-
【結婚式】
さて、めでたいといえば結婚式、結婚式と言えばウェディングケーキ。
“ご夫婦初めての共同作業でございます”と司会者が言うあのケーキ入刀であるが、
どうも業者の陰謀臭い、と思っていたら案の定、
「バレンタインデーのチョコレート」を製菓会社が仕掛けたように、ウェデイングケーキも、
フランスの菓子職人が考案。結婚式にケーキが必要な根拠はハナからナシ。
なのだそうである。さらに、
キャンドルサービスはロウソク会社が仕掛けた。
んだそうだ。ところで、先の一行知識で根拠はない、と断言していたが、
別の投稿者によるとそうでもないそうで、
ウェディングケーキの原型は「パンの山」で、招待客が持ち寄ったパンを山のように積み上げて、
その山越しに愛を契ったのが始まり。やがてパンがケーキに転じたらしい。
「パンの山」は豊かさと幸せの象徴である。
と、いうこと。
ウェディングケーキはローマ時代には「花嫁の頭の上」で切られていた。
というのもあったが、どうやって頭の上で? と疑問がつきない一行知識である。
「めでたいといえば結婚式、結婚式と言えば」の「いえば」が表記不統一なのは原文ママ。
この本に書いてある結婚式関係のトリビアはこれが全部で、
聞きかじりの陰謀論と根拠薄弱な説ばかりを並べているようなのは、ある意味すごいと思う。
「『段重ねのウェディングケーキ』は誰の結婚式から始まった?」をリンク集代わりにして、
そこからいろいろたどれるが、ウェディングケーキの原型は、
砕いたビスケットなどを花嫁の頭上に投げる古代ローマの習慣だとしているところが多い。
ライスシャワーに似た話に思えるが、小麦を投げる習慣がまずあって、
それから後で拾って食べることのできるビスケットなどに変わり、時代が流れるとまた
小麦や米が投げられるようになったそうだ。
ウェディングケーキの起源には諸説あり、
「ギリシャのロードス島で作られたジンジャーブレッドなどの香料入りのケーキ」とか、
古代ギリシャで「ビスケットやパンを『将来食べ物に困らないように』との意味を込めて
二人で分けて食べた」としているところもある。
どちらにしても、唐沢俊一の紹介する「根拠はハナからナシ」説は乱暴にすぎるだろう。
結婚式の招待客に、お菓子をふるまう習慣には、特に首をひねる要素はないし。
陰謀論を唱えた人の頭には、昔に流行った背の高いウェディングケーキ
(日本では石原裕次郎の式で使われたのが最初とされる、あれ) が
あったのかもしれないが、ウェディングケーキといわれてまず頭に浮かぶ段重ねのケーキは、
「フランスの菓子職人が考案」したのではなく、イギリスのものが原型。
18 世紀にイギリスの菓子職人ウィリアム・リッチが考案し、
ヴィクトリア女王の結婚式でも使われ、「これ以後ウェディングケーキは結婚式に欠かせない」
ものになったとのこと。
フランスの結婚式では、シュークリームを飴で積み上げるクロカンブッシュが有名。
「パンの山」説は「結婚式の招待客が、持ち寄ってきた物を、1ヵ所に山の様に高く積み上げて、
この山が高ければ高い程に二人の生活が豊かになると言われていました」に似ているし、
まともな説のように思えるが、パンに限定しているのと、
「山越しに愛を契った」というのが少々気になる。
で、P.20 の表題にもなっている、
「ウェディングケーキはローマ時代には『花嫁の頭の上』で切られていた。」は、
今のようなやわらかいケーキが作られるようになったのは 17 世紀以降とされているし、
ガセと考えてよいだろう。
テレビの「
トリビアの泉」の方で取り上げられていた、
「花嫁の頭の上に投げつけ割っていた」の方が正解と思われる。
最終更新:2017年05月21日 21:40