ぐら・ばるかすていこく
概要
第二文明圏ムー大陸の西方5,000kmの海域に突如として現れた国家。首都は帝都
ラグナ。人物/兵器の名前は宇宙関連用語に由来したものが多い。
みのろう氏曰くプライドが高く極めて攻撃的な国。
種族としては
人間種が中心となっているようで、魔力感知レーダーに微かに感知されることから、同じ転移国家の
日本国と同様、魔法を使わないだけで僅かだが体内に魔素を保有している模様。また異常なほど生命力が高い描写が複数あり、
溶岩に呑まれても即死しなかった。
今のところ政治体制は不明だが、「罪深き王国パガンダ」に「国会」の記述があり、国会議員である
ギーニが登場していることから、議会が存在するのは確実。しかし皇帝の占める権限はかなり高いと思われる。また皇帝の
真の平和のために全ての国はグラ・バルカス帝国に統治されるべきというナチスドイツ並みの選民思想を元に拡大政策をしていることが判明している。
周辺諸国を容赦なくあっと言う間に配下に収め、第二文明圏全体に対して宣戦を布告するなど、この世界の常識が通じない無茶苦茶な事をする国と認識されている。高い技術力と軍事力を以て、瞬く間に世界中に名を知らしめたが、まだ多くの国にとってその全貌は謎に包まれている。
その正体は日本と同じく
異世界より転移して来た国家。この世界の常識が通用しないのはそのため。別名の『
第八帝国』は、前世界『
ユグド』の歴史が関わっている。転移前に存在していた惑星ユグドでは、世界最強国家の地位にあった。
本土のみ転移したため、広大な属領と植民地を失なったが、偶然戦力の大半を本土に集めていたため軍事力はほとんど低下していない。
転移直後は混乱していたものの、自国の圧倒的な優位性に活かして周辺国を侵略していく内に
文明圏の存在を知ると、皇族からも未知数の相手への慎重な外交政策を求める意見が相次いだため、外交交渉による国交締結を模索するようになる。。
しかし、プライドの高い
レイフォル方面のみにコンタクトを取ったことが仇となり、レイフォルと属国にさんざん軽くあしらわれた挙げ句、遂には
パガンダ王国により交渉に赴いた皇族
ハイラスを処刑されたことで強硬派が台頭、再び軍事力による侵略に方針を転換。
報復のためパガンダ王国をわずか7日間で、
列強の一角とされる
レイフォルもわずか5日間で滅ぼしたことで、それまで警戒していた文明圏や列強を一気に軽んじはじめる。ここまでなら一定の正義はあったが、それだけでは留まらず「列強の一つとされるレイフォルですらこの程度だった」ことから、前世界でも世界征服を目論んでいた事から「これなら、この世界の征服も容易」と思いあがることになる。
しかし異世界を見下しているにも関わらず
魔法に対しては何故か過剰なまで恐れており、自分たちの理解できないことが起こると真っ先に魔法と疑うことが多い。しかし
空間の占いだけは頑なに信じていない。
中央暦1642年の
先進11ヵ国会議の席上にて、ついに「全世界を征服する」と宣言し、さらに会議に集まった各国の艦隊を強襲する暴挙に出る。これに加えて、非協力的な捕虜の公開処刑を行い、各国を激昂させることになった。
しかし、元々は捕虜に対する拷問を禁じる方針が存在しており、人権という概念が皆無だった訳ではない模様。尤も敵対国の民間人居留地区に対する無差別攻撃もお構いなしに行っており、今はこの方針は全く機能していない。また
イシュタムの所業や恫喝外交、転移前からの植民地への徹底的な弾圧を見るに、元の世界でも
パーパルディア皇国並みの恐怖政治をしていたらしく平常運転の可能性が高い。
他国の動きを警戒してか、本国の位置や首都名すら秘匿しており、グラ・バルカスとの接触は旧レイフォル首都の
レイフォリアに限定されている。
ただし、日本が
情報収集衛星で調べ上げた本国の位置情報を
神聖ミリシアル帝国などに提供してしまった為、これらの努力はほぼ水泡に帰している。
なお、本国はミリシアル皇帝
ミリシアル8世が「辺境の島国、小国」と評している事から、本土面積はそう広くはないと見られる。
日本についても調査はしていたが、
「日本も自国と同じ転移国家であること」には気付いていながら、「日本には自国の常識が通用しないこと」に気付かないという、大失策を犯してしまう。
自国の常識で判断した結果、戦闘機の保有数が少ないことや
パーパルディア皇国を植民地化しなかったことを根拠に、「日本の国力は大したことがない」と致命的に評価を誤っている。
日本が部分的に自国の技術力を超えていることも一応認識してはいたが、距離のせいでこちらも情報が足りておらず、その結果、自ら敗戦に向け突き進んでいった。
