せかいかん
物語の舞台となる異世界は、地平線が17km先に存在する。そこから推測される惑星の大きさは、直径が
地球の
2.5倍、表面積は
6.3倍の巨大なもので、所謂スーパーアースに分類される星である。あまりにも広大すぎるため、当世界の住民も、現時点で(
日本国をのぞけば)最高の文明を誇る国家ですら全容を把握できていない。(web版の
ムーによれば、そもそも世界が球体であることを知らない国の方が多いらしい。)
その巨大さにも係わらず、重力加速度は9.8065m/s
2、気圧は平均1015hPa、大気も酸素が少し濃い程度で地球と非常に似通っている。太陽までの距離も約1.5億kmで地球と大差ない。自転周期も地球と同じだが、公転周期は6時間ほど長い。実は月が2つある。
星(世界)の名前は、統一されたそれが無く、作中では日本人をして「異世界」または「新世界」と呼称される。
住人は
魔石と
魔法を中心とした独自の文明を築き上げている。魔法力の活用により必要が生まれなかったため、ほとんどの国は機械(機関)が発生することなく、文化レベルは中世的な段階にとどまっている。しかし、
魔導通信など魔法を組み込んだ技術体系よって部分的には近世にせまるという非常にアンバランスなものとなっている。
ムーの様な科学文明国家は例外であるが、後述する"文明圏"が高度になるほど、機械(機関)と魔法を組み合わせた技術体系と文化をもった国家が(程度の差こそあれ)あらわれる。
物語の舞台となる異世界を地球で表すなら万国公法時代の地球である。
万国公法は、第二次世界大戦後、国連憲章が制定されるまでという、比較的近代後半まで使われていた「基本となる国際法」だが、その実態は極めて古典的かつ差別的であり「ヨーロッパのキリスト教徒がもっとも徳が高く文明的である」「アングロ・サクソン(つまり白人)がもっとも優秀で文明的な人種であり、それ以外は白人から離れるほど野蛮で非文明的で、白人や白人に類するヨーロッパ民族の国を一等国とし、上位の国は下位の国を好き勝手にしていいが、同等の国同士で争わんよーに」という内容である。
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えっ、じゃあ日本は…… |
そう、日本も、国際連合に加盟する1956年11月までは厳密には一等国ではなかった。
ただ、日本は他の東アジア諸国同様、侵略してくる西洋を「南蛮夷狄」と言って海禁政策を敷きながら打ち払っていたのだが、その為にかえって技術の取り入れが遅れ、18世紀頃には栄華を誇った中華帝国は、相対的に衰退しきっていた。
だが、そんな中でも日本は、国難に対してまとまる力、質はともかく数としての銃砲の保有数、資金力等が比較的高い上、相手の方が優れていると解ると拒絶するのではなく取り込んでしまうという非常に都合のいいオツムの持ち主性質のため、欧米列強に迫られ開国してから一気にその較差を埋めようとし、それを実現した。
白人キリスト教徒は野蛮なアジア人に自力で市民革命など無理だと決めつけていたのだが、流血と縁の切れない革命の歴史にあって、日本は戊辰戦争とは言うものの、それらと比べれば遥かに少ない損害で国をまとめ上げ近代国家に変身した。
そして、アジアの最強国家だと思われていた清、外様に近いとは言えキリスト教徒の白人が支配しているはずのロシア帝国を打ち破るとなると、日本を一等国として扱わないとかえって危険なため、いわば「みなし一等国」とされたのである。
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物語世界においては、
第一文明圏(
中央世界)が中心であり、その外周に
第二文明圏、
第三文明圏と続く。中央から離れるほど文明レベルが下がるとされる。
以前記載されていた「華夷秩序」ではなく「万国公法」に近いというのは、中央・第二・第三圏も、いずれも自身より格下の国の生殺与奪権を自分たちが握っている(と思い込んでる)点。
この秩序レベルに応じて、
列強国/
文明国/
文明圏外国家の三つに分けられる。国家間の格差は、文明圏外国家の技術力が中世程度であるのに対し、中央世界に君臨する
神聖ミリシアル帝国はテレビや航空機を作り出す
近代レベルの国家である。
ただ地球より較差が大きく見えるのは、どの国も基本的に、自国の優位性を保つため、自国の先進技術(特に軍事関係)を極端に秘密にするため。この為
アルタラス王国や
イルネティア王国の様に、地域の区分よりも独自に発展している国もある。
生活水準という点で見れば、地球と大差ない。日本の様に、ほぼ全土に電力網が張り巡らされて、よほどの事態でもない限り生活インフラが停止することがなく、だいたいどこの地方に住んでても一定以上の生活水準を保っていられるという国は極めて少数派である。
前述のとおり、
この技術的格差・文明度の高低はそのまま序列に直結する。上位文明国が下位文明国を見下し、態度で表すことは差別ではなく、世界の
常識である。国によって程度は大幅に違うとはいえ国家であろうと個人であろうと、上位者が下位者をどう無体に扱おうが許されるというのが通念として罷り通っている。それゆえの
"野蛮"である。日本国は転移直後から、この"野蛮"に散々悩まされることとなる。
列強国、文明圏諸国だけでなく文明圏外国ですら、自国より劣る国家に対し差別意識を持つ。そのため外交はいかに自国が格上かという頭を押さえつける未熟なやり方で、地球よりも露骨な威力外交、砲撃外交が多く見られる。文明度の高低に拘らず、相手を対等に扱うのは日本だけであり、それが様々な誤解や侮りを生んで無用の争いに巻き込まれる遠因ともなってしまう。
最近の情勢を見てると、あまり地球も人のこと言えないんだけどね。
とくに日本はこの惑星の出現地点が、第三文明圏(文明圏外)のさらに最果てであったため、受ける侮辱は並大抵のものではなかった。
星の裏側にもいくつかこの世界の住民が認知しない国があり、独自の文明を築いている。日本は
情報収集衛星からの写真によって星の全貌を認知しているが、それらの国との交流にはなかなか手が回っていない。
内容に関するQ&A
Q.日本国内の混乱を描かないのはなぜ?
