辺りの静けさで、まだ授業中だったのを思い出した。
「教室、戻ろうか」
「うん」
私とゆたかは教室に向かって歩き出した。
「今の少しの間で…昨日まで見たことないみなみちゃん、いっぱい見ちゃった」
途中で、ゆたかがふと言った。
教室でおもらししそうになってた私。
おしっこがもれそうでまともに歩けなくて、トイレまで支えてもらった私。
ゆたかの目の前でいきなり泣き出した私。
涙が止められなくて、足元に小さな水たまりができるほど泣いた私。
おしっこがもれそうでまともに歩けなくて、トイレまで支えてもらった私。
ゆたかの目の前でいきなり泣き出した私。
涙が止められなくて、足元に小さな水たまりができるほど泣いた私。
恥ずかしい姿が、順番に思い出される…。
それに、泣いたせいで目の辺りが熱っぽいのに今さら気付いた。
きっと、見た目も腫れてひどいことになってるだろう…。
きっと、見た目も腫れてひどいことになってるだろう…。
「……呆れた、よね」
思わず自嘲する。
「え!?」
ゆたかはなぜかびっくりしたようだった。
「思い出すだけで…恥ずかしいことばかり」
「そんなことないよ!」
ゆたかが真面目な顔で打ち消した。
「おもらししそうだった時のみなみちゃん…かわいかった。
夢を見てるみたいにぼーっとした目とか、
見てて何だかどきどきしちゃったもん…」
夢を見てるみたいにぼーっとした目とか、
見てて何だかどきどきしちゃったもん…」
「………!?」
私は真っ赤になった…。
「泣いてる時もそうだった。
私みたいに大きな声で泣くんじゃなくて、静かで大人っぽくて…。
綺麗な人は泣いたって綺麗なんだなぁって、羨ましくなっちゃった。
涙を拭いてあげるのも忘れて、自然に泣き止むまで黙って見ちゃった…。
涙もきらきらしてて…落ちたら宝石に変わるんじゃないかって思ったぐらい」
私みたいに大きな声で泣くんじゃなくて、静かで大人っぽくて…。
綺麗な人は泣いたって綺麗なんだなぁって、羨ましくなっちゃった。
涙を拭いてあげるのも忘れて、自然に泣き止むまで黙って見ちゃった…。
涙もきらきらしてて…落ちたら宝石に変わるんじゃないかって思ったぐらい」
「………」
頭から蒸気が出そうだった…。
照れたんじゃない。
ゆたかが本気で心から褒めてくれているっていうのは感じるけど、
そんなことを褒められても恥ずかしいだけで…。
もし私がおもらししてたら、おしっこまで綺麗とか言い出したんじゃないか。
そんな気さえした…。
照れたんじゃない。
ゆたかが本気で心から褒めてくれているっていうのは感じるけど、
そんなことを褒められても恥ずかしいだけで…。
もし私がおもらししてたら、おしっこまで綺麗とか言い出したんじゃないか。
そんな気さえした…。
その後も、ゆたかは私が恥ずかしそうなのを見て、逆にもっと褒めてきて…。
これ以上言われたら、恥ずかしくて倒れてしまいそう。
そう思ったところで、幸い教室に着いた。
これ以上言われたら、恥ずかしくて倒れてしまいそう。
そう思ったところで、幸い教室に着いた。
教室に入ると、みんなが私を一目見るなり気の毒そうな表情になった。
「ああ、この表情は…」
「思いっきり泣いた後っぽいし…」
「だめだったんだね…」
「あの状態じゃしょうがないよな…」
みんなが口々にそんな事を言っている。
「……?」
私もゆたかも、みんなの言っている意味が分からなかった。
「あちゃー…その様子だと間に合わんかったようやな」
「え…」
黒井先生の言葉で、私とゆたかはやっと事態が飲み込めてきた。
「まー、気ぃ落とすな。おもらしなんて大した失敗やないって。
泣くだけ泣いたんやろ?もう忘れーな」
泣くだけ泣いたんやろ?もう忘れーな」
「え、え、ちょっと…」
おもらし寸前の状態で出て行って、明らかに泣いたばかりの顔で戻ってきた私。
おもらしして泣いたと誤解されて当然だった。
戻る前に顔を洗えばよかった…。
おもらしして泣いたと誤解されて当然だった。
戻る前に顔を洗えばよかった…。
…まあ、別にいいや。些細な事。
ゆたかが立ち直ってくれて、ゆたかと元の仲良しに戻れただけで、私は…。
ゆたかが立ち直ってくれて、ゆたかと元の仲良しに戻れただけで、私は…。
「ち、違うよ!」
ゆたかの方が慌てて否定し始めた。
「みなみちゃん、そんなので泣いたんじゃない!
みなみちゃん、おもらしなんかしてないよ!
ほら、スカートだって全然濡れてない!」
みなみちゃん、おもらしなんかしてないよ!
ほら、スカートだって全然濡れてない!」
ゆたかは私のスカートを掴んでみんなに示した。
「ほら、横も!後ろも!こっち側も!」
ゆたかは私の体を90度ずつ回転させて、スカートがどこも濡れてない事を示した。
「ゆたか、落ち着いて。私はいいから…」
私が言う間もなく…
「ほら、スカートの中だって…!」
ばさっ。
ゆたかが、私のスカートを思いっきりまくり上げた。
私のスカートの中が、教室の全員の前に露わになった…。
私のスカートの中が、教室の全員の前に露わになった…。
教室の中が凍り付いた。
「あ……」
ゆたかは我に返ってスカートを離してくれた。
…でも、遅かった。
…でも、遅かった。
誰かが、ある色名をつぶやいた。
それは、私の下着の色を正確に描写した色名だった。
ばっちり、見えたということ。
それは、私の下着の色を正確に描写した色名だった。
ばっちり、見えたということ。
下着は濡れてない。それはさっきトイレで確認した。
だから、おもらししなかった事の証明はできたと思う。
ありがとう、ゆたか。
だから、おもらししなかった事の証明はできたと思う。
ありがとう、ゆたか。
でも…。
そこまでして証明することだったのかな…。
今のって、おもらししたって思われるより恥ずかしい気がしてならないよ…。
そこまでして証明することだったのかな…。
今のって、おもらししたって思われるより恥ずかしい気がしてならないよ…。
教室に戻るまでの会話で既にキャパシティを超えかけていた恥ずかしさが、
今ので一気に限界を振り切った。
今ので一気に限界を振り切った。
しゅー………ぼん。
頭から蒸気が出るのを感じて…。
……ぱたっ。
私は、気を失った…。
(おわり)