一方で日本国の方は衝突前から帝国のことを警戒しており、核の保有も念頭に監視していた。
バルチスタ沖大海戦で
世界連合艦隊に辛くも勝利した後、
ムーへの侵攻を開始するが、ここに来て日本が本格的に参戦した事により戦況は一変する。自分たちの国よりも遥かに高性能かつ高威力の日本の兵器の前にそれまでの連勝が全て嘘だったかの様な
惨敗が続き、遂には皇太子
グラ・カバルが
日本側の捕虜になる事態が発生。
皇太子を捕らえられるという未曾有の事態に、帝国はカバルの解放を要求するも、日本は拒否し交渉は決裂。これに激怒した帝国は
1,400隻を超える大艦隊、海・陸各航空隊と
超重爆撃機を含む1,600機余の航空機を投じて「日本懲罰作戦」を発動するが………
日本側にはまったく何の損害も与えられず、1,100隻以上の艦艇と投入した全航空機を失い、参加将兵の8割以上が戦死する帝国史上空前の大敗北に終わった。
この決定的大惨敗により、ようやくグラ・バルカス政府は
- 日本の軍事技術が帝国のそれを圧倒的に上回っていること。
- 不十分な調査と分析のせいでその事に気付かず評価を誤っていたこと。
- レイフォルまで陥落すれば「帝都も危険」である。
という事実を突きつけられ、震え上がることになる。
まさに後悔先に立たずの状況に追い込まれてしまったが、あきれた事にこの期に及んでも
グラ・バルカス側で「日本には絶対に勝てない」と正しく認識している者はごくわずかだった。
軍部では防衛に徹する事を選択するが、日本の軍事力の高さを認識してもその詳細の全てを把握できているわけではなく、
ダラスら皇帝のシンパに至っては何とか日本を破ろうと躍起になり、
ヒノマワリ王国などの属国を帝国の盾にする為により過激な圧力をかけ始めるが、そのせいで背かれて逆に日本やムー側へなびかせる事態を起こす有様。そうして引き起こされたヒノマワリ王国の解放、
レイフォリア沖海戦と
ラルス・フィルマイナ失陥を経て、レイフォルの帝国軍は遂に壊滅。帝国そのものが
ムー大陸から叩き出されてしまう。
ここまで追い詰められた結果、やっと…本っ当にやっと
「日本にはどうあがいても勝てない」という正しい認識が政府全体に浸透した。が、時すでにどころかとっくに遅しの状況のため、もはや出来るのは
- 今後は本土防衛に徹する
- 軍事力を強化しつつ和平の道も模索する
それだけであり、事実上の敗戦である。
一方で、
日本以外の異世界軍には負けることはないという認識は相変わらず……。日本ばかりに気を取られて他の文明圏の調査に手を回せていないのか、どうも
震電改や
オリハルコン級魔導戦艦、
極みの雷炎龍の存在を把握していないようである。さらに国家転移という現象を体験したのにも関わらず魔帝の復活を頑なに信じようとしていない。最早ここまで来ると滑稽ですらある。
軍事技術
地球でいうところの1940年代の技術力を持ち、グラ・バルカス帝国海軍の戦闘可能艦艇数は、バルチスタ沖大海戦までに790隻にも及ぶ膨大な戦力を有していた。
仮に戦闘可能艦艇が「艦隊戦闘に従事する軍艦」を意味し、船団護衛艦やフリゲートといった戦闘を主としないものを省いた数とすると、その数は
第二次世界大戦終結時のアメリカ合衆国海軍の全戦力に匹敵する。ただしこれだけの艦隊を維持するのは帝国本土だけでは到底無理らしく公式曰く
「全然大丈夫じゃない」とのこと。
一方で陸軍は海軍と比べると物量はそれほどでもなく、時間をかけて増強してもムー大陸に32万人しか集めることしかできず、方面軍だった関東軍が最大74万人だったのを考えると相当見劣りする数値になっている。戦車も九七式中戦車と九五式軽戦車相当の二号戦車ハウンドと二号戦車
シェイファーが最新で重戦車はない。また完全に機械化している師団は第四師団しかない。このことからユクドは陸戦よりも海戦が重視される世界だったと思われる。
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ちなみにアメリカ軍は…… |
1945年9月の段階で戦艦20隻前後、各種空母合わせて100隻相当を保有していた。ミリシアル帝国の保有艦艇数を遥かに凌駕している。
ただし、これはあくまで「海軍大国だった大日本帝国、いっときはヨーロッパをほぼ席巻したドイツ第三帝国という強敵相手に全面戦争していた」という背景がある。
確かに第二次世界大戦終結時には既にソ連とぶつかりがちだったのだが、陸軍はそれなりに強い(と言っても、WWIIはアメリカのレンドリースに頼りきりだったのだが)ソ連だが、海軍は貧弱で大西洋もしくは太平洋を越えてアメリカ本土を攻撃してくる力はないと考えられていたし、海軍も陸軍も動員解除により3年経たないうちにスカスカになっている。軍艦も乗員の復員により即動できない状態の艦ばかりだった。