A.そういう作品じゃないから。
みのろう氏も編集氏も「日本と異世界の戦記もの」をメインテーマにしている。
でもそういうことに関する裏設定はあるっぽい。
Q.自衛隊員が人を殺すなんてリアルじゃない!
A.そういう作品(
大体誰も頼れない世界で
自衛隊が戦わなければ誰が守ってくれるんだ?
現代の地球の基準を異世界に持ち込んではならない。いいね?
Q.いくらなんでも
自衛隊が無双しすぎじゃない?
A.そう言う作(
コミカライズ版をどうぞ。ロウリア軍が頑張ってるぞ!!
パ皇については……その……お察しください。
Q.もっと政治的な紛糾が見たい!
A.そういう(
二次創作でやってください。
Q.異世界の国がどこもかしこもバカすぎない?
A.現実のほうが酷い
真面目に書くと、このQ&Aができた頃は、正規軍同士の全面戦争ましてや侵略戦争が起こるなんて、夢物語だと考えられてたのよ。だから現実に無茶苦茶な理由で開戦するなんて思いもしなかった。
そもそもバカしかいないと言うけど、作中でもクワトイネ、ムー、ミリシアル等の大半の国は、冷静に分析して敵対せずに協調路線に舵を切っている。
そして敵国は某国のせいで、開戦理由が荒唐無稽じゃなかったと判明したからね....むしろ動機や責任の所在がハッキリしているので、現実よりもマシだったりする。
ちなみに
みのろう氏いわく地球人同士でも同じようなことは起こっていたらしい。
そしてインターネットがある今の時代に、地続きの隣国相手に同じような判断で、侵略して返り討ちにあっている国が現実に出てきてしまった。
(小説家になろう感想欄より抜粋)
みのろう [2019年 05月 03日 20時 55分]
第二次大戦のアメリカでさえ、中国でゼロ戦に被害与えられまくってて、現地からも何回も報告が、来ていたのに、「アジア人にそんな物が作れる訳がない」と、真珠湾攻撃で大打撃を受けるまで本格的には気づきませんでした
日本のアメリカに対する評価はさらに酷いものです
作中のグラバルカス帝国はそこまで酷くは無いと、考えてます
インターネットの無い時代は本当に情報精査と伝達が現代では考えられない事が起こってました
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ただ、この作者の認識は若干旧い“定説”とも言われている。 |
というのも、中国でガンガン落とされていたのはソ連のI-15、I-16、アメリカのP-40(初期型)なのだが、複葉のI-15はまず論外。I-16は引込脚だが日本で言えば九六艦戦と同世代。
アメリカは陸軍の単発戦闘機の開発が二転三転していて、P-40にしろP-39にしろ、高々度性能不足の、はっきり言えばドイツのBf109E~やイギリスのスピットファイアに勝てないどころかハリケーンにすら付け入る隙のある機体ばかり、航続距離もアジア・太平洋戦線を考えると充分とは言えなかった。
それに対して、海軍のF4Fは艦上機故に、低・中高度での格闘性能に繋がる翼面荷重は日本機ほどデタラメではないが低めであり、航続距離も本体搭載燃料だけで1200kmを越えたため、その程度の性能だろうと想定していたわけだ。
で、実際どうだったかと言うと、ライトな大東亜戦争マニアにとってはやられメカの代名詞にされがちなF4Fだが、後継のF6F・F4U登場後も重量級の2000hp級のこれらの機体の運用が難しい護衛空母や海兵隊の近接支援用として、グラマンにF6Fの生産とXF8Fの開発にリソースを向けさせるため製造をゼネラルモータースに移しつつ終戦直前まで製造されており、最終的なキルレシオでは15:1くらいで零戦をボロッカスにしている。
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Q.
