?
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最終更新:2019年06月26日 21:35