ぐら・ばるかすていこく
概要
第二文明圏ムー大陸の西方5,000kmの海域に突如として現れた国家。首都は帝都
ラグナ。人物/兵器の名前は宇宙関連用語に由来したものが多い。
種族としては
人間種が中心となっているようで、魔力感知レーダーに微かに感知されることから、同じ転移国家の
日本国と同様、魔法を使わないだけで僅かだが体内に魔素を保有している模様。
今のところ政治体制は不明だが、「罪深き王国パガンダ」に「国会」の記述があり、国会議員である
ギーニが登場していることから、議会が存在するのは確実。
現状、国旗は不明だが、書籍版四巻の
フォーク海峡海戦での挿絵や五巻の表紙に書かれている
アンタレス型艦上戦闘機の機体には、「赤い丸に白の十字を刻んだ」マークが確認できる。
周辺諸国をあっと言う間に配下に収め、第二文明圏全体に対して宣戦を布告するなど、この世界の常識が通じない無茶苦茶な事をする国と認識されている。高い技術力と軍事力を以て、瞬く間に世界中に名を知らしめたが、まだ多くの国にとってその全貌は謎に包まれている。
その正体は日本と同じく
異世界より転移して来た国家。この世界の常識が通用しないのはそのため。別名の『
第八帝国』は、前世界『
ユグド』の歴史が関わっている。転移前に存在していた惑星ユグドでは、世界最強国家の地位にあった。
本土のみ転移したため、広大な属領と植民地を失なったが、偶然戦力の大半を本土に集めていたため軍事力はほとんど低下していない。
転移直後は混乱していたものの、自国の圧倒的な優位性に活かして周辺国を侵略していく内に
文明圏の存在を知ると、皇族からも慎重な外交政策を求める意見が相次いだため、外交交渉による国交締結を模索するようになる。
しかし、各国にさんざん軽くあしらわれた挙げ句、遂には
パガンダ王国により交渉に赴いた皇族
ハイラスを処刑されたことで堪忍袋の緒が切れ、再び軍事力による侵略に方針を転換。
報復のためパガンダ王国をわずか7日間で、
列強の一角とされる
レイフォルもわずか5日間で滅ぼしたことで、それまで警戒していた文明圏や列強を一気に軽んじはじめる。
それだけでは留まらず「列強の一つとされるレイフォルですらこの程度だった」ことから、前世界でも世界征服を目論んでいた事から「これなら、この世界の征服も容易」と考えるに至る。
中央暦1642年の
先進11ヵ国会議の席上にて、ついに「全世界を征服する」と宣言し、さらに会議に集まった各国の艦隊を強襲する暴挙に出る。これに加えて、非協力的な捕虜の公開処刑を行い、各国を激昂させることになった。
しかし、元々は捕虜に対する拷問を禁じる方針が存在しており、人権という概念が皆無だった訳ではない模様。尤も敵対国の民間人居留地区に対する無差別攻撃もお構いなしに行っており、今はこの方針は全く機能していない。
イシュタムの所業や外交官の武力侵攻をちらつかせた恫喝外交を見るに、元の世界でも異世界同様の恐怖政治をしていた可能性が高い。
他国の動きを警戒してか、本国の位置や首都名すら秘匿しており、グラ・バルカスとの接触は旧レイフォル首都の
レイフォリアに限定されている。
ただし、日本が
情報収集衛星で調べ上げた本国の位置情報を
神聖ミリシアル帝国などに提供してしまった為、これらの努力はほぼ水泡に帰している。
なお、本国はミリシアル皇帝
ミリシアル8世が「辺境の島国、小国」と評している事から、本土面積はそう広くはないと見られる。
日本についても調査はしていたが、
「日本も自国と同じ転移国家であること」には気付いていながら、「日本には自国の常識が通用しないこと」に気付かないという、大失策を犯してしまう。
自国の常識で判断した結果、戦闘機の保有数が少ないことや
パーパルディア皇国を植民地化しなかったことを根拠に、「日本の国力は大したことがない」と致命的に評価を誤っている。
日本が部分的に自国の技術力を超えていることも一応認識してはいたが、距離のせいでこちらも情報が足りておらず、その結果、自ら敗戦に向け突き進んでいった。
この決定的大惨敗により、ようやくグラ・バルカス政府は
- 日本の軍事技術が帝国のそれを圧倒的に上回っていること。