つまり、アメリカでもこれほどの大軍は大陸間全面戦争という非常時でもなければとても維持できなかったのだ。戦時下で戦略物資統制をかけていたのはアメリカも同じことだった。
……という状態の1950年6月25日、突然朝鮮人民軍が38度線を突破して南進を開始、韓国の防衛線は数日で釜山周辺の僅かな土地を残して追い詰められた。アメリカ率いる連合軍は直ちに反攻作戦を立てなければならなかったが、とにかく戦力がない。特にドイツとの戦争は日本とのそれより4ヶ月以上先に集結していたため、陸軍に送り込める戦力がなかった。一方、政治家としての評価は避けるとして、軍事ド素人の李承晩初代大統領の元で発足したばかりの大韓民国軍は近代軍の体をなしていなかった。このため苦肉の策として、李承晩が大韓民国軍中枢から遠ざけていた韓半島出身の元日本軍将兵を起用することになる。
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情報収集の結果、同水準の実力を有すると判断した神聖ミリシアル帝国のみを脅威と捉えてた。
どういうわけか、
一部兵器の意匠が大日本帝国に酷似しており、日本側も不思議に感じている。原因は不明だが
何かしらの設定はある模様。また本編では明言されていないが、銃器はナチスドイツやアメリカに酷似していると思われる。
性能は前述の通り当時(1940年代)の日本と大差がない部分がほとんどであるが、
など、電気系の技術は当時のアメリカ並みである。
一方で潜水艦は見た目こそは伊四百型に似ているが、地球よりも歴史が浅いのか30年代には実用化されていたアクティブソナーが転移から数年経過するまで配備されておらず、騒音対策や戦術は30年代以前である可能性が非常に高い。
また「次世代を追及する力」に欠けており、誘導弾の概念が無いなど致命的な部分もある。おそらく転移前の
ライバルが一国しかいなかったこと、その一国も十分勝てる相手だったことなどから発展の必要性に迫られなかったのだろう。
加えて、地球では第二次世界大戦以降に驚異的な発展を遂げたロケットエンジンやジェットエンジンは全く実用化されていない。
ロケット弾自体は存在しているようだが、それを使った兵器が開発・運用されている形跡は今のところ見られない。ジェットエンジンは「未だ構想段階」とされ、実験段階ですらない模様。
尤も地球においても、ロケットは第一次世界大戦の時点で「命中率が悪い旧世代の装備」と認識されていたが、戦間期にロケット以外の兵器開発を制限されていたドイツによって一気に開発が進められたという経緯があり、他国を国力で圧倒していた彼の国では省みられていなかった可能性がある。最初期には回転翼機の開発をしていると言われていたが、中央歴1643年の時点では実用化できる水準に達していないと思われる。
それとは別に、ムーの航空機を見て
20年から30年ほどの技術格差があると評しているのだが...地球では
マリンクラスの九五式戦闘機から零戦が配備されるまで
5年しか経っていない。30年前だと第一次世界大戦まで遡ることになり、地球目線だと不自然な発言なのだが...
またムーとの総合的な差を50年ほどと評しているのだが、コミカライズでの描写やムーの詳細が明らかになった現在では、地球視点では精々10年ほどの差しかないように見える。
これらのことから、グラ・バルカス側はムーとの技術較差を、軍艦という非常に限定された分野で判断している可能性が高い。
傘下組織
登場する主な兵器
併記された名称は、類似または酷似している現実世界で実在もしくは計画があった兵器
陸
海
空
登場人物一覧
皇族
政府関係者
軍関係者
企業関係者
各国との関係
主要国
- 神聖ミリシアル帝国 - 「この世界で唯一の脅威」と認識していた
- ムー - 工業面の発展は評価しつつも、軍事面は「前時代的で話にならない」という扱いだった
- 日本国 - ある程度実力を認めてはいたが、負けるとは微塵も思っていなかった。総力を挙げた侵攻を一蹴されたことで、ようやく絶望的な戦力差があることを理解した。日本側からは激しく敵視されており、特に書籍版だと「下品な帝国」、「信用ならない国」等とボロカスに言われており、同じ転移国家としての同情は全くない。
- 古の魔法帝国 - 今のところ存在を信じていない
滅ぼした国
属国化した国
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〔最終更新日:2025年03月14日〕
最終更新:2025年03月14日 00:23