在日米軍はどうしてるの?
A.現実の米軍は本国からの命令がなければ絶対に動かないから、
みのろう氏も基本的に動かさないスタンスを取っている。
編集氏もその意思を尊重している((編集氏が以前ツイートしていたが、現在そのツイートは削除されている。
一応
自衛隊に空母の運用ノウハウとか教えてくれてるらしい。
もうちょっと言うとジョージ・ワシントンの燃料棒交換の時期が4巻の辺りで着てるので動かしたくても動かせないというのもある。
Q.在日外国人はどうなったの?
A.一緒に新世界に転移したらしい。
日本国籍取得したり、自国の文化を保全しようと活動してる。(書籍版)
Q.国後島と択捉島も転移しちゃってるけどそこの人たちは?
A.アレです。政治的に面倒なことになるので触れないでください。あちらではなくこちら側で。
「日本政府が日本固有の領土と主張する部分」はすべて作中世界に来ているのだそうな。
なので南樺太は転移していない。
Q.転移の範囲はどのくらい?
A.領海まで。排他的経済水域は含まない模様。
転移深度は不明。海底ケーブルのたぐいはすっぱり切断されており三巻の終わり辺りで回収してるらしい。
Q.現実の日本とどう違うの?
A.転移前の歴史などについては
現実とは微妙に差異がある模様。
一部例を上げるなら
1:安倍晋三内閣ではない(政党名も出てこない)。
2:転移当日の
自衛隊や
海上保安庁等の人員装備等は全て国内。
3:一部企業の名前が違う。
他色々。
転移後については
こちらおよび
こちらをどうぞ。
Q.web連載と書籍ってどのくらい違うの?
A.基本のストーリーは一緒だけどほとんど別物。
書籍版では
とんでもない量の加筆によって原作にはないエピソードや強化された設定が盛り込まれ、一巻発売直後には「原作がダイジェストに見えてきた」という声まで出ていた。
買って損はないと思う。
あとWeb版は時間が二年ほど早い(転移が書籍版2015年に対しWeb版は2013年)。
Q.誤字脱字見つけたんだけど。
A.Web版はブログのその話のところのコメント欄に書き込んでください。
書籍版は『#
日本国召喚』タグを使ってツイートしてください。ツイートに抵抗がある場合は
管理人に送ると代わりにやっておきます。
書籍版は、必ず「○版第☓刷発行」なのかも付けてください。
Q.作中の内容について疑問があるんだけど
A.大変ありがたいことに、公式Twitterでお伺いするとお答えいただけることがあります。
ただし、お答えしてくださる編集者様は大変お忙しい方です。すぐに返答が来るとは限りません。
ツイートする前に、必ず自分の疑問が過去に聞かれていないか、確認の上でお願いします。そしてツイートしたら気長にお待ち下さい。
また、その疑問はこのwikiに記載済みである場合もあります。よく確認してください
催促はもっての外。
漫画版については、高野様が出来上がったものに対して原作サイドにOKを頂く、という流れを取っているようです。
高野様の解釈に
みのろう先生がOKをだして発表された二次利用作品らしいです。
そういうこともあり、独自の設定が存在するらしく、しかしそれは高野様に質問しに行かぬようお願いします。
みのろう先生も編集者様も関知していないものが存在するようです。
ただし、応援のメッセージはどちらも可。どんどん送って問題ありません。
Q.外伝多くない?/もっと本編進めてほしい!
A.よく勘違いされるが、書籍特典と外伝は全くの別物であることに注意されたい。
人によっては本編の進みが遅いと感じるかもしれないし、それは仕方のないことだけれどみのろう氏も編集氏も相当な負担がかかっていることを忘れないでほしい。
無暗な更新の催促は絶対にダメ。しっかり肝に銘じておこう。
Q.日本以外の地球の国を転移させて欲しいです。
A.作者さんにそのつもりはないようです。
(小説家になろう感想欄より抜粋)
みのろう [2016年 07月 07日 14時 03分]
地球の他の国が飛んで来る予定はありません。
これは、私の主観ですが、タイムスリップの戦記を読んでいて、実は敵国にもタイムスリップした者がいて、同じ時代の何処かの組織と戦争になる話がありますが、私はがっかりしてしまいます。
なので、地球の他の国は登場させる予定はありません。
付け加えるなら、見方を変えれば既に出ています。
ムーがそうです。
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〔最終更新日:2024年03月09日〕
最終更新:2024年03月09日 22:35