- 不十分な調査と分析のせいでその事に気付かず評価を誤っていたこと。
- レイフォルまで陥落すれば「帝都も危険」である。
という事実を突きつけられ、震え上がることになる。
まさに後悔先に立たずの状況に追い込まれてしまったが、更に悪いことに
グラ・バルカス側で「日本には絶対に勝てない」と正しく認識している者はごくわずかだった。
軍部では防衛に徹する事を選択するが、日本の軍事力の高さを認識してもその詳細の全てを把握できているわけではなく、ダラスら皇帝のシンパに至っては何とか日本を破ろうと躍起になり、
ヒノマワリ王国などの属国を帝国の盾にする為により過激な圧力をかけ始めるが、そのせいで背かれて逆に日本やムー側へなびかせる事態を起こす有様。
そうして引き起こされたヒノマワリ王国の解放、
レイフォリア沖海戦と
ラルス・フィルマイナ失陥を経て、レイフォルの帝国軍は遂に壊滅。帝国そのものが
ムー大陸から叩き出されてしまう。
その結果、やっと政府全体に
「日本にはどうあがいても勝てない」という正しい認識が浸透するが……。もはや出来るのは
- 今後は本土防衛に徹する
- 軍事力を強化しつつ和平の道も模索する
それだけであり、事実上の敗戦が、すでに確定してしまっていた。
一方で、
日本以外の異世界軍には負けることはないという認識は変わらず……。オリハルコン級魔導戦艦や
極みの雷炎龍の存在を把握していない可能性がある。
軍事技術
地球でいうところの1940年代の技術力を持ち、グラ・バルカス帝国海軍の戦闘可能艦艇数は、バルチスタ沖大海戦までに790隻にも及ぶ膨大な戦力を有していた。
仮に戦闘可能艦艇が「艦隊戦闘に従事する軍艦」を意味し、船団護衛艦やフリゲートといった戦闘を主としないものを省いた数とすると、その数は
第二次世界大戦終結時のアメリカ合衆国海軍の全戦力に匹敵する。
情報収集の結果、同水準の実力を有すると判断した神聖ミリシアル帝国のみを脅威と捉えてた。
どういうわけか、
一部兵器の意匠が大日本帝国のものに酷似しており、日本側も不思議に感じている。原因は不明だが
何かしらの設定はある模様。
性能は前述の通り当時(1940年代)の日本と大差がない部分がほとんどであるが、
など、電気系の技術は当時のアメリカ並みである。
しかし、その一方で「次世代を追及する力」に欠けており、誘導弾の概念が無いなど致命的な部分もある。おそらく転移前の
ライバルが一国しかいなかったこと、その一国も十分勝てる相手だったことなどから発展の必要性に迫られなかったのだろう。
加えて、地球では第二次世界大戦以降に驚異的な発展を遂げたロケットエンジンやジェットエンジンは全く実用化されていない。
ロケット弾自体は存在しているようだが、それを使った兵器が開発・運用されている形跡は今のところ見られない。ジェットエンジンは「未だ構想段階」とされ、実験段階ですらない模様。
尤も地球においても、ロケットは第一次世界大戦の時点で「命中率が悪い旧世代の装備」と認識されていたが、戦間期にロケット以外の兵器開発を制限されていたドイツによって一気に開発が進められたという経緯があり、他国を国力で圧倒していた彼の国では省みられていなかった可能性がある。
傘下組織
登場する主な兵器
併記された名称は、類似または酷似している現実世界で実在もしくは計画があった兵器
陸
海
空
登場人物一覧
皇族
政府関係者
軍関係者
企業関係者
各国との関係
主要国
- 神聖ミリシアル帝国 - 「この世界で唯一の脅威」と認識していた
- ムー - 工業面の発展は評価しつつも、軍事面は「前時代的で話にならない」という扱いだった
- 日本国 - ある程度実力を認めてはいたが、負けるとは微塵も思っていなかった。総力を挙げた侵攻を一蹴されたことで、ようやく絶望的な戦力差があることを理解した
- 古の魔法帝国 - 今のところ存在を信じていない
滅ぼした国
属国化した国
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〔最終更新日:2023年03月21日〕
最終更新:2023年03月21日 12:25